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表題作片恋の病

深野大基,お笑いコンビ「表面張力」のボケ担当,34歳
鷹司由,お笑いコンビ「表面張力」ツッコミ担当,33歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

関西を中心に活躍する中堅お笑いコンビ『表面張力』。ネタ担当の由は相方の深野に十年以上片想いをしていた。デビュー直後から実力充分と言われながら中々ブレイクしないのは、自分の恋心が邪魔をしているせいではないか? 由の気持ちも知らず、“由と一生漫才をしていくため”今年こそ絶対「全漫」で優勝すると広言する深野の言葉が、震えるほど嬉しい。けれど苦しい。迷いを抱えたまま今年も予選が始まった―。

芸人シリーズ最新作!

作品情報

作品名
片恋の病
著者
久我有加 
イラスト
イシノアヤ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
何でやねん!
発売日
ISBN
9784403524332
3.7

(43)

(11)

萌々

(14)

(15)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
159
評価数
43
平均
3.7 / 5
神率
25.6%

レビュー投稿数9

愛が深い

初めての久我有加先生、芸人シリーズは、大好きなイシノアヤ先生が挿絵を担当されているこちらの御本から。

読み進めていくと、深野(攻め)が何を考えているのかわからないので不信感が芽生えました。
極め付けはデリカシー皆無発言。
完全に「何なん深野!」と思っていたのですが、のちのち深野は深野で真面目に考えての発言だったのだとわかりました。
どちらにしろ由(受け)からすると酷い発言なのですが、想いは一方通行だったわけではなく...
最後は至高のハッピーエンド!

お笑い小説の面白さもしっかり。
とても素敵な御本でした!

0

うーーーん…

これはですね、感想・評価が難しい。。。。
(以下内容に触れながらの感想です)




というのも、攻めが、独特の考え方をする男すぎて。思考回路が分からなさすぎる!!!!

途中まで、必死に思いを隠そうとする由が健気で、苦しむ姿が切なくて、めちゃめちゃ応援しながら読んでいました。
いや、由を応援したいという気持ちはずっと最後まであったんですけれども。

ストーリーとしては、漫才コンビの受け→攻めへの片想い。
もうずーーーーーっとひたすら切ない片想い展開が続くので、この点でも好き嫌いは分かれる作品かなあと思うのですが。

でもでも、でもですね。。中盤のね。。
相方、攻めの深野の言葉で、自分的にどうしても共感できないし、許せん!恋する者の気持ちを踏みにじってるやろ!…と思ってしまう部分があって。

「お前がずっとしんどそうだから、(恋愛的な意味で好きではないけど)お前が望むならキスでもセックスでも何でもするし愛してるとも言う」って…なんか、なんか、、

それは違う、と。

あまりにも人の恋心を分かってない、失礼すぎるよ…と思ってしまい、その時点で攻めを受け入れられなくなってしまったんですよね。
や、多分ですね、攻め自身も気付いていない、無自覚の「好き」って気持ちありきの言葉なんだよねってことは分かるんですけれども。。萎えてしまった。

その後の言動も、特に「決勝戦まで恋人になろう」とか、理解に苦しみすぎて脳内???状態に…

それってそれって、「決勝終わったら恋人ごっこは終わり。」という意味にしか自分には捉えられず。失礼の上塗りをしてくる男だよ、、、と。

プラス、ことあるごとに深野が「大丈夫やからな」と優しい目で由に語りかけてくるんですが、大丈夫じゃないし大丈夫じゃないのは誰のせいなんだー!と、若干イライラしてしまいました。

後半、由の言葉で深野の言動が「深野なりの愛情」と表現されていますが、私には理解できなかった。

久我先生の落語家シリーズとか、大好きなんですけれど…
受けの報われなさそうな長い片想い、って点には萌えたんですが、攻めがとにかくダメで、中立寄りなんだけど久我先生の作品だし…と葛藤しての、「萌え」評価です。

0

ぐるぐると苦しい

今ひとつブレイク出来ずにいる中堅お笑いコンビが、全国漫才コンテストに挑戦をするお話。
関西・漫才コンビ・片想い…と、気になるワードばかり。
関連作を全ては読んでいなくても問題なく読めましたが、うーん…ちょっと思っていたお話とは異なる雰囲気でした。

決して面白くなかったわけではないんです。
大きな舞台へ挑む緊張感だとか、才能溢れる後輩たちへの焦りだとか、そういう人間くさい部分の描き方は好きだったんですね。
ただ、すごく惹きつけられるなにかがあったかというと、そういうわけでもなかったというのが正直なところでした。
拗らせた長年の相方への片想いと、コンビとして漫才コンテストで結果を出せるかどうかの苦悩が受けの由視点で綴られていくわけなのですが…
盛り上がる部分があまりないまま、ずっとロートーンでぐるぐると悩む姿がなんだか読んでいてしんどかったです。
心理描写が上手いがゆえにとても息苦しい。

攻めの深野が、この重ための空気の良いガス抜きになってくれたのならもっと読みやすかったのかもと思いましたが、彼に関しては終始何を考えているのかがよく分からないまま読み終えてしまった。
わたしにはこんなにも長い間由が片想いをするほど、深野が魅力的な人物だとは感じられなかったのです。これ!という説得力がほしかった。
題材は好みだっただけに、もっとすっきりと読み終えたかったなと思いこちらの評価に。

0

掴みどころのない攻め

漫才の相方に10年以上片思いし続けてるとか、あまりの年月の長さにクラっとなりました。
おまけに、全漫チャレンジは最低でも決勝戦まで残らないといけないと課せられて……

受けの追い詰められぶりが読んでて辛い……。
これ、自分だったら胃がいくつあっても足りないだろうなぁ……。

攻めはなんか規格外の不思議男で、何を考えてるのか掴みづらく萌えにつながらなかった……。

芸人シリーズは、「何でやねん!」のバンテージしか知らないのだけど、特に問題なく読めました。
でも「オレンジグミ」とか、「さんご」とか、絶対この人たち他のシリーズの主役なんだろうなぁ…彼らの事を知ってたらもっと楽しめるだろうなぁと思いました。

それにしても、ゲイカプだらけ……!

1

「恋愛として好き」って何だ?

いやー、懐かしい面々がお揃いで。
「お久しぶりでーす。みなさんお元気でしたか?」
おなじみのコンビ名が出てくる度に、そう言いそうになりましたよ。
このお話単独で充分楽しめますが、久我さんの『芸人シリーズ』は読破するとそんな楽しみ方も出来ます。こんなコンビ、こんな人が『ワチャワチャしている世界』が立体的になる感じでした。

このシリーズで、特に漫才を題材に扱ったものは、コンビを組んでいることと恋愛感情を抱いていることの両立に悩むお話が多い様に思います。
このお話も受けさんの由からすればそういうお話なんですけれども。
でも、私が興味深かったのは『恋愛という意味で好き、ってどういうこと?』でした。

攻めさんの深野って、気遣いとか人当たりとか漫才の『間』とかには細やかな人なんですけれど、他人に対する好意に対してはとても大雑把なんですよ。
とにかく「由が一番好き」で「ずっと由と漫才をやっていきたい」んです。「そのためなら何でもする」と言える人なんです。
で、由は悩んでしまうんです。「それは恋愛の好きと違う」って。

気づくと「それじゃダメ?」って思っている自分がいたんです。
そもそも恋愛って『人として好き』っていうのとどう違うんだろう、って思うんですよね。
ぶっちゃけ「やれるくらい好きだったら、それが恋愛なんじゃないか」と思うんですよ(身も蓋もない書き方ですみません……)。久我さんがこの結論をどう持っていくのかが非常に楽しみで、グイグイひきつけられて読み終わりました。

結果は満足。
やっぱり愛のベースは信頼だと思うの。


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