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表題作薔薇の瞳は爆弾

?誰もが認める王子様 蓮水 景
?ドMのゲイ 見津田 洋平

同時収録作品the turquoise morning

?サバーフ・ハッダード、中東ゲリラリーダー
?ジェド・ノックス、アメリカ人フォトグラファー

同時収録作品さようならのお時間です。

宇宿(うすき)淳、17才
塾講師、31才

同時収録作品ラブる。

ヘタレ男
告られた友達

同時収録作品浮気者

ユキオ
治人

同時収録作品嗚呼ボーイフレンド

?(名前なし)告られた友達、裸族
?(名前なし)おれ

同時収録作品絶望の庭

?(名前なし)きみ、恋人
?伊砂(いすか)、小説家

その他の収録作品

  • 薔薇の瞳は盲目
  • 欲望の庭
  • 曲者!
  • GoGoボーイフレンド
  • postscript

あらすじ

こんなにラブいなんて正気じゃないぜ

趣味の悪いゲイ・見津田は王子様系(美形・爽やか・紳士)の蓮水から告白されてしまう。そんなバカな! <表題作> 想い人の残り香のせいで、切なくてたまらない。「好きだ」と告白してしまったから、あの人はもうこの部屋には来ないだろうか?<ラブる。> 重いテーマの読み切りを含め、それぞれの「その後」描き下ろし付き読みきり集!

作品情報

作品名
薔薇の瞳は爆弾
著者
ヤマシタトモコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
発売日
ISBN
9784862635143
3.6

(42)

(7)

萌々

(18)

(14)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
17
得点
150
評価数
42
平均
3.6 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数17

ファンタジーと現実の融合

◆薔薇の瞳は爆弾(表題作)
 カップリングがユニークでお気に入りの作品です。本人はいたって普通の性格なのだけど、見た目の美しさと爽やかさが極まっているため王子と呼ばれている蓮水と、そんな彼に惚れられてしまう見津田。恋人に殴られるのにもときめくというドMな見津田が、優男でしかない蓮水との恋愛に満足できるのかちょっぴり不安でしたが、描き下ろしでは彼なりに蓮水とのやりとりを楽しんでいるようで、この2人のデートをもっと見てみたいなぁと思いました。

◆さようならのお時間です。
 短編ですが一番深い余韻を残してくれた作品でした。塾講師を辞める羽目にまで自分を追い込んだ、若さのままに行動する宇宿を憎んでいるという主人公。宇宿の言動は確かに軽薄ではあるのだけど、悪気はないというところがまたタチが悪い。憎いと言いつつ、主人公も彼を完全に拒みはしないんですよね。それ自体が意趣返しなのか、なけなしの情なのか。大人を好きなようにしたツケが回ることを、17歳の宇宿がこれからどう受け入れていくのか。短い中で、2人の人間の人生を考えさせられました。

0

バラエティに富む短編集

ヤマシタトモコ先生の短編の中でも暗い作品2つからスタートします。この単行本で先生に初めて触れたら最初の2作品でちょっと心折られるかもしれない。
その後は明るめのBL短編なので折られず読んでいただきたい。

やっぱり好きですね〜。BL漫画読みすぎてどこかで見たような展開に辟易してきたときに読むと、先生の作品は"どこかで見た"の種類が違うと感じる。どっちかというと非BLの小説とか映画とかそういうものの影響が強いんだろうなっていう。
芸能人の名前とか歌謡曲とかよく出てくるのも、架空の登場人物が実存するかのような見せ方を強めている。

ヤマシタトモコ先生の作品には抱きたい側のゲイがよく出てくる気がします。BL漫画全体で見ると抱かれたい側のゲイの方が作品数多い気がするので面白い。

0

重いのと軽いの

短編集。
のっけの2作がすごくヘヴィな重苦しい話だけど、後半の収録作は段々軽めなテイストになっていって、1冊の読後感はすっかり毒が抜けるような感覚。
最初の2作品が好みだった人には後半が物足りないだろうし、後半の空気感が好きな人には、最初の2作品が暗くて要らない…そんな1冊ではないだろうか。

「the turquoise morning」
ヤマシタトモコ的視点のアラブ、というか中東もの。
主人公はアメリカ人のフォトグラファー・ジェド。つまりは自由の国の住人。
彼が内戦や紛争が日常である中東のあるゲリラのリーダー・サバーフを追った写真集を出版する…
…という設定。
全く異なるバックグラウンド、全く異なる風景、全く異なる宗教、死への距離感…医療も整わず妊娠中の妻を喪ったサバーフの静かな瞳に恋に落ちるジェドだが、その想いは口にもできない。心の中で願った想いは、鬼神によって叶えられたのか?
願ってはいけない願いをそれでも願った男の目は、あの国の朝の色、あの人の名の色。

「さようならのお時間です。」
後先も考えない、若さゆえの無知と暴走の果て。
何もかも間違い、何もかも失う17才。
何度読んでもこわい。何度読んでも虚しい。

「ラブる。」
友達に告ってしまったヘタレ男子のアタフタ。(でも何かうまくいくかも。)

「浮気者」
恋人が女と寝まくり、挿れさせてくれない。なのに別れると言うと泣いて縋ってくる…
…こりゃー地獄だね。絶対別れた方がいいよ、と言っておく。

「薔薇の瞳は爆弾」
王子様みたいなイケメン男子は、その一挙手一投足がまるで爆弾か矢のように周囲をなぎ倒していく。(みんな目がハートになって倒れる)
唯一なびかないドMゲイに「ぼくの顔でなくぼくを見てくれた」と恋をして…
結局ドMゲイも王子に落ちるけどね。(でも理由は顔じゃない。)

「嗚呼ボーイフレンド」
こちらも友人に告ってしまったヘタレ男子のお話。
ここで面白いのは、妄想を拗らせて、今サトラレになったら死ねる!っていう腐女子あるある。

「絶望の庭」
小説家が主人公。
彼はちゃんと恋人がいるのにどうやら高校時代の恋を引きずっていて、誰とも分かり合えない、とかゴチャゴチャと。
でも彼の恋人の方は、そんな彼のネガティブを一蹴する現実性を持ってる明るい人みたい。

巻末は恒例(?)のギャグで〆る描き下ろし4編と、作者様による作品コメント。

0

色々なタイプの作品が楽しめます

ヤマシタトモコ先生の短編集、シリアスからラブコメなど色々なお話が詰まっています。

始めが重い作品で途中からはラブコメ中心なので、読後感は良かったです!

しかしながら、「さようならのお時間です。」は本当に辛かったです。
ネタバレになってしまうのですが「親なんて死ねばいいのに」って思春期の男の子なら言ったりする事もあるかもしれないけれど、

これは、本当に行動に移してしまったって事ですよね。 読みながら私の思い違いであってほしいと何度も願いました。 こんな事になる前になんとか家族との関わり方を修復できなかったのかなって…。

ENDの後が気になります。私はこの作品が一番心に残っています。

お次は「浮気者!」です。
受けの子が浮気性というか、自分から行動はしなさそうだろうけど相手から好意を抱かれると受け入れちゃうタイプの子です。
それにしても自分の家に女の子連れ込んじゃうのは許せないですよね。

それでも捨てないでと縋られて絆されちゃっています。
書き下ろしでの自分の事は棚に上げてヤキモチを妬く受けの子が可愛かったです。

「薔薇の瞳は爆弾」
表紙の二人です。
キラキラした王子様蓮水の「強引に優しくされたことはありますか?」この言葉に見津田と共にやられちゃいました。
速攻で暴力彼氏と別れてきたのもとても良かった!
しかし本気出せば勝てる相手に殴られるなんてドMかと思いきや、書き下ろしでは少しSっぽい気もきました。 Sっぽいというか、蓮水は振り回されているなぁと…。
二人が恋人になってからが、もっと見たかったです。 クールな印象の見津田が乱れる所も見てみたかった!

0

「萌え」ではなく「好き」を感じるなら

短編集。ヤマシタ作品に多いことだが、萌える点はほとんど無いんじゃないだろうか。
この作品は何度も何度も読んでいるが、最初の二作品は数える程しか読み返せていない。テーマが重く、思いも重く、ストーリーも重い。「ラブる。」「絶望の庭」「薔薇の瞳は爆弾」の3つはなんか好きでソラで台詞言えるくらい読んでいるのに。

「なんか好きだな」と感じながらBLを読むことが好きな方にオススメです。
ヤマシタ作品に萌えを求める時はこれよりマーブルコミックスの「YES,IT'S ME」の方が良いかもしれません。

1

24ページと3ページ。

表題作がとっても好き!
バカっぽくて、でもラブで。
短編集ですぐ読み終わっちゃうんだけど
この場面が好き。このセリフが好きって言いながら
それ内容全部じゃね?って位には好き。

薔薇やキラキラで溢れてて
那須与一が矢を放ちまくってて
握手したら触ったことに周りに驚かれちゃったりして。
根っからのドMで勝てるのに
あえて殴られるってプレイしてたり
強引に優しくされたことはありますか?って
衆人環視の中キスされちゃって
どうですか?身分違いの恋という考え方は
のセリフで落ちちゃうのーーー!
続きがあったら買うのにーー
これだけで1冊にしていい位!!

描き下ろしの薔薇の瞳は盲目も好き。
高校の同級生と蓮見くんがご飯食べて今カノを聞かれながら
説明するんだけど
どこが好きなの そいつの?とか言われちゃうのに。
そうゆうとこがって言っちゃうんだけど
見津田さんはこれ聞いても
何も感じないだろうなとか。

他の短編は重かったり軽かったり。

1

不思議なテンポの短編集

私にとっては、短編集や連作が多い作者様だという印象なのですが、その中では一番好きな本がこちらです。

「the turquoise morning」
ジェド(フォトグラファー)とサバーブ(兵士軍のリーダー)。ジェドは彼の魂を欲しいと願った…。

「さようならのお時間です。」
塾の先生×高校生。今日でさよならの日の出来事です。この後どうするのかなぁ、先生は知らんふりできるのかな?とあれこれ想像しました。

「ラブる。」
ファブルると掛けてる?友達に好きだと告白をした二週間と三日後。まだ彼の匂いが消えない…。

「浮気者!」
家に転がり込んできた恋人は、女を引っ張り込んでセックスする浮気者。だが、別れると告げるとすがりついてきて…。浮気って女だけ?と思ってしまったラストが面白かったです。

「薔薇の瞳は爆弾」
ギャグテイスト。輝く王子様・蓮見が、ロンゲとヒゲ面・見津田に恋をした?! 周囲の温かい目が笑えました。

「嗚呼ボーイフレンド」
友達に告白して、妄想の止まらない男の話です。サトラレだったら死ねるという心情にすごく同意しました。

「絶望の庭」
彼女持ちの友人を、ずっと好きな男の話。女性との距離感がとても素敵な作品だと思いました。

その後、後日談の描き下ろしがあります。
「薔薇の瞳は盲目」蓮見は高校時代から変な趣味だと明らかになる話。
「欲望の庭」二人は仲良しという話。
「曲者!」自分を棚に上げ、相手が電話で話してたら嫉妬するという話。
「GoGoボーイフレンド」やっぱり妄想は止まらないという話。

あとがきに、「さようならのお時間です。」はもっと絶望的な話になるはずだったのをまろやかにされた、と書かれていたのですが、絶望的だと辛いのの苦手な私にはハードルが高かったので今ので嬉しかったです。

ハッピーエンドばかりじゃないのですが、どことなくユーモラスといいますか、諦めの末に明るいものが残ると言いますか…独特のテンポの作品で、そのノリについていけるかが重要かな、と思ってます。作者様と同年代の方がついていきやすいです。「SAY往年のドラマ」でピンと来る方とか(笑)

2

ギャグは面白いし、シリアスも嫌いではない。

のですが、萌えないんです…私は…。

ヤマシタさんのシュールなギャグセンスとか、
深層にざっくりばっさりいっちゃうところは好きなので、
非BL作品はけっこう読んでます。
オンナのツッコミ感がいいなーと思うし。
でもBLに限って言うならば、
多分萌えのポイントが自分とはズレてるんだろうな。


短編集ですが、全ての作品内で
キャラたちがそれぞれ、とても人間臭い。
欲望に悩み、でもそれに素直なとこもあり。
それゆえに萌えではなく、笑いであれば
かなりツボはありました。

テンダラーミダラとか
サトラレだったら死ねるとか
世代ドストライクだよ(笑)!!!
しかし本当にサトラレだったら死ねるほど私も(以下略

シュールなギャグが好きな人、
エロ的に濃すぎない感じが好きな人には
おススメかな。
なんか本能むき出しなモノローグも多いものの、
ドエロな描写はないので「大人のBL短編集」な感じです。

2

各々の解釈

ヤマシタトモコさんの短編集。
外国系の物があまり得意ではない(答えは単純、カタカナのお名前がいつもすんなり読めない阿呆脳だから・笑)んですが、しょっぱなからアラブ的?な物が。
表題作の他、【the turquoise morning】【さようならのお時間です。】【ラブる。】【浮気者!】【嗚呼ボーイフレンド】【絶望の庭】の6作。
更にヤマシタさんありがとう的な描き下ろし、【薔薇の瞳は盲目】【欲望の庭】【曲者!】【GoGoボーイフレンド】の4作。
とってもボリューミィでファンの私は生まれたての子鹿バリにプルップル震える本なのであります。

その中でも好きな作品の感想をば。

【さようならのお時間です。】
母親を刺し殺した学生・宇宿(ウスキ)と、宇宿にレイプされその後も関係を持たされていた元予備校講師のお話。
きっと宇宿は先生を好きでいたんでしょう。ただ、その愛情表現が歪んでしまった。
先生は元々ゲイだったけれど、それを弱みとして握り、嫌がる自分を嘲笑いながら犯した宇宿を見て、自分の未来や人生を諦めてしまった。
この作中では、先生は淡々としていますが、本当はきっと子供たちに誠実で子供が大好きで、真っ直ぐに生きて貰いたいとか俺がその子達の役に立つなら頑張ろうとか、本当は優しさの塊だったんじゃないかと思えます。
そして、何もかもを諦めた先生が、宇宿に求められても真意は関係なく受け入れるようになる。
それがきっと宇宿は愛か何かと勘違いし、大人は自分に屈する感情すら抱くようになる。
だから、母親とちょっとした事で喧嘩しても自分の衝動がおさまらず、包丁で刺し殺してしまう。

事の重大さに気づくのは、自分を嫌い、翌日には自分の前から消え去る先生と話をしてから。
善悪の境目すら見失っていた宇宿は、きっと全てを後悔しているのだろうと思う。
先生を手に入れる方法、母親とのあり方。

あの涙は後悔の涙だけれど、ちっとも綺麗だとも可哀相だとも思えない。
もっともっと残酷に救いようのない状況を見せてくれたら……神だったかも(笑)
(あとがきでヤマシタさんが、その部分はふわっとさせたようだったので)


【嗚呼ボーイフレンド】
今気付きました、これ、両方ともお名前が出てないんですね(笑)
電話で勢いに任せ告白した男と、それを受け入れた男の話。
絶望的な救いようのないカゲのある男を描いたものも大好きですが、もうこういう悪ふざけ極まりない面白さを詰め込んだヤマシタ作品も大好き!
度胆が口から飛び出して白目剥いたり、テンダラーミダラとか、SAY往年のドラマのようにとか、死ぬほど好きですそういうの(笑)

告白したはいいけど、ダメじゃない返事を貰ったのはいいけど、「好き」って言われてないから不安ーみたいなそういうお話なんですが。
いや、もう両想いだろうって分かるんだけど、妄想癖が過ぎて、マイナス方面もぶっちぎる男が最高に良かった。
妄想男を描かせたら最高に好きです。

結局ヤリたいのに出てきた言葉は「手をつないでいい?」というもの。
いや、かわいい!とか思ったのも束の間、結果勃起しててそれバレてる、みたいな(笑)
やっぱいいです、ヤマシタ的ギャグ。


シリアスからのギャグ、そしてシリアス、からのギャグ、という波が大変メリハリがあって面白かったです。

1

切ない~おバカまで色々

このタイトルセンス好きだ!(笑)
短編集。ストーリー物のが面白い感はいなめませんが(好みの問題?)
表題作について言えば、キャラクターの妙、といいますか…(表紙の2人)。
私的には、「嗚呼ボーイフレンド」の"淫らな妄想が止まらない"バカバカしさや、
「絶望の庭」の切ない感じもすごく好き。
…でもこれは実は"今は幸せ"な話なのか?
「絶望の庭」のカラーが扉に付いてるんですが、それもすごく好きだなぁ。

0

ヤマシタトモコ風アラブモノ

【the turquoise morning】
アメリカ人(たぶん)とアラブ人というカップリング。
アラブでハーレークイーンモノをヤマシタトモコさんが料理すると
こうなるのかーっ!と、いう衝撃。
これはファンタジーという名の現実じゃないでしょうか?
彼の死によって愛を知るという“幸福”
素敵なんつって思ってしまう自分が、どんだけ平和に暮らしてるかって思い知った。

【さようならのお時間です。】
17歳高校生×塾講師
うわー。これはコメントしづらい。
甘ったれで自己中心的な17歳は、人の愛し方も愛され方も知らなかった。
と、いうことですかね。愛されてなかったなんてことはなかったのにね。

【ラブる。】
告ったあと、返事が来ないことが怖くて携帯の電源OFFにして
それでも電話がかかってくることを待ってんだよw
いたたまれないぐらい“ラブる”って、こんな感じだよなぁとすでに遠い記憶w

【浮気者】
節操のないビッチが「捨てないで」なんてすがってきてかわいいとこ見せておいて
ちょっとホロっとしたら、やっぱビッチだったw
本気は一瞬しか見えなくてあとはうやむやに笑わされてしまうんだ。

【薔薇の瞳は爆弾】
キラキラの王子様×ドM
まあよくありがちな顔でなびかない人間に、はじめて出会って恋に落ちると。
この受け、すごい色っぽいんだよー。
だからベッドとかが見たかったーv

【嗚呼ボーイフレンド】
告白から5ヶ月間の話は語られてないんだ。
なぜに5ヶ月?でも、ヤマシタさんがけっこうドラマ好きってことがわかった。

【絶望の庭】
人はみな個々の庭に生きててわかりあえないというお話。
誰も入ってこれない自分だけの庭の垣根ごしに取り交わした会話が“種”で
その種を庭に蒔き、相手を理解しようとするのだろうか?
ときどき泣いて雨を降らせて実を結べばいいよねー。
ひとりで泣いてることを怒ってくれる人がいるのがとても幸せに思えました。

描きおろしは、それぞれのパロディ的なおまけ漫画。
【薔薇の瞳は盲目】
【欲望の庭】
【曲者!】←ビッチの浮気者がシャーシャー嫉妬してるのがすごく良かったv
【GoGoボーイフレンド】
【Postscript】

1

バラエティに富んだ、更に広がるエンターテイメント

ヤマシタさん自身も書いていらっしゃいますが、今回の単行本はふり幅がスゴイ。。
ギャグたっぷりのかわいい読みきりから、アフガニスタンが舞台の時事ネタを練りこんだ重いテーマの読みきりまで、バラエティに富んでます。
その分私はとても楽しめました。
この本は独特の雰囲気のまま、如何にヤマシタさんが多種多様な物語を展開するかという挑戦のようにも感じられます。

『恋の心~』以来、やっぱりヤマシタさんのは独特でおもしろいなぁ~と思ってたものの
衝撃を受けることはなかったんですが、今回は久々の衝撃作でした。
アフガニスタンとかの時事ネタをもってきたり、解釈の分かれそうな現実味のある問題性の高い作品を持ってきたり、モノローグ祭り(作者談)の自己の内面と向き合うような作品を持ってきたり…自分の中で、そういうのはリブレでは期待できないと思っていました、勝手に。(すみません)
いい意外性でした!特にアフガニスタンのは…本当に衝撃でした。
これが『アラブもの』という括りの中に入っていいのかというのも気になりますが(笑)
かと思えばギャグ度の高いハイテンションな作品や随分ライトなキャラクターもでてくる。
いろいろな点で衝撃作です。

作品の収録順は、その見事なふり幅をよく配置していたと思います。読後感がとても良かった。
やっぱりオマケ漫画はさすがです。おまけのいきいきした彼ら…愛しさが増します!
あとがきも、作品ごとにヤマシタさんが使ったBGMが書いてあるんですが、それを聞きながら読み直すと更に世界が深まります。

個人的には『恋の心~』ほどヒットしないですが、やっぱりいろんな人に読んでもらいたい作品です。
重い話もありますが、描き方が独特でたくさん考えさせてくれます。私はヤマシタさんのこの手の話が大好きです。
ただの恋愛じゃない。いままでのBL作品の常識をぺらっと覆してくれる久々のヤマシタ作品だと思いました。
バラエティに富んでいるので、ヤマシタ作品入門編としてもオススメしたいです。

5

設定もぇぇぇ

表題の

薔薇の瞳は爆弾

すごい良かったですっ

爽やか王子×ドMっていうのがいいっ

ウオッなんて可愛いのだっと読みながら思った作品です。


他にも、

浮気者!

がお気に入りで、遊び人受けっ

ですが、遊び人なのに、
「お願い捨てないで!!」

ってゆうセリフがあるのですが、すごい可愛いっ

遊び人が捨てないでってっっ

すごいツボでした。

設定が良いのばっかりで、大好きです。
是非読んでみてください

4

良短編集です

短編集です。
面白かったです。
ストーリーが面白いというよりも、コマ割りとかモノローグとかにセンスがあってオシャレな感じがして、読んでて気持ちが良かったです。
ヤマシタトモコさんは、ワンアイデアをお話として構築して読ませる能力がすごいなーと思いました。
読み返してみると、「同じ部屋のなかで二人の男が会話してるだけ」みたいな話が多いんですよね。場面転換が多くても、電車から部屋まで、とか、飲食店のなかと道路、とか。
なのに何故こんなに面白いの?と。

笑える話もあり、胸がズキンとなる話もあり。
めちゃくちゃ幅の広い、良短編集でした。

3

薔薇の瞳は爆弾

でもおもしろった!!
ただ暗いのと明るいののテンションが…めちゃくちゃゆさぶられます><
「ラブる。」「浮気者!」「薔薇の瞳は爆弾」「絶望の庭」が良かったかな~
ここ最近のヤマシタトモコなら一番好きな一冊だわ♪
しかしあとがきのちょっと上から目線ぽい感じがあまり好きではなかったり…する…
いつかヤマシタさんは巻数字つくような長編やってみてほしいかも!!

1

ふり幅が広すぎです(笑)

ヤマシタトモコさんの描く話に出てくる人たちは、性格に一癖も二癖もありそうな一風変わった登場人物が多いので、彼らの心理を読み取るのが難しいと感じる部分もありますが、そこがまた面白いところでもあるんですよね。

表題作の「薔薇の瞳は爆弾」の王子様は笑えた。
見た目王子様のように美青年な蓮見と女の子みたいな年下の男の子にいたぶられるのが大好きだと言うゲイでどMの見津田。
自分をうわべだけで判断される事に疲れていた蓮見はそんな彼らとは全くタイプの違う男見津田に一目ぼれをしてしまう。
外見でなく本当の自分を見てくれた初めての人だと。
恋は盲目、あばたもえくぼ。ほれてしまえば欠点も美点。そして王子様も意外にMッケありなんじゃないのと私には思えてならないのですが(笑)

ヤマシタトモコ初のアラブ物と言う「ターコイズ・モーニング」
アラブ物と聞いて、ヤマシタさんもとうとう…?とびっくり仰天&興味津々。
しかし、なるほどこれならありかもと読んでみて思いました。確かにアラブだし。
内容的には重いが、一人の人間を自分だけのものにしたいと言う切々たる思いが伝わってくる。
この重さもまたヤマシタ作品の好きな部分。

2

作品のバランスが

短編集です。シリアスなものから変な笑いが止まらないものまで、バランスよく?入っています。

表題作!最高!ドM・見津田万歳!ツボがそことは気がつかなかった。
ゲイでもSでもないのにその上を行く王子様・蓮水万歳!
後半数ページのたたみかける様な展開が清々しい。あらすじを書くほど長い話しじゃないので、実際に読んで楽しむべきだと思います。描き下ろし「薔薇の瞳は盲目」では3ページしかないのに、二人のその後に大満足。ビバ!バカップル!
因みに、収録は5作品目なので、前に入っている重めのお話で挫折すると、ここにはたどり着けませんよ。

で、私がもっと好きなのは「嗚呼ボーイフレンド」の方です。どうしても淫らな妄想をしてしまう気持ち、わかります。恋するみんなの代弁者です。最後のモノローグがいまひとつよく分からないと思ったら、あとがきの作品解説で、解決しました。うん、わかるわかる。(私は男か?)そういえば、この二人名前が無い?

「絶望の庭」では、恋人がいる主人公が、高校時代に恋焦がれていた男となんとかなりたいと思っている話なのかな?と思ったんですが、なんてことは無い、人間って欲張りだよねって話ですよね。だって、あなた、恋人とは本当にラブラブなんだもん。

私の好みとしては、コメディータッチの作品の方が好きです。「the turquoise morning」とか「さようならの時間です。」は私には重すぎました。

2

この作品が収納されている本棚

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