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物騒な表紙とタイトルが気になり読んでみた。
民間傭兵会社のエージェント二人がメインで、あまり馴染みのない世界が覗ける。拷問やその他残酷なシーンは、詳細描写がないため読みやすい。低糖度ながら熱い場面もあったりと、恋愛面も充実していて面白かった。
プロフェットは仕事に必要な能力値が最高レベル。様々な描写からそれが伝わってきて、圧倒されそうなほど。こういうタイプが視点主だと、展開がハイスピードで進んでくれるのでとても好み。
表面の顔を取り繕うのが上手いが、内側にはかなり深く歪な形の闇を持っていそう。
対するトムは精神的に不安定に見えた。そこにはっきりした理由があると匂わせ続けるも、全容はまだ語られない。こちらの闇はまっすぐで根が深そう。
意外に恋愛脳で、プロフェットへの気持ちが溢れすぎて思い悩む心理描写が長く楽しめる。恋のグダグダが硬質な物語に綺麗に溶け込んでいるのがすごく良かった。
仕事上のパートナーとなった二人は、物理的にも精神的にも激しくぶつかりながら近付いていく。お互い、相手の触れられたくない場所を意識しながら自分を顧みたりしていて、読み応えがあった。
三人称で頻繁に視点が切り替わり、二人がそれぞれ自分の闇に向き合う様子が描かれる。相手の影響を受けつつも、自分の心には自分一人で挑むところが良い。心がどれだけ惹かれていても、ちゃんと自分の足で立ってる感じがとても好き。
疑問だったのは、二人がクリスの死を追う任務に就く理由。民間会社なら依頼主がいないと報酬がないのでは?等々、話の本筋に関わることなので気になってしまった。警察の後に非公式捜査を行っていて、クリスが会社に関係する人物かと思いきやただの地下ファイターだし、会社側の対応も後出しで重要度が低いなどと言い出して謎だった。
絆が強固になる出来事がいくつもあり、それゆえにラストは辛い選択をする。こんなところで終わられても困るのだが、次を読んでも完結巻の邦訳はまだ出ていない。発売後にまとめ読み決定のシリーズ。
挿絵も素晴らしかった。気合いが入っているのか、小山田さんってこんなにすごかった?と見惚れ、挿絵買いしてみたくなった。
読後にプロフェットが歌っていた曲を調べてみると、歌詞がめちゃくちゃ泣けて良かった。
モノクローム・ロマンス文庫のシリーズもの一巻は、往々にして最高レベルのハマり方をすることが少ない。ただ続刊で萌の頂に連れて行かれることが多いので、一巻は頑張って読みますとも!この作品においてはラブが少ないという理由ではなく、登場人物のバックボーンが見えないことがやや萌を阻害しました。
毒まみれのプロフェットが時折見せる真摯さとか、赤面とか、素直さに、トム同様惹かれざるを得ないけれど、その陰の部分の原因がもう少し早めに明らかになっている作品の方が好みでして。刑事コロンボ、日本で言うなら古畑任三郎方式が好きなんです。犯人も犯行方法も事前に分かっていて心理描写で見せるタイプの作品ね。最初から最後までキリアンは何なの?が延々頭の片隅に居座る。
M/Mらしくリバがガッツリあります。面白かったのが、プロフェット×トムの後にトムがプロフェットに対して、つまり受けが攻めに対して可愛いと言っているところ。"ワンコ攻め的可愛い"ではないのはこの2人の風貌からも明らかで、この辺りの対等な様が興味深い。
作者様の信条が「ハッピーエンドと、求めるものを手に入れるために戦うこと」とあったので、ハッピーエンドと萌の頂を信じて読みますとも。
萌2〜神
あらすじにもありますが、シールズ(海軍特殊部隊)→CIAを経由したプロフェットと、FBI→保安官補の経歴を持つトムのバディ物語。
それと、これ重要なんですがリバです。
何回かその手のシーンがあるのですが、おおよそ半々くらいの率。
どちらも攻め気質なので攻め×受けではなく、攻め×攻めといった印象です。
リバというと敬遠しがちな人もいると思いますが、これはぜひ読んでほしい。
攻めとしての幸せ、受けとしての幸せみたいなものをお互いに共有できるというか、
どちらの側での快楽もお互いに共有したいというか。
そういった同性同士で恋愛する醍醐味を感じます。
話は、視点が交互になって進みます。
これが凄く良い効果を挙げているなと思いました。
それぞれの気持ちがよく分かるし、別行動している時などの動きもばっちり把握できるので、2人に感情移入し易い。
またお互いに対しての感情、考えていることなども分かるので、「実は意識しているじゃないか」と読み手側はにやにやできたりもします。
相手を少しずつ理解し受け入れていく過程はお見事。
1つ何かが起こるたびに(ほんの些細なことでも)、関係が微妙に変化していきます。
少し近くなったり、かなり遠くなったり、まるでジェットコースターのよう。
それでも読んでいて辛くないのは、やはり各視点での相手への気持ちが分かるからかもしれません。
しかし全体の関係性としては「三歩進んで二歩下がる」といった感じで、そう簡単に相手を心底から受け入れることができません。
2人ともになかなか重い過去があり、そういった「秘密」を話すことを双方ともに拒絶しているのですが、この巻では意図せずしてプロフェットの過去に片足を突っ込むような形になります。
ラストでは「え! そんな……」と思いましたが、続巻が出ているので大丈夫です!
色々書きましたけど、2人はお互いが好きだし、ちゃんと恋人になれますよ!
糖度も巻が進むごとに上がりますので、安心して次もどうぞ!
小山田先生のイラストの美しさも必見です。
…という世界観通り。
何ともハードボイルドで、アクションで、陰謀で。
男臭くて、緊迫して、痛々しくて。
元FBI、組んだ相手がことごとく死んだ、奇妙な予知感覚がある…というトム。
元CIA、親友の死に囚われているプロフェット。
この2人が「傭兵」として出会い、お互い強固に守っている自己をぶつけ合い、むき出しの肉欲を共有し、それでも馴れ合わず…というかなりディープでハードな設定。
だけどどうだろう?
「傭兵」っていうの、よくわからない。
勿論詳しく知らなくても「何となくハードボイルド」で「何となくカッコいい」って読んじゃうけど。
トムとプロフェットの関係性には恋の甘さは無く、同じような苦しみ・強がりを共有する相手としてマウントを取らせ/取り/取り合い、ある時は身を委ね、ある時は相手を奪い、そうして接点をはかろうとする姿。しかしそうしながらも反発しあってしまう姿。
この1巻目では熱いセックスシーンはありつつそこに甘さは無いわけで、その辺はこれからなのか、またはこのままハードに推移するのか、次巻以降に期待。
何より、海外モノの特徴としてのリバが嬉しい。ここはこのまま進んで欲しい。
1番のお気に入り作品です。何度も読み返しました。
海外モノはちょっと敬遠していたのですが、
読み始めるとグングン世界観に引き込まれました。
日本のお決まりなBLの展開に少し飽きていたので、展開がとにかく新鮮、そして甘くない男同士の駆け引き。プロフィットもトムもとてもセクシーで素敵なキャラです。3巻まで出てますが、過去に囚われて苦悩しながらもお互い強烈に惹かれ合う出会いの1巻目が大好き。口の悪い二人の掛け合いも好きです。
renachi
メモ:Flogging Molly「If I Ever Leave This World Alive」