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ずーっとお世話できる君が好き。
極度の世話焼き体質・創也と創也の運命の人・ゆずのお話。
人をダメにするほどの世話焼きってどれほどのものなんだろう?想像が付かないけれど斬新設定ですごく面白かったです。
かまわれる側にも才能が要るという創也の持論、ふたりの関係性を見ていてなるほどなと納得しました。
楽だからお世話される、というのと
お世話されるから楽、というのとでは意味が全然違うんだな、と。
終始創也のほうがゆずに依存しているアンバランスさも面白かったし
ぼんやりしているようでいろいろ周りをみているゆずの意外性も良かったです。
続編も楽しみに読みたいと思います。
運命【うんめい】人間の意志にかかわらず、身にめぐって来る吉凶禍福。めぐり合わせ。転じて単に、将来。
幼い頃 姉に刷り込まれた運命を 社会人となり同期に見つけた日から回りだした歯車
見た目は王子 実はとんでもないモノグサ
そんなモノグサに対するのは人に優しくしたいが過ぎたお世話焼き
自分のすべてを押しつけ世話を焼いても怒られない 幸せの極み
執念が実った これぞ運命の人 。:+((*´艸`))+:。
いやはや 世話焼きもここまで来るとある意味病的というか
真っ当なのはモノグサ王子の方なんじゃないか とすら思えてくるわ
スローペースに感情の起伏もない そのくせストレートに思いを口にする王子・野間
食堂のおばちゃんの体調不良に来た代行に一線を引くあたり なかなかどうして男前じゃない
自分の質を理解しているのにどうにも出来ない「人をダメにする」世話焼き増殖に野間の運命や如何にッ!みたいな展開にも動じない野間
すべてを受け入れ それ以上に彼らの負担を心配する やっぱり男前
無気力省エネモードに会社での立場が危うくなり木関との二人の関係が崩れはじめ ついには……
王子さまってのは自分は動かずして 何気ない言葉と器のデカさで周りを束ねるんだな って変に肝心しちゃう
これいいわ
え ここで誤植?っての見つけちゃっても 最後がやっつけみたいになってても
このカップルが幸せそうで 見てるこっちまで幸せになるやつだった
最高です。
最高の割れ鍋と閉じ蓋。
未散さんの得意技のひとつに、「逆を見せる」解釈法というのがありますね。
たとえば、束縛している方が主導権を握っているという解釈をベースに展開する作品がふつうなら、未散さんはあえて束縛されている方に主導権を握らせる。
ぞっこんに惚れている方が能動的なのがふつうなら、未散さんは最後に実は受け身に見えていた惚れられている方が罠を張っていたような種明かしをする。
正の視点じゃなくて、逆の視点。
この作品は、その手法の最骨頂ではないかと思うのです。
京都大学工学部卒。姉はアナウンサーで、本人も完璧なイケメン。
有能の限りを尽くした男・木関は自分のニーズに合う人間を探し求めていた。
それというのは「心ゆくまでお世話をさせてくれる相手」。
入社した会社の寮で出会ったゆずゆずは、すべてにおいて完璧で…。
世の中に面倒なことをやってほしいひとなんて星の数ほどいるように思いますが、この作品を読むとハッとさせられます。
めんどくさがりを自認しているものの、わたしなら「ここまではいいけど、これ以上は」と線引きしてしまうし、自分にこだわりがある分野は手出しされたくない。
もっとダメ人間なら、全部を木関に任せて、「もっとしてほしい」という要求がエスカレートしていってしまう。
そういうタイプじゃだめなんですよね。
「世話を焼かれるにも才能がある」とは、まさに名言。
やってもらえたら楽だけど、やってもらわなくても構わない。
自分じゃやらないけど、やってもらえたら感謝する。
これって案外難しいと思うんですよね。
何度か続けてやってもらえたら、「あの人がこれをする」というのが当たり前になって、当たり前になったらやってもらえないと不満が出て、「ここまでやってくれたら、あれもしてくれたらいいのに」と思うようになったり。
「当たり前」になると、感謝の気持ちを持ち続けるのも難しい。
世話を焼く人間が満足できるだけの「隙」があって、それが当たり前にならない。
しかも「明日木関がいなくなっても変わらない」。これ!この考え方に「おおお!」と思いました。
そもそもが本人にとってはやってもやらなくてもいいことだから、依存しない。これか、と。
「世話を焼かれる才能のある人」がどういうものかなんて、考えたこともなかっただけに着眼点が面白すぎて、ぐいぐい引き込まれました。
ふつうではないところに目をつけただけに、当て馬も何か違う。
ふつうなら、当て馬に必要なのは「好きな気持ち」ですが、この作品で木関が当て馬の立川と競い合うのは、「世話を焼く」権利なのです。
2人の攻防を横に、ゆずゆずはどこ吹く風。
このスタンスもたまらないんだろうなあ。
会社での肩たたきも、「そう言われるなら、それでいい」。
執着がないんですよね、ゆずゆずに。
だけど木関にはそれを少し感じているのが、読者にはたまらないわけで。
良かったです。
あざのエピソードも可愛いし、その後の立川の行動の速さも、頭脳明晰なのにゆずゆずを取られたくない一心で大事なことに気付くのが遅い木関も楽しかった。
『ーNext Level』も購入したので、楽しいワールドにさらに浸って来ます!
※シーモアなら期間限定で割引中でした。
あらすじを読んで予想通り、好きなお話でした。尽くしっぷりが良いし、そのライバル登場の展開も笑えました。
ゆずゆずはとっても甘やかされているのだけど、創也が語るとおり甘やかされることに慣れない(駄目にならない)、される事に抵抗しないって誰でも出来る事ではないですね。感謝も大事。
構われる側・甘やかされる側のゆずをとても肯定的に健全に、素敵に描いているのが優しい作品だなと思いました。
でも最後まで中々読み終えられませんでした。
絵柄がふんわり耽美で独特なので、しっかりと描いてあるのが好きな私には単調に感じました。
1冊あっという間に読むのではなく、日常系として少しずつ読むのが良いと思います。
独特な空気感が好き。感覚が引きずられるというか、世界観に引き込まれる。
なんていうか、それ以上言い表せない。
サラリーマン同士のBLで、攻・完璧になんでも器用にこなしてしまい病的な世話焼き×受・めんどくさがりで職場でも椅子に座るかお散歩してるかの世話のしがいがある男。
攻がただの依存させたがり、ダメにさせたい人じゃなくて「3年毎日僕にかまわれた後、とつぜん明日僕がいなくなっても平気じゃないとダメなんです」っていうセリフが心をひっかいた。
この考え方、実に面白いなって。
他の作品は未読だけれど、未散ソノオさんという作家の異様さ(褒めてる)が片鱗として見えてくる。こういう瞬間がすごく好きだ。他の作品も読んでみたくなる。
きっと他の作品も、こういうゾクっとする考え方が見えてくる予感がして、とっかかりとしていい初読になったなと思う。
受もダメにされすぎず、きちんと自分の意志でもって動く。
気品があり、孤高、それでいて口下手でめんどくさがり。周りから何もしていないと思われている。
ただのダメな男ではこの作品が台無しになっている。攻とのつりあいが取れたいい受だった。
終わり方も非常にきれい。
スッキリした画角、無駄をそいで、シンプルに、けれど物足りなさを感じさせない。
セックスシーンは喘ぎ声ひとつ立てないし、擬音もほぼない、たったの3Pしかない。けれど、攻の満足感、受の安心感が伝わってくる絶妙なバランス。