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冷徹王は翼なき獣人を娶る

reitetsuou wa tusbasanaki jujin wo metoru

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表題作冷徹王は翼なき獣人を娶る

ヴァルティス・レトヴィエ,36歳,ユノ・ファを保護した国王
ユノ・ファ,20歳,ルーテゥ族(獣人)の首長の息子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「野蛮なケダモノ」という誤解を解き人間たちと手を結びたい――そう考えて一人山を下りてきたユノ・ファは、
レトヴィエ王国の山岳地帯に棲む獣人、ルーテゥ族の首長の息子。だが首長の血筋にあるべき翼がなかった。
怪我を負って国王ヴァルティスによって保護されたユノ・ファは、勇壮で美しい王に心奪われるが、
王にとってユノ・ファはただの交渉の道具でしかなく…。
そんなユノ・ファに年に一度の発情期が訪れる…。

作品情報

作品名
冷徹王は翼なき獣人を娶る
著者
小中大豆 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
ISBN
9784879199942
3.6

(45)

(11)

萌々

(18)

(9)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
8
得点
158
評価数
45
平均
3.6 / 5
神率
24.4%

レビュー投稿数8

久々にほろりときたー( ;o;)

帯のセリフを読めたのが最後の最後で、本当にそれまで甘々な展開が無いに等しいので
甘々好きには物足りないかもしれませんが、健気受け好きさんには是非ともオススメです。

受けさんのユノ・ファ。
獣人なんですが、獣人の村では首長の血を引きながらも翼が生えない、なり損ないの獣人で。
周りから同情の込められた目で見られ、無駄に優しくされる事に罪悪感を感じ、ある日家出を決意。
村のために人間と仲良くなる事が自分に出来る唯一の事だと奮闘します。
そんなユノ・ファを利用しようと取り込む攻めさんのヴァルティス。
隣国との国境に獣人の村がある事から、戦争の際に獣人の力を借りるのを目的に
ユノ・ファの発情期を利用して婚姻まで結びつけようとたくらむ結構腹黒い陛下。

ユノ・ファは本当にいい子で。
涙そそる話によくある自分を犠牲にしてまで~な健気いい子ではないんです。
今自分に出来る精一杯をしよう、と努力・努力・努力な健気いい子さんで。
嫌味ったらしく感じる事もなく、そりゃあ獣人を畏怖してた人間達も絆されちゃうよね~!って
思っちゃうくらい、好感持てる受けさんで。
だからこそ、腹黒いヴァルティスに何度ムカついたか…笑。
でも、小中先生マジックに一発でやられました。
読み終える頃には、ヴァルティス大好きな自分がいて。
やっと、やっと気持ちが通じ合った2人にどれだけ嬉しかったか…。
最後のあの溺愛ヴァルティスは反則です。
だからこそ、物足りなさが続編を期待しちゃいます。
もっともっとこれからの2人の甘々が読みたかったです(><)!!!
なんなら、王弟くんのスピンオフも期待しちゃってたりします。

6

国の攻防戦

他のレビューアさんが 怒 という雰囲気だったので、
どんな攻めなんだろう とこわごわ読んでみましたが、案外好みでした。
他の方が怒ってくださったので、心の準備が出来ていたからかも。
まるっと本編259P書下ろし、あまあま後日談等のショートなし。
どうなるどうなるという、はらはら話に思います。一気に読んでしまいました。
明日もう一回読もう。

山岳地帯に面していて、冬が長く、土地がやせているレトヴィエ国が舞台。
あまり豊かな国ではない印象。
山脈の東隣に異民族の大国あり、そこが西へ西へ勢力拡大しつつある状況。
受けさんはその山脈に暮らす獣人の部族出身。変身できます!
攻めさんはレトヴィエの王。19歳で即位して16年経過。
移動手段に馬、馬車、武器は剣、弓矢という設定でした。

その他の主たる登場人物は、攻めさんの弟、受けさんの従兄弟。
そんなに登場人物は多くないと思います。

タイトル通り攻めさんは冷徹な方なんですが、
国のため、民のため、私人としての感情は捨てる!という方で
個人的には「王たるもの、そうでなきゃ」と感じて萌~。

色っぽいお話もありますが、国を思う王の気持ちや
負け戦を覚悟した兵たちの気持ちなどの方にシンクロしてしまって
切なかったです。
そこに、純粋な受けさんが絡んできて、受けさんが事実を知ったシーンは
さすがに可哀想で、勘弁して・・・でした。
その後も一緒にいたいと切々と訴えるもんだから、健気の一言。
これから攻めさんにはしっかり溺愛してもらわなきゃ。
評価は神よりの萌2でお願いします。

挿絵等ですが、表紙より、攻めさんが若い印象に見えました。中は。
受けさんは、攻めさんよりちょっとだけ小さいぐらいで筋肉系です。
ちっちゃい子や細っこい子が、でっかく変身して強くなって攻めを守る! 
なんていう方が嬉しいので、そこだけ「ちょっと惜しい」という気持ちに
なりました。

4

差別意識とかについても自然と考えてしまう

電子書籍で読了。挿絵有り。

直前に数日かけて「BL進化論 対話編」を読んでいて、そちらにかなり引っ張られたせいか『互いに害があると思っている二つの民族の間は理解し合えるか』とか『個人の感情が社会全体に影響を与えるか』とか、読みながらそんなことを考えてしまいました。
勿論、これらのことがレトヴィエとユノ・ファ+その他のカップルの恋愛事情と大きく絡んでいるからそんなことを考えてしまった訳で……

レトヴィエは自国の利害からユノ・ファを利用しようとするのが発端ですが、でも、人って損得勘定だけではないものなぁ。一緒に話をしたり共同作業を行っていると、どうしてもその人個人に対する感情が溢れ出てしまう(その結果「だいっキライ!」となっちゃう場合もありますが)。
その過程がえらく面白かったです。

あ、誤解を生むといけないので書いておきますが、面倒くさいお話ではありません。強いて言うなら『寓話』としても読めるという感じのお話です。
今、この時期に、こういうお話を書く小中さんのアンテナにえらく感銘いたしました。

1

ケモ耳のファンタジー

王と獣人の恋話です。ユノ(受)は健気ですし、ヴァルティス(攻)も真面目なので、読んでいて好感が持てます。恋愛でのすれ違いより、レトヴィエ王国とカガン帝国の戦いはどうなるのか、ルーテゥ族は援軍を出してくれるのかという点の方が気になりました。

結果的には丸く収まってハッピーエンドなのですが、カガン帝国との戦いで出陣した兵のほとんどを失った、というのが、さらりと書かれていましたが少し切なかったです。恋の話だけ楽しめれば良いのに、と思いつつもちょっと気になってしまいました。

1

ユノの純真が切ない

「ケダモノ」と言って、獣人をむやみに攻撃して迫害する人間。

レトヴィエ王国の山岳地帯に棲む獣人、ルーテゥ族の首長の息子獣人の王の子、ユノファは翼が生えない不具合の為、長の継承権を持たない。
里のみんなの優しさが逆に辛くて、ユノは一族の役に立ちたいと、人間と交渉するために一人で下山する。
たちまち、人間の攻撃を受け負傷するが、たまたま王弟を助けて、国王ヴァルティスによって保護される。
ユノ・ファは、王に恋をするが、王はユノ・ファはただの交渉道具。
利用するためにユノの発情期に、婚儀を意図する交渉を持つ。
政略的な行為で、愛が無いとユノは気づいて、本心を王に語る。

・・ユノの、純真で嘘をつかない誠意ある態度が切ない。
インディオを騙して追い出す、白人がとった蛮行とダブる描写が辛くて、
途中で読むことを止めようかと思う部分だいくつもあった。
・・でも、ユノが毒矢を射られて寝込んでいる間に、状況が急転。

急すぎるけど、ハピエンだから文句ない。
共存調和を考えられない人間と、純真な獣人の共存がテーマの物語。

0

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