ふばばさんのレビュー一覧

小さなガラスの空 コミック

山田ユギ 

戻らない過去にそれでも笑いかける

90年代末の作品たちで構成された短編集。
若さゆえの切なさあり、大人の再会あり、浮かれ系あり、そして表題作…!心えぐられる。

「だって若いんだもん」
高校生xフリーター(3才年上)。
かきっこをズルズル続けてたけど、高校生君は本当にフリーターが好きだったという話。

「もしかして恋かしら」「恥ずかしくて言えない」
ヤリチンのモテ男・坂本が純情な児島に告白されて、ならやっちゃおうと…

2

surf trip BOYS? コミック

松崎司 

筋肉・ゲイ・無修正

8作収録の短編集。
2006〜2008年あたりの『激男』という筋肉系アンソロジー誌の、お題に沿った作品たちが中心となっております。

「surf trip BOYS?」
『肉体派オヤジ受漢全攻略』より。
サーフィンのことしか考えてないチャラ男(ゲイ)・篠山は、海外にサーフィンに行くためにコールセンターのバイトを始める。女だらけの職場でただ1人の男性は上司の岡崎。はじめはタイプじゃないと思…

0

S・O・S? Salt or Sugar? コミック

未散ソノオ 

絵柄のヌケ感もクセになってきた

すごく、すっごく面白かった〜!
未散ソノオさんの頭の中、覗きたい。どの作品もホント面白い。
さて本作は、同業他社のライバル同士が、食を通じて恋に落ちるロミジュリもの、です。

食と恋って関連性ありますよね。
本作の2人は、味覚やお金の掛け方が合致してて、それはダイレクトに心も結びつけた。
2人が、仕事上のライバルであるのに同僚たちに黙って食べ歩きをする時のワクワク感。かなり贅沢でかなり…

5

3シェイク 小説

秀香穂里  奈良千春 

プレイより官能を…!

エロ巧者・秀香穂里先生の3Pモノ「3シェイク」。
モデル出身の芸能プロマネージャー・岡崎が一人受け。
若手実力派映画監督・佐野が攻めその1。
素材は抜群だがやる気が全然ない生意気なタレント・幸村が攻めその2。
彼らの三角は、一方的に2人が受けを攻める二等辺三角形。
2人の愛し方は対照的で、佐野は冷静で言葉や道具などで静かに追い詰めていく。一方幸村は獰猛に岡崎を貫き、独占欲を隠そうともしな…

4

破廉恥のススメ コミック

東野裕 

華族たちの華やかな恋

男らしい男の絵柄の東野裕先生の、2007年の作品。絵のクドさもかなり濃いめです。
内容は、大正時代の特権階級(侯爵家)の子息が、美少年たちを品定めしどちらが落とすかというゲームに興じ、浮名を流す日々を過ごすが…という話。
主人公は、自ら貿易会社を経営する高倉國臣と、遊び人で私財を食いつぶしている華村正嗣。
2人は幼馴染で、共に侯爵家の生まれです。

1話では子爵の令息を正嗣が落とし、2話…

1

トリプルルーム 小説

秀香穂里  兼守美行 

最後に勝つのは…

久しぶりにエロメインな小説を読んだー!という読後感。
切なさであるとか、プロセスを経ての恋の高まり、という筋立てはありません。
始まりは思ってもみない相手から仕掛けられる性的な戯れ、それを知ったもう一人の男が嫉妬に駆られて無理矢理に関係する…
普通に女性と結婚したが俳優として売れなかったから離婚され、佗しい独り身の生活が始まった矢先にいきなり異なった美しさを持つ2人の男に翻弄される展開です。…

2

兄は元彼 コミック

林らいす 

別れのシーンが好きな作品

表紙がとっても印象的で、私には珍しくジャケ買い。
タイトルから近親モノ?とも思ってたけど、近親BLではありません。
両親がいなくて兄と年の離れた弟の二人暮らし。その中学生の弟視点からのお兄さんの昔、が骨子。
冒頭、この兄弟のバックグラウンドから、弟・遊の友達梅子、主人公の有名写真家・来島穂高の登場の流れが良くて、引き込まれる。
続く第2章が、兄・学(がく)と穂高の出会いの場面になるんだけど…

2

Blue Lust(3) コミック

ひなこ 

完結…!

緊張感が高まり続ける展開だった…
隼人と昇のいきさつを知り、隼人の優しさがどこから来るのかを知って、隼人の「好きだ」という言葉をそのまま受け取れなくなる奏真。
恋愛の当事者同士、心の速度の違いや温度差がその時々で近づいたり遠ざかったり誤解したり、その点ではこの展開はリアルだし「作品」として読者の緊張を引っ張り続けるという意味でならこれで良かったと思う。
でも、読者目線だと、ひたすらに痛かった…

4

口の中の舌 コミック

ニャンニャ 

前立腺でなくたって

ニャンニャさんは初読みで、事前情報無しに読みました。
表題作と、短編が1編収録。

「口の中の舌」
私、この話すごく面白く読みました。
というのは、前立腺一本やりのBL界に風穴を開ける作品だと思ったから。
それに、「不感症」の相手の感じるポイントを探すっていう心持ちがいいじゃないですか。
攻めのルークは感じ合うのがセックスだと考えていて、受けのエリックにも気持ちよくなって欲しいわけで…

7

リリパット コミック

松崎司 

意外とほのぼのしている

表題作+短編が2編。

「リリパット」
リリパットって元々「ガリヴァー旅行記」に登場する小人国の名前。
本作は、松崎さんお得意の「ザ・ガチムチ」とは一味違って、「体格差」を描いた1編となっています。
舞台は小学校。CPは2人とも教諭で、主人公は155センチの身長がコンプレックスの向坂(さきさか)。
新任教諭の黒木が向坂に懐くんだけど、この黒木は身長2メートル越え!(←この人はガタイよし…

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