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表題作革命のα

シモン
β,モーリスの乳兄弟
モーリス・ド・セシェル
21歳,α,弁護士

同時収録作品軍服のオーダー

ウォン
ミラーの部下
ミラー
赴任してきたばかりの少佐

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下イラスト

あらすじ

『革命のα』鹿島こたる ≪あらすじ≫ 世はα全盛期。
すべての富と権力はαの元に集中し、
私利私欲のままにそれを貪る。
媚びへつらうΩ・βの姿を見下ろして――…。

そんな格差社会に
一石を投じる考えの持ち主であるモーリスは、
輝くブロンドに陶器のような白い肌
それはそれは美しく、賢く、気高い、
名門セシェル家の御曹司α。

側仕えの使用人β・シモンと良い仲だが、
家督を継ぐ身であるが故
子を成すΩとの結婚は、
避けて通れぬ道と定められていた。

性が、地位が、運命が、「愛」を翻弄する。
絢爛耽美オメガバース。

作品情報

作品名
革命のα
著者
鹿島こたる 
媒体
漫画(コミック)
出版社
三交社
レーベル
デイジーコミックス
発売日
ISBN
9784815550288
4.1

(63)

(24)

萌々

(27)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
15
得点
256
評価数
63
平均
4.1 / 5
神率
38.1%

レビュー投稿数15

健気従者β攻め×男前女王様α受け 耽美な主従オメガバース

先生の作品は数作既読で、特に「わが美しきヴィクター」が好きです。こちらも気になっていたので読んでみました。

従者β攻め×主人α受けの主従オメガバースです。α×Ωの作品ばかり読んできたので新鮮です。
舞台は革命前の近代フランスのような雰囲気。衣装や室内装飾など華麗で耽美。先生の絵柄にぴったりでとても美しいです♡

受けのモーリスは名門家の御曹司で、美しく強く男前なα。家の存続の為にΩと番うよう父親から迫られている。攻めのシモンは乳兄弟でモーリスの世話をしている使用人。二人は愛し合う仲。

先生の他の作品でも見かけるような、男前な受けと健気でちょっと可愛い攻めのCPです。身長もモーリスが少し高め。
普段は凛々しくてカッコいい受けが、濡れ場では可愛くトロトロになってしまうギャップがいいですね。

攻めは濡れ場でもそんなにキャラは変わらず、とにかく健気で優しいです。個人的には濡れ場ではもうちょっと雄みを出して、グイグイいってほしいので、ちょっと好みからは外れました。

当て馬として美人Ωクロード登場。モーリスの運命の番らしい。クロードから迫られるもの、きっぱりと拒否するモーリスが、これまた男前で格好いいです。
ただ運命の番という割には、運命に抗えない緊迫感のようなものがちょっと物足りないかな、と感じました。緊迫したシーンはあるんですけど、ちょっと呆気ないかなと。

とにかくモーリスが最後まで、運命や本能に抗って一貫してシモンへの愛を貫こうとする、男前さの際立つ作品でした。


【軍服のオーダー】
こちらの短編も収録されています。
外国(アメリカっぽい)の軍隊のミラー少佐(受)と副官のウォン(攻)のCP。少佐は金髪美人で、副官はアジア系のさっぱりとした男前。ある理由から立場逆転のプレイをするのが大変エロチックで良きでした♡ またこちらの方が攻めがグイグイくる感じで、表題作より好みでした。短編ですが満足感のある作品でした!


後書きで「腕力権力胆力の強い受けと心酔系攻めが大好物」と書かれていて、なるほど先生はそういう作品が多いな〜と思いました。
本作は特にその傾向の強い作品でした。


シーモア購入 白抜き修正(カウパーなどの濡れ感はまあまああり)

0

万歳には至らぬ革命前夜

この人にこのテーマという感じの豪華絢爛耽美なオメガバ。鹿島こたるさん作品はいつも画力とテーマに甘えが無く、その分読む前に躊躇してしまうくらいです。
フランス革命のベ◯ばらのような身分差の二人と差別社会、残念ながら革命前夜までしか描かれていませんが、モーリスの気高い魂と美しさ、可愛さとエロス(あと吊り目と金髪巻毛と…)が最高でした。
Ωであるクロードのキャラクターも、ともすればシモンより強烈で映えるのが面白い。
書き下ろしの2話後のお話が最高でした。革命後に二人がちゃんと結ばれるまでが見たいなぁ。
短編の「軍服のオーダー」含め、濃厚で煌びやかな作品を楽しみたい時にお勧めの一冊です。

0

タイトルにかなったオメガバース。

ゴージャスな絵柄と登場人物の表現豊かな表情(繊細な睫毛は、光が差しているみたいに綺麗です。)が見飽きません。じーっと眺めて夢中になってしまって、ページをめくる手がとまらないです。

タイトルから、オメガバースでありつつ、捻りがあるのは予想していましたが、やはり通り一辺のオメガバではなく、設定で自動的に展開が読めてしまう残念感がありません。
意外性のある展開は、主人公カプの勇敢さと愛情の賜物なので、攻めにも受けにも好感を持てて、とても愛しいなあという読後感でした。読んで初めて、タイトルの意味も正確にわかりました。

私はオメガバース大好きで、この設定を手がかりに、この作家さん初読みでした。ただ、いわゆるオメガバースものの地雷要素が少ないですし、この設定だけに頼らず、とらえ返しがされている点では、オメガバ設定があまりお好きでない方にも、邪魔にならずに、この先生の絵柄を楽しんでいただけそうかも、と思います。

美しいカプが、守りきった愛に満たされている姿はキラキラで幸福感が凄いです。この作家さんの他の作品も読みたいと思います。

0

たったひとりと共に生きるために

作画にかけられているであろう時間を考えると、申し訳なくなってしまう評価ですみません。

オメガバース2篇です。
表題作はαで貴族という最上位階級に属するモーリスが、運命やα、Ωとは関係なく、自分で選んだ相手との愛を貫く物語です。
家柄や階級という表面だけで誰もモーリス自身を見てくれない中、周囲の陰謀や策略、果てには想い人までもモーリスの思惑を裏切ろうとしますが、そんなものに屈するほど弱い想いではありませんでした。
モーリスが、ヒートを自分で抑えた上にクロードを説得するシーンは気迫に満ち溢れて美し過ぎました。

もうひとつは軍隊ものでした。

オメガバースはすでにいろいろなパターンが出尽くしている感があるので、ここからまた新しいものを生み出すのはなかなか難しいと思います。
表題作は鹿島先生の美麗な作画で描かれた貴族を楽しむという読み方がおすすめです。

2

麗しい筆致で描かれる気高い魂

貴族制度のあるヨーロッパ風の王国で、貴族と従者の身分やバース性を超えた恋愛を軸にしつつ、生まれで生き方を縛る旧来の社会制度からの変革を目指す物語です。
フランス革命を意識しているのでしょうか。
オメガバースという世界観を最大限に活かしつつ、真正面からぶつかる設定に唸ります。
利権の蔓延る貴族社会に対して法で戦うところがまた良いですね。

そしてそのテーマをしっかり体現する絵に脱帽です。
古き良き少女漫画を彷彿とさせる繊細さと華やかさに加え、非常に高いデッサン力でグイグイ引き込まれました。
細身ながら筋肉のしっかりついた受の肉体美は必見です。

主人公達の関係性としては、攻と受が乳兄弟であるというところが非常にポイント高いです。
単なる主従にはない2人の遠慮のない親密さ、互いへの深い思いは乳兄弟ならではでしょう。
馬に相乗りしているシーンが印象的です。

もう1人のメインキャラである没落貴族のΩも、自らの境遇を打破しようとする自立心の強さが魅力的で、好印象でした。

古典的でありながら、普段とはひと味違うオメガバースを読みたい時に最適です。

2

巻き毛カーニバル!

従攻めの主従好きのためにある美しい一冊です。

◾︎表題
美しい!先生の作品は「うつくしい体」以来です。
モーリスが圧倒的なαの強さを持っているけれど、それでいて受けたるキュートさ美しさがある、魅力的なキャラクターでした。あのまま番になって3人で生きていく道でも話としては納得できましたが、モーリスはそんな振る舞いはしないという信念を見せつけられた感じ。
もっと長い連載であればシモンとの関係性がさらに掘り下げられて、よりドラマチックさが増したんじゃないかな〜と思うと悔しい気もする。
あとがきの小さなショタカットが可愛くて可愛くてもっと欲しい。

◾︎軍服のオーダー
あーーー!!従×主!だけど主×従!なんだこの作品は語彙力を失うすごさ!もっともっと欲しい

1

本能よ、愛に跪け!

さすがこたる先生っ!
オメガバースでも一味違います!!
耽美でロココで華麗で、そして『ハードボイルド』(*♡ڡ♡*)
帯の【跪け本能!】もう本当にっっ♡♡
ってもこれには「心から愛する人」が居るからなのよね。
愛よ愛(⑉•ω•⑉)❤︎

『受け』モーリス α
大貴族にして頭の切れる弁護士
そしてまぁ、その美しいさと言ったら!
これぞ『クールビューティ』ね
『攻め』シモン β
シモンの乳兄弟で召使い
シモンの傍にさえ居られたら、それで満足しようとしている

最初モーリスが攻めならどうしよう・・・とドキドキしたけど、ウフ♡『受け』だったわぁ~~~!

このモーリス、本当にアルファの中のアルファ!
ちょっとやそっとのアルファじゃないわよーっ。
モーリスのアルファと地位を欲しくて、ヒートのΩを宛てがわれても、それを覆してシモンの処へ走る!
まぁこれでやっとシモンと結ばれる訳だけど。
ヒートを起こしてるモーリスを、シモンは流される事無くそれはそれは優しく抱くの。
お互いずっと名前を呼び続け、シモンの「僕のとは違うアルファの形」とモーリスの〇〇を見るのねー。
白抜きだけど、おおっ根元にコブがある(⸝⸝⸝•́ω•̀⸝⸝⸝)
父親からは跡継ぎだのなんだのとヤイのヤイの言われていても、暫くは二人で平和な愛の時を育むのに・・・
そんな時にこれまた美しい『Ω』が現れるのよっ!
もうこたる先生が描かれる人物全てが美し過ぎて困っちゃう(*>v<)ゞ*゜
そしてやはりそのΩにヒートを起こさせ、何が何でも番に・・・と。
ここでモーリスの取った行動っ!
惚れてまうやろ(*♡=♡*)
本能もヒートも全てがモーリスの前では跪くわ。

でも、このΩも美しいだけじゃなく、ド男前なのよ!
‪α‬ Ω β の置かれて居る社会的差別を撤廃すべく、敢然と闘って行く!
もちそれはずっとモーリスが考えていた事!
これぞ『革命のアルファ』!!

そしてそして、嬉しい事に、もう一遍短いお話が付いています。
それもあなた!軍服ものよっ!(*´Д`)ハァハァ
こちらは耽美なロココから現代へ、野郎ばかりの軍隊っっ
そこに『受け』である優秀で公正で美しい『受け』が部下である『攻め』と共に配属されて来た!
美味しいっ 美味し過ぎるシチュエーション(♡Д♡)
めっちゃ短いお話なのですが、もぅもぅ十二分に堪能させて頂きやした。
そしてこの短いストーリーに、『受け』の成長が描かれている(もち『攻め』によってね)
はぁ、こんなお得スペシャルって有って良いのかちら♡〜٩( ˶´ᵕ​`˶ )۶〜♡



2

純愛

純愛と呼びたくなるような強い絆を描いた作品でした。

αとあるようにオメガバースもの。家柄のよいαの御曹司と、その従者であるβの青年の恋です。

家柄ゆえに、周囲は御曹司であるモーリスをオメガと成婚させようとしますが、モーリスは従者であるシモンを愛しています。色々な障害を乗り越えて結ばれる二人。

ここに、野心を持ったオメガが絡んでくるのが独特。向上心もあり活動家となるオメガの彼は、どうやらモーリスと運命の番であるようなのですが、お互いに気が合い、尊敬し合う間柄に。でも恋愛ではない。

そして、αのモーリスが受けっていうのがいいです。Hもいっぱいあるけど、なにか純愛と呼びたくなるような二人でした。

1

これが気高いということなのかな……

すごくいい!
まず、表紙の美しさに惹かれます。
まるで昔の少女漫画のような美しい巻髪……
惚れ惚れします♡

本作は、β×αの格差あるオメガバース。
決して運命や本能に流されないモーリスが素敵でした。
気高い受けってこういう人?って、
改めて思い知らされました。
なんでもっと早く読まなかったかなぁ……

Ωとの縁談や、運命の番の存在を躱し、
ただひたすらに自分の気持ちを貫くモーリス、
美しいけど本当に男前でした。

シモンがグルグル考えすぎてたけど、
最後はモーリスに嫌っていうほど深い愛を思い知らされました。

当て馬のΩ・クロードも、
見惚れるほど美しかった^^

途中まで誰と結ばれるの??
って、本気で心配しましたが、
クロードの愛は大きかった!

終始、クロードに引っ張られる展開でしたが、
それも悪くなかった……
いや、むしろ……いい♡


同時収録作は、部下×上司

部下の気持ちが分からない上官を教育するための、
なんとビックリなコスプレHでした!

それも、部下に慕われる上司になって欲しいという、
ウォンがミラーを思う愛情から来たプレイ。
この設定も最高でした!

結果、少しだけ優しくなったミラーにほっこり^^

1

海外が舞台だと安定感がある

◆革命のα(表題作)
 そういえば鹿島先生の既刊はどちらも日本が舞台でしたね。一見日本人離れしているけれど、静かな佇まいの中に強烈な色気を醸し出すキャラというのが、意外と和の雰囲気にも溶け込んでいて好きでした。そしてこちらは海外が舞台。やはり先生のタッチには本来欧米の舞台の方が合うのだろうかと思いつつも、いや、どちらも甲乙つけがたいなと感じました。ストーリーはβ×αの純愛。シモンもモーリスも互いのために真剣で、常に一途なので、いろいろ騒動があっても最後まで安心して読めました。もう少しシモンが激情を見せてくれても良かったかなと思いましたが、落ち着いて読みたい方は十分満足できると思います。

◆軍服のオーダー
 私はこちらがよりお気に入りとなりました。かつて部下の信頼も厚かった少佐・ミラーと、その部下であるウォンの下剋上的セックス。ミラーに部下との理想的な関係の築き方を思い出させるために、等級を入れ替えてプレイするというウォンの試みに、もっと堅物そうなキャラだと思っていたのでかなり驚きました。でも、二等兵に成り下がって上官を演じるウォンに奉仕するミラーはすっごくやらしくて、可愛かったです。ウォンも男前ですし、こちらの話ももっと読んでみたかったですね。

1

きれいだわ〜、眼福。

イヤ〜美しい〜!
特に私は長髪好きなので、もうウキウキ。
美しく誇り高いモーリスはα。貴族という家柄も良く、階級社会の頂点たる存在。
ところが彼は地位と血統で決まっている世界に嫌悪を抱いていた…
…という設定。
モーリスに見初められようと次々やってくるΩ達を睨みつける目つきも美しく。
そんなモーリスが自分の意思で愛しているのは、側仕えのβ・シモン。
世界は彼らの愛を許すか⁉︎
中盤、気骨あるΩ・クロード(←こちらも超美形、黒髪巻毛の長髪!)が現れて、どうなる?どうなる!
ページをめくる手が止まりませんでしたが、終わり方は随分とあっさりしてて、あら?思ってたのと違う…
もっとドロドロとドラマチックな、クロードとシモンとのバトルとか三角関係とかあるのかしら〜なんて思ってたので、モーリスの初志貫徹、愛の強さ、意志の強さに、あ、よかったです(棒読み)という気分になりました。
ストーリーは萌、絵柄は最高で、「萌x2」。
衣装や調度品などの描き込みも素晴らしかったです。

「軍服のオーダー」
これもとても面白かった!
ですがなんかひっかかる…それはウォン副官がミラー少佐が下の者に寛大になるように心を砕くわけなんだけど、なんでアノやり方を思いついたんだろ〜?ってところなのよ。
上官プレイで感じまくったらウォン副官の思惑通りになっちゃうミラー少佐。本当はとっても俺に素直で可愛い人なのさ、的な?
そんで、ミラー様はあの後絶対「またアレをやってくれ」ってねだってるぞ。間違いない。

3

耽美な世界に酔いしれる

先生の作品は1冊目2冊目と美しい絵と引き込まれるお話で
最高にドストライクでした。
しかし今回は、個人的に萌えづらい近世ヨーロッパ(?)のお話。

勿論、先生の美しい絵はどんなお話でもうっとりしますし、
そもそも先生の作風にヨーロッパはピッタリ!!
ただ・・・私は萌えづらいというだけでこの評価です。
金髪ロン毛に萌えないもので(汗)


お話は、バース性にも身分違いにも屈しない愛を貫く主従BL。
誰もが子種を欲しがる気高きαが愛する男に喘がされる姿は
萌える人には爆萌えモノですね!

2

気高い受け好きの皆さんこちらですよ!な逸品

「オメガバース?流行ってるみたいだねえ」
↑これが私の正直なここ最近のオメガバースへの印象でした。
腐界隈に居るものとしてまあ最低限存じているけどイマイチ疎かったですね。
今作もジャンルというより単にフランス革命的お耽美雰囲気、長髪金髪( ゚Д゚)ウマーといったルックス雰囲気重視で購入しました。

ところがなんとビックリ。
主従関係と自分の意志を持った気高い受け!そして背景、服飾品に至るまで怒涛の描き込み量よ…

特に、主人公モーリスだけでなく今作の当て馬ポジションのクロードちゃんの尊い気の強さは美しかったですね。
黒髪ウェーブ可愛い。
なかなか無いテーマなのでうーん、結構重い内容なのかな?と思っていましたがそんなこと無くハピエンなので安心して読めました!

同時収録の軍服のオーダーも「オッヒョ!パツパツの軍服(0゜・∀・)」なのですが、まあなんと攻めのウォン副官が短髪寡黙なのにコスプレエッティを上官にやらせたりとスケベの癖になんだか色気ムンムンなんですよー。
ずるいですね。何らかの形で別の話も読みたい。

という訳で受けが大好きな攻めが沢山読める1冊でした。
楽しかったです!

2

同時収録の短編も秀逸

「跪け、本能」抑制出来ぬ心の行く末は…帯が名文句で、簡潔に全てを表現しています。
溜息がでるほど美しい色彩の表紙で、この作品はA5サイズで見たい。
しかも、画が美しいだけではなく、圧倒的なパワーを感じさせるオメガバースでした。
こんなにお耽美なのに、太い筋の通った硬派な内容に驚きです。

そして、同時収録の「軍服のオーダー」が秀逸。
調教覚醒BLに掲載されたアンソロジー作品で既読済みでしたが、
読んだ時のゾクゾク感が堪らなかった…どこで読んだか忘れて探していたので感動の再会でした。

α至上主義でβ、Ωが搾取される世界、
性が、地位が、運命が、「愛」を翻弄する絢爛耽美オメガバース。(←この一文が大好きです)

名家嫡男弁護士のαモーリスと、乳兄弟の側仕えのβシモン。
幼い時から一緒に育ち愛し合う二人ですが、番にはなれない関係。

嫡男としてΩとの結婚は避けて通れない、21歳のモーリス。
シモンだけを愛すると公言するモーリスと、身分をわきまえ一生側にいられることだけを望むシモン。
最後までお互いに相手を想い意志を貫こうとする姿に、こんな愛し方ステキだなと胸が締め付けられた。

公爵の罠で発情Ωにラットを起こした18歳のモーリスが、本能に抗いシモンを選び自ら抱かれる。
3年後、運命の番である没落貴族のΩクロードとの出会い、罠にハメられても対等に人として扱い、
自分を傷つけてシモンの元に帰った、モーリスの意思の強さはまさしく…跪け、本能。

最近のオメガバース作品では、αのラットに威力を感じられず、ご都合主義に辟易としていたので、
モーリスのラットの荒ぶりと抑制には興奮させるものがあって、
自分の好きなオメガバースはこれ…と、再確認しました。

α頼みでお家を建て直そうとしていた没落Ωクロードが、よくある悪役で終わらず、
モーリスの意識改革で共に変革の軸となっていく姿も素晴らしい。
初めはキュートな巻き毛の黒髪長髪姿が美麗なクロード、
ショートの巻き毛姿もキュートで好きです。

力のある者がその権力に胡坐をかくのではなく、
その力を使って正しい世界へと導く主導者になる…
革命のαモーリスが、美麗なのに骨太硬派な受けなのも萌えました。

でも、この作品で一番好きなのは…βシモン。
あの癒し系おっとり感に、胸に秘めたモーリスへの想いの強さが堪りません。
あの笑顔に癒される、もっとドアップであのハニカムとろとろ笑顔を見たい!

シモンの元に帰って来たモーリスとのエッチシーン、
モーリスの傷を気遣い、側臥位のバックでゆっくりジックリ…エロすぎです。
個人的にはモーリスを抱くシモンにエロ萌えでした。

★軍服のオーダー★
軍服の二等兵プレイが…萌えた!こちらも忠誠愛ですよ。

僻地に左遷されたミラー少佐受けと、ついてきた腹心の副官ウォン攻め。
部下に当たりのキツイ少佐に考えを改めて貰い、信頼関係を築いて欲しいウォンの一案が、
二等兵プレイ…。

ウォンの部下となったミラー二等兵が再教育されるプレイですが、SMではありません。
できの悪い二等兵に気持ち良くても我慢することを、できるまで教えるというプレイで、
少佐に戻ってからのミラーが二等兵に優しくなるという展開。

ウォンの焦らす攻め具合もいいんですが、ミラー二等兵はMですね…
元々忠犬の部下にされているというシチュエーションに、ゾクゾクしている状態で、
yes sir、sorry sir 、please sir…と、何度も繰り返すこの言葉と共に悶えるミラー二等兵がエロすぎ。
軍服の種類に初めて気づいたわ。

鹿島先生の描く男性は、美麗なんですが身体はしっかり男性的で、筋肉のラインが美しいんですよね。
軍人の二人は特に筋肉のラインがしっかりしていて、
軍服を着たままのプレイなのに、筋肉美のエロスを感じさせます。

画良し、ストーリー良し、エロ良し、大満足の一冊でした。

※紙本ですが修正は、電子アンソロや単話と同じ白抜きです。

9

相手を想う深い愛情に萌える

作家買い。

鹿島さんの描くお耽美な絵柄がとても好きなのですが、見てください、この麗しい表紙を!
めっちゃ綺麗。
華やかで、美しく、そして気品漂う服装。思わず目が奪われます。

そして、鹿島作品はその美しい絵柄がいつもストーリーにぴったり合ってるなあといつも思いつつ拝見していますが、今作品もそのイメージを損なうことのないお耽美な作品でした。ほぼ表題作ですが、終盤に短編が一話収録されています。

表題作『革命のα』は、タイトルからも推測できるようにオメガバースもの。
オメガバースは作家さまや作品によって若干世界観が変わりますが、今作品は、α至上主義の世界で、Ωはαの子をなす存在として扱われている、といった感じ。Ωは決して迫害されているわけではないですが、発言権はほぼなくαと結婚することでその後の身分が保証される、といった存在です。

αの存在意義が強すぎて、β、Ωは搾取されている世界、が舞台になっています。




主人公はモーリス。

彼は名家セシェル家の長男で、自身も弁護士、そしてαというハイスペック男子。見目麗しく、そして優秀、家柄も良しという彼のもとには彼と番になりたいΩが常に付きまとっている。

しかしモーリスには彼らと番になる気はさらさらない。
彼には昔から愛し、信頼しているシモンという青年がいるからだ。

シモンはモーリスの乳兄弟で、彼の側仕えの使用人。そして、βでもある。
モーリスとシモンは心から想い合っているが、名家の跡継ぎであるモーリスには子をなさなくてはならない、という使命がある。βであるシモンには子を産むことはできないために、いつかはΩと婚姻関係を結ばなくてはならないのだが―。

というお話。

モーリスには、かつて薬を盛られヒートを起こし、その結果Ωを襲おうとした過去がある(これは悪意からではなかったと思われる)。
が、理性をなくしΩを抱こうとした自分を嫌悪し、以来自分の意志で選んだ愛する人(=シモン)と未来を歩んで行こうと決心している。

そんなモーリスのもとに一人のΩが現れる。
クロードと名乗るそのΩは「自分はモーリスの運命の番だ」というけれど…。

オメガバースならではのストーリーで、一言で言ってしまうとまさに王道のストーリーです。

なのですが、クロードの存在が、この作品を画一的なそれとは一線を画しています。

クロードはモーリスと番になりたい。
そのためには手段を選びません。

クロードがモーリスと番になりたい理由がこのストーリーの大きなキモになっていて、この「理由」があるからこそしっかりした骨太なストーリーになっていました。モーリス、そしてシモンの、相手を想う深い愛情に激萌えしましたが、それだけにとどまらない。

α、β、Ω。
その性差ではなく、自分がしたいことを、能力によってできるようになる世界。
シモン×モーリスの、お互いを想う深い愛情をベースに、それをつかみ取るために奮闘する若者たちが、素晴らしく素敵でした。

オメガバースというバックボーンを生かしつつ、けれどそれだけにとどまらない展開で、それが鹿島さんのお耽美な絵柄で描かれていて、めっちゃ萌えました。

短編『軍服のオーダー』。
軍隊が舞台のお話。
軍服が…、

めっちゃ良い!

「軍服」という小物がフルに生かされた作品です。

僻地の軍隊に飛ばされたミラー少佐。
厳しすぎる彼の訓練に音を上げる部下たち。そのため部下たちから嫌われ良好な関係が結べずにいる。

そんな少佐に危機感を抱いたのは少佐の腹心の部下・ウォン。
彼らは上司と部下というだけではなく恋人同士でもある。

僻地に飛ばされた少佐に、ウォンもついてきた。

少佐が僻地に飛ばされた理由は彼が無謀な計画を立てた上司にたてついたため。
部下のために心を砕き、常に清廉であろうとするミラーを、ウォンは上司としても恋人としても深く愛しているのだ。

部下たちと信頼関係を結べるようにするために、ウォンが一計を講じた内容は…。

というお話。

すごく短いストーリーなのですが、この短さで彼らの過去や関係性、バックボーンがきっちり描かれている。鹿島さんの構成力の高さに唸らされます。

内容としてはタイトル通り。
『軍服のオーダー』。
すごいです。内容を端的に現しています。

軍服を着て、常に孤高の存在である少佐が、恋人であるウォンに喘がされるという非常に眼福なお話でした。

強く、賢く、たくましい受けさん。
お耽美な絵柄とストーリー。
お互いを想う深い愛情。
貴族、そして軍隊(バックボーンも衣装も)。

に萌えを感じる腐姐さまには激しくお勧めしたい素敵な作品でした。

鹿島作品はすべて読んでいますが、この作品が一番好きかも。
文句なく、神評価です。

14

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