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運命じゃなくたってかまわないーー…
”人と人を結ぶ縁の糸” をモチーフにしたファンタジー、とびっきり切なくて、愛しさが込み上げてくるお話です!
drapで何話か読んで、続きが気になっていたのですが、一冊まとめて読むと、切なさで泣いてしまうけど、泣いた分の涙で強くなれる、そんな風に思える話です。
『赤い糸の執行猶予』に登場した、”縁の糸” を見ることも切ることもできる神沢薫のスピンオフですが、あとがきによると、縁切りの仕事よりも恋愛重視で描いたそうなので、私は前作未読ですが、話は十分わかりました。
薫がイケメンリーマン・原から依頼されたのは、ストーカーの縁を切ること。
仕事は無事完了、報酬を受取るため二度目に会った時、原からいきなりキスをされ、好きだと言われる。
”縁の糸” が見えるのは薫の家系の力。必ず双子が生まれて、能力があるほうが跡を継ぎ、もう片方が子孫を残す。
跡を継いだ者は誰とも ”運命の赤い糸” は繋がらない…
薫は自分が誰とも結ばれないのを知っている。
それでも人を好きになって、今度こそはと期待して、会うたびに赤い糸が誰とも繋がっていないのを確認する。
薫にとって恋することは、別れのカウントダウンに脅えるようなもの…
だから、かわせなかった原の誘いを、薫はセフレとして距離を保とうとするのだけど、原はやさしげなのにセックスの時は意地悪で、薫のカラダは原しか欲しいと思えなくなる。
そして甘くて薫のすべてを受入れてくれる原の傍は心地良くて、終わる日が怖くて仕方がないのに、関係をやめることができない…
そして原への想いを自覚した薫はある決断をする。
自分が傷付くより、原を傷付けることを選ぶ。
結婚のようなマネごとをして、とびきり甘い時間を過ごした後に消えるのって…
でも、そんな風に無理矢理断ち切らなきゃいられないくらい、薫は原を好きになってしまったんだよね。
原が居なくなることが怖くてしかたがなくて、その現実を見ることに耐えられないと思ったんだよね。
誰しもが愛する人と一生添い遂げたいと思っているはず。
そうならない未来は怖い。力がなければ不確定な未来の可能性の一つにすぎないのに、薫の場合は確定された未来だから、薫が原にした仕打ちはひどいものだけど、傷付いて辛いのは薫のほうだと思ってしまう…
原が悪いわけじゃないっていうのも辛い。
なにかに引き寄せられたみたいに、二人は再会します。
そして原は、未来の運命なんかより、いま目の前にいる薫と一緒に生きていこうとする。
そこまで強い決心は怖いくらい。
でも薫ははじめて愛し愛されて、未来を信じられる人に出会えたんですね。
ほんと泣かずには読めないくらい、切なさが痛くもあるけれど、運命なんかより今の愛を信じようとする二人の強さに、ラストは違う涙を流してました。
ご都合主義的に原と薫が ”赤い糸” で結ばれるオチがなかったことに安心しました。
「運命なんてクソくらえ!」は大好きな別作品にも出てくるフレーズですが、ドラマチックな ”運命” より、”愛する気持ち” のほうにより強く惹きつけらます。
運命の赤い糸が小指にもともとない受だったけど、ついに攻めに他人と赤い糸が結ばれてしまい、切るかどうか悩み続ける展開でした。攻めを思う気持ちがかわいそうで愛情深くて萌えました。2人で幸せになる勇気を持ったという決心が良かったです。
居なくなった攻めのジャケットから赤い糸に見立てたピンキーリングがでてくるエピソードがずるいー!!指輪がでてくる…というのはあるあるですが、それがあえてのピンキーリングだったのが作品ならでは。
何度読んだかわからないくらい読みました。めちゃ性癖。
赤い糸の執行猶予のスピンオフですが、こちらから読んでも全く問題ないです(私もこちらから読みました)。
大丈夫じゃないのに大丈夫と言ったり、別れたくないのに相手を思って別れたりなどなどと強がる受けが大好物なので、もうめちゃめちゃ性癖でした。
絵も話の運び方も安定しててお上手なので、話に集中できてよかったです。
続編も薫くんがめちゃ可愛いので是非読んでください。
運命の糸が見え、縁を切る能力をもつ薫(受)。
しかし薫はその能力と引き換えに自身の運命の赤い糸は存在しません。そのため今まで好きになった相手はみな別の相手と運命の赤い糸で結ばれ自分の元からは去っていきます。
そんな中、ストーカーとの縁を切る依頼を原(攻)が持ち込みます。そして薫(受)に恋に落ちます。
でも、運命の赤い糸を持たない薫(受)は恋愛を拒み、諦めてもらうために「セフレならいいよ」と......
設定が上手く生かせており、薫(受)の気持ちもよくわかるのでストーリーに引き込まれちゃいました......!一緒に辛くなったり嬉しくなったり...素敵な作品です!!
ちなみに!
吉尾アキラ先生の別作品「赤い糸の執行猶予」に薫(受)くんが縁切り屋として登場します......!時系列がすごく気になります...!!が、会話内容的にこちらで2人がくっついたあとではないかと.......!なので気になった方は「赤い糸の執行猶予」もぜひ!!
本棚整理に伴い、レビューを書いていなかった作品を読み直しているのですが、初読のときに評価だけ入れてあった作品が結構ありまして。
読み直してみて、こんなにも初読と再読の印象が変わるとは思ってもいませんでした。
「えー、これ、こんなに良かった?」と思う作品が「しゅみじゃない」で確定されていて、「おい、自分!何してくれてんだ!」ということが何度もあって、過去の自分にげんなりしていたのですが、この作品、「神」で確定されてました。
過去の自分、バンザイ!
前置きが長いですが、初読でも読み直しても「神」。
きっと何回読んでも、何年経っても「神」。
そう確信できる作品です。
「赤い糸の執行猶予」で登場した糸切り屋・神沢薫が主役のスピンオフです。
上司の娘に気に入られてストーカーされているので縁を切ってほしいとやってきた原。縁切りの効果を見るために1週間後にまた会うことになって…。
という始まりで、最初から最後まで胸が締め付けられたり鷲掴みにされたり雑巾絞りされたり忙しいです。何度死ぬかと思ったことか。
ひとの赤い糸は見える。自分にはない。誰かを好きになっても、必ず相手には赤い糸がつながる相手が現れる。
そんな経験を繰り返していたら、ひとを好きになるのが怖くてたまらなくなりますよね。一時は通じ合った気持ちも、自分だけ置き去りにされるのが分かっていたら、好きになること自体つらいだけだし、諦めたくなる。
自分を好きだと言ってくれる原の感情も今だけで、赤い糸がつながったら離れていくに違いない。惹かれる気持ちを無理に押し殺している薫がもう切なくて切なくて。
デートした日の話は涙なしには読めません。最高にしあわせで、目一杯楽しんで、素直にこころをさらけ出して、ぐううう、打ちながら泣く。読んでほしい。ほんとに読んでください。何なら貸します。
原のスパダリ感もハンパないです。
「スパダリ」なんてカタカナ語で括りたくないくらいの真の素晴らしいひと。
赤い糸を信じる、信じないではなくて、「俺を信じてないよね」。ふぐぅ。すみません、もう思い出しただけで涙が。感動の涙が。
「最近泣いてないな」とか、「こころ、潤ってないな」という方。
ぜひ、読んでください。
何度読んでも良い作品です。好き!!