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表題作ユキヒョウの獣愛

ジュスト、人間嫌いのユキヒョウ族の族長
ティタ、獣人姿になれないサーベルタイガー族の薬師

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

★獣人度&溺愛度保証!ユキヒョウ獣人×獣人姿になれない青年★
『赤い満月がのぼる夜、獣人族は恋する相手に発情する』
獣人族なのに獣人姿になれない中途半端なティタは、
母の病を治すために氷の花を探す旅に出て、花を護るユキヒョウ族の族長ジュストと出会う。
情が深く、一度懐に入れたティタをとことん甘やかすジュスト。
だが二人は族長の座を狙う陰謀に巻き込まれ、さらに赤い満月の夜が訪れ…!
「故郷に帰れ。今宵は獣人が恋に狂う夜だ!ここにいれば無事では済まない」
抑えがたい発情の熱の中、愛するがゆえに突き放すジュストにティタは!?

【登場人物】
ティタ(受)/
サーベルタイガー獣人族に生まれたが、生まれつき獣人姿になれない。
薬師をしている。いつも一生懸命で勇気にあふれている

ジュスト(攻)/
ユキヒョウ獣人族の長。たくましく屈強な戦士。
人間嫌い。実はかなりの猫舌

作品情報

作品名
ユキヒョウの獣愛
著者
櫛野ゆい 
イラスト
九重シャム 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
竜人と運命の対
発売日
ISBN
9784799740545
4.1

(26)

(8)

萌々

(16)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
107
評価数
26
平均
4.1 / 5
神率
30.8%

レビュー投稿数6

壮大な物語

とても読み応えがありました。2段組で268ページ。2日がかりで読み終えました。

ティタの必死さがこちらにも伝わって、前半はハラハラでした。ユキヒョウの三人組に出会い、なんとティタの母の病を治すことができる氷の花が彼らの国にあるとわかり。

ティタは氷の花を手に入れる為に初めて集落を飛び出し、初めて旅をして毎日歩き続け足の裏のまめは潰れ体力の限界まできていて。

しかしユキヒョウの長のジュストは人間嫌いで、しかも氷の花は門外不出の品らしく全く聞く耳を持ちません。

ここからティタがジュストの信用を得るまで、ジュストがティタを愛するようになるまで、ティタを抱っこして雪山を歩き、宿ではティタを抱いてスヤスヤ眠り…。

ここまでが半分です。

後半もジュストを狙う叔父との戦いに発情にと盛りだくさんで。

正直後半で疲れてきてしまい、最後の数ページは飛ばし読みしてしまいました。

ジュストが一度信用した者は懐に入れ大切にし守るところ。しかもティタは人間姿で細くていつもニコニコしてるのに、いざとなると強くて頼りになって。
ジュストの心を溶かし愛を教えたティタ。ジュスト出会った時とがまるで別人ですね。

櫛野さんの作品の獣人ものを読むたびに主人公が羨ましくて。私も真っ白でフカフカな被毛にバフっと顔を埋めたい!ひょいっと片腕で抱っこされたいなあと。

溺愛モフモフ堪能しました。

0

スパダリ獣人に愛でられるとにかく可愛い受がたまらん!

櫛野獣人はサーベルタイガー、ユキヒョウ、龍、別シリーズの狼と概ね制覇しました。
どの話も共通で、攻は地位も名誉もあるクールな武人てのがお約束なのです。種族の違いこそあれ、最初は無口で不愛想だけど情には篤く、一度懐に入れたらとことん可愛がり溺愛します。

でも受は結構バリエーション豊富で、サーベルタイガーでは温室育ちの人間の王子様(おしとやかな美人)、龍では現代日本から異世界に飛ばされてきた高校生(やんちゃで元気)、狼では庶民出身の人間の男の子(大人しいけど芯は強い)と色々そろっているのですが、今回のユキヒョウに出てくるティタが最強に好みです。

まず、ティタはサーベルタイガー族の獣人なのに、獣人の姿になれません。ずっと人間の姿だけれど、年齢は獣人らしく100歳超えてます。
獣の姿になれないコンプレックスはありつつも、優しい両親や良い友達に恵まれて、ねじくれずに素直にスクスク育ちました。
魔法が苦手なサーベルタイガー族のみんなの役に立ちたいと、独り立ちしてからは薬草園を作って薬師の仕事をしています。
ある日、大好きな母親が病気になって、それを治すにはユキヒョウの国にある氷の花が必要で…ってことで、友人たちに母親の看病を任せて旅に出ます。

まー旅の途中で色々あって、今回のスパダリ、ジュストさまと巡り合い、妹のアリーシャと仲良くなり、なんやかんやでユキヒョウ族のお家騒動に巻き込まれたりしながら、二人は惹かれ合って行くのですが。

獣人姿になれないティタさん、寒いのでジュストさまに添い寝してもらう→ジュストさまのお腹の上でモフりながら、寝ぼけてジュストさまの尻尾をチュウチュウする→翌朝、尻尾がびしょ濡れになったジュストさまに、ユキヒョウ族は幼少期に親の尻尾をおしゃぶりにしながら寝るのだと笑われる。

このくだりがもう、エロ可愛すぎません!?無意識天然ちゃんのお寝ぼけ尻尾フェラってなにそれもう!!!

ジュストさまも、櫛野獣人の中では結構大人げないほうで、最初は「お前なぞ信用できるか」とツンツンしてるくせに、猫舌で熱いお茶が飲めないと態々人間姿に変化して「この姿なら飲める!」とムキになったり、自分が一番カッコイイと言わないと一緒に寝てやらん!と拗ねたり、なかなか可愛らしかったです。

ユキヒョウ族のお家騒動でも、可愛いだけじゃないティタくんは、眠り薬の煙玉で敵を制圧すると言う大働きをこなし、ユキヒョウの男性陣から「こいつ怒らせたらヤバイ」とこっそり恐れられるようになります。

なんやかんやでラストは勿論ハッピーエンドで、ティタママの病気も治り、ティタはユキヒョウの国に嫁いでゆきます。
それを見守るサーベルタイガー族長のディオルク夫妻。息子を嫁に出すみたいですごく心配していて、こちらも仲睦まじいようで何よりです。

タイトル通り、恋愛要素は全編に通じてありますが、氷の花を求めてのティタの旅や、ユキヒョウ族のお家騒動など冒険活劇としての要素もふんだんにあるので、エンダーテイメント性抜群のお話でした。

0

獣人の愛は重い


既刊「サーベルタイガーの獣愛」「竜人と運命の対」と同じ世界のお話です。
人間の他にサーベルタイガーや竜人・鳥人・ユキヒョウなど獣人もいる世界で、今作ではユキヒョウ×サーベルタイガーのお話です。
このお話だけでも問題ないと思いますが、「サーベルタイガーの獣愛」の二人も登場するので、先に読んでいたほうが世界に入りやすいと思います。

<あらすじ>
サーベルタイガー族の中でも並外れた嗅覚をもつ薬師のティタ(受け)は突然高熱を出して倒れた母親が亡くなった父親と同じ病であることに気が付きます。父親はその病のあと本性である獣人の姿になれなくなり、その後事故で命を落としてしまったのです。自身の持っている薬では治療できず、途方に暮れるティタに族長(「サーベルタイガー・・」の攻め様)が特別に禁書を借しだしてくれ、特効薬となるかもしれない薬草・氷の花の存在を知るのです。
ティタは急ぎそれを手に入れるための旅に出かけることにします。
初めて里を出たティタは慣れない旅で何度も危ない目に会いながらも隣国の市場へたどり着き、そこでユキヒョウ族の獣人・アリーシャと友人になります。
氷の花の管理者がユキヒョウ族だと知ったティタはその薬を譲ってくれるよう頼むのですが、アリーシャの兄であるユキヒョウ族の族長・ジュスト(攻め)と従者キリルは極度な人間嫌いで、人の姿しかとれないティタを信用してくれず、けんもほろろに断られます。何度も懇願するティタにアリーシャが間に入りユキヒョウ族の里までの同行を許されるのです。


ティタはジュストたちの信用を勝ち取り薬を譲ってもらえるのでしょうか。
ジュストが人間を毛嫌いする理由は何か。
人間に対するわだかまりは解けるのか。
旅の途中で襲ってきた暴漢は誰なのか。



サーベルタイガー族のティタはサーベルタイガーの両親から生まれた純血のサーベルタイガーですが、何故か生まれたときから人の姿をしており、獣人の姿になることができません。
ティタは本性であるはずの獣人になれないことへのコンプレックスを持ちながらも、両親に愛され仲間にも恵まれ、一族随一の嗅覚を活かし努力して薬師になりました。
熱を出した母親から父親と同じ病気の匂いを感じ取り、父親が病を得た後獣人の姿になれなかったことから、自分は胎児の時に同じ病気にかかったのかもしれないと予想し、このままでは母親まで獣人の姿になれなくなると焦るのです。なんとしても母親の病気を治すため一人旅に出ることにします。

ジュストはユキヒョウ族の族長で隣国の王位継承(「サーベルタイガー・・・」の騒動の元になった話)のお祝いに出かけていた帰途、ティタに出会います。両親を信頼していた人間に氷の花で毒殺されており、人間すべてを不信に思っています。

初めはジュスト(キリルも)の態度は酷いものでした。誰も信用しない話しかけるなオーラを発し、氷の草を欲しがるティタをあからさまに不審者扱いしています。
キリルの危機を助けたこととその時近くにいた人間の行動で心を入れ替えるまでその態度が続きますが、自分の間違いに気づいたときにはジュストはもうティタに恋していたようです。
その変化はまわりにはとても分かりやすいようで、旅の途中では同行していたアリーシャとキリルには密かに応援されていたし、里についてからも近衛兵たちにもばれているようでした。気付いていないのがティタだけというのがちょっと笑えます。

すぐにでも薬をもって帰ることになっていたのですが、ジュストの叔父イゴールによるクーデターでそれどころではなくなってしまいます。
そして、そんなこんなしているうちにオラーン・サランが来てしまうのです。

オラーン・サランとは2か月に1度正反対に満ち欠けする赤と白の二つある月のうち赤い月だけが昇る満月の夜、獣人たちが恋する相手に対して発情する夜のことで、相手を決めてしまった獣人は満たされない限り苦しみ何度も繰り返すと気が狂うとも言われる、両想いの二人にとっては愛に狂う夜ですが、両想いでない獣人にとっては悪夢のような夜です。

クーデターは阻止することができるのか。オラーン・サランの夜を無事に迎えることができるのか。
後半以降ハラハラする展開が続き、面白かったです。


ただ、ちょっとだけ気になる点が。
ティタは初めから強力な解熱効果のある薬を探していましたが、何の病気かわからないのに解熱剤を探すだけでいいのか。
他に同じ病気の人がおらず、ティタの家族だけそれも時間差のある発病の仕方もおかしいし、症状が治まったらそれでいいのかなと思ってしまいます。

また、反逆したイゴールですが、結局彼が何故長になりたいと思ったのかが謎のままでした。一族随一の剣の使い手でジュストの師であったとありましたが、ではなぜジュストを鍛えたのかと疑問が残ります。
兄夫婦を殺し甥や姪をも手に掛けてまで長になろうとするにはきっと何か理由がるのではと思ったのですが、どんな事情だったのだろうか。もう少しその辺りの掘り下げが読みたかったように思いました。

2

ネコ科なので

サーベルタイガー、竜人さんと同じ世界で今度はユキヒョウ。サーベルタイガーさんのカプはお揃いで最初と最後に登場されましたが、竜人さんカプは出番なしでした。ユキヒョウならではの獣人記述を楽しめたので萌2にしました。2段組で「本編260Pほど+先生のあとがき」です。

サーベルタイガー獣人族のティタはなぜか獣姿になれない獣人。母のススメに従い、嗅覚に優れていることを生かして薬師になったのですが、ある日母が高熱で倒れてしまいます。必死に効く薬を探してようやくこれだ!と思ったのは、極寒の地にあるという「氷の花」。ティタは母の事を幼馴染たちに頼んで、北に向かいカーディア王国の城下町までたどり着いたところで、ある少女に出会い・・・とお話は続きます。

攻め受け以外の登場人物は
アリーシャ(ユキヒョウ族長の妹)、キリル(ユキヒョウ族、攻めの腹心)、ジュストの叔父、カミラ(♀、宰相)、ロウ(鳥人)とサーベルタイガーのカプぐらいかな。少なくはないですが、混乱はないです。

**楽しめたところ

櫛野先生の記載で一番好きなのはモフ関係の可愛い記載!
しっぽ効果音は今回「べっしべっし」でしたw それに加えて萌えたのは、ティタがジュストのしっぽを咥えるというシーン♡ライナスの毛布よろしく、ティタが眠っている間にジュストのしっぽを咥えてしまうのです。「リアルのユキヒョウは本当にしっぽ咥えをやる」と先生あとがきにあったので、検索してみれば、出てくる出てくるユキヒョウのしっぽ咥え画像!もっふもふのぶっとい尻尾を、はむっって咥えている様子がもう可愛くて可愛くて・・・それをティタにやってもらって嬉しそうにしているジュストを想像してしまって、ニマニマが止まりませんでした。
あと猫舌シーンも思わず噴き出してしまいました。や、ネコ科なんでね、猫舌は当然なのではと思いましたが、サーベルタイガーもおそらくネコ科と思われるので、ジュストが特別弱いのかもと思うと、可愛さ倍増でした。

色っぽいシーンは後半にたっぷり2回分あるのですが、そこはちょっと飽きちゃったかな。今回ティタも獣人なせいか、オラーン・サランもそうでない時も二人で大変積極的に盛り上がっておられましたので、色っぽいシーンが好きな方にはたまらないかもです。

フカフカもふもふ、かつ、とっても強い戦士さんのユキヒョウを堪能できた1冊でした。あーしっぽに巻き付かれて寝てみたいなあ。

2

一途な思いと行動がクールな族長の心を融かす

今回は人間嫌いのユキヒョウ族族長と
獣人姿になれないサーベルタイガー族薬師
のお話となります。

病の母のために薬草を探す受様が
攻様一族の後継者争いに巻き込まれつつ
攻様の運命の番となるまで

この世界には
人間の国の他に獣人の国があります。

受様は
男女問わず一騎当千の戦闘能力を持つ
サーベルタイガー一族のごく普通の
夫婦の元に生まれますが
どういうわけか生まれつき人間姿で
成長しても獣人姿になれないままでした。

人間姿にしかなれない受様は
腕力、視力、聴力とも
人間とほとんど変わりませんが
嗅覚だけは一族の誰よりも鋭敏です。

受様はその能力を活かして
薬師となるべく医学や薬学を学び
今では一族きっての薬師という
ありがたい評判を受けています。

しかし、受様の母が突然倒れ
高熱が続く原因不明の病に侵され
今の受様の知識と手持ちの薬草では
治療の術がない状況となります。

族長が貸与してくれた禁書により
北の大地に生息する「氷の花」が
万能な解熱作用を持つことを知り
受様は単身で旅に出る決意します。

旅の途中にカーディア国で
大きな市場が開かれると聞いた受様は
希望を抱えて市場に立ち寄りますが
求める薬草はなくあまりの人間の多さに
ただただ途方に暮れてしまいます。

そんな市場で迷子の少女と知り会い
彼女の連れであり美麗な被毛をもつ
ユキヒョウ族の高貴な獣人と
縁ができるのです。

その獣人は迷子の少女の兄であり
今回の攻様になります♪

受様は攻様から「氷の花」は
ユキヒョウ族の管理下にあり
門外不出の薬草だと告げられます。

大の人間嫌いの攻様は
受様を不審人物として扱いますが
妹王女の口添えで
彼らとともにユキヒョウ族の里を
目指す事となります。

果たして受様は
母を助ける事が出来るのか!?

既刊「サーベルタイガーの獣愛」の関連作で
既刊カプが懇意にしている薬師が
今回の主役の受様となります。

攻様が人間を厭うのは
両親が懇意にしていた商人が持参していた
毒入り菓子で亡くした過去に起因しています。

旅の途中で人間として見えない受様が
実はサーベルタイガー獣人と知っても
頑なな態度はほぐれません。

そんな中、
同行者であり攻様の片腕である従者が
毒蛇に咬まれて受様の治療を受けた事から
誰にでも手を伸べて分け隔て無い受様を
攻様は感謝と共に受け入れてるようになります。

しかしもうすぐ里だという頃に
攻様を狙ったと思しき急襲を受け
一行の帰国は不穏な様相を増していきます。

そして受様が「氷の花」を入手するために
向かった谷地で攻様の叔父が
攻様を暗殺しようと仕掛けてきたのです!!

多勢に無勢な攻様は反撃もむなしく
受様とともに谷から転落!!

と、攻様の帰国後は
一族の跡目を狙う叔父との攻防、
オーラン・サランの訪れによる
攻様の狂おしいほどの発情と

次々に押し寄せてくる難題に
息つく暇もなく一気読みでした♪

とっても面白かったです (^O^)/

攻様が俺様キャラから
溺愛キャラと化す過程がすごく楽しいし、

寝ている受様が攻様の尻尾を
はむはむ&ちゅうちゅして
びしょびしょにしてしまうという展開が
MYツボ押しまくりで萌えました♡

受様が攻様の尻尾に執着する様が
すごく可愛いです。

仔ヒョウは親の尻尾を
はぐはぐするそうのだそうですが
受様の無意識の行動は
正にソレそのもの。

受様は自分の信じるモノを護る為に
強者にも立ち向かっていくのに
自分には無防備に甘えられたら
クールな攻様だってイチコロです♡

関連シリーズ「竜人と運命の対」の
攻様の尻尾のユカダン同様
すご~く萌え萌えでした ヾ(≧▽≦)ノ

オーラン・サランの夜の2人の
濃厚な一夜も美味しく堪能させて頂き
とっても充実した1冊でした。

一筋縄ではいかなさそうな屈強な獣人族の
新たな恋物語もぜひ読みたいです!!

今回は櫛野さんの既刊から
『竜人と運命の対』を激押しします。
尻尾が口ほどにものを言ってて楽しいですよ。

4

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