gift (下) 薄紅めく空の、潤びる螺旋の、光る岸辺の、

gift

gift (下) 薄紅めく空の、潤びる螺旋の、光る岸辺の、
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神111
  • 萌×211
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
12
得点
612
評価数
130
平均
4.7 / 5
神率
85.4%
著者
一ノ瀬ゆま 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
シリーズ
gift
発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784344843585

あらすじ

新興宗教を隠れ蓑にした非合法組織に取り込まれ、粛然と仕事をこなしていく勁。そんな彼に「御子柴ジムが潰れる」と、突然の危機が告げられた。この事態を回避して宥に喜んでもらいたい一心で、勁は組織トップからの無理難題を二つ返事で引き受ける。 得体の知れない恐ろしいものに搦め捕られた勁を、なんとしても連れて帰る。そう心に強く誓って〈約束の場所〉に立つ宥の前に現れたのは、まるで真っ赤な花束を抱えたような勁で――。 ふたつの魂の、邂逅と宿命の物語、ついに完結。

表題作gift (下) 薄紅めく空の、潤びる螺旋の、光る岸辺の、

白石 勁(20歳・ボクサー)
御子柴 宥(ボクシングジムコーチ)

レビュー投稿数12

このラストのために読む価値あり

頸が人間らしく生きていく様がまざまざと描かれた下巻

ゆっくり宥のために、その一心で行動する頸は、その自分の行動の意味がわからないままただコマンドを選んで実行するだけ
ただ、その選び方がどんどん変わってきてるところが展開を加速させてるように思いました

宥に会いたい、それ以外を持たない頸が恐くもあり悲しくもあり愛しくもありました

ジムに戻ってからの頸が、本当に可愛くて好き
宥のためにボクシングをする気持ちから自分がしたいからするになった時、宥の側にいるための手段としてやってたボクシングが別の意味を持った時、宥自身が救われたように見えたのが震えました

宥父にバレた後の食卓とか、ちょっとクスッと笑えるシーンありながら、最初の色気満載のシーンより、ちょっともどかしい距離感にウズウズしたり、下巻の甘い雰囲気が本当に読んでいて幸せでした

0

そして二人は末永く幸せ

堂々の完結編、大ハッピーエンディングです。
この結末については良かったねって思います。

勁がちゃんと人として幸せになるためには、一度死んで生まれ直すことが必要であったことは理解できます。
マンガとして、こんな風に血みどろのアレがあった方が華々しくって面白いだろうっていうことも理解できます。
設定や構造が理解できるって事と、個人的な好悪は全く別物なわけで、まあ、ようするに、残念なことに、崔も崔の組織の奴らもみんなまとめて好きになれない。
絵はきれいだし、作品としてすごいのは認めるけど、崔と崔の組織絡みのあれこれが、もっと違うものだったら神にしたかったな。

0

こんなにも切なくてあたたかい作品に感激

もぉ、神作品も神作品。
上中下巻全てにドキドキしてハラハラしてキュンキュンして・・・
涙なしでは読めませんでした。


中巻を読んだときは、なぜ勁がこんなにもつらい思いをしなきゃいけないのかと泣き崩れる勢いでしたが、あの恐ろしいほど可哀想な中巻があったから・・・下巻の感動は半端なかったですね。

宥に愛されても、それを心の奥底でかみしめることが出来ていなかった勁の歪な心が解き放たれていくのは、嬉しくて何より安心しました。
なんの迷いも躊躇もなく宥の為に自分の腹を刺す勁の心を想うともぉ涙しか出てきませんでした。
そんな勁が、初めて照れる姿は・・・・・・たまらなかった!!!!!

最後の笑顔には「よかったね」と何度も声を掛けたくなりました。

1

「ギフト」

新興宗教が出てきた辺りでどうなっちゃうの…?と思ったのですが、なるほど兄の梏が縋ったのが、新興宗教の名前を借りた犯罪組織の首領である崔だったということで。
お兄さんの名前、「梏」という字には、てかせ、しばる、つなぐ、みだすという意味があるようですが、勁だけでなく自分自身にも手枷を付けて、お互いを繋ごうとしていたわけですね…。作中一番可哀想な人なんじゃないかなと個人的には思いました。
もっとも、そんな梏に一番執着していたのが崔というサイコパスだったというオチで、しかも先に死んじゃうし、梏ほんと、どこまでも可哀想だなと…。
文字通り生まれ変わった勁を通して、彼も救われればいいなぁなどと思いました。

そして勁と宥。

表紙通りの大団円で号泣しながらスタンディングオベーションでしたが、ここまでくるのにどれだけ時間を要したか…。
でも宥がたくさんの時間をかけて、たくさん愛を注いであげなかったら、ここまで来れなかっただろうなあと。命をもって抱えた薔薇の花束を最期の贈り物にして、きっと彼は死んでしまっただろうなあと思います。
作中での「ギフト」は勁のボクサーとしての資質を指しておりましたが、勁にとってはこの一連の物語(宥に出会い、御子柴ジムで仲間を得、兄と邂逅し別れ、人としての感情を取り戻す)そのものが「ギフト」だったんじゃないかなと思いました。
宥に出会わなかったら、御子柴ジムにもボクシングにも出会えなかったわけですし。
まあその基盤は、他でもないお兄さんが実は引き寄せていたものだったわけですが。
一方の宥も、ボクサーとしての「ギフト」は無かったけど、代わりにトレーナーとしての資質と、愛情深い父親という「ギフト」が既に与えられていて、勁のお陰でそこのとに気付けたという意味では、やっぱり物語そのものが宥にとっても「ギフト」だったんだろうなあと。
お父さん、いい人でした。お前のやってることは親を殴らせるほど悪いことなのか、なんてリングの上できちんと息子に示すことができる、こんな度量の広いお父さんBL漫画にそうそう存在しないですよ。

「勁」は、つよい、かたい、するどいという意味。
対して「宥」は、ゆるす、なだめる、やわらげるという意味。

二人の本質は、最初に名前が判明していた時点でそもそも決まっていたのだなあと思うと、一ノ瀬ゆまさん、この物語の構想にどれくらい時間を掛けていたのかなあと…。
いつもいつも素晴らしい作品を描き上げてくださる作家さん。
改めて、本当に心から好きだなあと感じましたし、「gift」という最高のギフトをありがとうございます!!!!!という感謝の気持ちでいっぱいです。

2

涙腺ぶっこわれたかと思った…

何年か前に1巻を試し読みして、これは終わるまで待たないとーと思い、
我慢していたものを、下巻で完結したこともあって3冊一気読みしました。
上巻、中、下巻まで読み終わるまで、何かずっと涙が止まらなくて、
私、涙腺壊れちゃったのかしら…と。
目ぼよぼよ&鼻かみ過ぎて鼻下かっさかさです。

下巻のレビュー欄なので下巻の崩壊ポイントを。いきなり冒頭からですが笑。
宥が、自らを刺した勁を見つけた時の下腹から流れ散る大量の血が
大きな薔薇の花束に見えた所
意識を取り戻し、痛みを取り戻し、感情を取り戻し…と
勁が一つ一つ”巻き戻されて”いき、そして、痛みと感情を封じ込めた表の勁と
闇を全て引き受けてきた裏の勁、ふたつの自我が統合する瞬間
(とはいえ三日三晩!の苦闘)、そして再び目覚めた勁と宥が愛を交わす…
ページ数だと100ページぐらいあるんですが、呼吸を忘れたかと思うほど
ノンストップで読み、その間ずっと涙が止まらなかったです…。
哀しい、切ない、そして愛おしい

宥のカムアウト、勁が自らボクシングに取り組むようになり、
そして、かつて御子柴親子が育てた広田選手が勁と対峙することで
忘れていたものを取り戻す…
辛い寒い冬を越え美しい花が一斉に咲きだすように物語が進んでいきます。
なんて美しい。そしてなんて萌える…!
アマ転向を願い出た勁がジムの仲間から夢を託されるところ…萌え禿げるかと。
電子限定おまけも、完全にノックアウトされました。

おまけ。
勁の兄のその後、そして先生と宗教団体とどんな過去があったのかなど
気になる所も少し残っており…。泣きっぱなしで読んだので読み飛ばしたか
もう一度ゆっくり読み返せば分かることが増えるでしょうか…
読み返すたびに涙腺ぶっこわれそうで心配なのですが笑

もうひとつおまけ。
宥(ゆたか)という漢字は「ゆるす」という読み方もあるんですね。
勁(けい)は、勁い(つよい)とも使う。

5

好き

「嫌いな先輩」を読んで一ノ瀬先生を知りました。
登場人物の心の葛藤とか迷いとか感情の機微が本当に細かく描かれていて、はっとさせられるシーンばかりです。

1

映像にしてほしい

なんて書いたいらいいのかわかりませんが、映画にならないかなと思いました。
それか、wowwowあたりで連続ドラマにしてほしいです。
生きてて動いてる感じがすごかった。
BLとしての萌えもしっかり踏まえつつ、BLファンタジーに頼らない非BLと混ぜても通用する内容なので、普通にドラマにできると思います!
展開のスピードがまんま海外ドラマなのでそう思うのか・・・
漫画としては出来上がってるので二毛作を期待してしまいます。
テレビ局の人!見てたらよろしくお願いします!笑
Jガーデンで続き?が出るそうなので全裸待機です。

4

完結!

中巻が気になるところで終わったのですが、ずいぶん前に読んでいたので、上中巻を読み直してから、いざ下巻へ。

勁は、宥を助けるために、裏組織にいわれるままに自分を刺す。瀕死の状態で外に出た勁を、宥が見つける。そして二人で組織の病院へ。

ジムの医者、宮先生がボスと懇意であったのが驚き。どういう行き方してるのか?
一方、ボスは1年持たない命ですが、部下は殺人を楽しむような鬼畜ばかりで、読んでて気分が悪い。しかし、裏組織についてはかなり参考文献を読み込まれたようです。

実はそのボスも、勁の兄を大事に思っていたものなのか、よく分かりません。

メインカプの方は、なんとか勁は一命をとりとめ、再びボクシングを。宥の方も、意を決して親、そしてジムのオーナーにゲイであることを打ち明ける。

最終的に、勁は試合をしたいとアマチュアに転向して活躍、家でも父親と宥、勁の共同生活が温かく描かれるなどハッピーエンドです。
しかし、最初はメリバも考えられたそうです。その場合どういうストーリーになっていたのか、少し興味が湧きました。

勁のバイト先の店長達や、ジムの仲間達、荒川ジムに移った広田などいい味を出している脇キャラがいるのですが、なかなか深く描かれなかったので、少しもったいなかったです。もう少しじっくり描かれていたら、さらに楽しませて頂けたかも?

誠実な宥、そして恋愛を一から始めた勁がかわいい。

1

深い水底から桜の下にまで出てこれた勁

 最底辺まで堕としてからの大団円、素晴らしかったです。宥のためなら一瞬の躊躇もなしに、自分の命すら差し出せる勁。一見これ以上ないほどの愛に見えるけれど、宥からしてみればそれは、彼の愛を理解しきっていないからこそできる寂しい行動でもある。ナイフを刺したまま向かった約束の場所で再会した際、宥がなぜ喜んでくれないのかが分からない勁が悲しかったです。

 崔の思惑は勁を取り込むこととは別にあったことが判明し、勁は治療を受けてちゃんと助かります。でも、彼の本当の苦しみはここから始まるのです。宥からの愛情を受け入れようと決断するということは、喜怒哀楽を一切感じないようにしてきた心の殻を打ち破ることになる。それを壊して人としての感情を取り戻した瞬間から、今まで押さえ込んできた痛みや思い出したくないほどの辛さが束になって勁に襲いかかります。勁自身が苦しいのはもちろん、それを傍で見ているしかなかった宥も相当に苦しかったでしょう。

 壮絶な苦しみを経て、ようやく勁は生まれ変わり新しい人生を始めることができます。宥に好きだと言われて赤面する彼は、今までの彼とはまったくの別人のようですごく可愛かったです。宥からの愛を真に理解した勁は、ボクシングを続けるかどうかということにも自分で答えを出します。消去法や誰かのためにではなく、初めて自分の感情を優先して選択した勁に胸が熱くなりました。
 
 そして、宥も勁の変化に応えるべく、ついに父親にカミングアウトします。親の気持ちを理解させるために宥を殴った父親に、ボクシングジムを経営するに相応しい情の深さを感じました。最後に父親もいる部屋で、仲睦まじく台所に向かう2人のコマがあったんですが、こんな風景をBL漫画で見られる日が来るとは思わず、このたった1ページが私の心に強烈に焼き付きました。古い自分に別れを告げて、新しい人生を歩み始めた2人をずっと応援したいです。

10

深い愛情に、涙が止まらない

3冊目にして完結編。

「gift」は副題が秀逸だと思うんですよね。それぞれの巻の内容を端的に表しているように思えてなりません。そして、今作品のこの綺麗な表紙。優しくて、温かくて。

完結編という事と、この綺麗な副題と表紙。大団円を迎えるのだろう、という希望を持ちつつ手に取りましたが、でも、2巻目が終わった時点では問題はまだたくさんありました。

宗教団体ヴェイクラからの迫害。
そして御子柴ジム消滅の危機。

そのいずれもから、宥を守りたい頸。

今まで、過酷な子ども時代を過ごしてきて、人を信じることも愛することもできなかった頸が、宥を愛し、そして愛されたことで無償の愛を宥に注ごうとする。

頸の中にいる「子どもたち」の描写が、とにかく素晴らしい。

親から虐待され、身体をいたぶられ、そして自分を守るために作られた「子どもたち」。
頸の中の、良心と、そして悪の気持ちが、彼らを通して描かれている。
成長することが出来なかった頸が、葛藤し、そして宥をもまるために模索し、もがき、そして成長していく。

傷つけられた頸の姿に落涙するけれど、それ以上に、宥を信じて成長していく彼らの姿に涙腺が崩壊しました。

はじめは「住む場所」が欲しくて始めたボクシング。
でも、ボクシングと宥の存在が、頸の全てを肯定し、受け入れてくれたことで彼は生きることが出来た。

そして、頸のお兄ちゃんの梏。
彼もまた、頸に深い愛情を持ってたんだよね。
複雑に絡んでしまった彼らが、ああいう形で決着がついてよかった。

頸が、記憶の奥に封印してしまった梏との優しい思い出。
どうかどうか、梏にも彼の全てを受け入れてくれる人が現れてほしいと願ってやみません。

そして宥も。
彼は、ゲイである自分自身を肯定することが出来ずにいたわけですが、頸と出会い、自分を偽ることが出来なくなった。頸を深く愛し、誠実でいたいと思うようになったから。

 ただいま
 お帰り

そう言いあう事が出来る、「帰る場所」を見つけた頸と宥。
序盤から終盤まで怒涛の展開を見せた今作品ですが、涙が止まりませんでした。

『gify』の上巻である「白い獣の、聞こえぬ声の、見えない温度の、」を読んだ時は、あまりの痛さに挫折しかけましたが、「赤い桎梏の、約束の場所の、望んだ十字架の、」そして今作品の「薄紅めく空の、潤びる螺旋の、光る岸辺の、」と続く素晴らしい展開に圧倒され、そして飲み込まれました。

子どもへの虐待。
レイプ。
人を傷つける描写。

痛い描写は盛りだくさんで、もしかしたら読み手を選ぶ作品かもしれません。
けれど、どん底にあってなお、自分の身を犠牲にしても守りたいと願う深い愛情にあふれた素晴らしい作品でした。

文句なく、神評価です。

11

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