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表題作旧繁華街袋小路

松葉たくみ,松葉商店の跡取り
なずな,大学生

同時収録作品悪い生徒

大月,高校教師
新見,高校生

同時収録作品種田くんと付き合いたい

種田,高校生
有馬,高校生

その他の収録作品

  • 旧繁華街抜小路(描き下ろし)

あらすじ

「あんた俺の顔が大好きだもんな」
旧繁華街にある松葉商店。店の息子である松葉(まつば)は交通事故で他界したなずなの姉の恋人だった。最後まで彼を愛した姉の言葉を、姉にそっくりな自分が請け負う為に、松葉と肉体関係になったなずな。しかし次第になずな自身が松葉に惹かれるようになり…? 寂れた町に隠された、素直になれない恋愛譚。その後の二人をエロティックな日々で描き下ろしで大量収録♥
【同時収録短編】生徒指導室の禁断を描く「悪い生徒」/校内一かっこいい男の子の実態「種田くんと付き合いたい」

作品情報

作品名
旧繁華街袋小路
著者
ためこう 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
ISBN
9784799734391
3.4

(148)

(29)

萌々

(53)

(39)

中立

(12)

趣味じゃない

(15)

レビュー数
18
得点
486
評価数
148
平均
3.4 / 5
神率
19.6%

レビュー投稿数18

生意気少年好きは読んでくれ

個人的に性癖にぶっ刺さりました。

・綺麗な顔をした生意気な少年
・死んだ人を引きずる

この2点が個人的に癖なのですが、同じ感覚を持っている人なら楽しめると思います。試し読みでなずなくん(受)に「生意気で可愛い〜!」と思ったら買ってください。マジで可愛いから。生意気だけどめちゃくちゃ健気なのも最高に可愛い。一応、死んだ人はちょっと引きずってはいたけど、そこまで暗くはならないです。

死んだ恋人の弟と肉体関係を持ってしまうという背徳感溢れる設定ですが、終始愛に溢れててあったかくなれました。切なさと温かさで超気持ちいい読了感。濡れ場のエロ度はそこそこくらいですが、なずなくんの顔と反応が良くてしっかり楽しめました。

同時収録の短編は、どちらもちょっと薄暗くて良い雰囲気。SMっぽいもの(あくまで「ぽい」)が好きな人は楽しめるのでは。私はめちゃくちゃ好きでした。

1

せつないいい話でした

ためこう先生はほんと話のつくり方めちゃくちゃ上手だなと思います。。

不良学生の主人公(受け)がお金をせびりに行った相手が小さい商店の息子(攻め)で受けはセックスでお金をもらいます。
よろしくない関係なのかなと思ったら、受けは攻めの彼女の弟でしたが、彼女は2年前に他界。受けは姉が彼氏(攻め)に忘れられないように自分を姉と思って関係を持ちますが、攻めの方は彼女の代わりだとは思わず、きちんと弟個人として好きになってセックスしていました。
この辺がすれ違っててちょっとこじれてしまいますが、最後はきちんとすれ違いが解けてハッピーエンドでした。

私は普段あほなやつばっかり読むのでちょっと切ないめでしたが、ためこう先生の話のつくり方がほんとうまいな。。。と思ってちょっと苦しくても最後幸せになったのでめっちゃよかったです。
作品としては性癖ど真ん中というかというとそこまでなかったので萌2とします。

他短編が2つ間にあってそっちもちょっと闇が深い感じでしたが面白かったです。
そのあと表題の後日談でおわりです。

ためこうせんせいすき・・

0

見ているのは誰?

姉の恋人、もしくは夫を好きになる。
というのは、BL界ではときどき出てきますね。
たいてい届かない思いに苦しむ主人公を救い出してくれる誰かとの出会いがあるものですが、もし姉がいなくなったら…。

せりなとなずなはそっくりな顔を持つ姉弟。
姉は恋人の松葉に弟を紹介して、ことあるごとに3人で出かけていたが…。

家庭の事情が複雑で、弟をひと一倍気にかけていた姉が弟を連れ回すのは、きっと自分が松葉と新しく作る家族に弟も入れたかったからだったんだろうなと。
そこで本当の家族の温かさを教えたかったのかなと思うと、切なさが倍増します。

松葉に「忘れられたくない」と言った姉。
同じ顔をした自分が松葉の近くにいたら、忘れようがない。
お金をもらうことで気持ちと行為を線引きして、松葉にきつく当たるのも気持ちがこれ以上持っていかれないようにするのが切ない。
そもそもなずなが松葉に惹かれたのは、姉を心から想う表情を見たときだったと思うんですよね。その表情の先に姉がいたから好きになった。
深読みかもしれませんが、こう考えないと「姉の遺志のため」に松葉と寝る理由が見つからなくて。

松葉の方はもっと複雑な気がします。
要介護の祖父と母の3人暮らしで、結婚を考えていた相手を亡くして、そっくりな顔をした弟と寝る。
1回目は、からだだけでもつなぎとめておかないと崩れそうななずなの様子に衝動的に、というのは分かる。
でもその後は?
憎まれ口をきかれて、お金をむしり取られてまで続ける意味は?
姉が生きていた頃のなずなを知っているし、きついことばかり言っても祖父の相手をしたり、服が汚れても厭わないところを知っているから、自分に向ける「悪い顔」が本当のなずなではないのは分かっているとしても、どこから恋になったのか。

2人をつないでいたのは姉の存在で、その姉がいなくなったら縁は切れる。
その縁を切らないように、からだを重ね続けるのは何のために?という疑問が終始ついて回ってしまいました。
なずなの方には「姉を忘れさせないため」という大義名分があるけど、松葉には何もないんですよね。
むしろ偉そうに「させてやる」くらいの勢いで、お金まで取っていくなずなを拒絶しなかったのが不思議なくらいで。拒絶したら壊れると思っていたのかなあ。

沸き上がる数々の疑問を気にしないで、作者さんが描いていないところまで深読みすると相当萌えます。

萌えるには
1) なずなは姉が生きていた頃から松葉を好きだった
2) 松葉は姉がいなくなったことで脆く壊れそうななずなを守りたいと思った

この2つを脳内補完して読むことをおすすめします。
ほんとに、からだを重ね続ける理由がもっと納得のいく形で描かれていたら、問答無用に萌えた、むしろ神の領域に行ってた気がするだけに残念。

同時収録は教師にいたずらされたいから悪い子になった生徒の話と、モテ男くんの闇を垣間見てしまったJKの話でした。

ごちゃごちゃ言いましたが、この作品、好きなんですよ。
好きなだけに、つい熱くなってしまう悲しいサガをお察しください。

0

死んだ姉の恋人に抱かれて

『旧繁華街袋小路』

旧繁華街、寂れた商店街の中に松葉商店はある。
そこは「なずな」の姉の元恋人・松葉の家だ。

なずなは死んだ姉の恋人だった男と関係をもっている。

2人を繋ぐのは恋か、共通の喪失か。
自分でもそれがわからないまま、〝姉〟と〝恋人〟、
それぞれのあいた穴を埋め合うようになずなと松葉は
身体を重ね続けた。

はじまりは姉が死の間際に遺した言葉だった。
それは今はもういない、姉が弟にかけた呪いだ。

間違われるほどに、姉にそっくりななずな。

自分は姉のために抱かれていると言い聞かせながら、
本当は心の中ではわかっていた。
抱かれたいのは自分で、姉ではなく自分をみてほしいのだ、と。
姉が羨ましくて、疎ましい、と。

松葉の中で姉が生き続けている限り、自分は抱かれ続けることができる。
憎まれ口を叩きながらも、心の中のなずなはどこまでも健気で切ない。

姉の恋人に抱かれる罪悪感に押し潰されながらも、松葉に触れられる
ことが嬉しくて、一方で所詮“姉の代わり”という虚しさを抱えていて、
入り乱れる感情の葛藤がなずなを苦しめ続ける。

吐き出すこともできないなずなの息苦しさはまさに袋小路状態だ。

それでも松葉との2人きりの時間は居心地が良くて、
その度に姉の顔がちらついて、幸せを感じることも怖かった。
だけど、怖くても、断ち切ることはできなかった。

結局、圧倒的言葉足らずだったのかな。
最後に松葉が胸にしまい続けてきた自分の思いの丈をぶちまけたことで、
やっと互いの真意が伝わり、2人ともがすれ違っていたことに気がつく。

「お前は全然せりなに似てないよ」
その何気ない松葉の言葉に救われて
なずなもようやく素直になれることができた。

あれもこれも、最初から言葉にしておけばよかっただけ。
相手を想うあまり、勝手に自分で決めつけて、2人とも
勝手に自分の作り出した袋小路に迷い込んでいたんですね。

なずなの背負う重責と寂れた街に漂うアンニュイな空気が
シンクロして気分がずしんと沈み込んでいたけれど、
最後には元の明るさを取り戻せてよかった…

描き下ろしは〝その後の2人〟で本編からは
想像できないくらい幸せオーラが出ています。
なに、この幸せ!
松葉がなずなにベタ惚れすぎて尻に敷かれちゃって…
相変わらずツンデレだけど、松葉が大好きすぎて献身的ななずな可愛い///


『悪い生徒』
悪い生徒といけない先生の秘密の情事。
生活指導という名のお仕置き。
そこに愛はあるの?
でも、そのために彼は今日も〝悪い生徒〟になる。


『種田くんと付き合いたい』
一見モテモテの爽やか男子・種田くんと地味な男子の有馬の関係は?
種田くんがこわすぎる…
笑っているのに、笑っているように見えない不気味さ。
はっきりとは描かれないけれど、有馬に執着をみせる種田くん。
その本性はきっとヤバイ奴。
クラスメイトの高木さんも気づいちゃってるよ…((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

0

「あんたみたいにブスじゃなかった」

ためこう先生の作品の中では相当とっつきやすい単行本です。同時収録作2つはちょっと(麻痺してるかもしれません…かなり?)闇がありますが、表題はきちんと萌があると思う。
しかし先生の作品の中で必ずしも評価が高くないのは、ためこう先生の作品を求めている方にはえぐみが足りず、そうでない方にはあまり好まれない中途半端さ故か?
それにしてもためこう先生は兄弟モノ、身代わりモノ好きですね〜。最早囚われている。

なずな(表題作の受け 表紙黒髪)「オレの顔キレーだから隠しとかないと」っていうセリフがとても好きです。それに対する友人達の反応も含め。

0

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