甘党な鬼神×スイーツ男子の人外ラブファンタジー!

小説

  • 鬼神様はパフェの虜につき

鬼神様はパフェの虜につき

onigamisama waparfait no toriko ni tsuki

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表題作鬼神様はパフェの虜につき

桔梗丸、パフェの虜になった鬼神
長山慶太、スイーツ好きを隠す大学生、18

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

スイーツ好きを隠す慶太にとって、カフェのバイトは唯一、スイーツに触れられる貴重な時間。ところが新作パフェの試作中に、突然、鬼神・桔梗丸が現れ「積年の恨みを晴らしてやる!」と迫られる。どうやら千年前に主を裏切った鈴鹿御前を探しており、慶太がその美女と名高い鈴鹿御前に瓜二つなのだという。男の自分が鈴鹿御前のはずがないと訴えても、聞く耳を持たない桔梗丸。慶太を見張るためにカフェに通うようになるが、意外にも慶太のつくるパフェの虜になってしまい…?

作品情報

作品名
鬼神様はパフェの虜につき
著者
久我有加 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041073414
3.4

(23)

(1)

萌々

(10)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
77
評価数
23
平均
3.4 / 5
神率
4.3%

レビュー投稿数8

鬼神様がかわいい

久しぶりの再読です。
初読時より楽しめたかも、理由はわからないけど。
初読時は、う〜む、萌評価くらいかなと思ったのを覚えてるんですよね。
あと、なんかこれだ!ってのがなくてレビューしづらいな、と。
だから一度でも読んだきりでレビューも書けずに放置してたんだけど、久しぶりに再読してみたら記憶よりも鬼神様が可愛かった。

最初こそ、積年の恨みを今こそ!!!ってな感じで殺気だってるけど、慶太の作るぱふぇにどハマりしちゃった鬼神様。

で、鬼神様ときたら、大真面目に激甘セリフをちょいちょい言うんですよね。
慶太がパフェを作る様子をじーーーっと見つめては「働いているときのおまえは、可愛らしい」だの「おまえは可愛らしい」を連発する鬼神様。

剣術の試合で勝って、見てた?!どーよ!オレ!ってな感じで誇らしげなところもかわいらしい。

記憶より絡みが濃厚でした。
精悍で古風な男前の関西弁かつ低音の「ここ、ええか?」はエロいっ!と思いました。

私もOHBA行ってみたいです。
パフェを一個食べきれる自信はないので
パフェではなくランチ食べながらですが、
精悍な男前がぱふぇを堪能している姿を目に焼きつかせていただければなぁと。


0

お話がコンパクトですね

コンパクトにまとめられてますね。もっとたっぷり読みたいな。

桔梗丸があんなに怨みを持って蘇ったのに慶太のぱふぇにあっさり懐柔されて…。
慶太に付きっきりで鈴鹿御前じゃないかと見張って確かめたり、違うとわかってもそばを離れなくて。
不可思議な力で洋服をまといモデルか?な男前で。

慶太も桔梗丸に可愛いと言われたり、好きなものは好きでいいじゃないかと言ってもらえたり、素の自分を認めて好きになってもらえて。

剣のくだりはハラハラしました。そうか、慶太が!

桔梗丸を愛の力で取り戻した慶太。
その後の甘々エッチは濃厚でしたね。描写が!

無事に二人はずっと一緒にいられるしめでたしめでたしですね。

最後の桔梗丸の「今日の夜、ええか?」にすべてを持ってかれました。
関西弁だとなんだかおじさんみたいな感じがして。スッゴい男前のモデルみたいな桔梗丸がこんなこと言うなんて!

0

ギャップのかたまり

復讐に現れた鬼神がパフェでおとなしくなるって
シュールだな…と思いましたが
慶太の落ち着きっぷりが素晴らしく、
描写だけでも充分美味しそうなのが伝わるパフェ、
やはり甘いものはどんな人(鬼?)でも幸せにしてくれるんだなぁと
妙に説得力がありましたww
栗のパフェ、私も食べたい!!!
(後日改良したピスタチオのムース入りがめっちゃ気になる)

鬼神の桔梗丸、最初こそ疑い深くしていましたが
日が経つにつれ慶太を信用してしっかり聞く耳がありましたし
義理堅さや筋のとおった気質にとても好感が持てました。
個人的に可愛い見た目の受けよりも男らしい感じが好ましいので
慶太は鈴鹿御前のように美しいと言われながらも
ちゃんとかっこいい男性だったので嬉しかったです。
穏やかで順応性のあるところも魅力的でした。

意外なほどに丁寧に慶太を愛撫してくれる桔梗丸についこちらが爆照れ!!
慶太がまぁ可愛らしく啼いちゃって無理もないなぁ……。
離ればなれになることはないようで安心しましたし
きっとこれからもOHBAはお客さんが途切れる事がなく大忙しでしょうね。
秀俊さんの洋食も食べたくなりましたが
パフェもだととんでもないカロリー…。

1

桔梗丸が素敵すぎる

美しいもの、おいしいもの好きが悪者な訳が無い。
そんな、甘くてエロい和風ファンタジーでした。
最近はファンタジー=オメガバース或いは、ケモ耳人外的な所があって、この作品のように、過去に鬼として封じられていた者が現代社会に現れて、、、みたいな、古典的というか、王道というか、時空超越設定の作品って、逆に新鮮でした。
久我先生の本は新刊が出れば作家買いしていますが、私が久我作品を好きな点として、受けのキャラクターが、肝が据わっているというか、根底が善で芯の通ったキャラクターだからという所が大きいです。
この作品の主人公の慶太も、女顔でからかわれたせいで、甘いものや美しいものやかわいい物好きを隠そうとはしていますが、実は…で、攻めの桔梗丸ともども気持ちのいいキャラクターでした。

2

美しいパフェが印象的です



甘いもの、美しいもの、かわいいものが好きな大学生の永山慶太(受け)は友人がオーナーをしているカフェでバイトをし、パフェ作りを担当しています。
ある日、直垂を着た男が刀片手に店に乱入してきて慶太に襲い掛からろうとします。よくよく聞くと、慶太を鈴鹿御前という女性と勘違いしているらしいのです
が、怒りに我を忘れている男は話を聞いてくれません。が、たまたま作っていた新作のパフェを食べてたいそう気に入り、気が削がれたらしくその日は帰っていきました。
慶太を鈴鹿御前とまだ疑っている男・桔梗丸(攻め)は次の日からカフェに訪ねてくるようになるのです。

慶太は高祖母にそっくりで女性のような美しい容姿をもつ大学生ですが、小さい時から注目されその容姿をからかわれていたことにより、自分が女性のように甘いもの、美しいもの、かわいいものが好きなことを知られると余計にからかわれると思い、周囲には隠して、硬派に見えるよう剣術を習ったりして男らしく見えるようにしています。
桔梗丸が乱入してきた時もその殺気に驚きますが、剣術の師匠の言葉を思い出し冷静に対処することができます。桔梗丸の経緯を聞き、剣術の師匠のところへ相談に行き、桔梗丸の疑念を晴らすためしばらく一緒に行動を共にすることにするのです。

桔梗丸は、今から千年ほど前大嶽丸という主人に仕えていたのですが、天竺へと留学している間に大嶽丸が鈴鹿御前の策略により滅ぼされてしまいます。大嶽丸は3明の剣という3振りの宝剣を持っていたのですが、桔梗丸が預かっていた顕明連以外の2振りは鈴鹿御前に奪われてしまい、桔梗丸は顕明連と共には封印されてしまいます。ある日、何故が封印が解けた(言い伝えを忘れて工事したため)ため、鬼神となって恨みを晴らすため鈴鹿御前の気を追って慶太の前に現れるのです。
はじめは慶太を鈴鹿御前だといって憚らなかったのですが、しばらく一緒にいるうちに鈴鹿御前ではないと納得します。

桔梗丸はなんでもおいしいと言って食べるのですが、一番気に入っているのが慶太が作るパフェで、「慶太が作るぱふぇは美しくておいしい」「パフェを作っていると気の慶太はかわいい」と臆面もなく言うので、今までそういうことを隠してきた慶太はその本気の言葉にくすぐったいやら恥ずかしいやら、今まで他の人に言われるのとは違った感想を抱きます。
この時の桔梗丸が「ぱふぇ」というのはギャップ萌えでとてもかわいいんです。
そして工夫を凝らした何種類ものパフェがとても美味しそうで、食べたくなって困りました。

昔話では大嶽丸は鬼となっていましたが、桔梗丸の話では普通の人間ではないかと思われます。昔話解説でも読んだことがあるのですが、朝廷に仇名すもの、退治されたものを鬼と称していたのかなと思います。


桔梗丸が慶太と一緒にいることによって落ち着いていたのに、他の二振りを持っている鈴鹿御前の末裔の一族が私利私欲のため桔梗丸と一体となっている顕明連目当てで騒ぎを起こします。
この一族がとにかく自分勝手で兄弟で後継者争いをしており、自分が一族の後継者になるために刀の封印を解き、事態を悪化させるのです。結局過ぎた力を求めたためすべてを無くすというおろかな一族でした。
ただ、この一族の行動で宝剣に安寧が訪れたことはよかったと思いました。

悪役の一族はとにかく、他の登場人物はいい人ばかりでした。
未来を予言していた高祖母の話や母の話もあったように、慶太はいろいろなものに守られていたのかもしれません。
慶太の剣術の師匠・大師匠は刀のお祓いなども請け負う神社の神主で、人ならざるものを視る力があり協力者としてとても頼りになる存在でした。
カフェのオーナーは、はじめこそ刀を振り回す桔梗丸にびびっていましたが、金払いはいいし、美丈夫でカウンターに座っているだけで女性客が増えるしで途中からは大歓迎で、二人を見守ってくれています。
慶太の両親は祖母の言葉を信じており、この状況を予感していたようで桔梗丸を大歓迎していました。
二人を取り巻く人たちがいい人たちで良かったです。

全体的に昔話と現在とオカルトというかファンタジー?な話がうまい具合に重なって面白かったと思いました。
そして、今回のような男前な受けはとても好ましく、読んでいて清々しい気持ちがしました。女性が好むものが好きなことをあまり人には知られたくないという卑屈なところもみられましたが、自分のすべてを肯定してくれる桔梗丸の存在により、かたくななところがなくなりこれからは生きやすくなるのではないかと思います。

2

スイーツのご準備を

麻々原先生のコミカル表紙に惹かれて購入。鬼神様が超可愛かったのですが、あと一押しか二押し欲しかったなと思ったので萌2よりですが萌としました。本編のみ200Pほど+先生のあとがきで、やや甘めの和風ファンタジーと感じました。

お話は慶太が、友人がオーナーシェフであるカフェで、幸せいっぱいにパフェを作りお客様に届けているシーンから始まります。スレンダー美人である慶太は、性格や趣味まで女っぽいと思われるのはイヤで、剣術を習い硬派を装っていますが、可愛いもの、甘いものが大好き。定休日に新作の栗のパフェを!と作っていたところ、店に突然直垂に身を包んだ男が乱入し・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は、
幼なじみでカフェオーナーシェフの秀俊、受けの家族、剣術を習っていた道場の大先生、師範、悪役少々です。

***以下は内容に触れる感想

特に前半、鬼神(桔梗丸)が登場してパフェで餌付けされるまでのシーン、各種パフェの記述があって、めちゃくちゃ美味しそうなので、何かフルーツなどをご用意いただくか、空腹じゃない時にお読みいただいた方がよいかと思います。餌付け完了するまでに食べたパフェは「シンサクノクリノぱふぇ」×2、柿のパフェに葡萄のパフェw。最初にパフェを口にした瞬間を麻々原先生が挿絵にしてくださっているのですが、桔梗丸の表情が絶品!!!!!超可愛い!甘党の鬼神様です。それを古めかしい関西弁で仰るので関西弁萌えする方はたまらんかもです。

桔梗丸が鬼神のくせに大変可愛らしかったというギャップ萌えはあったものの。
慶太が鬼神様を好きになる過程が少し物足りなく感じました。自分の性嗜好を意識していなかったのなら、余計男子を好きになっただけでビックリするんじゃないかと思うのですが、そのあたりの戸惑いがあまり感じられませんでした。妖刀3振りを受け止める力を持っていたということは分かるのですが、前振りでもう少し匂わせていただいても嬉しかったかな・・などとも思ったり。鬼神様は好きだったのですが、そう、受けさんに今一つ萌えられなかったです。ということで萌。

しかしパフェを食べる鬼神様は可愛かった。好きすぎる麻々原先生の挿絵・・・

2

久我さんのお話ってイメージよりもエロいですよね

美丈夫の鬼神さまが甘党で、パフェを「ぱふぇ」と発音するのがやたらツボに填ってしまった本作。肝心のお話を追うのがおろそかになるほど「ぱふぇ」という記述がある度にキュンキュンしてしまいました。

美しい顔立ちの長山慶太は、剣術を習い、顔は黒縁メガネで覆って、甘いものや綺麗なもの、可愛いものが大好きなのを必死に隠しています。バイト先のカフェで大人気のパフェを考案するのは慶太の役目で、作ったパフェに自信もあるし、何より作ることが大好きだけれども、大学の友人や道場仲間には秘密にしています。そんな折、新作パフェを試作中に、この世ならざる大風と共に表れた、直垂を身につけ、直刀を抜いた男に斬りかかられそうになります。慶太の身を守ったのは試作中の『栗のパフェ』。なんやかやでそれを食べた男の殺気は徐々に収まり、挙げ句の果てにはおかわりを要求されてしまったり。桔梗丸と名乗る男は、鈴鹿御前の謀で命を落とした大嶽丸に恩があり、復讐のために『人ならざるもの』になってしまったという経緯があります。そして慶太の面差しは鈴鹿御前にうり二つ。パフェを食べて落ち着いた桔梗丸は、本当に慶太が鈴鹿御前ではないか確かめるために、行動を共にすることになるのですが……

慶太が隠してきた自分の趣向を、桔梗丸に認められていく中で、自信を持っていくというか『隠さなくても良いもの』と認識していく課程がじっくり描かれていたことに好感を持ちました。
だって、桔梗丸って、最悪の出会い方をしているのに、実は素直でいい奴なんですもの。
イケメンであることを抜きにしても、武術は強いわ、人(主に慶太限定だけれども)を褒めることにてらいがないわ。
そして、最終的には『見た目が似ていても、その内心は顔つきに出るので、中身が解ってくると全然違うように見える』という所まで行っちゃうんですよ。
「その通り!桔梗丸、お前いい奴だな」と慶太でなくとも言いたくなるってものです。

久我さんはベテラン作家さんなので、ついついそういうイメージを忘れてしまうのですけれども「そうだ、そういえばエロい作家さんだった」と、このお話を読んで再認識いたしました。
エロくて甘いです。そもそも、パフェだもんね。

あ、久我さんのお話なので桔梗丸は当然のごとくお国言葉を話されます。
慶太は東京言葉ですが「方言萌えの方はこういう会話もクルものがあるのでは」と思いましたです。

5

やたら可愛いです

こちら人外ものですが、タイトルからも分かる通りラブコメです。
なんか、やたら可愛いです。
ほのぼのします。
超甘々です。

元々、作家買いを欠かさずとファンなのですが、今作のような甘々なラブコメは特に好みでして!!(≧∀≦)
とっても楽しく読めました。



内容ですが、攻めが鬼神と人外もののファンタジーです。
(ものを知らないため)丸ごと作者さんの創作だと思ってましたが、大嶽丸と鈴鹿御前の伝説がベースとなってるそうです。
これも丸々作者さんの受け入りですが、色々諸説ある中で、今回は鈴鹿御前が悪者バージョン。
鈴鹿御前に騙され、殺された上に三本ある内の二本の宝剣を奪い去られた大嶽丸。
で、そんな大嶽丸の養い子で、失意の中、一振りだけ残された宝剣と共に封印されたのが、攻めである鬼神・桔梗丸となります。

そして現在-。
山が切り拓かれた事により封印が解け、復讐しようと大学生・慶太の元を訪れる桔梗丸。
実は慶太は鈴鹿御前の子孫で、瓜二つの彼を鈴鹿御前と勘違いしていてー・・・と言う流れです。

で、復讐と言うとおどろおどろしいのですが、先にも書いたようにこちらラブコメ。
カフェでバイトしている慶太ですが、スイーツ好きで菓子作りが得意です。
最初は復讐する気満々で慶太の前に現れた桔梗丸ですが、彼の作るパフェのあまりの美味しさに、あっという間に陥落。
「自分は男だから鈴鹿御前では無い」と言う慶太に対して、見張ると言い張りカフェに通うようになるんですね。
やたら偉そうな態度で、「柿のぱふぇをよこせ」とか言ってる鬼神様が可愛すぎるんですよー!!

また、最初こそ喧嘩腰だった桔梗丸。
慶太の人となりを知るにつれ、態度が軟化どころか激甘に。
彼はですね、自分の気持ちを素直に口に出してるだけなのです。決して口説こうとしてるワケでは無いと分かる。
が、いちいち台詞が激甘。
「ぱふぇを作ってる姿が可愛らしい」とか、「甘いものの話をしてる時が嬉しそうで可愛らしい」とか!
可愛らしいを連発ですよ!!

実は慶太ですが、自身の綺麗すぎる顔がコンプレックスです。
で、自分の容姿でスイーツ好きと言うと、余計軟弱に見られてしまうと、その事を隠してる・・・。
そんな慶太に対して、好きなものは好きと言えばよいのだと、桔梗丸が伝えるのが素敵です。
例によって、そのほうが「楽しそうで可愛らしい」が着地点ですが。

また、二人の甘々&ほのぼのなエピソードばかりでなく、宝剣を狙う鈴鹿御前の子孫が現れ・・・とハラハラドキドキの展開で、飽きさせずに読ませてくれるのもお上手でした。
かなり、手に汗握らせてくれます。

ところで、久我先生の書かれるエロですが、私は超ツボだったりします。
普段はわりと強気な受けがですね~、エロでトロトロになっちゃって、やたら無防備な感じになっちゃうのが最高なんですよ。
今回も「できない・・・」と、泣きを入れてる慶太が可愛すぎて悶えました。最高です。

と、超好みで楽しく読めました!



8

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