最新レビュー一覧

藍より甘く 小説

一穂ミチ  雪広うたこ 

丁寧なのにしっくりこなくて

身も蓋もない言い方をすれば、女から男に乗り換えるノンケ男のお話。何も簡単には進まないし心理描写も丁寧なのに、暁行が遥を“恋人”として選ぶ流れに納得感がない。リアルとファンタジーのバランスがいまいちに感じた。

合間合間に暁行の独白ブログを挟む、懐かしさあふれる雰囲気。彼女の真希と友人の遥とはもうそれなりの長さの付き合いで、どちらとも関係は深い。物語の始まりは、遥が暁行に告白したところから。

0

ムーンライトマイル 小説

一穂ミチ  木下けい子 

後半の怒涛の心理描写に圧倒された

知らずに読んだが「オールトの雲」のスピンオフでちょっと得した気分。とはいえあの大地がこっち方向にやんちゃに育つとは。BLの相手が昴なのも驚き。後半の昴の怒涛の心理描写に圧倒された。このキャラめちゃくちゃ考えるやん……。

インパクト大な登場をかました大地は、思ったよりあっさり昴に落ちていた。口調はチャラく振舞いも軽いけど、一人に決めたら一直線。さすがあの高梨家の次男な感じで、思慮深く察し力も高…

0

オールトの雲 小説

一穂ミチ  木下けい子 

切なさを煽ってくるような文章

そこはかとなく切なさの残る読後感が好きだった。学生で遠恋状態のまま終わるので、その後の二人はハピエンでもお別れでも納得してしまいそう。切なさを煽ってくるような文章も良かった。

家が隣同士の幼なじみ二人のお話。太陽視点だが、太陽の内面だけでなく、流星の中で太陽の存在が大きくなっていくのがよく分かる。流星が辛いときにそばにいたのはいつも太陽で、その背景には太陽の家族の存在が大きく、高梨家の雰囲気…

0

ワンダーリング 小説

一穂ミチ  二宮悦巳 

三者の独特の関係性が苦手

とにもかくにも粘り勝ち!って感じかな。あそこまで酷い対応をされ続けて、よく縋り付いていられるな、というのが正直な感想。恋愛でないところの三角関係がどうにも不快で、兄が受け付けず、あまり楽しめなかった。

子供時代に拾われた雪と、なりゆきで雪の名付け親になった藤堂と、二人の支配者ともいえる兄の令輝。この三者の関係性が果てしなく気持ち悪い。雪も藤堂も雁字搦めで鎖に繋がれ、ただの傀儡でしかない。

0

ノーモアベット 小説

一穂ミチ  二宮悦巳 

兄弟がじゃれてるようなカップル

公営カジノのお話ということで(?)、設定もストーリーも登場するギャンブラーも真面目だった。複雑な背景を持つ二人がくっつくまでがとても好き。後半のマカオ旅行編はおまけのような感じ。一穂さんのSSでないあとがきが新鮮だった。

メインカプは従兄弟から義兄弟になった逸と一哉で、現在はカジノディーラーとカジノ広報担当公務員の関係。一哉の方は素直に恋心を表現しないが、子供っぽく嫉妬したりと分かりやすくて…

0

小説花丸 徒花の棲み処 小説

小宮山ゆき  斑目ヒロ 

タイトルのままでした

徒花の棲み処でした。
徒花の生息地とも表現できるかな。。

とにかくぶっ飛んだ女王様で、こんな強い受様この先出会えないんじゃないかと思います。


お互いに搾取され続けた子供時代を送ってたけど、不憫としか言いようのない子供時代に幸せだと思える記憶があったかどうかで、人生というのは大きく変わってくるんだとまざまざと見さされた気分です。

その幸せな記憶ですら搾取されてただけでしかない…

0

極道さんは欲張りなパパで愛妻家 小説

佐倉温  桜城やや 

大切な人は1人だけでじゃなくていい

本シリーズは子持ちの任侠ヤクザの若頭と
三代目院長のお話です。

受様がパパ友の息子を預かった事で
パパ友事情に巻き込まれる顛末を収録。

任侠系ヤクザ東雲組組長の息子で若頭の攻様は
見た目も良く頭も切れて女性にもモテますが
攻様が惚れたのは組指定病院の三代目医院長で
幼馴染の受様です。

攻様は義弟を愛息として引き取っての子育てに
受様を巻き込むことで長年の恋を実らせ

1

初恋ドローイング 小説

安西リカ  みろくことこ 

甘酸っぱい恋と青春

さわやかでピュアな青春もの。とにかく初々しい!かわいい!

美大受験を目指す二人の日常に絡めながら二人の恋が進んでいき、青春小説や夢を追う高校生の話としても面白かったです。
少しずつ相手に惹かれていく過程が高校生くらいの頃特有の初々しさを感じて好き。

濡れ場もありますが、いい意味でいやらしくないというか、さわやかな雰囲気がそのままで癒されました。

ロマンチックな恋愛一直線の作品も…

0

初恋に堕ちる 小説

高遠琉加  北沢きょう 

痛いほどの恋

とにかく痛くて苦しい恋。
でも好きで、例え誰かを傷つけようとも、例え相手の心がこちらに向かなかろうとも、手に入れたい。

まさに堕ちる、という表現が適切な恋の話でした。恋の辛い部分を切り取ったような作品です。

別に誰も悪くない。受けが攻めの気持ちに応えられないのは当然悪いことではないし(発言は無神経ですが...)、攻めは多少卑怯な手を使って受けの体だけを手に入れましたが、正当な取引の末…

0

苛烈な愛しかいらない 小説

碧井小夏  青木らき 

No Title

BeLuck文庫の中ではダーク寄りの作品。

並べてみると表紙もタイトルも内容も異色です。
治安の悪い地域に出入りする友人や未成年飲酒のシーンが出るのも意外でした(もちろん悪い意味ではありません)。

孤高の攻め×攻めに憧れるワンコ受け。
誰も大切に思ったことのなかった攻めがどんどん受けに執着していく姿が良かったです…!
攻めへの好意全開な受けもかわいい!

攻めはまだまだ家族か…

0
PAGE TOP