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表題作獣人アルファと恋の迷宮

ラージャ,20歳,オメガ嫌いの獣人で実力派の探索者・α
シシィ,17歳,探索者を目指す孤児の青年

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

男たちに絡まれたところを獣人アルファのラージャにたすけられたシシィ。ベータのはずなのにラージャの前で発情期が来てしまい!?

作品情報

作品名
獣人アルファと恋の迷宮
著者
成瀬かの 
イラスト
央川みはら 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
電子発売日
ISBN
9784773060188
4.3

(101)

(54)

萌々

(32)

(10)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
14
得点
432
評価数
101
平均
4.3 / 5
神率
53.5%

レビュー投稿数14

ちびーずたちが可愛い!

ダンジョンとか探索者とか、普段ゲームをしない身としては聞きなれない言葉に最初は戸惑いましたが、世界観を理解したらあとはもうバッチリでした。

タイトルからも分かるようにオメガバース設定なのですが、お話のメインはお仕事(ダンジョンの攻略)という感じでした。探索者としては新人のシシィがトップランカーのラージャのパーティーに入れられてコンビでお仕事をしていく。自分をβだと思っていたのにラージャといる時に何故か発情してしまって…。

後半になって何故シシィがラージャといる時に発情してしまうのかが分かるのですが、シシィとラージャがどちらもお互いの素性を知らずに惹かれあってからの種明かしという流れが最高に好きでした。

シシィは孤児を20人ほど引き取って面倒を見ているのですが、そのちびっ子(獣人)たちがめちゃくちゃ可愛い上に強いんですよね!ラージャがシシィを訪ねて来た時にも大活躍していてとても癒されました。

そして攻めのラージャは獣人なのですが公爵家の息子で、身なりを整えた時(もちろん普段もですが)めちゃくちゃかっこいいので、イラストもっと下さい状態に陥ってしまいました笑

0

貴重なダンジョンもの

以前から気になっていたので続刊発売を機に購入。BLでダンジョンものの話って貴重だし楽しい。

トップランカーのラージャが仕方なくシシィと組み、共に戦う中でシシィの才能と人柄を認めていくのが小気味いい。だけどシシィの突然の発情で体を繋ぎ、ラージャから一方的に責められたのは辛かった、ラージャも自己嫌悪があっただろうけどシシィが騙した訳じゃないし。妊娠して1人いや子供たちと育てる決意して頑張るのは切なくて、ラージャがなりふり構わず求婚して上手く行ったときはホッとしました。昔の縁が最良の形になって良かった。

シシィが愛らしくて賢くて健気で応援してたし、そんなシシィを守ろうと頑張る子供たちも可愛い。ラージャはしっかりしないと(笑)
続編読むのが楽しみです。

0

ダンジョンもの

ダンジョンもの。初めて読みます。
迷宮を魔物を倒して一番底までたどり着き元となる石を回収すれば、その迷宮はそれ以上大きくならない。
魔物は素材が武器にも肉がご馳走にもなると。

パーティーを組んで役割分担して武器や魔法で魔物をバッタバッタ倒して。ロマンがありますね。

上の作品のあらすじが2行しかなくて迷ったのですが、明日続編が出るということで評価も高いし読んでみました。

とっても興味深いのですが、獣人がいる世界でさらにオメガバースで魔法も使えてとてんこ盛りですね。

ヴィハーンとシシィは良い相棒となって、ダンジョンの狩りも順調だったのですが…。

うーん。発情期の描写が…。
騙したな!とシシィに言いながら毎晩やっちゃって。一方的に。
アルファのヴィハーンは散々オメガ達に狙われてきて、絶対に一緒にパーティーを組まないのです。

いや、ヴィハーンはもうその頃にはシシィにひかれてたし、シシィも初めての発情期でお互い本心では…ってのはわかるんですがね。

騙したな!騙された!解散だ!なくだりがちょっとなあ。わかるけども。そう言うくせに毎晩手を出してるし。

実は二人は!って設定があって良かったねえとなるんですが。
それを知るまでは、シシィは一人で育てるもん!だし、ヴィハーンは(嬉しい)結婚しよう!と言っても、シシィは責任取ろうとしてるだけだと思いこんで。

ちびーず達と育ててていこうとなった時に、それもいいなあと思ったのですが。

ヴィハーンと無事に結ばれて、欲しかったものを何もかも与えられて、家族が増えてちびーずも一緒で本当に良かったですね!

まさか二人がそうだったの!?な秘密も良かったです。

2

ふわふわ

あらすじ読んだ地点でワクワクしてたんですが、
思っていた以上に素晴らしい作品でした。
や、なんだろうねスカしてた前半のキャラと見た目にはんした
後半の甘さを隠さない攻のスタイルがすごく好みでございます((ノェ`*)っ))
ペーパーでの番外編もこれまた甘いったらない。
どんだけ甘やかすのよ。や、むしろ攻が甘えているぎわK・・・

さて、お話
孤児として育った受、同じ孤児の弟たち20人を養うべく町にやってきた受
見た目がふわっふわなもんでからかわれていたところを
助けてくれた探検者である攻とチームを組むことに
最初こそどうなるものかと思っていたものが、意外な才能を発揮した受との
相性は思ったよりよく、かつてない安定感で・・・
ところが、受が毛嫌いしていたΩであると知り・・・!?

突然のヒート。探索中の最中に盛りまくるという設定がすごく好き。
毎日毎日ってあーたww
1か月の探索で慣らされた身体・・・いやいや、ヒートおわっとるやんv
自制が聞かず、お前がお前がなせいというのを言い訳に盛りまくってたとか
言い訳にならないが、モエ。

後半には、受の素性が少しずつあきらかになり
前半からのフラグ回収がされていくのも面白かった。
成人しているのにヒートが起こらなかった理由。
亡くなった祖父は自分がΩだと知っていたような言動の理由。
婚約する理由。

キャラクターもたってて面白いのでもっと読みたいと思える作品でした。
出場キャラもおおいので、番外編とかあっても面白そう。

1

ダンジョン攻略がとても面白い

主人公たちが魑魅魍魎蠢くダンジョンを攻略していくお話。こういうお話元々好きなんだけど面白かった!人間の男の子が逃げ腰ながらもへっぽこな魔法使って頑張り、意外と役に立ちながら獣人で最強戦士αとダンジョン攻略していく過程にワクワクした。オメガバースとしてもなるほどと膝を打つ展開で、いつでも前向きな受け君を応援する気持ちで楽しく読み進めることが出来る作品だった。

0

恋の迷宮の虜です♡♡

『受け』シシィ 人間
金髪に勿忘草色の透き通った美しい瞳
血の繋がりの無いおじいちゃんに、シーカー(探索者)になる為の教えを受け、魔法使いでもあるし、お料理も得意(⌒^⌒)b
その腕前を生かし、精霊達を味方に付けている。
『攻め』ラージャ 獣人
迷宮探索の王として【迷宮都市の覇者】との異名を持つ。
クールな攻めらしく、仲間とも近しくならないし、異性にも同性にも興味なく、表情も変わらず言葉も少ない。


『受け』も『攻め』もこれでもか!、なお約束な王道です!
〈切ない〉と〈すれ違い〉が連発。
そこへ持ってきて【迷宮攻略】と言う命を掛けた冒険が繰り広げられる!
もぉ見事と言う以外ありませんっ。
読み始めたら止まれないの!!!

『受け』は素直で可愛くて頑張りやさん。シーカーである義祖父が亡くなってから、必死で義弟妹の獣人20人余りを養っている。(全てに親が居なくて引き取った子ばかり)
でも、限界に近付き、ある事情で来たくは無かった『迷宮の都市』として賑わっているアブーワに出て来る。
この「来たく無かった事情」ってのが後に明かされるんだけど、まぁ本当に上手いっっ。
『攻め』は最高位のシーカーなのに、自分のパーティーを解散(数知れず)した為に、シーカーの守護機関の統括部長であるニンフのジュールに、無理やりど新人の『受け』と組まされる羽目に。
ここでも上手さ爆裂っ。
このニンフのジュールが美しいのに腹黒い!笑、いやいや、かなり全てを判って二人を組ますなんて……まさかこんな策士だとは思わなかった。1番の功労賞を捧げたい気分です 笑笑。

あらすじにもある様に『攻め』は優秀な‪α‬で、『受け』は発情が来ないので検査を受ける迄も無く優秀な‪α‬では有り得ないので、βだと思い込んでいたら発情が来てしまった、かぁーらぁーのぉー、怒涛の展開へと♡
その展開がもぉ切ないわ〇E〇が激しいわ、激しいわ切ないわ(←ここんとこ大事なので二回♡)

この物語、何が嬉しいって、『受け』『攻め』どちらかの一方的な語りではなく、どちらから側からも語られ、よくある「攻めの心情が解りにくくて、モンモンしちゃう!」ってのがありませんっ!
もうこれだけでも【 神 】なのに、大きく広がって行く(まるで迷宮の様に)伏線が、全て見事に回収されて行くฅ(*°ω°*ฅ)*、これは【 職人技 & 神 】ですわ!!!

何より面白くてスッとするのがね、前半と後半ではこの二人の立場が逆転する所ね!
『攻め』がどうしても『受け』と結婚したくて何度も何度もプロポーズするのに(クールさを捨てて)、でも全てすげなく断られてしまう。
あはははは、私の(!?)可愛い可愛いシシィを誤解して酷い言葉と態度を投げつけた罰よ罰!!

しかし『攻め』のラージャには実は親が決めた婚約者が居り、「誰も愛さないから結婚するのも誰でも良い。なのでその婚約者で良い」「(しかもその婚約者を裏切る形でΩ(シシィ)にあてられ、裏切ってしまった)」としている所なんてもぉ、めっちゃショックと焦りでヤバぁいいぃ!と本気でまぢ焦りましたわ!!
でもよく考えたら、それ程このラージャってのは、真摯なヤツなのよね。

わがままな事を言うなら、ラストの甘い二人の抱擁(いや、濡れ場ですな ぐふふ)を、もっともっともっと堪能したかったぁぁぁ~~~。
これが心を通わせ、お互いが唯一無二の愛する人だ、との抱擁でしょぉがぁ~~~~~~。
それだけが、ちょっと、いえ、めっちゃエロ好きの私には不満だったかな。
なので又々戻って二人のエロシーン(いや、愛のシーン)を読み返し読み返し…。
したら又冒頭から読みたくなり、エンドレス天国に陥っております。
まっシアワセだからいーかっ(〃∀〃)ゞ❤︎

命を掛けてる闘いと、シシィの気の抜けるおまじないがもぉサイコー。
そしてしっぽにお耳のある沢山の義弟妹達、これが又癒しで♡♡
こぉんなに小さいのに、義祖父の教えをしっかり守り、助け合って生きて行く姿にも癒されホロッとしちゃうよ♡
この子達に「シシィ(泣き虫)」って名前を付けられちゃったのも、ホント グッジョブだわ♡♡

イラストも素敵で(♡・♡)、シシィから「むさ苦しい」と形容されたアズールのまぁ美しいこと(*♡ڡ♡*)うっとりと眺めさせて頂きました。ほぉ~~~♡

また私の大切な大切な蔵書が一冊増えました。
ありがとうございます。
ただただ感謝です♡♡<(_ _)>♡♡

2

楽しかった!

ダンジョンの中を戦いながら進んでいくゲームみたいな面白さと、オメガバースの設定の良さもありつつ、獣人のモフモフは少なめだけどかっこいいし、オメガの男の子はベーターだと思って生きてきたから卑屈な感じもなく綺麗で可愛いし、本当に楽しかった。

また、攻視点が多かったので、ラージャの気持ちになってシシィを愛でてましたね。

なんだかんだとシンデレラストーリーでもあり、結構盛り盛りなんだけど、どの要素も過不足なく楽しめました。

1

流行りのファンタジー+BL

異世界ダンジョン、良い意味で「なろうで人気になって書籍化されたファンタジーもの」という印象の作品。ゲームは殆どしないのでこういう雰囲気は小説で楽しんでるけど、戦いや装備や出自のチートな感じ・展開がそう思った理由かもしれない。例えBLがなくても面白い要素がたくさんあって、尚且つBLなのでそれとしての楽しみもあって、おいしい。1冊としてもよくまとまっている。展開は先が読める人には読めるだろうけど、私は何も考えずに読んで色々と驚いた。

最近よくある後書き以降の短編も良かった。BL要素が抜けてもおもしろく感じるし、でも『──本当にいかないかな?』って独白はBLならではだなと笑ってしまう。

1

ダンジョン探索とオメガバース


異世界ダンジョンの話とオメガバースの話が絡んで最後まで飽きさせない展開でした。


庇護者を亡くして幼い弟たち(それも20人!)を養わなければならなくなった成
人したばかりのシシィ(受け)は金策のため冒険者となり、「迷宮都市の覇者」という二つ名を持つラージャ(攻め)をギルドマスターから紹介されパーティーを組むことになります。
ちょっと怖い印象のラージャですが、育ててくれた亡き祖父の方が怖かったといってシシィすぐにラージャに馴染みます。
初心者のシシィにあまり期待していなかったラージャですが、二人のパーティーは意外と相性が良いのでした。

この世界はアルファ・ベータ・オメガという第2の性があり、番制度もあります。
番契約してはじめてオメガは妊娠することができます。

ラージャはアルファですが、シシィは調べていなかったとはいえ成人するまで発情期がなかったのでベータだと思っています。
が、ある満月の夜ダンジョン探索中にシシィは発情してしまうのです。
ラージャはシシイの発情にあてられてしまい、結果的にシシィは妊娠してしまいます。
衝撃を受けるシシィですが、捨て子だった自分が与えられなかった愛情をもって育てたいと思い、ラージャには言わず弟たちと育てることにするのです。

いままで発情期がなかったのに何故発情したのか、番契約していなのに何故妊娠したのか、音信不通のラージャの婚約者とは、という謎を含みながら進む話はとても面白かったです。

妊娠したとわかって、はじめは誰の子かと疑うラージャを殴りつけるシシィの意外な気の強さや心配する弟たちのやさしさには、ほっこりするやらせつないやら、すごく愛しく感じました。

責任とってほしいわけではないとラージャのプロポーズを何度も拒否するのですが、何度拒絶されてもめげないラージャとの攻防も楽しかったし、結局ヘタレてしまうラージャには残念に思いました。とはいえ、本当に好きな人への弱気な態度にはかわいらしく思いました。


異世界の話が好きで分野問わず読んできたので、探索の部分もとても楽しかったです。

たくさんいるちびっ子たちがまたかわいい。
みな獣人であるため目端もきき、たった一人の大人として頑張るシシィの負担を少しでも減らそうと健気に頑張る姿がかわいいすぎる。

保護者を亡くし、たくさんの弟たちを残されて、気の休まる時がなかったであろうシシイに心預ける人ができたことが本当に良かったです。


5

世界感に引き込まれました。

 読み始めてあっという間に、成瀬先生の描かれた世界に入り込みました。
とってもワクワクで魅力的。

 迷宮に潜って最奥を目指す探索者。
人間も獣人も魔法使いもいて、迷宮には竜やら大爪蟹といった魔物がいて、しかもその迷宮は放っておくと育つだなんて、なんだそれ、すごーい。
 魔物も、迷宮も周りのお店も、なるほどー、と納得の面白さ。
出てくる登場人物達も、みんないきいきとしていてともかく魅力的。


 受け様は今まで発情期がなくって、自分の事をベータだと信じてきたシシィ。
孤児院育ちの最年長であり、たくさんの小さな弟妹達との生活の為、探索者として奮闘中。

 攻め様は迷宮都市の覇者(ラージャ)というふたつなを持つアルファの獣人。
まさに、無骨で無愛想で、探検以外には興味がない。

 この2人がパーティを組んで、迷宮探索中に、シシィに発情期がきてしまう。
シシィがベータと偽っていた、と思ったラージャは、シシィのこと相棒として気に入っていただけに、怒りのままシシィを抱いてしまう。

 いくら今までいろんなオメガに言い寄られてきたからって、シシィのどこを見てきたんだ。そんな子じゃないだろーーっと、私は怒り心頭ですよ。

 そして、シシィは妊娠しちゃうのだけど、ラージャには言わずに、弟達と一緒に自分がもらえなかった分もいっぱいの愛情だけを込めて育てていこう、その為にはまずはお金だ、と別のパーティの臨時メンバーとして参加してたくましく頑張ってる。

 一方で、なぜだかシシィのことが気になってたまらないラージャは、シシィとその弟達が住む家について行って、シシィの妊娠を知ってプロポーズ。
断られても、人が変わったかのように、慣れないながらも真摯にシシィへプロポーズをし続けるラージャの姿に、にやにやでした。

 最後にわかった二人の関係に、なるほどねー、と納得。
無骨なラージャの「恋に落ちた」なんて直球でかわいいセリフ。
うわー、もうきゅんきゅんですよ。
今まで頑張ってきたシシィが幸せになってよかった。


 そうそう、シシィのたくさんの弟ちみっこ達が、めっちゃ頑張りやさんでかわいくてたまらなかったです。
おむつのおしりをふりふりしてぽてぽて歩いてる姿や、お客さんにお茶を出す姿やら、抱きしめたくなるかわいさ、協力し合ってるいじらしさ。
 挿絵のところどころに登場する姿もとってもかわいい。

 2人はもちろん、脇で活躍してるメンバー、その世界、ともかくみんな魅力的でとっても面白く読ませて頂きました。


6

ワクワクが欲しいあなたに

とっっっても面白かったです!
多種族が暮らす異世界・ダンジョン・魔法アイテム・剣と魔法!
もうこれだけでファンタジー好きとしてはワクワクとしてしまうのですが、このファンタジーな世界観にオメガバース設定というスパイスも加えられています。

ダンジョンを攻略したり、いつの頃からかダンジョン内に出現するようになった魔物を倒したり、魔物から様々な道具の素材となる貴重な品を採取し、持ち帰って取引をする事を生業としている「探索者」という職業が存在している世界が物語の舞台。
元探索者であった養い親を亡くし、自分も探索者になるために、ダンジョンが多く存在しているアブーワという大きな都市へとやって来た主人公のシシィ。
ある日、ひょんなめぐり合わせからアブーワで知らない者はいない、実力と実績のある獣人探索者のラージャとパーティーを組む事となります。
かたやど新人のひよっこ、かたや熟練の猛者。
やや天然気味でどじっ子なシシィと、粗野な外見かつ無愛想で、人付き合いもあまり得意ではないラージャという、一見相性が良くなさそうな凸凹コンビが繰り広げる冒険の様子が面白いです。

ひよっこだと思っていたシシィが意外な実力の持ち主だったり、ダンジョン攻略をする中で徐々に信頼関係が深まっていく描写がなんだかとても良いです。
戦闘シーンもしっかりと描かれていてワクワクしました。
そして、ベータだと思っていたシシィに突然の発情期が起こったことから、オメガの発情に当てられたラージャは本能に抗えずシシィを抱いてしまいます。
その後、シシィの妊娠が発覚。
うなじを噛まれてはいないはずなのに何故?など、すれ違いを交えつつ、この辺りからお話がどんどんと動き始めます。
この謎の描き方と、前半と後半での2人の立場の変化が見所でしょうか。

ベータだと思っていたのに騙された!でも気になる!好きなのか?いやでも!と、どこからどう見てもシシィに惹かれているというのに、思春期の少年のように悶々とするヘタレなラージャにじれじれ。
前半の寡黙さと粗野な感じは一体どこへ?笑
一方のシシィは、養い親の「おじいちゃん」亡き後、大勢の弟妹達と共に一生懸命に暮らしている頑張り屋な一面が垣間見れたりと、健気なだけではなく自分の意思をしっかりと持った強い子なところが好印象でした。
果たしてすれ違った2人はどうなるのか?何故シシィは妊娠したのか?など、この謎についてはぜひご自身の目で確かめてみて下さい。


ダンジョン物というと、作家さま独自の装備品やアイテム、魔法が登場するのも魅力のひとつかなと思います。
今作にも様々な便利アイテムや装備品が沢山登場するのですが、買い物をするシーンでも先生の自然な解説描写によって読者にもわかりやすい仕様となっています。
謎のアイテムの名称ばかりで頭がこんがらがる!なんて事はなく、どんな物なのかを想像する楽しさがありました。
そして何より、あとがきで成瀬先生も筆が進んでページオーバーしてしまったと仰っていますが、作家さま自身が本当に楽しんで書かれたのだろうなというのがすごく伝わって来ました。
成瀬先生のファンタジーものがもっと読みたくなりました。

いや〜、設定もキャラクターも魅力的で、前半・中盤・後半の流れ、自然な伏線回収と、どれも見事で非常に楽しませていただきました。
ファンタジーやゲームのような世界観がお好きな方はもちろん、ちょっぴりひねったオメガバースものがお好きな方にもおすすめの作品です。

7

迷宮って面白い

ゲームとかやってる方だったら凄く楽しめると思います。ゲームに興味がなくても、とても面白くて夢中で読みました。

世界観が独特で初めて迷宮の探査に向かったシシィの魔法での活躍にワクワクしました。
そして無口だけど頼りになるラージャの存在感はとても魅力的です。ラージャのシシィに惹かれながらも否定する頑なさは、とても焦ったく思いました。

ベータだと思い込んでいたシシィが、迷宮で急に発情してアルファのラージャに抱かれてしまいます。
番になってなければ妊娠する筈が無いのに孕んでしまったのは何故なのか?シシィの育ての親とは?
これが後からとても深く関わって来るのです。

シシィの弟妹の獣人の子どもたちが可愛くて、凄い活躍をしてます。モテモテなのにシシィが初恋だったラージャの婚約者の秘密など、最後まで飽きることなく楽しめました。


3

思い込みと誤解とすれ違いを超えて

今回は「迷宮都市の覇者」の二つ名を持つ獣人の探索者と
探索者を目指して迷宮都市にやって来た人間の青年のお話です。

攻様が仕方なく組んだ受様との迷宮攻略からスッタモンダを経て、
2人が運命のつがいとして家族になるまで。

この世界には種族を問わず、アルファとオメガ、ベータという第二の性
があります。

アルファは優性種と呼ばれ、例外なく恵まれた体格を持ち高い知能を誇
ります。オメガは外見上は、アルファや人口の大部分を占める発情期に
影響されないベータと見分けがつきませんが、男性も女性も年頃になる
と発情期を迎えます。

発情期を迎えたオメガのにおいは理性的なアルファをも肉欲のしもべと
化すと言われますが、オメガ自身にも発情期の匂いを制御は出来ません。

ただしうなじを噛まれたオメガのにおいは、噛んだ相手にしか作用しな
くなり、妊娠も可能になりますが、オメガはうなじを噛んだアルファだ
けの雌となるので、アルファやベータのように気に入らないから相手を
変える事はできません。オメガの幸、不幸はつがった相手次第なのです。

「始まりの街」という異名を持つアブーワは、この世界に最初に生まれ
た迷宮を抱く迷宮都市です。

初めて迷宮を発見し踏み込んだ人々は、地上に存在しない魔物が跋扈し
ているのを見て驚愕します。魔物達はおしなべて凶暴で、魔法を使う
ものさえおり、不毛な洞窟内での生殖も繁殖も不明です。

しかし、魔物達のその甲殻や被毛は非常に美しく呪いを無効化したりす
る等の信じられない性質をもつ事から、迷宮に潜って魔物と戦い素材を
採取する事を専門とする探索者が生まれます。

彼らは貴重な品々を献上した事により騎士の位に叙せられたものも出た
結果、探索者は子供達の憧れの的となるのです。

攻様は人間よりも一回り大きい種族である獣人です。攻様も探索者に憧れ
今ではアプーワ迷宮の最も深い階層を知る「迷宮都市の覇者」という二つ
名を持つトップランカーとなります。

攻様は迷宮から帰還した翌日、それまで組んでいたパーティを解散すべく
迷宮を管理する守護機関に向かいます。始まりの街の守護機関を統括する
支部長はエルフ族でなかなかの食わせ者ですが、攻様がパーティを解散す
るたびにメンバー選出に苦慮していました。

支部長は今のメンバー程の技量を持つ者を揃えるのは不可能であり、相手
の経験不足も力量不足も攻様が教え導いて行く事が条件だと、みるからに
初心者を紹介します。この初心者こそ今回の受様です♪

受様は昨夜酒場で給仕の助っ人をしていた人間の青年で、腰に下げた武器
以外はどれも真新しい装備に身を包んいて、今までのメンバーと比較する
と実に頼りなく、長生きできそうには見えません。

魔法使いだという受様も初心者の自分がトップランカーである攻様とパー
ティを組むなんて無理だと辞退しようとしますが、支部長は接近戦もこな
せるそうだし、攻様との相性は悪くないと言って譲りません。

仕方なく受様とパーティを組む事となりますが、受様は体力不足ではある
もの臆することなく、攻様は受様が実に得難いパートナーらしいという
ことに気づくことなります。

しかし2人がパーティを組んでおよそ40日が経ち赤の月がふっくらした頃、
新しく発見された迷宮を攻略すべく向かった2人は、関係を激変させる事
態に遭遇することになります。

ベータだと言っていた受様が突然発情期を迎え、アルファの攻様は抗えず
受様を抱いてしまった上に受様は攻様の子供を妊娠してしまい!?

成瀬先生の初オメガバースはダンジョン制覇に命を賭けるトップランカー
と探索者を目指すルーキーがパーティを組んで獣人オメガバースです♪

オメガバースは作家さんによって独自設定が有ったりしますが、アルファ
とオメガの"つがい"設定はその世界の肝というか根幹設定なので、そこが
ブレる事は有りません。

しかしながら自身をベータだと思っていた受様が発情し、優秀なアルファ
として自分に愁派を向けるオメガ達に辟易していた攻様は受様に騙された
と憤りますが、本能には逆らえずに受様を貪ってしまった結果、受様は
攻様の子供を身籠る事になるのです。

ううん!? 攻様って受様のうなじ噛んでないし、受様も噛まれてないよね!?
つがいにならないと妊娠しない設定だよね!?

アブーワに戻った2人はそれぞれの家族の元に戻るのですが、そこで攻様
や受様の家族に焦点が当てられて行き、攻様の婚約者や受様の弟達が登場
してきて、2人を巡る人物が複雑に絡まりあっていきます。

かつて探索者だったという受様の養父、養父が世話していた幼い孤児たち、
伝説の探索者の娘である攻様の婚約者、攻様のつがいを狙うオメガたち、
侯爵家の人々等々♪

2人がつがいとなってハッピーエンドを迎えるまで、迷宮探索で信頼関係
を築いていく様子にワクワクし、新迷宮で受様が押し倒されてドキドキし、
受様の妊娠と攻様の婚約者の発覚によるすれ違いにハラハラし、とっても
楽しく読ませて頂きました (^O^)/

あらすじのイメージで寡黙な俺様攻と健気受と言う感じかと思いましたが、
攻様は徐々にヘタレ要素が加味されて、受様は芯の強い頑張り屋さん要素
がクローズアップされていったのも面白かったです。

受様がオメガと判ってごねるだけごねた攻様が、幼い頃にあんなことをし
ていたなんてびっくりしましたが、作中で一番の萌え所でした♡

ぜひ、もっと2人の迷宮探索を読みたいです。

10

攻めのアホっぷりが一番の見どころだと思います

オメガバース+獣人+妊娠・出産ものになります。

こちら、ドキドキワクワクのダンジョン攻略ものでもあり、とても心を踊らせてくれますが、同時に二人の「恋の迷宮」にもご注目!
いや、色々な事情や誤解、更に攻めの超鈍感さも重なって、まさに迷宮入りしそうな二人の恋愛劇が楽しいのです!
個人的に、最初は受けに冷たい攻めが、恋心の自覚と共に受けに超弱くなっちゃうと言うのもツボなんですよね。
立場逆転劇も楽しすぎるなぁと!
ついでに、オチまでニヤリと面白すぎるなぁと!!

まぁそんなワケで、痛快に読ませてくれる作品でした。
ファンタジー好きさんに、ぜひオススメしたいです。

ザックリした内容です。
養い親を亡くした孤児のシシィ。
探索者(シーカー)を目指して、迷宮都市・アブーワへやって来たんですね。
そこでパーティーを組む事になったのが、「迷宮都市の覇者」の二つ名を持つトップシーカーで獣人・ラージャ。
二人は順調にダンジョンを攻略して成果を上げてゆきますが、そんな中、なんとベータだと思っていたシシィに発情期が訪れー・・・と言うものです。

まずこちら、ファンタジーやゲーム好きなら、かなり心惹かれる世界観じゃないかと思うんですけど。
えーと、ダンジョンが存在して、その周りには迷宮都市が存在して、ダンジョンを攻略する事を生業とする探索者が活躍する。

で、今回、その「探索者」を目指す孤児・シシィが主人公。
おっとり天然、ちょいドジっ子ながら、明るく前向きで周囲を笑顔にしちゃうような子でしょうか。

対して攻めとなるのが、寡黙で無愛想、人付き合いが苦手な獣人・ラージャ。
彼は桁外れの実力でもってトップシーカーとして活躍するものの、その並外れた力故に、パーティーのメンバーと毎回上手くいかなくなる。
で、守護機関から今回メンバーとして紹介されたのが、シシィ・・・と言う流れ。

まぁそんなワケで、この二人でダンジョン攻略。
このダンジョン攻略ですが、装備の準備から襲ってくる魔物、そして内部の細かい様子まで丁寧に綴られていて、読んでてワクワクしちゃうんですよね。
更に、ルーキー丸出しで明らかに足手まといっぽいシシィ。
彼がおっとりのんびりと気の抜けそうな調子で意外な実力を発揮して、ラージャを唸らせるのも小気味良い。
えーと、シシィは魔法使いなのですが、彼を育てた養父の「おじいちゃん」が、かなり曲者なんじゃないかなぁ。
と、この時点では「おじいちゃん」の正体にも期待をふくらませて貰える。
そう、マジでファンタジー好きを惹き付けてやまない展開の連続なのです。

と、共にダンジョンを攻略してゆくうち、心が通いあってゆく二人。
しかし、シシィに発情期が訪れ、本能に抗いきれずにラージャは抱いてしまうんですね。
そこで、元々オメガが嫌いなラージャは、シシィに騙されたのだと強い怒りを覚え・・・と言った流れ。

こちら、両視点で進みます。
その為、シシィが本当に自身をベータだと思っていた事、また、シシィに騙されたと怒りを覚えながらも、何故かこれまでの人間にように彼を切り捨てる事が出来ず、自分の気持ちに混乱するラージャと言うのが分かります。

いや、これな!
ここで疑問となるのが、シシィに何故、これまで発情期がこなかったのか?
あと、シシィですが、ラージャの子を身ごもります。
この世界ではつがいとなった相手の子しか妊娠しない為、何故つがいになっていないのに、シシィはラージャの子を妊娠したのか?
更に、実はラージャには、婚約者が存在します。
伝説のシーカーの娘である、その婚約者。
約束の時が来ても一向に現れない、その婚約者は一体どこにー?
って所でしょうか。

これ、ラージャがしつこく「騙されたのだ!」とかやってるのに若干イラッとはするものの、シシィの妊娠が分かってからの彼の変化が見ものなんですよね。
自分でも何故かは分からないままに、強い喜びを感じる。
で、結婚して欲しいと口説くものの、身分差(ラージャは貴族だった)や、愛情では無く責任感で申し込まれたのだと誤解して気にするシシィは、頑なに拒否する。
そう、個人的に大好きな、立場逆転劇!
いや、最初のえらそうな態度から一変、シシィの顔色を伺い、懸命に「結婚して欲しい」と口説くラージャにニヤニヤしちゃうんですよ。

そもそもラージャですが、こう、鈍すぎる!
「騙された」とか言いつつ、シシィが他のシーカーと仲良くしてればイライラする。
で、共にいれば抱き締めたくなってしまう。
まだそれでも自分の気持ちに気付いていないのに、「お前はアホかー!」とツッコミを入れたくなってしまう。
どんだけ鈍いんだよ・・・。

この後、思わずニヤリとくるオチあり、自身の気持ちに(ようやく)気付いたラージャの激甘の告白劇ありと、またまた楽しませてくれちゃいます。
ワラワラ存在するチビッ子達(孤児)も、大変いい味を出してくれてました。

とりあえず、ファンタジー好きさんに、ぜひオススメ。

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