公安の蛇に愛された鑑識員、恋の受難!?

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表題作デンパ男とオトメ野郎

西村和巳,警視庁公安総務課の管理官,32歳
柏木聡,警視庁刑事部鑑識課の警部補,35歳

その他の収録作品

  • 刑事Aを探せ!
  • 日常
  • あとがき

あらすじ

警視庁刑事部の鑑識課に勤める柏木は、夜の映画館で会った男と一夜の情事を楽しむ。だが、その男は「公安の蛇」こと公安部の管理官・西村だったことが判明する。公安がなぜ自分に近づいたのか――。そこには、二ヵ月前に起きたコインロッカー爆破事件が関係していた。だが、西村が柏木を抱いた理由はそれだけではないようで……?
仕組まれた『偶然』によって出会った二人のデンジャラスな愛の結末は!?

作品情報

作品名
デンパ男とオトメ野郎
著者
井上ハルヲ(オハル) 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)
レーベル
B-PRINCE文庫
シリーズ
デンパ男とオトメ野郎
発売日
ISBN
9784048653299
3.9

(121)

(47)

萌々

(45)

(17)

中立

(2)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
16
得点
468
評価数
121
平均
3.9 / 5
神率
38.8%

レビュー投稿数16

一冊で終わりじゃなかった

自分には久しぶりの警察ものです。
前から気になってた作品でした。
一日かけて読みましたがなんと!続きがあったのですね。
どうりでセックスして合間に事件が起こりまたセックスしての繰り返しで、あの宗教団体の事件はうやむやになるのかなあと思ってたら、最後のあたりで雰囲気が変わり不穏な未来を予告する内容があり。

振られては傷つきもう誰も本気で好きにならない、体だけゆきずりの関係でいいと思う主人公はよくありますね。
そして本気で好きになれる相手が現れ逃げようとするも心をこじ開けられ恋人になると。

主人公柏木も好感が持てましたが後半からは西村に興味津々でした。
天然デンパ男ぶりはどこまでが素なのか。柏木の嫌味も気がついていて流してるようでしたが。

公安の蛇こと西村ですが有能な彼も一人の恋する男ですね。最愛の人の前では素直でいたい。
実はなんとか柏木を守っていたのですね。読み手もそうとは知らず、噛み合わない会話と濃厚なエッチを楽しく読んでました。

これから降りかかる柏木の苦難とは?西村はそのとき?
西村も過酷な状況なのですね。せめて平和に柏木と楽しいひとときを過ごして欲しいです。

ところで西村は警戒してないようですが鑑識の検視官の仁科は絡んでこないのかな?元カレ?と同僚のままなのに全く存在感がありませんでしたね。

2

もっと落差があってもいい

とりあえず3冊(BreakThrough デンパ男とオトメ野郎ex.)まで読みました。

読後、何よりも心配になったのは、自覚していないだけで、私は本当はデンパ女だったのか?ということ。
というのも、受けが攻めのことをデンパ、デンパ言ってるのだけど、全然デンパには思えなかったんです。

ちょっとズレてるけどさほどでもない。
世間一般はこの程度で電波扱いするのか?
これを電波だと思えなかった私は電波なの??ヤバイな…….

ものすごーーーく不安になりました。
そしたら、皆様のレビューで「電波ではない」というのを散見してすっごくホッとした。


私自身、刑事物は読まない、ドラマも見ないので警察組織に超絶疎いというハンデがあるせいか、攻めと受けと住む世界が違うという強調部分がピンとこなくて悲しかった……。

攻めは警察庁に属する公安官僚で、キャリア組の超エリート(エリートというのもピンとこないので調べたら、警察学校上位の人しか公安になれないみたいですね)
受けは警視庁の鑑識課所属。

警察庁と警視庁の違いすらわかっていないところからスタートしたので、受けが攻めとの身分差をやたら気にして自分とは住む世界が違うと言うのだけど、その実感が湧かない。
私から見ると、二人とも同じ警察官だよね?くらいにしか思えないので、天と地ほども違うらしい二人の立ち位置が掴みにくかった。
受けに会いたくて公安の人間が鑑識課に行っちゃうとか、それがどんだけなのかがピンとこなくて悲しい……。
(これは作家さんが悪いのではなく、疎い私が悪いだけです)

「公安の蛇」と恐れられる攻めが、受けの前では一途な天然坊ちゃまになっちゃうところがいいなと思うけど、もっともっと落差があると良かったなぁ。
そして受けが攻めに対して感じる「おっとりさ」を殆ど感じることができなかったのが残念。
というのも、お育ちが良いゆえのおっとりした友人たちがいて、性格はそれぞれ違うけど鷹揚さが似通ってるんです。
本当に彼らって独特のおっとりさがあって、ちょっとした隙に滲み出てくるので描写が難しいのかもしれないのだけど、攻めからは漂ってこなかった……。

「刑事Aを探せ!」
これは面白かった。
「踊る大捜査線」は見た事がない私ですが、さすがに「事件は会議室で起きてるんじゃない」のセリフは知ってたから楽しめた。
でも「レインボーブリッジは封鎖できません!」は知らなかったので、下手すると攻めと同類かもしれない……


そして電子書籍(シーモア)にはあとがきがない代わりに、セブンネット&ビープリ応援書店書き下ろしSSが特典として収録されていましたが、あとがきも読みたかったなぁ……。

4

デンパ男?

話題になっていたので読んでみました。表紙を捲った瞬間、男らしい肉体美と妖艶さが溢れる口絵イラストにノックダウンされました。小山田あみさんのイラスト、大好きです。うっとり…。

警視庁を舞台にした警察官同士の職業モノです。中でも鑑識と公安というのは珍しい組合せですが、お仕事の描写と恋愛部分の描写が良い感じに絡んでいると思います。事件そのものは骨太な展開ながら全体的には(エロ)ラブコメで、最後まで楽しく読めました。特に「刑事Aを探せ!」は大変面白かったです。(刑事A、大好きなので)

ただし、タイトルの印象ほどにはデンパ男でもオトメ野郎でもありませんでした。攻も受も変わり者すぎるキャラクターは苦手なので、私は逆に安心して読めましたが…。あとがきでタイトルのことに言及されていたので、検討の結果なのでしょうね。

9

俺を好きになってもらえないだろうか

警視庁刑事部鑑識課、現場鑑識に籍を置く柏木聡。スプラッタ映画を見ていた映画館で腰を抜かしていた好みの男。その見知らぬ男と「同族」と知り、いきなりヤッてしまう展開。
その後、職場で行き合うエリートキャリア管理官がまさかのアノ夜のオトコ!
距離を置こうとする柏木とは対照的に「俺はおまえが忘れられない」と詰め寄ってくる西村。
二人の背景には宗教団体絡みの爆弾テロ事件。キャリアと現場の壁に悩み関係を絶とうとする柏木と、それに反して執着を見せる西村との対比。でも西村って変人でどこまでも好き好きと追ってくる天然男。捨てられ慣れしていて恋愛に何の期待もしていない柏木に「俺はおまえを捨てたりしない。」と迫る西村。王子様ですね〜。どうやら実際に実家も資産家のような?、謎の多い男です。
小山田あみさんの挿絵も、男二人の熱くてネチっこい交わりを、余すところなく描いて下さっています!

「刑事Aを探せ!」
これはガチですか?
本気で「湾岸署の刑事」を知らない人がいるのか?「レインボーブリッジ封鎖できません!」を知らない人がいるのか?
いや、これからどんどん「分からない」という人が増えていくのでしょうね…(しみじみ)
ともかく、世間知らずのデンパ男西村のズレっぷりがおかしい。

「日常」
荒々しくも甘いH描写の後、今まで仕事以外の色恋沙汰ではただの天然デンパとして描かれていた西村のダークサイドが!
ってこれ、完結してないじゃないですか!続きを待つしかないの?うーん。

8

BLらしい展開

なかなか面白い作品でした。
警察庁に勤める二人で、好みのサスペンスか?と思いきやお仕事の描写はほとんどなく、ちょっと不思議なキャラの攻めがコミカルに描かれる作品でした。

襲い受けの柏木がよかったです。淫乱ながら、本気では恋愛しないことにしている受けが、どんどんデンパ系攻めにはまっていくあたり。

一方、公安の蛇、西村は、柏木の前では超常識外れの一途攻めになってしまう。この辺り、ちょっとキャラが定まらないところがマイナスポイント。公安という仕事柄、全て策略かと思いきやそうでもなく、本気で世間知らずのお坊ちゃまのように描かれるのが非現実的。仕事では気の抜けない攻めが、受けに会うときだけほっとできる、そんな関係をリアルに描いて欲しかったなあと。

この二人で(事件を絡めた)続編を期待したいところ。


6

これって、デンパ?オトメ?

電子書店でフェアで安かったので購入。
『デンパ男とオトメ野郎』、『刑事Aを探せ!』、『日常』、『特典SS』が収録されていました。
この『特典SS』は、紙書籍購入特典の書き下ろしペーパーと同じ内容らしいです。

刑事もの、しかも公安!そして、デンパとオトメなんて!!とあらすじでワクワク♪
期待値が高すぎたせいでしょうか……。
ガッカリしました。
だって、全然オトメじゃないんだもん。
そして、デンパでもないんだもん。

確かに、若干、女々しい所はある。
若干、天然な所がある。

でも、それはオトメ&デンパじゃないっ!!
タイトルにつけるならもっと、突き抜けた、大袈裟なほどのキャラ設定にして欲しかった……

3

次巻に期待!

井上ハルヲさんの新刊で続編も予定されている作品です。
確かに終わってませんでした(苦笑
二人の関係はきちんと着地してますが。
とにかく読みやすい(エロページが多いとも)ので、一時間強で読み終えることが出来ました。

**********************
受けの柏木は警視庁鑑識課の警部補で、35歳になるカミングアウト済みのゲイ。
なりは軽薄そうに見せながらも実は男と別れる度に傷つき、その為にもう本気で男を好きにならないと決めています。

攻めは警察庁公安部の管理官で西村、32歳。
『公安の蛇』という二つ名を持ち庁内で恐れられていながら、実は本来はド天然で柏木にはデンパと言われています。
**********************

偶然を装い柏木と寝た西村ですが実は現場で一度会っていて、そこで柏木に一目惚れした為に立場を利用して調べ抜いたというのですから困った男です。
まあ事件絡みでもあったわけですが、それでも本人も忘れていることまで調べるって公安怖いですねえ(汗
惚れると後から傷つくと徹底的にその後西村を避けていた柏木ですが、そこは西村の粘り勝ちというか純粋さ勝ち。

タイトルにもなっている西村のデンパですが、デンパというよりも天然の方がしっくりきます。
なんとなーくデンパ男っていうと、イッちゃってるヤバそうな人という勝手なイメージがあって。
その点西村は、話が通じないというのは柏木とは決定的に育ちが違うからだと思うのですよ。
超お坊っサマですから。
まあそんなわけでプライベートはド天然な西村ですが、職場では柏木を守るために動いているようです。
柏木の名前が上がり公安が調べることとなった爆発事件は片がついていませんし、西村の上司(『SH シュガーハイ』の麻取の上司を思い出しました)は柏木を餌として使おうと画策している様子。
次巻で色々起きそうな予感です。
井上さんがオハルという名義で書かれていた商業作品は痛い物が多かったので、そちらの方向へ少し舵を取られるのかなあとも思っています。

2

予想外に感動しました☀︎

題名からしてもう、ツボに入りました。
表紙の右側のスーツが「公安の蛇」こと西村和巳、デンパです。左側の胸元をセクシーにはだけたお兄さんが、鑑識の警部補の柏木聡、オトメです。
ギャグとエロさを求めて読んだのですが、正直この作品で泣くとは思いませんでした。そうです、思わずうるっと涙ぐんでしまったのです。
話のあらすじは割愛しますが、デンパが攻め、柏木が受けです。柏木がオトメ野郎ということになりますが、男前受けです。
恋に傷つき、身体だけの関係で良しとするようになってしまった、そういう繊細さがオトメなのだと思いました。
デンパとオトメは仕組まれた偶然により、その夜の内にセックスして、次には公安と鑑識として相対します。
絶対うまくいくわけがない、もう傷つきたくない、と好意を押し殺そうとする柏木の心をこじ開けるデンパ。
ここが最高でした。切ない本音を吐露する柏木に、跪いて誓えるデンパの包容力、泣けました。
表題作の他、「刑事Aを探せ!」と次巻への繋がるであろう「日常」の二編が収められています。
小山田あみ先生のイラストも最高です、表紙下の青い空間での場面は艶かしい。
来年春の続きが待ち遠しい!私もシリーズ化希望します。

9

天然攻めと臆病受け

警察の公安部管理官のエリートキャリア32歳×鑑識課の警部補35歳。

映画館で出会った男を食っちゃった受け。偶然の出会いだと思っていたら、それは警察庁公安部の攻めに仕組まれた邂逅だった。
その事実を知り、当然距離を置こうとしたけれど、なぜか攻めは受けに執着していて離れてもらえない…という展開。

あらすじを見たらヤンデレみたいだけど、実際は天然ワンコのような攻めです。タイトルでは「デンパ男」だし、受けにもデンパデンパ言われてるけど、デンパという言葉から受けるようなマイナスのイメージはなかったです。とにかく天然。でも仕事では「公安の蛇」と呼ばれ恐れられる存在だし、かなり悪ざとい一面もあります。
対する受けは、付き合っていた男に振られ、もう誰にも心を捧げたくない、誰とも深く付き合いたくない、と思っているキャラです。口は悪いし気は強いけれど臆病。
そんな2人が、すれ違いや階級差を乗り越え、結ばれたときにはちょっと感動しました。

天然な攻めの行動が面白かったです。
受けに携帯を着信拒否され、鑑識課に特攻して鑑識課の面々を恐怖のどん底に叩き落したり、受けの軽口に出てきたドラマの刑事の話を元カレだと勘違いして調査にかけたり。
こんな天然でちゃんと仕事できてるのか心配になりました。

5

二人とも男くさいのに可愛い

いくつか作品を読んでいてなんとなく惹かれる作家さんで、今回は特にタイトルにも惹かれて手に取りました。
でも「デンパ」ってことがそもそも私は理解していないんですよね。
どういったのがデンパか、そして読んでも攻がデンパと言われるのがなんとなくしかわからんかった(^^;

そんなこととは関係なく、事件とそれぞれ二人の気持ちの流れとか、極端にいろいろ起こるわけではないけれど、読みやすくてあっという間に読んでしまいました。
もう少しひねりと言うか、クセのあるストーリーでもよかったけれども…。

続き物のようなので(最後の一文で、えっ!?続きなのー?早く読ませてが初っ端の感想でした。意外と衝撃的だった(笑))
2巻はなにやら受が事件に巻き込まれる雰囲気ですし、攻のたぶんやたらと凄そうな実家のこととかもこれから絡んできたりするのかな?と期待感いっぱいです。
ただ、公安なんだから本人が優秀なのもわかりますが、その本人も探られればあっさり二人の関係はバレるわけで、なんかとっても心配です(/ω\)
いやいや、これ小説だから!本気で心配しなくていいから(笑)

と言うことで、続きが楽しみなのでした♪

4

デンパな攻めが可愛い過ぎます

面白かったです。少し前に買ってあったのですが、ちょっと寝かしてあってようやく読みましたが、もっと早く読めばよかった(笑)

警視庁刑事部の監察課警部補の柏木(受)と、警視庁公安部警視正の西村(攻)のラブコメですが、とにかく二人のキャラが個性的で、とくに、西村が良い(笑)
好きだな〜こういう勉強ばっかりしてきたせいで、世間ズレしたデンパ系のお坊ちゃん。
真面目なだけに仕事熱心で恋にも一途で押しが強い。
拒否られても都合よくポジティブ。
好き嫌いは分かれそうですが、好きになった柏木を公私混同の末、恋人になる為になりふり構わず押し捲る西村が好きです。
強引に押して恋人となった以降は、柏木を捜査の協力者にしたく無いから、ふらふら遊びをさせないようにわざわざ約束させる気持ちも勿論理解出来ますし、公私混同と上司に言われて愛しい人を差し出すようなら西村に対して好感が持てなかっただろうし。
真顔で恥ずかしいセリフを真面目に柏木に告げる所にも萌えました(笑)
やっぱり一途に柏木の事を想う西村のギャップが可愛いですよね。
柏木でなくてもヤラレちゃいますよ。

対して柏木は、綺麗な月が見えているか?なんてわざわざメールをするなんて、本当に乙女な発想も可愛いし。

ラブコメらしく、軽やかに話しが進んでいたのに、急に最後の最後で急展開⁉︎
西村が公私混同までして柏木を見守っていたのに、悪夢のような出来事って?早く続編を読みたいです!

小山田あみさんのイラストも西村、柏木共にドンピシャで余計にイメージがしやすくて良かったです♡

7

エロエロだった

この着衣率95%のカバーイラストと警察物のあらすじ。
タイトルがちょっと「???」で、読んでみたら、実にこれが、
エロエロのラブコメでした。
一応、「公安の蛇」と鑑識課の捜査員が、宗教団体がらみの爆弾テロに立ち向かうっぽいストーリーの本流はあるみたいなんだけど、そっちの刑事物ストーリーの方は、時々挟まるCM程度に思えるほど、
いっぱいやってます。
気持ちよさそうに、肉欲に溺れてます。
箱入りエリートでお勉強ばっかりしてせいで、ほとんど「デンパ」レベルで世情に疎い西村と、過去の「じゃあな」の別れに平気なふりをしていた意地っ張りな柏木。
忙しい合間を縫っては重ねる逢瀬で、どんどん肉欲の深みにはまっていきますが、、、

お互いにメロメロな二人の未来は?
そして、爆弾テロ事件はどうなる?
以降、続巻を待て。
って、これ、続くのか

1

つづきが気になる!

そこで、続くの!
早くつづきが読みたい!

1

続き物ですよ~

初読みの作家さまでしたが、小山田さんの表紙に釣られたのと、この作家さんの評価が非常に良かったので読んでみました。うん、タイトル通りな二人、と感じました。内容をざっくりと。



鑑識に所属している聡は、その見た目から遊び人風で一人でも大丈夫そう、と今まで付き合ってきた恋人たちに去られてきたことで「恋人はいらない、その場限りの付き合いだけでいい」と割り切った付き合いをくり返しています。
そんな中とある映画館で見た目が好みなナイスガイと知り合い、一晩限りの相手としてその彼と情事を楽しみます。が、実はその彼は公安に所属している「公安の蛇」というあだ名まで付けられ怖れられている人物で。
折しも世間では無差別爆破事件が繰り返されていて、その事件でもかかわりを持つ二人なのですが…。

というお話でした。

なんていうんでしょうね、キャラに対して親近感がわく、というか、好感度が高い、というか。応援したくなる二人でした。

受けの聡がオトメなんですよ。自分の元を去っていく恋人たちにすがることもできず、かといって割り切ることもできずに過去の恋を引きずる。ゆえに一途に求愛してくる和巳の気持ちを信じることができず、距離を置こうとする。健気で可愛いんです。
なのにエチシーンでは一転男らしい。自分からガンガン攻めるし、男同士のセックスって感じですごく良かったです。

一方攻めの和巳はデンパ系です。ハイスペックでイケメンさんなのに聡に惚れちゃって、あの手この手で迫り、避けられてもなんのその、自分の気持ちに正直です。
一歩間違えると嫌なやつになりかねないのですが、常に聡の気持ちに気を配りシッポを振り続けるわんこちゃんな面もあり、憎めない可愛い攻めさんでした。
特に「刑事Aを探せ!」には爆笑!嫉妬心から公私混同しちゃいけないと思うのですよ、和巳さんwww

聡にしろ、和巳にしろ、見た目や仕事ぶりからクールなイメージを持たれているのですが、実際は違うのに、という想いを二人して抱えている。素の自分をさらけ出せるのが、お互いにだけ、というところも非常にツボでした。

二人の関係は着々と進んでいきますが、爆破事件の方はどうなったの?と思ったのですが、これって続き物なんですねえ。二人の関係はラブラブで落ち着いたところで次巻へ続くのでその点はご安心あれ。がしかし、事件の方も気になって気になって…。早く続きが読みたいです。

特に最後の一文が!焦らしプレイですか、井上先生…(爆)。

そして今回も小山田さんの挿絵は神でした。
聡のクールビューティでありながら和巳を求めてやまない表情も。
和巳の普段は冷徹と呼ばれる鋼鉄の表情なのに、聡に対しては誠実でわんこなところも。
非常にエロエロしいエチシーンも。
どれも素晴らしかったです。

11

今までのイメージぶっ飛びですよ!

新人賞受賞作品となっていてええ今頃?とびっくりです。
改名したら新人扱いなのかな。

改名されても作品の持ち味は今までと変わりなくでした。
相変わらずキャラがいいです。この方はキャラを作るのが上手いですよね。
警察ものは得意なのかな。仕事描写もいつも通り細かいです。

受けは強気なオトメ35歳。攻めは天然ちゃんの32歳。
年上受けなんですが、オトメの柏木がかっこいい。あれ?オトメだよね?
オトメだけれど攻めにガンガンのっかります。誘います。襲います。
攻めの西村はハイスペックイケメン。なのに完全に世間からズレた天然ボケ。
ボケて脅して口説きまくります。
何なんだこの二人!三十過ぎてるのにかわいすぎる!

コミカルだけれど、ちょっとシリアスな展開もあるのかと匂わせていて、ときどきキュンとなる。そしてエロいところはちゃんとエロい。
井上さんてデビュー作の痛い描写のイメージが強かったんですが、こういうのも書くんですね。
今までのイメージがぶっ飛びました。

あとがきによると続編もあるとか。
小山田さんのイラストもイメージぴったりだし、ぜひシリーズ化希望!

16

改名して臨む新境地か

B-PRINCE文庫の新人賞受賞作。
作者は井上ハルヲ(オハル)さん。
改名後初めての作品だから新人扱いなのか?
何にせよ、持ち前のキャラクター造形とお仕事描写の見事さは健在でした。

刑事部鑑識課の柏木(受け)は、映画館で出会った行きずりの男と寝る。後日、その男が公安部の管理官・西村(攻め)と判明し…というお話。

デンパ男とオトメ野郎なんて一体どんな珍味なのか、興味津々で読み始めましたが、オトメ野郎(柏木)の方は想像よりずっと雄々しい年上受けでした。

仕事では公安の連中を怒鳴りつけるほど強気で、プライベートでも自分から初対面の男に跨がるほど肉食系。
西村に惹かれつつも、エリート管理官の将来を潰してはいけないと自制する良識もある。
西村に歳のことを言われて怒ったり、Hシーンで蕩けたりするあたりがかろうじてオトメっぽいところかなと思います。

デンパ野郎こと西村は、真面目な顔してボケたことばかり言う本当に面白い人。
職場では鬼の管理官で通っているのに、素の彼は天然で世間知らずでホラーが苦手な大変可愛い人でした。
こんなギャップ持ちイケメンに一目惚れされ、時に珍妙に時にロマンティックに口説かれたら柏木でなくともイチコロでしょうw

こんな二人の軽妙なやり取りをベースに、テロ事件を追う刑事物としての展開もしっかり描かれており、読み応えがあります。
既刊に比べかなりコメディ要素の強い本書は、この作家さんの新境地なんではないかと思います。

こちらの作品、あとがきによると続編が出る予定とのこと。
これだけキャラが立っていればいくらでも続きが書けそうなので、是非シリーズ化して頂きたいです♪

19

てんてん

こんにちは。改名は作風と合わないと言われたからとHPにありました。
各社の賞って「新人章」がほとんどで、他社でデビューされていても応募出来るので、ビープリではないですが既に商業デビューしていても「新人賞」とられてる方はいらっしゃいますよ。ただ初作が注目されなかったりして目立たないのかったり、初作から間もなかったりだったりかな(^_-)
本作、早くもシリーズ化決定なのですね。早く入手しよう♪

Krovopizza

ココナッツさま

こんばんは~
コメントありがとうございます(*^.^*)

『劣情宅配便』は私はまだ読んだことないんですが、ハルヲさんが受賞された第8回B-PRINCE文庫新人大賞の募集期間が2013年10月~2014年3月で、ハルヲさんが改名されたのが2013年9月なので、書かれたのは『デンパ~』の方が先なんじゃないかな?と思います。

でも『デンパ~』は元々同人誌で発表された作品のようですし、ココナッツさまの仰る通り執筆歴のある作家さんが新人扱いなことにも疑問が残りますよね(;^_^A

ココナッツ

Krovopizzaさま

こんにちはー、Krovopizzaさま(*^^*)
井上ハルヲさん名義ですと、先に『劣情宅配便』がリリ文庫から出ています。
でも、ビープリでは初だから?ということなのでしょうか。
執筆歴のある方ですから、新人扱いというのも変な感じですね(^^;;

この作品が収納されている本棚

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