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「ひどくしてって お願いしたの 太郎さんだよ?」 ――ついに完結。
1巻〜3巻まで一気読みしました。
(以下、内容に触れてます)
とにかくプレイの数がすごい!!本当にえちえち。
SMモノは実は好みではないのですが、愛あるプレイなので安心して読めたし、優しい絵柄が逆になんていうかこう、エッチ度を高めてる感じ◎
読みながらとってもドキドキしました。
ベタベタに甘やかされていく太郎さんが可愛い〜〜〜
1巻時点では闇が深く、クズだった太郎さんを思うと、変貌ぶりにびっくり&良かったねえ、と心から思っちゃいますね。
過去の後悔、やってしまったことが消えるわけではなくても、愛する人に全て受け入れてもらえるのは救いですね。
最後のプロポーズもキュンとしました。
2巻ラストに先輩が登場し、どうなることかと思いましたが、キッパリ断った太郎えらい。
先輩は自分の非を認めたのがよかったし。
太郎の実力を信じて仕事を依頼し直すのいい男。当て馬と見せかけてうれしい裏切り。こういう展開好きです。
久川さんもいい人だし、いい編集さん。
太郎は人に恵まれてるじゃないか。
1巻での荒みようがウソのようw
太郎の劇的な変化は藤田のおかげで、最初は快楽からだったけど、愛の力をまざまざと見せてもらえたなと。
藤田も一人前の男になりたいとがんばったし。
お互いいい影響を受けて、一緒にいるために支え合って変化していく、2人でいることが何よりの喜び(ラブラブ)…こういう過程がBLで見たい。それを満たしてくれる作品でした。
ラストには、プレイではなくシンプルな愛し合うセックスが描かれたのもよかったです。
BLのエロはこうでなくっちゃ!とうれしくなりました。
それまでのプレイもこの作品は愛があったのでよかったです。
すばらしいハピエンでした。
ただ、コマが大きくなったり、絵が不安定のような、描写もざっくり…全体的に大味になった気がしました。
それが悪いわけではなく、本作はそういう作風だということですかね。
2巻の最後に出てきた先輩が2人の関係を変化させていきます。それに伴い、太郎さんの過去が明らかになっていきます。
その先輩がきっかけでとある事件(?)がおこるのですが、それを経てさらに関係が深くなったというか、よりお互いを思い合えていることに気づけて良かったなぁーとモブ目線で楽しんでおりました。やっぱり思うことがあったら正直に話し合うって大事ですね。でもまあこのすれ違いがいいスパイスになってるからやめられないんですよね!!
お二人ともお幸せに〜!!!
その昔、とある売れっ子女王様は言いました。SはサービスのS、MはワガママのM。
それを、正しく表しているこの作品。ハルキくんの尽くしっぷりたるやご主人様と言う名の下僕です。
だってSMプレイのSて、ホンマに面倒くさいです。Mは何をされても逆らわない=マグロなので、全部こっちでやってあげなきゃいけない。
言葉責めにしたって台本があるわけでなし、次はアレやってコレやって、ここでこーして、加減を間違ったら壊れちゃからギリギリを探して、とにかく緊縛マグロ…もといMに気持ちよくなって貰う為にSは頑張るのです。
ワガママで甘ったれなドMの太郎くんは、潔癖な中二病を拗らせたまま大人になったよーな30代。ハルキくんにこじ開けて貰った性癖が、なくてはならないデトックスになっています。
Sのハルキくんも、尽くすのが好きで甘やかすのが好きで、ダメンズメーカーの素質があって泣き顔や怯え顔にゾクゾクする所なんかご主人様の素質は十分。ヒーヒー泣きながら身悶える太郎くんを見ながら「これで癒されるんだもんなあ」と感心してる当たり、流石よく分かってらっしゃる。
考えてみれば、ペットと飼い主の関係も、ペットの方が上ですもんね。猫とか特に。
快適な生活空間と、栄養管理、適度な運動でストレス解消。どれもご主人様が用意するもんですよね。
で、お猫様が満足されたらモフモフとか抱っことかさせて貰えるんですよね。
この2人も、プレイと愛情交歓のセックスが別れてる当たり、そんな感じがしますよね。
ドSと言えばオラオラ系俺様攻がBLの定番ですが、ワタクシこの尽くすご主人様って大好きです。
最終巻でちょっと失速したのが非常に残念です。
エッチに逃避する太郎(受け 小説家)は非常にエロいのですが、逃避のページ数をかなり割いたにもかかわらず、解決があっさりしすぎていた。「別れる」で涙目になる治樹(受け)は可愛かったものの、たった15分ぐらいで解決しちゃったよっていう拍子抜け感。
まぁ逃避の先がエッチなのでね、BL漫画らしくエロにページ数割いていただけるのもありがたい話ではありますが笑
太郎の成長物語であれ、3巻分も連載して治樹の精神性みたいなものにほぼ焦点が当たらなかったのが不思議。就職後、治樹の仕事にはほぼ触れないし、もう少しバランスよく治樹も掘り下げてくれたらもっとよかった。
ラストも、断ち切るように終わる。少々寂しい。