ヒバナ

hibana

ヒバナ
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神5
  • 萌×24
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
41
評価数
9件
平均
4.6 / 5
神率
55.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説(同人)
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル(ジャンル)
発売日
ISBN
ページ数
24ページ
版型
A5

あらすじ

商業誌「雪よ林檎の香のごとく」番外編。
桂と志緒のある夏休み。

表題作ヒバナ

桂英治
結城志緒

評価・レビューする

レビュー投稿数4

中身は切ないのよ、表紙とは違って(笑

『雪よ林檎の香のごとく』の2014年夏コミ新刊です。
デビュー作の同人誌を未だに発行してくださる一穂さんに、感謝感謝でございます。
個人的に一穂さんの同人誌は『雪よ〜』関連の物しか買わないので。

さてさて、カップルは本編同様に教師の桂×志緒。

生徒のことで忙しく、ふたりで会ってるプライベートな時間も呼び出される桂。
そんな桂に「ごめん」と言われるのを避ける志緒。
そして、桂にひどい言葉を使わせ自身を傷つけさせる前に、先回りして悪人になれる志緒。
今回も志緒は男前でした。

妹との会話に高校時代のちょっとした桂との触れ合いを思い出したり、志緒の経験則は桂を通してのものばかりで、ああ、志緒の頭の中はまだまだ桂でいっぱいで良かった、嬉しいと素直に思ってしまいます。

そして久々に栫、登場の巻。
本編ではかなり悪魔な人ですが、嫌いじゃないです。
こんな少しのシーンで恐ろしく存在を残すのは、彼ならではですねえ。
志緒の『物語に動かされるような心など、持ち合わせてないくせに』というのは栫を良く表しております、天晴れ!

2

限りなく優しいエゴ

「ハナビ」ではなく「ヒバナ」。
何故に?と思いましたが、読んでみて納得。
この心がヒリつくような切なさには
花火なんて綺麗な形容より、火花の方が相応しく思えます。


夏休み。志緒が大学生の頃の話です。

「月の夜っていうのはつまらない」
この一節がどの小説の言葉だったか思い出せない桂。
志緒は、多忙な桂のかわりに
その本を探してあげようとします。

図書館で会った栫のおかげで、無事に本は見つかるも
彼の撒いた火種のせいで、桂とぎくしゃくしてしまう。

翌朝、桂からの電話で落ち会う二人。
疲れた様子の桂は、万引きを繰り返す女生徒のこと、
彼女のため何度も電話で呼び出され
店の人たちに頭を下げていたことを語ってくれます。

二度としない、という生徒の言葉を信じたいけど
そんな気持ちは彼女の再犯により
花火のように儚く散ってしまう。
桂の苦しみと、引用される太宰の小説が重なって
とても切ない気持ちになります。


そんな桂へ志緒ちゃんがかける、限りなく優しい言葉。

たとえ志緒の前でも「先生」であろうとする桂。
どんなに疲弊して続きいても、「私」を出して
生徒の悪口や個人の不満を口にしない、
とても優しく強い人だと思います。
それをよく知る志緒だから、かわりに自分が…。

キスや、抱き合う行為以上に
二人の短いやり取りにものすごい愛が感じられ、
激しく心を揺さぶられました。


信じる気持ちの儚さ、恋の痛み、キス…。

色んなものが「花火」で表現されていて
ただの夏の風物詩の印象しかなかった花火を
これほど情緒豊かに表現される一穂さんの感性、
やはり大好きだなと改めて思いました。

完成度の高い夏の掌編です。


*余談*
件の太宰の小説に出てくる
主人公の悪い仲間の一人・有原(人を操る美男)って
もろ栫のイメージですw
桂にしてみれば、太宰の小説を思い出したはいいけど
有原そっくりな男がまた恋人に余計なことしないか心配で
ついキツい言い方をしてしまったんじゃないかな~。
と、個人的な妄想でしたw

5

たしかに好きなんです☆

黄色いポップな表紙、今(?)より若い頃の桂と志緒くんのお話。

『雪よ林檎の香のごとく』通称『林檎』の番外編は、本編終了後
本人達がリアルに生きているように年輪を重ねながら、沢山出ている。
今や桂は志緒の母校から転勤し、志緒は大学を卒業して大学院に進み
そして本編中で生まれた小さな妹は、小学生になっている。

今回の一編は時間が少し巻き戻って、多分桂の転勤前
志緒が大学生の時代の話だ。

クラスの万引きを繰り返す少女に振り回されて疲弊する桂。
何もこぼさない桂と、何もできない自分を不甲斐なく思う志緒。

ふと浮かんだけれどちゃんと思い出せない小説の一フレーズ、
小骨がひっかかったような気分の桂の代わりに志緒が調べるのだが、
それにすっとちょっと火種を仕込んだ回答を差し出す栫。
いや、流石、ちょっと脇役で出て来たって栫は天晴栫だね(笑)

桂と志緒、年齢も違い立場も違い、そして志緒は未だに「先生」呼ぶけれど
それぞれがそれぞれの前で、相手に相応しく立とうとする、
相手を支えようとする、馴染んでも尚そんなあり方の二人が好き。

そのフレーズの出典続きである太宰の作品に描かれる
人としての悲しみや矛盾や残酷さ。
そんなものをも軽やかに内包しながら紡がれる、
夏の夜の思い出のような鮮やかで切ない物語だった……


 ※ 一穂さんの同人誌、音楽シリーズ。
   今回の歌詞は、aiko。ページを開くとバーンと目に飛び込む。
   そ、それにしても大きな字で書かれてるなぁ……何ポイント?
   

4

riceplant

snowblack様はじめましてこんにちは。riceplantです。
snowblack様のレビューには一穂ミチ作品への詳しい解説が記載されていて、一穂先生デビューが遅かった私では知りえない情報が多く楽しくレビューを拝見しております。
雪よ~の時系列のお話など「そうなのか!」とびっくりしました。
桂先生と志雄も好きですが、栫と嵐も大好きなので今回栫が登場してくれてとても嬉しかったです!竹美家らら先生が栫好きなおかげで登場したのかな…と考えると、竹美家先生にも感謝の気持ちを贈りたいです。
歌詞は何ポイントなんでしょう??とりあえずでかっ!と驚きです(笑)

優しい恋人たちの切ない夏物語

「月の夜っていうのはつまらない――――」

ワンフレーズだけが頭に浮かぶが、なんの本だったかは思い出せない桂。
学校でトラブルを抱えて電話が鳴るとすぐに出て行く桂と志雄の間にわだかまりが落ちる。志雄は自分が置いてけぼりにされる現状に耐え、桂が疲労していくのになにもできない自分を歯がゆく思う。
せめて思い出せない本を見つけて喜ばせてあげたいと探し始めるのだが・・・。

不平不満を漏らさず耐え、桂の心配をする志雄の姿が切ない。
桂は問題を抱える生徒に懸命に向き合うが、志雄をないがしろにしている現状や解決しない問題に疲労していく。生徒の存在をうとましく思う気持ちがあるだろうに決してそんな姿を志雄には見せない。そんな先生としての桂を志雄は愛している。
終盤、桂のために志雄は嫌な台詞を口にする。決して言いたくはないだろうに懸命に笑いながら、そんな志雄に桂はどれだけ救われているのだろう。
「俺は、時間も労力も、俺の男だけに使いたい」(雪よ~)という台詞、有言実行だ。
優しい恋人たちの切ない夏。

栫も登場。探していた本を志雄に教えてくれるがそれだけでは終わらない。
さすが続き栫!身近には決していてほしくないタイプだが読者としては大好きだ。

6

snowblack

riceplantさま

こんにちは、はじめましてsnowblackと申します。
riceplantさまのアイコンの色とお揃いみたいな表紙の、林檎の新刊。
早速のレビュー楽しく読ませて頂きました。

「さすが栫!身近には決していてほしくないタイプだが読者としては大好きだ。」の
一言に、膝を打って大笑い。
本当にそうですね!
ちょっとしたエピソードに栫の非常に頭が良くて歪んでいる様が現れていて
一穂さんの筆にも相変わらず唸らされます。

これからも、桂と志緒に会えますように。
彼らが末永く幸せでありますように。
あ、栫もね(笑)

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