特典付
あわわわ。私もすっかりこれが最終巻、いよいよの完結編だと早とちりしておりました。
典彦の妄執は 育郎さんの身体を蹂躙するだけでは飽き足らず、その身を失脚させ、寄る辺の無い暗黒に突き落とし、なお「壊れて行く様を見たい」と追い詰める。
ただ自分だけに縋りつくしか生き様がない程にと、奸計を張り巡らせ 周囲を巻き込んで狂わせて行く。
たった一人、育ちが良く、その素直な心でもって 育郎を支えたいと願っていたさち子もとうとう離縁されてしまう。この物語の中で、唯一の良心。強くて正しい心の持ち主であったさち子。育郎は、男としてさち子を愛する事は出来なかったけれども、さち子の強い心を愛すればこそ、彼女をこのおぞましい屋敷から逃がしたんだと思う。憐れみや同情を 最初から疎ましいと思っていたなどと 心無い言葉を言い放つ育郎の優しさ。
さち子には本当に出て行って欲しく無かった。彼女だけが、ただひとり、この物語の救いになるかと思っていたのに。
蘭蔵に対する愛情がどこか歪んでしまった健一は、素直なだけに簡単に典彦の企みに堕ちてしまう。
さち子に嫉妬して。それでも屋敷から蘭蔵を逃がしたいと逃避行を目論む。
ところが‼︎
全てを終わらせようとした育郎は、屋敷に火を放ち、典彦共々心中を図る。
ああ、これで何もかも終わるのだ。意外に呆気なかったな、そういう終わり方かぁ。らしいなぁ。
なーんて、思っていたら⁈
屋敷から程なく離れた場所で、炎を見た蘭蔵は健一の手を振りほどき、ひとり育郎を救けに向かう。
炎に包まれ、焼け落ちる家屋をかいくぐり、育郎を救い出した蘭蔵は、車の前に飛び出し大声で助けを乞うのだった。車に乗っていたのは、育郎の大学時代の同級生、飯田。彼は本当の意味で彼らを救えるのか。
たった一筋の光となってくれるのか。次巻が待たれます。待ちきれない。
典彦は、炎の中で息絶えて欲しい‼︎ なんか逃れて醜くなってなお、生きながらえてそうだけど‼︎
所謂白痴と呼ばれる蘭蔵の無垢さ。疎まれても育郎を『可愛い弟』だと、ただひたすらに、それだけを認識していて。この無垢な愛情だけが、育郎を救うのか。
物語はどう収束するのか、想像すら出来ませんが、どうか光ある救いを願ってやみません。
前巻から結構時間が空いていたので、本当は1~3巻までの内容をおさらいしてから読みたかったのですが、早く読みたい気持ちを抑えきれず、手に入れた瞬間貪るように読んでしまいました。
ですので難しい考察などは全くできていません。
ただ一つ言えることは、4巻は非常にえっちだったということだけです。
3巻では汚らしいおじさんにぐちゃぐちゃに犯されて満身創痍の体だった育郎さんですが、この巻では開幕早々サイコパス典彦によってこれでもかというほど穴をいじめられますので、「彼のお尻は大丈夫なのだろうか?」と違う意味でもドキドキハラハラしながら読み進めました。
こんな私の心配をよそに容赦なくストーリーは展開していきますので、気がついた時には育郎は社長の役職から降ろされ、さち子とは離婚し、屋敷は燃えていたというわけです。
色々な事件が一気に起こり、読んでいる私も何がなんだか分からず、ただ怒涛のように挿入されるエロシーンだけはやたらと記憶に残っているので、前述の感想に至りました。
その間典彦は様々な謀略をめぐらせて當間家全体を引っ掻き回していたような気がしますが、こいつを止めてくれる人はいないんだろうか。ちょっと変わった趣味をお持ちのようで、育郎を我が物にするだけでは飽き足らず、さらに自らの手で壊すということに至上の快感を覚えるそうですね。こんなやつに付き合わされる育郎かわいそう、、
この地獄のようなストーリーの中に現れた唯一の光明(?)である飯田くんは今後どう関わってくるのか… さち子もここで引き下がる女じゃないですよねー
ともかく典彦の檻から一旦出ることができた育郎はこのまま人間として立ち直ることができるんでしょうか? 早く続きが読みたくてたまらないんですけど5巻は早々に出てくれることを期待します。
『蟷螂の檻』の4巻。
3巻で、会社のために育郎に性接待をさせた典彦。
そして、その姿を、育郎の妻・さち子にも見せつけた。
男に抱かれた育郎を、今度は典彦が壊すほど抱きつぶした。
典彦の外道っぷりはどこまで行くのか、そこに愛はあるのか―。そんな3巻でしたが4巻も典彦の暴走は止まりません。
以下4巻のネタバレあります。ご注意ください。
典彦に少しずつ壊されていく育郎ですが、それに付随するように、会社乗っ取りをたくらむ人物も登場し、育郎はどんどん追い詰められていきます。
『蟷螂の檻』は、典彦と育郎の歪んだ愛情が描かれた作品ですが、4巻で大きくストーリーが動きます。
まず育郎の妻のさち子。
精神的に不安定なキャラが多い中、彼女の存在はまさに正義です。
夫が他の男に抱かれる姿を見ても、動揺はするものの取り乱すことはない。
育郎と婚姻関係を結んだ以上、育郎を支えるのが自分の務めという意識がきちんとあるから。
そして、育郎の腹違いの兄の蘭蔵を思いやり、優しく接しようともします。
もう一人は蘭蔵。
彼は子ども時代の事故(というか事件)のために発達障害というハンデをおっていますが、さち子と関わることで少しずつ自我が芽生えてくる。
この作品において、蘭蔵という青年は大きなキーポイントなんですよね。
育郎という人物を形成した大きな因子。
でも、今の育郎を救うのもまた、彼なのかも。
蘭蔵の育郎への愛情がピュアすぎて悶えます。
そして、飯田くん。
飯田くんは、2巻で登場した育郎の大学時代の友人です。
ブンヤさんになっていた彼は、藤間家の会社を調べ、育郎が追い詰められている事をかぎつけます。
そして、かつてほのかな恋心を抱いていた育郎を心配してやってくるのですが。
典彦と育郎。
育郎とさち子。
育郎と蘭蔵。
そして西浦くんと蘭蔵。
彼らの間にはきちんとした愛情が流れている。
流れているのに、ベクトルが相手にきちんと向いていない。
それゆえにすれ違い、勘違いし、愛情の行方が定まらない。
なぜならそれを操作している人物がいるから。
典彦です。
彼の育郎に向けた歪んだ愛情がすべてを壊していく。
が、それでも、育郎は典彦を求めちゃうんですよね…。
それが、子ども時代からお世話してくれたことによる刷り込みなのか、愛情なのか。
どこまでも果てしなく切なく、ほの暗く、そして怖い作品です。
で。
4巻も「何故ここで終わるのですか、でりこ先生…!」というところで終わっています。
典彦と育郎の安否。
そして蘭蔵と育郎の関係は。
飯田くんはどこまで踏み込んでくるのか。
はー、続きが気になる!
『蟷螂の檻』は、表紙がいつも素敵です。
昼ドラ感満載な淫猥な空気感も良いし、育郎の色気もけしからん美しさです。
が、それ以上に、それぞれの表紙は本誌の内容を端的に表すイラストになってるんですよね。
本誌を読み終えてから表紙をしげしげ見ると、その素晴らしさに圧倒されます。
ドロドロの人間関係、歪んだ愛情、複数の男に育郎が抱かれる描写がある、といった作品なので、好みが分かれる作品かもです。甘くて優しいお話を好む方には正直あまりお勧めできないのですが、4巻も素晴らしく泥沼でめっちゃツボでした。
文句なく、神評価です。
もはやBLの萌えはないけどそれはとっくにどうでも良いと思ってます。話が面白くて!こういう人間の汚れた部分がいっぱいのドロッドロした作品大好きです。當間一族怒涛の展開になってきました。ようやく色んな方達が自分の私利私欲で大胆に動き始めてきていますが、とくに典彦のサイコパスっぷりが最高潮であります。坊っちゃんに危機迫る!
さちこさん本当お綺麗でBL誌上一番好感度が高く華のある女性キャラではないでしょうか。BLに登場させるだけではもったいない。彼女を主人公にしてストーリーを描いたら面白いかもしれませんね。
読み進めたいくうちに、あ、この巻で終わりかなぁ、こういう最期だったのね〜としみじみ浸り始めていましたら…まだ続くのですね!坊っちゃんの運命や、いかに!?
あ〜、早く続きが読みたい!!コミックス化は次また一年後くらいでしょうか。待てません!
炎に巻かれながら、奥の部屋での情事。
そこへまさかの闖入者、蘭蔵さん。
「莫迦か逃げろ 死ぬぞ」と、蘭蔵さんに駆け寄る育郎を見た典彦の表情からは、動揺や絶望を感じます。
「まだ 足りなかったか」そう言った典彦は、一体どどのような顔をしていたのでしょう……
愛しくて、愛しくて、大切にしたい。
大切にしたいから、壊したい。
壊れていくところが、見たい。
「私以外の何もかも全部だめだったと 自分には何もできなかったと ただ私の手に落ちてきてほしかった」
典彦の歪んだ愛の行く末は……
この物語がどのような終わりを迎えるのか、じっくりと見届けさせて頂きたいと思います。