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緑土なす きみに捧げる花の名は

ryokudonasu kimi ni sasageru hana no na wa

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表題作緑土なす きみに捧げる花の名は

今世王(レシェイヌ),異能持つ最後の王
足弱(ラフォスエヌ),今世王の庶子の兄

あらすじ

結婚が決まり、喜びあふれる今世王に愛され続け、音を上げぎみの足弱。
足弱の体のために愛の行為は中四日あけて、と今世王と家臣「灰色狼」たちで決めるが、
今世王はとかく我慢がきかず、足弱も彼に甘えられると弱い。
そんな蜜月のある日、自分の寿命が今世王より短いことを知った足弱は、
動転して姿をくらますことになってしまう。
今世王は愛しさと切なさで胸を一杯にして、足弱を迎えに行くが…!?
 
書き下ろし長編の他、王族命の家臣団「灰色狼」の連作やuser先生による描き下ろし漫画も収録!

作品情報

作品名
緑土なす きみに捧げる花の名は
著者
みやしろちうこ 
イラスト
user 
媒体
小説
出版社
リブレ
シリーズ
緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼
発売日
ISBN
9784799741368
4.5

(85)

(62)

萌々

(14)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
385
評価数
85
平均
4.5 / 5
神率
72.9%

レビュー投稿数7

胸が熱くなる

前作で完結したお話の番外編、フェア特典の短編、書き下ろしとuser先生の漫画で構成されたこちら。読めて幸せ…!

どの一冊もページ数が半端ないんですが(この巻は467P)、気付いたら徹夜して一晩で読んでいる、という。そのぐらい今この作品の世界に夢中になってます。

今回は、王であるレシェイヌと庶子の王族である足弱の寿命の違いがテーマでした。そもそも足弱の方が10歳年上であるのに、寿命は王の半分。足弱亡き後7〜80年を王は1人で生きていくことになる…つらい…( ; ; )

実は王も枕を涙で濡らしていたと知って、切なくて胸がぎゅーっとなってしまいました。

限られた残りの時間だからこそ、精一杯愛そうとする二人の想いがね、もう…ああ言葉にならない。。料理長<雪解け>のように滂沱の涙…ではなかったけれど、読みながら静かに少し泣きました。

主に文字通り忠誠を尽くす灰色狼たちそれぞれの想いや生活が短編から垣間見えたのも良かった!

お気に入りは痣のある副官〈水明〉、そして感動してすぐ泣いちゃう(笑)料理長の〈雪解け〉です◎

誇りを持ち、王族のために全身全霊を捧げる彼らには本当に脱帽。かっこよすぎるよー!献身ってこういうことだよね、と。

この週末、まだまだシリーズの続きが楽しめそうでワクワクです✨


1

灰色狼番外待ってました!

灰色狼のお話を楽しみに読みました。
本の後半、4分の1位のページがありとても楽しかったです。
どの小話も好きだったのですが、 1番の収穫は、<光臨>さん。
あんな人だったんですね。笑
武人の面々はその道に長けて研鑽した人達という印象があり、文武両道というと<水明>さんが浮かんでいましたが、<光臨>さんも従者か服飾担当になりたかったらしく。
内面も一部の人の前ではこういう素を出す人だったのだなぁというのがここにきて判明し、その人間味に触れることができました。
次巻にも灰色狼のお話があるといいなー。

レシェとラフォスに触れていなくてすみません。
描き下ろし漫画を読めて嬉しかったです。

1

(あれどうなったの?)は次巻へ持ち越し

短編の詰め合わせで次巻へのつなぎとなる番外編集。
それぞれのエピソードは章ごとに切り替わっていくが、話の中に重要な行事の準備が行われる描写が挟まれており、章が終わるたびにあれどうなった?と思いながら読み進める。ワンの結婚式や王族の結婚に向けてのあれこれを各章で少しずつ見られても、その結果どうなったかはまだ分からない。これらは次巻へ持ち越し。

内容はWebで読めるものや特典に使われていたものと書き下ろし。メインはあらすじにもある寿命の話。定番の受け攫われからの攻めの救出劇。
この世界観において悪役はどうなるか分かりきっているため、読んでいてとても楽しい。そして期待した通りの爽快感が。団結する灰色狼たちが好きすぎる。犯人捜しをしない今世王もとても良かった。

足弱はなんだかんだで今世王を大切に思うようになったんだなあと感慨深い。灰色狼たちを思いやれるようにもなっていて、人に囲まれた生活による変化が見られる。
ただここまで考えられるなら、複雑な味だからと料理を残すところは変わって欲しかった。足弱にとってはそれほど大変なことだとしても、料理長の苦悩描写を読むたびそう思う。食材の尊さを知っている人の行動として違和感がある。

今世王の振る舞いは「王」なのだから当然と、さりげないフォローのような誰かの心理描写があり、安心感がある。反面足弱はたまにブレているように感じた。変化の途中ということなのか。
なんとなく、足弱の孤独より、大勢に囲まれながら感じる今世王の孤独の方に同情してしまう。今世王が幸せそうに笑い、そこから幸せを得る灰色狼の描写がとても好き。

気になったのは足弱が注目していた宝石。とても好きなシーンで、伏線かと思ったら、何もなく終わってしまった。次巻以降で何かあるんだろうか。
内容に関係なく引っかかったのは、続柄に“ぞくがら”とルビが振られていたこと。商業誌なら正式な方で良いのでは。ラノベのこういうとこは合わない。

ツギハギのような構成で、1・2巻で夢中になったファン向けかな、という内容。電書サイトではナンバリングされて3巻として売られているが、これを続刊として出されると満足度は低い。もっと番外編集とアピールして欲しいと思った。

1

レシェは今日も幸せです

レシェの全ては足弱。本当にこれに尽きますね。
レシェの喜びも悲しみも趣味も仕事も全て足弱に繋がりますね。
今回も足弱はトラブルに巻き込まれます。
こんなに手厚く護られてるのに、よくトラブルに引き寄せられますね(笑)
今回はレシェとの寿命の違いを知り愕然とするんですけど、結果的に知ることが出来て良かったようです。結婚について真剣に考えてくれて良かった。
今まで「好きなら結婚してもいいでしょ?」と私は思ってたんですけど、足弱は必要性を感じてなくて恥ずかしいようでした。
でも限りある時間、そして遺されるレシェの事を考えるきっかけになり、結婚を決意してくれて、ほんと良かった。結果オーライでしたね。
一緒に山登りしていた人達が罰せられなくて良かった。レシェは素晴らしい王様です。
レシェの誕生日、足弱からいろいろなプレゼントをもらって良かったですね。私も花のプレゼントには胸を打たれました。素敵です。
レシェを連れ去った人、手を出す前で良かったですね。もし、ちょっとでも手を出してたら死罪でしたね。
今回は灰色狼のエピソードも多くて楽しかった。灰色狼、個人個人の事も理解出来てきたので、また最初から読みたいですね。
でも、このまま4巻へ進みます。

0

まるで宝箱のような一冊

前の2冊と比べると今作は命の危険にさらされることも無く(兄上様が川に落ちて行方不明にはなりますが)穏やかに、安心して、いかに兄上様が皆に愛されているかが伝わってくる素晴らしい作品になっています。
また、一冊まるまる一つの長編ではなく、短編と中編のミックスなので気軽に読み進められました。とはいえ随所に感動ポイントがちりばめられているので、ちょくちょく涙腺がゆるみました。
兄上様の今世王を想う気持ちも書かれていたり、灰色狼さん達それぞれの視点でのお話も書かれていたり盛りだくさんの宝箱のような一冊でした。

11

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