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1巻で好きと切なさと萌えとおもろとじ~んがじわじわ盛り上がっての2巻。
キハの「やらしてください」の土下座がキハなりの誠意よな~と思いつつ。こんな潔いやらせて土下座、BLで見たことあったかな~と変なところで感心してしまい。
田之崎の「…やだ」の土下座も田之崎の誠意で。こういうやりとりが本当におもしろい。
キハが田之崎のことをゲスでも過去誰とやってても「構わないです」と言ったのが、田之崎にとってはこれまでずっと自分を否定してきたことをまるっと肯定された感覚だったんですよね。
どんな自分でも好きだと言ってくれた。
だからムタに過去形で告白できた。
ムタが謝ってくれたのも大きい。
いつの間にかキハが心の中にいることに気づいたし。
もうまちがわない方がいいと思うことができた。
田之崎の心の変化がみずみずしく気持ちがいい。
田之崎の告白途中で抱きついてスゲーうれしいと泣くキハがキハらしい。
いい感じになったところでまさかのキハの記憶喪失。
野口視点で語られたり、オロチのオロチたる凄みがわかってくる。
記憶がなくても田之崎のことを覚えていて家へ行こうとするキハが本能で生きている人だなと。
その後の彼らも描いて下さりよかったです。
結婚していろいろありなからもずっと一緒にいる未来が見えた。うれしい。
野口が聡い子で。将来もさすがです。めっちゃおもしろい。
キハが遊びに来るだけでなく、田之崎の相談役になり、ムタの癒しでもあるという。野口くん器が大きい。
ムタも口は悪いけどいい奴なのがとてもいい。
田之崎をいじめたのは嫌だけど、あの年頃では仕方ない面もあり、謝ったし。
ムタとキハ、ムタと野口のやりとりもめちゃくちゃおもしろくて、先生のこういう描写大好きです。
全体を通して、核心に迫るシーンでやりすぎずちょっと外す(キハが寝たり)のがお上手だし好きなところです。
会話、モノローグのセンスたるや。すばらしい。
物語としてとてもいい話だし、BLとしても萌えどころたくさんだし、笑って、ずっと目と心の奥がじ~んとするのがたまらない。
人間のいじらしさ、悲しさ、愚かさ、楽しさ、逞しさ、弱さ…などの描き方がとっても好きです。こういう作品、作家さま大好きです。
BLを好きでよかったと思える瞬間でうれしいです。
ツボだったところ
・ラブホでの翌朝、キハが盛大に寝ぐせついてたとこ(寝ぐせフェチなので)
・ムタに対峙するキハのデカふんぞり…
・ムタ「話す気ねーのかよ このクソバカ ドーナツ食う?」このセリフのセンス!
・先生が描かれるまつ毛がきれいで好きなんですが、コマから飛び出していたまつ毛が2カ所かわいい
※1巻、2巻まとめてのレビューです。
野口くんをはじめ登場人物全員じわる。言うまでもなくメインのオロチ(木羽)と田之崎先輩の会話も身悶えするくらいにくる。
会話が神すぎて一言も読み逃したくないので結果的に読むのにめちゃくちゃ時間かかりました。
2巻で急展開があります。
えーーー!!いま、ここでぇ!?
このタイミングでぇぇ!?
ってかベタすぎん!?
もう既にはちゃめちゃに面白いからこれ別に要らなくね???????
って思った私にケツバットしたい。
この事件がこれまた良かった。さすが雁須磨子先生。BLファンなら見飽きたであろうこんなベタなメニューさえも見事な手捌きでこんなに美味しく調理して我々読者に提供してくれるんですね。参りました。
心の底からBLにハマって良かったと思った作品でした。
終盤のたたみかけるような事件の連続に笑いながら読んだ。変な人だな。こんなのに恋されても恋しても大変だけど、すごく幸せなんだろうな。でもすごく深く愛してくれそうで、人生は豊かで幸せなものになりそう。
オロチって変な人に見えて(変な人だけど)普通の感覚で生きてるとこも結構あって。ふっと笑う時ものすごく可愛いし。雷キレーって笑うとこなど非常に可愛い。
「いやじゃねえよ」「そうか よかった」このやりとりが好きでした。野口くんのことなど全然気にせず生きてるようで、しっかり普通の感覚持ってる。自分がゲイであることを友人の野口くんに「いやじゃねえよ」と言われることはオロチにとってよいことなんだな。「イーナー」と言える野口くんがまた可愛い。
甲子園には連れてってもらえなかった野口くん、いい友達だ。"すぐ来る3人組"がすぐ来ちゃうの分かる。幸せになれ。
お兄ちゃんの存在感好き。変わった弟を受け入れてアドバイスまでしてる。いや、兄貴もまぁまぁ変わってるか。野口くんに正くんて呼ばれてるのがまた良い。
ムタが1巻でイヤな奴かと思わせておいて、彼も戸惑ってて、結果いい奴なのがなんとも。田之崎見る目あるわ。あの露骨ないじめによく耐えた。耐えるだけの恋心があったんだよな。野口くんへの吐露が全てを語っている。彼は踏み込まない冷静さもあった。それもまた間違った選択ではない。
1巻に引き続き、オロチことキハくんの勢いというか、マイペースさが最高だな……と。
展開とかセリフとか、思わず笑ってしまうような面白さがありながらも、キハくんの気持ちも田之崎先輩の気持ちもそれぞれすごく切ないし、ムタくんの気持ちもちょっと切ないし、読んでいて胸がきゅっとなるのは雁須磨子先生の作品ならではだなと感じました。
そして野口くん……最高に面白くて良い人過ぎる!カラスと黒猫とゴキブリと雷に見舞われてもがんばれ野口くん……!!
事故の後の田之崎先輩の「俺はお前を諦めないぞ」っていうセリフがすごく良かったです。1巻読んでる時は田之崎先輩からそんなセリフが出てくるなんて予想も出来なかったので嬉しかった!
事故後はムタくんの好感度(?)爆上がりでした。
読むと元気が出るので何度も読み返したくなる作品の1つです!!
前から思っていたのですが、読み手の感情を簡単に揺さぶることのできる展開って、2つありますね。
ひとつは「死」、もうひとつは「記憶喪失」。
以前どこかで「人を殺して与える感動は、安直な偽物」みたいなことを読んだ記憶があるのですが、「記憶喪失」はそれまで培ってきた時間を殺すことだよなあと思ったものです。
さて、完結巻ですが、最後の最後にこの「極私的禁じ手」が使われます。
作品にドラマを付け足すために便宜上、記憶喪失になってもらいましたという使い方が多くて、それに気付いて鼻白んでしまうのですが、この作品ではしっかり有効活用されていました。
この作品が素晴らしいのは、「人の振り見てー」というか、誰かの感情の中に自分を見つけるという点だと思っていて。
たとえば、オロチの真っ直ぐすぎる想いに、田之崎は自分の狡さを感じる。
中2のときに付き合った伊藤さんの言葉に、相手の「好き」という気持ちと自分が伊藤さんを好きになるかは別物で、そこは伊藤さんが頑張れと思っていたことを思い出すオロチ。
田之崎を「惜しい」と思いながら、その理由が分かったらヤベーというところで立ち止まっているというムタの言葉を聞いて、田之崎は、オロチを「惜しい」と思った自分はどうするかを考える。
ムタ←田之崎←オロチ←伊藤さんという図式だったからこそ、想う側も想われる側も分かる。
だから相手を見て、自分なりの選択肢を考えることができる。
この描き方が、さすがとしか言いようがなくて。素晴らしい。
そして一歩踏み出した矢先のオロチの事故と記憶喪失。
すっぽり田之崎との出会いから、事故の直前までを忘れてしまったオロチに、田之崎が迷いながらも前へ踏み出す姿が…、感動しました。
オロチ応援団的に大団円。
でもそこで終わらなくて。
この記憶喪失を最後で回収するんです。
感動させるための安易なイベントではなくて、記憶喪失というデカい伏線。
世界タイトルマッチがまさかの前座!?というくらいの衝撃。
大団円のあとは蛇足かなと思いながら読んでいただけに、真の大団円をノーガードで迎えて、心底痺れました。
素晴らしい作品です。
オロチの親友・野田もいい。
かなりこころが揺さぶられるので、こころに余裕があるときにぜひ。