かわい有美子さんのレビュー一覧

上海 小説

かわい有美子  竹美家らら 

名を持たない少年の帰るところ

かわい先生禁断症状激しく、過去作品探索中。1998年他社さんで発表した作品を2009年に書き直しされたもの。主従ものがもともと好きなのと、時代の激しさと二人の密やかな思いとの対比がぐわーっと来て、とても良かったので神にしました。受けの想いが大好きです。本編210P超+途中、香港部分のお話40P弱+書き足された二人の後日談20P超+あとがき。主従ものがお好きな方でしたら是非ご検討ください。

上…

0

人でなしの恋 小説

かわい有美子  金ひかる 

レトロラブ、初恋。

2中編より構成されています。

「人でなしの恋」
表題作。
設定は昭和初期。関東大震災の後の旧制高校の同級生のお話。
2人の華奢な美少年と、剣道の有段者の3人が織りなす人間関係について。
単純な三角関係じゃないんですね…
主人公は仁科。
親友の黒木とは性格も考え方も全て気が合って、仁科は黒木が大好きでたまらない。
だけど心も体もどうしようもなく惹かれるのは、たくましい花房…
仁…

2

君と僕と夜の猫 小説

かわい有美子  笠井あゆみ 

幼馴染もの・本音を隠す京男×本音を隠す京男

京言葉いい……
身近にこんな喋りをしてくれる人がいてくれたらなぁ……。

お互いに相手が「特別枠」な両片思いなんだけど、あからさまな言動はしないし、本音ははぐらかしたまま……
だけど男二人で花見行って膝枕とかしちゃうんですね。
32歳と30歳で「仲良しこよしな幼馴染」というには無理があるんだけど、肝心なことははぐらかしたまま二人で浴衣着て祇園祭とか出かける。

腹に一物を隠したまま、…

3

いとし、いとしという心(2) 小説

かわい有美子  南田チュン 

しっとり、しっぽり。

2巻まとめての感想です。
電子なのであとがきはなし。

・京言葉素敵。
・作品に満ち満ちている京都の風情が、関東のマンション住まいの私からするともはや異世界。
・侑央の未亡人感ときたら……!!

・気持ちの一方通行感がすごくて「ままならなさ」を強く感じた。
大好きな侑央が、兄に想いを募らせていく様子を傍らで見続けなくてはいけなかった千秋の苦しみ。ツラァ……。
そして想い人が死んじ…

5

銀の雫の降る都 小説

かわい有美子  葛西リカコ 

鶏とバターのピラフ

ひかりは挿絵がないです。本当はあるよね?大変残念。

◾️ユーリス(表紙右上)×カレル(表紙左)
静かで綺麗な話でした。海外の古典作品というか大人の御伽噺というか、そんな。
6割ぐらいまで波風なく淡々としていましたが、そういう作品だったんだな、という納得感。べったりするシーンはほぼなく、その点もそういう作品だったんだな、と腑に落ちて、むしろ好き。ユーリスとカレルの2人の間にしか築けない他に…

1

透過性恋愛装置 小説

かわい有美子  花本安嗣 

お料理

■牧田(老舗ホテル勤務)×北嶋(建築士)
ロマンティックでドラマティックでした。牧田の声について繰り返し繰り返し強調されるため、よほどいい声なんだろうな〜と。コンパクトにまとまっていることもありCD化しやすそうだ。

北嶋は途中から別人になってしまいました。冒頭の披露宴二次会シーンと完全に別人。喋り方まで変わって、牧田の前にしろ"お料理"とか言う人だったっけ?という。こち…

1

墨と雪 小説

かわい有美子  円陣闇丸 

「甘い水」のスピンオフ

思っていたような、簡単な筋書きでは無かった。ただの恋愛ものでは無い。
予想外の面白さに引き込まれました。

篠口雪巳+黒澤一誠 だから、墨と雪?
読者が樋口と一緒にプロファイルしながら読むように、組み立てているようです。
そして混乱するように、脇役を丁寧に名前を書き連ねています。
序盤から、袴田は怪しい言動を重ねる目立つ人物。元医師の哲学講師。粘着質の変態。
夜の公園で背後から薬物を…

2

猫の遊ぶ庭 ~気まぐれ者達の楽園~ 小説

かわい有美子  山田章博 

彼らをいつまでも見ていたい

かわい先生の初期作品「猫の遊ぶ庭」の関連作品。
前作の続編となっていて、短〜中編のお話が季節毎に並んだ短編集となっています。
京都の古めかしい学生寮を舞台に、メインカップル2人と、寮に住まう一癖も二癖もある住人達を中心に繰り広げられる日常をほのぼのと描いた味のある隠れた良作です。
とにかく文章が綺麗で読みやすい。知らない場所のはずなのにどこか懐かしさを感じる。
淡々としていながら、四季の移…

1

Calling 小説

かわい有美子  円陣闇丸 

囚われた姫 in サイバースペース

近未来を舞台としたSFBL。
ファンタジーが苦手な私ですがSFはちょっと憧れる。サイエンス、が頭が良くなるような気が…する。なわけないんだけどね。

ところで本作。
2049年、第3次大戦後の世界は未だ不安定で、国に代わる特区はその国境や影響力を争っている。
その争いはもはやサイバー空間への攻撃が主になっていて、日本特区では特殊能力者に率いられたサイバー工作チーム「昴」が大きな成果を挙げ…

1

透過性恋愛装置 小説

かわい有美子  花本安嗣 

恋する建築士のラブコメ 面白かった

たしかに「上海金魚」を先に読むと、数倍面白くなる物語でした。

「上海金魚」で水端さんに優しくアプローチした滝乃さんが、この巻では、仕事に厳しい一面を見せていました。初恋の少女に似ている水端さんには、相変わらずとても優しくて甘々。ところが、仕事で対応する我儘王子の北嶋さんには北風対応。
この対応の差が面白かった。

この巻の主人公は、世間知らずの牡の子猫のような北嶋さん。コメディアン要素…

1
PAGE TOP