特典付き
あり得ない展開でスタートする、マリちゃんと佐藤の同棲。
佐藤のビューティホーな見た目と横柄さから、マリちゃんが変人佐藤に振り回されて受難の日々を送る話なのかと思いきや、変人はむしろマリちゃんの方だったという衝撃。
マリちゃんがものを食べる場面から、あっこの子意外とへんな生き物だわ! という感じが出ているのに、じわじわきました。落語が好きというだけなら、ちょっと変わった趣味の人なんだなあというくらいですが、なんか……やることなすこと不思議な生態を持った動物っぽいんですよね。これは佐藤も目を離せなくなってしまう訳です。
コミュ力の塊な佐藤の仲介で、マリちゃんが大家さんや地域の人達、職場の人達などに受け入れられていくところに、ほっこりしました。
絵がとても綺麗です。ストーリーの運びが独特。なんか大事件やどんでん返しがあるわけじゃないんですけど、マリちゃんの不思議行動を観察するのが癖になる感じでした。
ロッキー先生3作目読みましたが、絵がますますいいですね。人物はもちろん、構図、コマ割りもいい。紙面が気持ちいい。好きです。
マリちゃん視点で始まり、途中から佐藤視点になる。
その切り替えの理由…最後のマリちゃんの告白で、わかりました。
マリちゃん視点は、佐藤が思っていたように、マリちゃんが佐藤の本質を捉え、好きになった時点までだったんですね。
マリちゃんの中で、佐藤が好き、となったので、佐藤視点に変わった。
それがわかった時は、おお!とうれしくなりました。
普段BLを読んでいて、片方が勝手に思い込んでぐるぐるぐるぐる2〜3周して悩んでいると、相手に聞いたり、自分の気持ちを言えばいいのに。恋愛なんて相手があるものなんだから、と他人事だから勝手なことを思うんですがw
佐藤の場合(これまで読んだロッキー先生作品の場合)は、独りよがりではなく、自分と向き合ったり、相手のことを観察、理解しようとして、じっくり考えているんですね。
だから、他のBLで感じる、勝手にネガティブに思い込んでこじらせまくっているさまを読む時のストレスを感じない。
これは全然違う。
マリちゃんが何を考えているかわからない、だからと言って佐藤は無闇に聞かない。
佐藤も実は自分の気持ちをよくわかっていなかった。だけどマリちゃんのことが気になる、から探ろうとする、ということでしたもんね。
だから、不意にマリちゃんに告白された時、佐藤はあんなリアクションになって、かわいかったです。
描き下ろしの、マリちゃんの実家で、2人の距離が近いのがラブラブで萌え〜。
カバー下の、マリちゃんは「長髪フェチのもよう」もおもしろかったですw
表紙の絵がすごくきれいで購入しました。
表紙の右の方が攻めです。
カフェでの突然の出会いから押しかけまでが早く
スピーディーにお話が進んでいくのかな?と思いきや
思っていたよりゆっくりとお話が進んでいきます。
マリちゃんが受け身すぎて心配だったのですが
案外自分の意思もあり安心しました。
キスやセックスはするのに付き合ってはいなくて
この関係は一体なに…?と思っていたのですが
それは佐藤も同じように思っていたみたいで
描き下ろしの所でオレたちって何?って聞いている佐藤が可愛かったです。
押せ押せだったのにそこはすぐに聞かないんだ…ってなりました。
独特の雰囲気の作品だったのですが
お話もすごく良かったので購入してよかったです。
作画が大好きすぎる作家さんのひとり。
初読のときに評価だけ入れていたので、ほぼ3年ぶりに読み返してレビューを。
本棚整理のたびに背表紙は見ていたけど、内容をだいぶ改変して記憶していたようで、思っていた話と違ってました。
たまには読み返すのも良いことですね。
仕事で疲れ切って注意散漫。
その結果、カフェで人のコートにコーヒーをぶちまけてしまった喜屋武真理(きやたけまさみち)。
「86万」のオーダーメイドのコート、しかもおろしたて。
賠償する代わりに佐藤陽(ハル)と名乗る男は、真理の家に住み着いて…。
同居設定ってほんと好き。
生活を共にするって、内側の深いところまで入り込むのを許している関係って感じがするからか、食べ物が出てくる可能性が上がるからなのか、いいですよね。
人の家に興味津々と言うとデバガメっぽく聞こえるかもしれないけど、インテリアを見るのが好きすぎる欲求も満たしてくれる。
記憶ではハルの母親と関係とか、一旦ハルが実家に帰ってすれ違うような流れがあったように思ったのですが、勘違いだったのかなあ。あれー?違ったんだな。
ハルが家出する原因となった母親との諍いや、マリちゃんの唯一の友人である弓仲さんとの関係など、お互いに何らかの事情はあれど、そこを追求するのではなく、ハル目線で「マリちゃん」をただただ観察するストーリー。
家に住むこと、キスすること、一緒のベッドで寝ること。
何でも受け入れてくれるマリちゃんが不思議で、ハルはどんどんマリちゃんがどこまで許してくれるのかを試していきます。
なぜ許してくれるのか。
どこまで受け入れてくれるのか。
その答えを知りたくて、職場での様子、家でのこと、趣味、唯一の友人・弓仲との関係なんかを観察したり探ったり。
頭の中がマリちゃんでいっぱいになっている様子が楽しい。
読み返して思ったのは、なかなか実験的な作品だったんだなということ。
相手に対する「なぜ?」の答えを相手の行動から見つけ出そうとするうちに、逆に自分が見えてくる。
どれだけ観察して多くを知ったところで、ちゃんと話す以上に得られる答えはないということ。
「ああ、そういう話だったのか!」って気付いたら、納得が行きました。
初読のときは複雑な事情をどうこうすることなく終わることに疑問があったんです。
母親との仲違いも元カノの登場も、それこそ一番重い弓仲の打ち明け話も、何のために?っていうのが残ってしまって。
テーマが見えたら何のことはない。
母親との仲違いは、マリちゃんの家に入り込むきっかけでしかなく、元カノの登場は当て馬的なイベントじゃなくて単純に、マリちゃんが自分にどれだけ執着を見せてくれるかという実験の道具でしかなくて、弓仲とマリちゃんの本当の関係も、マリちゃん自身が知らないマリちゃんの情報を知って、ハルがどう感じるかっていうだけの役割だったんだな、と。
だからそっちは一切進展も展開も解決もしないし、しなくていい要素だったわけで。
そこの解決を求めてしまうと、すごく物足りない気持ちになってしまいます。
ただ提示された問題の解決を求めるのは、人間のさが。
それだけに、モヤッと感が残るのも仕方ない手法だなと思いました。
再読してテーマに気付けたのは良かったけど、やっぱり物足りなさは感じます。
2人の静かな関係は素敵だし、これからをもっと見てみたかったなあ。
女装攻めだよ〜と知り合いにオススメされて購入しました。
女装攻め!!!って感じの作品ではなかったのですが、ロッキー先生のワールドやストーリーを存分に浴びられらので良かったです。
女装は個性、似合うんだからなにも問題はない、って言ってのけるのが最高でした。
マリちゃん(受けくん)も美人なので、ひたすら目の保養でした…かわいい。
「侵食したくなるのかもしれない」と言っていたハルくんでしたが、なんだかんだハルくんも知らず知らずのうちにマリちゃんに侵食されていて、かわいいな〜って思いました。