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甘党な鬼神×スイーツ男子の人外ラブファンタジー!
久しぶりの再読です。
初読時より楽しめたかも、理由はわからないけど。
初読時は、う〜む、萌評価くらいかなと思ったのを覚えてるんですよね。
あと、なんかこれだ!ってのがなくてレビューしづらいな、と。
だから一度でも読んだきりでレビューも書けずに放置してたんだけど、久しぶりに再読してみたら記憶よりも鬼神様が可愛かった。
最初こそ、積年の恨みを今こそ!!!ってな感じで殺気だってるけど、慶太の作るぱふぇにどハマりしちゃった鬼神様。
で、鬼神様ときたら、大真面目に激甘セリフをちょいちょい言うんですよね。
慶太がパフェを作る様子をじーーーっと見つめては「働いているときのおまえは、可愛らしい」だの「おまえは可愛らしい」を連発する鬼神様。
剣術の試合で勝って、見てた?!どーよ!オレ!ってな感じで誇らしげなところもかわいらしい。
記憶より絡みが濃厚でした。
精悍で古風な男前の関西弁かつ低音の「ここ、ええか?」はエロいっ!と思いました。
私もOHBA行ってみたいです。
パフェを一個食べきれる自信はないので
パフェではなくランチ食べながらですが、
精悍な男前がぱふぇを堪能している姿を目に焼きつかせていただければなぁと。
コンパクトにまとめられてますね。もっとたっぷり読みたいな。
桔梗丸があんなに怨みを持って蘇ったのに慶太のぱふぇにあっさり懐柔されて…。
慶太に付きっきりで鈴鹿御前じゃないかと見張って確かめたり、違うとわかってもそばを離れなくて。
不可思議な力で洋服をまといモデルか?な男前で。
慶太も桔梗丸に可愛いと言われたり、好きなものは好きでいいじゃないかと言ってもらえたり、素の自分を認めて好きになってもらえて。
剣のくだりはハラハラしました。そうか、慶太が!
桔梗丸を愛の力で取り戻した慶太。
その後の甘々エッチは濃厚でしたね。描写が!
無事に二人はずっと一緒にいられるしめでたしめでたしですね。
最後の桔梗丸の「今日の夜、ええか?」にすべてを持ってかれました。
関西弁だとなんだかおじさんみたいな感じがして。スッゴい男前のモデルみたいな桔梗丸がこんなこと言うなんて!
復讐に現れた鬼神がパフェでおとなしくなるって
シュールだな…と思いましたが
慶太の落ち着きっぷりが素晴らしく、
描写だけでも充分美味しそうなのが伝わるパフェ、
やはり甘いものはどんな人(鬼?)でも幸せにしてくれるんだなぁと
妙に説得力がありましたww
栗のパフェ、私も食べたい!!!
(後日改良したピスタチオのムース入りがめっちゃ気になる)
鬼神の桔梗丸、最初こそ疑い深くしていましたが
日が経つにつれ慶太を信用してしっかり聞く耳がありましたし
義理堅さや筋のとおった気質にとても好感が持てました。
個人的に可愛い見た目の受けよりも男らしい感じが好ましいので
慶太は鈴鹿御前のように美しいと言われながらも
ちゃんとかっこいい男性だったので嬉しかったです。
穏やかで順応性のあるところも魅力的でした。
意外なほどに丁寧に慶太を愛撫してくれる桔梗丸についこちらが爆照れ!!
慶太がまぁ可愛らしく啼いちゃって無理もないなぁ……。
離ればなれになることはないようで安心しましたし
きっとこれからもOHBAはお客さんが途切れる事がなく大忙しでしょうね。
秀俊さんの洋食も食べたくなりましたが
パフェもだととんでもないカロリー…。
美しいもの、おいしいもの好きが悪者な訳が無い。
そんな、甘くてエロい和風ファンタジーでした。
最近はファンタジー=オメガバース或いは、ケモ耳人外的な所があって、この作品のように、過去に鬼として封じられていた者が現代社会に現れて、、、みたいな、古典的というか、王道というか、時空超越設定の作品って、逆に新鮮でした。
久我先生の本は新刊が出れば作家買いしていますが、私が久我作品を好きな点として、受けのキャラクターが、肝が据わっているというか、根底が善で芯の通ったキャラクターだからという所が大きいです。
この作品の主人公の慶太も、女顔でからかわれたせいで、甘いものや美しいものやかわいい物好きを隠そうとはしていますが、実は…で、攻めの桔梗丸ともども気持ちのいいキャラクターでした。
甘いもの、美しいもの、かわいいものが好きな大学生の永山慶太(受け)は友人がオーナーをしているカフェでバイトをし、パフェ作りを担当しています。
ある日、直垂を着た男が刀片手に店に乱入してきて慶太に襲い掛からろうとします。よくよく聞くと、慶太を鈴鹿御前という女性と勘違いしているらしいのです
が、怒りに我を忘れている男は話を聞いてくれません。が、たまたま作っていた新作のパフェを食べてたいそう気に入り、気が削がれたらしくその日は帰っていきました。
慶太を鈴鹿御前とまだ疑っている男・桔梗丸(攻め)は次の日からカフェに訪ねてくるようになるのです。
慶太は高祖母にそっくりで女性のような美しい容姿をもつ大学生ですが、小さい時から注目されその容姿をからかわれていたことにより、自分が女性のように甘いもの、美しいもの、かわいいものが好きなことを知られると余計にからかわれると思い、周囲には隠して、硬派に見えるよう剣術を習ったりして男らしく見えるようにしています。
桔梗丸が乱入してきた時もその殺気に驚きますが、剣術の師匠の言葉を思い出し冷静に対処することができます。桔梗丸の経緯を聞き、剣術の師匠のところへ相談に行き、桔梗丸の疑念を晴らすためしばらく一緒に行動を共にすることにするのです。
桔梗丸は、今から千年ほど前大嶽丸という主人に仕えていたのですが、天竺へと留学している間に大嶽丸が鈴鹿御前の策略により滅ぼされてしまいます。大嶽丸は3明の剣という3振りの宝剣を持っていたのですが、桔梗丸が預かっていた顕明連以外の2振りは鈴鹿御前に奪われてしまい、桔梗丸は顕明連と共には封印されてしまいます。ある日、何故が封印が解けた(言い伝えを忘れて工事したため)ため、鬼神となって恨みを晴らすため鈴鹿御前の気を追って慶太の前に現れるのです。
はじめは慶太を鈴鹿御前だといって憚らなかったのですが、しばらく一緒にいるうちに鈴鹿御前ではないと納得します。
桔梗丸はなんでもおいしいと言って食べるのですが、一番気に入っているのが慶太が作るパフェで、「慶太が作るぱふぇは美しくておいしい」「パフェを作っていると気の慶太はかわいい」と臆面もなく言うので、今までそういうことを隠してきた慶太はその本気の言葉にくすぐったいやら恥ずかしいやら、今まで他の人に言われるのとは違った感想を抱きます。
この時の桔梗丸が「ぱふぇ」というのはギャップ萌えでとてもかわいいんです。
そして工夫を凝らした何種類ものパフェがとても美味しそうで、食べたくなって困りました。
昔話では大嶽丸は鬼となっていましたが、桔梗丸の話では普通の人間ではないかと思われます。昔話解説でも読んだことがあるのですが、朝廷に仇名すもの、退治されたものを鬼と称していたのかなと思います。
桔梗丸が慶太と一緒にいることによって落ち着いていたのに、他の二振りを持っている鈴鹿御前の末裔の一族が私利私欲のため桔梗丸と一体となっている顕明連目当てで騒ぎを起こします。
この一族がとにかく自分勝手で兄弟で後継者争いをしており、自分が一族の後継者になるために刀の封印を解き、事態を悪化させるのです。結局過ぎた力を求めたためすべてを無くすというおろかな一族でした。
ただ、この一族の行動で宝剣に安寧が訪れたことはよかったと思いました。
悪役の一族はとにかく、他の登場人物はいい人ばかりでした。
未来を予言していた高祖母の話や母の話もあったように、慶太はいろいろなものに守られていたのかもしれません。
慶太の剣術の師匠・大師匠は刀のお祓いなども請け負う神社の神主で、人ならざるものを視る力があり協力者としてとても頼りになる存在でした。
カフェのオーナーは、はじめこそ刀を振り回す桔梗丸にびびっていましたが、金払いはいいし、美丈夫でカウンターに座っているだけで女性客が増えるしで途中からは大歓迎で、二人を見守ってくれています。
慶太の両親は祖母の言葉を信じており、この状況を予感していたようで桔梗丸を大歓迎していました。
二人を取り巻く人たちがいい人たちで良かったです。
全体的に昔話と現在とオカルトというかファンタジー?な話がうまい具合に重なって面白かったと思いました。
そして、今回のような男前な受けはとても好ましく、読んでいて清々しい気持ちがしました。女性が好むものが好きなことをあまり人には知られたくないという卑屈なところもみられましたが、自分のすべてを肯定してくれる桔梗丸の存在により、かたくななところがなくなりこれからは生きやすくなるのではないかと思います。