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すごく古い作品かと思いきや、2014年の作品なんですね。(電子化は2016年)
意外と最近。
つまり、これは、全寮制男子校BL全盛期の真っ只中に書かれたものではないんです。
もはや、今となっては完全にネタとなってしまったBLの「全寮制男子校」あるある。
例えば、
ここはヨーロッパか?みたいな貴族の館みたいな校舎(寮)……とか。
やたら絶大な権力を持ってる生徒会……とか。
そんじょそこらの女よりも遥かに麗しいマドンナ(男)の存在……とか。
オールホワイトの詰襟……とか。
「貴様」呼び……とか。
つまりコッテコテベタべタの「全寮制男子校のお約束ネタ」が、そこかしこに登場するんですね。
そんな魔空間のような全寮制男子校に、外部から転入してきた主人公・峰井(攻め)。
なんじゃここは?
浮世離れしたこいつらは、いったいなんなんだ??
と心の中でツッコミまくる峰井に、同調しながら読むって感じです。
雛様と祭り上げられているマドンナ的存在の比名見も、これまたお約束のツンデレキャラ。
そのコッテコテぶりを楽しむ学園ラブコメで、思っていたよりも楽しく読めました。
家庭の事情で、音楽学校から全寮制の名門男子校に編入してきた峰井。
新たに通う学校には、「雛様」と呼ばれる制度があり、美少年・比名見がその任を負っていた。
また一般学生が青い学ランであるだけでもびっくりなのに、生徒会役員は白い学ランなんてぶっ飛んだ見た目に学園中をぐるっと囲う高い塀、妙に偏った「女」への思い……
共学の音楽学校に通っていた峰井には唖然とするばかりで。
中でも一番わからないのは、「雛様」と呼ばれる制度。
毎年人気投票で一番だった男子生徒が「雛様」に選ばれるというところまではさておき、パートナーとなる仮の「内裏」まで決められる……というのだ。
ひょんなことから、仮の内裏に任命されてしまった峰井は比名見と行動をともにすることになり……
というずれまくった山奥の全寮制男子学園物を想像していたんですが、峰井はとても良識的で、長いものに巻かれはするけれども、心まではずらしてはいなくて、それなりに納得はできる。
しかし、BLなので、「好きならばしょうがない」ルールが発動して、最後はラブラブいちゃいちゃにもきちんとなります。
非常識と常識のバランスがいい作品でした。
ファンタジーですけど……
夏目イサク先生のイラスト目当てに購入したものの、砂原先生だしストーリーも期待していたのですが…。残念ながら、今まで読んだ砂原先生の作品の中では一番面白くなかったです。
まず最初に、いくら全寮制とはいえ、あまりにも時代錯誤な男子校の風紀についていけず、更にその中で「お雛様」と生徒達に愛でられ自らもその立場に馴染みきっている受けに、攻め以上にドン引きし、最後に、他校の女生徒襲来で今まで崇め奉っていた「お雛様」に攻め以外の全校生徒が掌を返してしまったところで、やっぱ無理…と思ってしまいました。
ところどころに美味しい描写はあるので、たとえばこれが大正時代くらいの設定で、内容ももっと徹底してコミカルよりであれば、読み物としては面白かったかもしれません。
でもイサク先生のイラストは二人のキャラにすごくマッチしていて可愛かったので、買ってよかったとは思いました。
電子書籍で読了。挿絵有り。
『名は体を表す』と言いますが、まさしく『全寮制男子校のお約束事(ただし、BL仕様)』がこれでもか、これでもかと出て来ます。その様式美にウットリするんじゃなくて、転校生の峰井くんと共に「ありえねー」と笑いながら読むわけですから、ある意味、リアル社会寄りのお話です。学園を取り囲む刑務所のような高い煉瓦造りの塀の中に、学園祭行事のためにお嬢様学校の女生徒が入ってくれば、比名見くんを神のように崇めていた男子生徒たちが、あっという間にそちらに夢中になっちゃうのも、すごくリアル。この年頃の男の子って圧倒的に『ルックス重視の流行もの好き』だもんなぁ(笑)。
でもその中で、比名見くんを神格化していなかったが故に、比名見くんに人として接してきた峰井くんだけが惑わされないという所が『BLという恋物語』のキモなんだと思います。
ハッ!?これも『お約束事』なのか?ひょっとして。
でも、比名見くん、可愛いものねぇ。傲慢かと思えばいじらしいし、責任感はあるし、初々しいし。同時収録の『全寮制男子校の恋愛事情』は、そんな比名見くんを愛でるだけで楽しかったです。
砂原さんが「楽しんで書いているんだろうなぁ」と思える踊る文章。
読後、幸せになれます。
トンデモ男子校の設定が面白い(・∀・)ノ
学校を上げて「雛様」と呼ばれる男子を一人選出する。
誰よりも美しく、愛される人物。
家庭の事情で全寮男子校にやってきた攻は驚愕し、
雛様との思いがけない出会いから~なお話です。
全体的に「いやいやいや」な展開が続くわけで、
うっかりな行動がまさかの展開を見せ、とても楽しい。
楽しいのだが、女が介入することであっさり陥落されちゃう
男どもが見ててなんだかなー・・と思ってしまう。
雛様に夢中で、あんなにハッスルしていたものが、まるで夢でも覚めるかのように。
読んでてもなんか急激に冷めたorz
ただ、そんな最中でも攻だけは変わらない。
まっすぐ前だけ見てる感じが好きでした。
惑わされないっていうか。
そもそも女を知ってるからなのかもしれませんが。
最後に、贅沢をいうなら気持ちのシフトやなんやらが
もう少し丁寧にあれば嬉しかったかな。