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表題作晴明のソラ

豊田忍,大学生
小田直央,高校生

同時収録作品坂道のソラ

大柴賢司(シイバ),IT関連会社の副社長
河野一吹(ソラ),大学生

同時収録作品窓辺のヒナタ

早瀬新(シン),陶磁器を扱うお店の店長
小田日向(ヒナタ),大学生

同時収録作品氷泥のユキ

氷山緑,会社社長
本宮結生(ユキ),大学生

同時収録作品月夕のヨル

東晴夜(セイヤ),食事処「あずま」店主
神岡明(ヨル),大学生

あらすじ

胸がひき裂かれるような苦しさも、永遠の愛も、すべて『アニマルパーク』から生まれた――。

大人気SNSを通して恋人になった『坂道のソラ』の賢司と一吹、『窓辺のヒナタ』の新と日向、『氷泥のユキ』の緑と結生、『月夕のヨル』の晴夜と明。
彼らがいまひとつの輪となって繋がり、未来へ続く道を歩きだしていく……。
日向の幼なじみの忍と義弟・直央の恋や、賢司と緑の大学時代のお話も収録。

作品情報

作品名
晴明のソラ
著者
朝丘戻 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
シリーズ
坂道のソラ
発売日
ISBN
9784866573236
4.4

(49)

(32)

萌々

(9)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
215
評価数
49
平均
4.4 / 5
神率
65.3%

レビュー投稿数9

縁だわね~(*´∀`*)

アニパーシリーズの集大成のような一冊。
人の縁、というものをしみじみ感じました(*´∀`*)

まずは「窓辺のヒナタ」の日向の親友の忍と日向の義弟の直央のお話。
「窓辺のヒナタ」では、バリバリ反抗期って感じでゲイ嫌いだった直央だったので、忍、前途多難なのでは、と心配してたんですけど、素晴らしい雪解けでした。
直央への印象が、180度変わりましたよ(*^^*)

その後は、アニパーを通して、友達を紹介し合う形で、5組のカップル達が知り合い、集っていく。

視点が結構変わるので、ん!?今誰視点だ?となりました(A^_^;
読み進めて、あぁ、となりますけど、視点が変わった場面から読み返す事もしばしば。
登場人物が多いからね。

私はやはり最初に読んだ賢司と一吹が好きなので、出番がちょっと少なくて寂しかったかなぁ。
とは言え、第三者視点から好きな2人の様子を窺い知れるのは嬉しい(>ᴗ<)

氷山が大柴に対して執着とも言える対抗意識を燃やす事になる経緯を知れるのはよかったんですけど。
いやそれ、もう1つのラブストーリーじゃね!?
氷山ってば大柴の事、大好きだったんじゃないの(*^ω^*)
今は2人とも、大好きな相手に巡り会えてよかったねぇ。
他のカップル達も、みんな知り合って縁を結んでいって、幸せそうでよかったね(≧∇≦)

読後、私もにこにこで幸せな気持ちのお裾分けを貰いました。

イラストはyoco先生。
アバター達はみんなキュートで、本当に世界観にぴったり。
口絵の可愛いこと(*^^*)
表紙に合わせた後書き後のイラストも、めっちゃ可愛い♡

1

幼馴染への「好き」が恋に変わる瞬間。

アニマルパークシリーズ5作目。これまで続いてきた四作品の四組のカップルたちと、「窓辺のヒナタ」「氷泥のユキ」に登場した忍と直央のお話が読める幸せがぎゅぎゅっと詰まった作品です。

そのなかでも忍と直央についてのお話が大好きなので、おすすめポイントを語ります。
 「窓辺のヒナタ」に主人公「日向」の義弟である高校生の「直央」と幼馴染の大学生の「忍」の恋模様を描いた表題作から始まるのですが、これがもうきゅんきゅんがとまらないんです!!!!!読んでほしい!!!!!
 (余談ですが、忍と直央についてというか、今作について言うと、実は前作の「月夕のヨル」で完結の様な形で、忍と直央は描かれないのかもという感じだったので、今回朝丘先生や編集さま、さらには読者様の声が、輪が出来たからこその作品でした。本当に素敵なことだなと思っています…。本当にありがとうございます…。)

 朝丘先生と言えば、スパダリ彼氏攻め平凡大学生受けの年の差ラブが上手…というド偏見(とても失礼…)があるのですが、学校でゲイばれしてるけど実は一途で童貞な大学生×家庭環境が複雑で「忍」しかよりどころが無くて、でもゲイに対して偏見を抱く高校生(語彙力…)というこの前途多難な感じがとてもいいんです…。年の差のあまりない幼馴染どうしの「好き」が恋に変わる瞬間ってとても良くないですか…????私は好きです。

 朝丘先生は心の描写や葛藤を描くのが本当に素敵で、忍視点、直央視点それぞれで描かれているから、感情移入しまくりで、途中何度も泣きました。ネタバレになるから言えないんだけど、途中すごく辛いシーンがあって二人をものすごく応援しました。二人とも、言葉足らずなところがあるのですれ違ってしまう所や両片想いな所、とてもしんどかったです。

 大学生の忍は一人暮らしをしているので、二人はぷち遠距離なんです。そんな中で二人をつなぐのが「アニマルパーク」という、アバターを使ってチャットやコミュニケーションの取れるアプリ。このアプリを主軸として、過去四作品と今作も繋がっているのですが…。二人のアバターにも意味があって、読みながら「なるほど!」となるのですが、ぜひ読んでください…。

 またまたド偏見なのですが、くっついて終わり!!みたいな作品ってよくあるじゃないですか…。でも「晴明のソラ」は忍たちだけでなく、他の四組のイチャイチャも余すことなく描いてくださっていて、やはり朝丘先生は神なのだなと思います。だってダリアさんぎりぎりの「378ページ」。すごすぎます。

 前作までの説明もあるので、今作だけでももちろん読むことが出来ます。5組のカップルそれぞれ違うので、このカップルが好きだー!!っていうのがきっと見つかるはずなので、シリーズを読んでいない方は、ぜひ気になる作品だけでも読んでいただきたいです!!!

3

その後の集大成

まず、分厚さに驚きました。
今までのアニマルパークシリーズに登場した4組+1組、合計5組のカップルのその後や始まりを描きながら、やがてそれぞれが輪になるように繋がっていって…
アニマルパークというアプリから飛び出して現実世界で集結するという、集大成とも言える1作でした。
中でも、大柴と氷山の掛け合いと過去話が面白かったです。

みんなで集まってわいわい和やかに語り合う空気がなんだか優しい。
大人組と子供組に分かれて話している姿も楽しくて。
ひとつのアプリがきっかけでこんなにも素敵な出逢いや繋がりが出来る事も、きっともしかしたらあるのかもしれないと思わせられる。
幸せそうなキャラクター達のその後に癒されます。
シリーズで1番好きな「坂道のソラ」から読み返したくなりました。

「窓辺のヒナタ」で強烈なキャラクターだった直央がまさかこう収まるとは、と思った「夕虹のヒカリ」
忍と直央のカップルはこれから少しずつ、ですね。
マイノリティに対して辛い表現が続いて心苦しい部分もあったのですが、新と日向の言葉と、日向の母親が心の内を吐露するシーンがとても良かった。

と、良いところもたくさんあったのですが…
やはり、登場人物達が多いので仕方がない事だとは思いつつ、視点があちこちへ変わる点と、合間に突然短編が入る構成が少し読み辛く感じました。
過去作を読み返さずに読むと、誰が誰やらと混乱してしまうことも。
「てか」「むっちゃ」「めちゃんこ」等、口調が似ている子が何人か居たので、読みながらすごく気になってしまった。

2

えすむら

みざきさま、はじめまして、こんにちは。
最近シリーズを読み始めて、今朝本編読み終え、モヤ~としてレビューを読んでいたのですが、私も「むっちゃ」…多用すぎね?って気になったので、みざきさまのレビューにめちゃんこ”いいね”ボタン推したい気分になりました。(1回しか押せないの残念)

登場人物たちと一緒に懐かしみ、今後の幸せを祈る一冊

ファン必読の作品です。

これまでのシリーズでの心残りを拾い上げてくれた感じがします。
カップルのそれぞれのその後はもちろんですが、中でも一番気になっていたのは忍と直央カップルの進展状態だったので解決編を読ませてくれたのが良かったです。

懐かしいあのシーンこのシーンを思い出してはしみじみしたり今の幸せをかみしめたりする描写ですすめられていくので、登場人物たちと一緒に楽しめました。

賢司と緑の過去編(大学生時代)がとても面白かったです。
彼らのあの時代と出会いがあったからこその今なんだなというのがよくわかりました。
緑が賢司のことを嫌い嫌いと言いながら好きなんじゃないの?という描写がしばしばあったけれど、今回本当に実は大好き?見方に寄っちゃあ『もう付き合っちゃいなよ』と言いたくなるようなツンデレカップルのようでおかしかったです。

アニマルパークの輪が広がって、みんなで和気あいあいと幸せの輪も広がっていくようで読んでいて幸せな気持ちになれます。

ただ晴夜と明カップルに関しては複雑というか楽しげな姿が哀しくなりました。やはりこの点に関しては『月夕のヨル』だけは本編以降の章は読まなければよかったとあらためて思ってしまいました。

0

泣けました

アニパ-シリーズの続編が読めるなんて幸せでした。

一冊がとても厚いのですが、過去作を思い出しながらゆっくりと読みました。

忍と直央が恋人同士になって行く様子が読めて感慨深かったです。忍良かったねと言ってあげたかった。
それと新が日向の継父に話した言葉と、母親の日向を想う気持ちに胸を打たれました。
どうして直央が日向を非難するばかりだったかも、やっと理解出来きてすっきりした気持ちです。

1番好きな作品は「氷泥のユキ」なんですが、緑とお父さんと結生のお話しが出て来るだけで泣けてしまいました。

それぞれの作品のカップルが今作で繋がって、アニマルパークを飛び出して実生活で会話する様子がファンとしてとても嬉しかったです。やり取りに思わずクスッとする場面もありました。
歳上の攻め達がそれぞれの歳下の受け達を溺愛していて、とても微笑ましい内容でした。

ただ晴夜と明が幸せそうであればあるだけ悲しくて泣いてしまいました。

2

ファンには嬉しいアニパーシリーズの集大成

大好きなアニパーシリーズの集大成。
一気に読むのがもったいなくて、少しずつ少しずつ読んでいきました。
4作品のメインキャラたちの他、窓辺の日向に出てきた日向の友人忍と、弟の直央との恋も描かれています。
窓辺の日向の時には、日向を傷つけていた弟の直央のことが好きになれませんでしたが、この作品を読んで印象がガラッと変わりました。直央のまだまだ子どもな一面や、孤独に向き合う姿が痛々しくて可哀想で涙が止まりませんでした。そんな直央を受け止めて包み込む忍。とても素敵な2人の物語でした。
また賢司さんと緑さんの大学生時代の話も切なく、緑さんがいかに愛情深い人なのかがひしひしと伝わってきました。
ところどころ涙し、彼らの平和で温かい日常にほっこりしました。アニパーシリーズを読み続けてきた人は必ず手に取ってもらいたい、素敵な作品でした。

1

フィナーレショー的一冊

アニパーシリーズを読んできた方なら手に取らないと落ち着かないんじゃないかな。
世界がようやくリンクします。
今まで読者がこっそり知っていたカプ達の繋がり・馴れ初め話をキャラ同士がオフ会という形で共有し、幸せを分かち合います。

「こんなことがあってね…」と語る彼らの姿は穏やか。
単行本4冊分の紆余曲折を知る読者としては感無量かもしれません。
出会えて良かった。幸せ。ありがとう。
そんなメッセージが折り重なります。

プラス、日向の幼馴染の忍、日向の義弟の直央カプの新作エピソード「夕虹のヒカリ」は文句なしに面白い。
忍くんが真っ直ぐで良い攻なんですよ。
意志力と包容力が抜群なんだけど、そこに覗く若さがまた良い。
賢司さんや晴夜さんのような酸いも甘いも学習済な大人勢ももちろん魅力的なのですが、大学1年、良きお兄ちゃんから恋人へ脱皮していく姿は、少しだけ不器用で応援しがいがあります。
これだけで1冊だとしても読みたいくらい、ひしひし胸に迫るラブストーリーです。

もう一つのお勧めは、賢司と緑の大学生時代のエピソード。
田舎から上京した緑さんは賢司さんになんだかんだで影響を受けまくり。
なんだ、緑さん、賢司さんのこと全然好きじゃん。
嫌いって好きの裏返しじゃん。
とついニヤニヤしてしましました。
もちろんこの場合はラブじゃなく人として好きって意味ですけど。
緑さん、昔からすごく愛情深い人なんだなぁと再確認。
ラブの面でも結生とのプチ同棲エピソードがでろ甘です。
こんな人がなんで結生との初対面でああなった?!
と意外な一面を知り、もっと緑が好きになる一冊かもしれません。


ファンには嬉しい1冊ですが、弱点もあります。

まず、単行本4冊分を容赦なく縦横断する内容、かつ視点も日付もコロコロ変わるという点。
読むのにやや骨が折れました。登場人物が多いのでさすがにごちゃつく…上級者向けかも。

そして、「出会えてよかったね。困難はあるかもしれないけれどこの幸せを続けていきたいね。ありがとう。」というメッセージが、重複しすぎている点。
エンタテインメントとしては起伏が少なく、冗長に感じてしまうかもしれません。

というわけで、総じてフィナーレとしての一冊なんだろうな、と勝手に解釈しました。
ステージを駆けながら、感謝の挨拶を繰り返す、そんなイメージ。
最終章のそのあとなんです。

シリーズ1冊目「坂道のソラ」を読み始めたときには想像もしていなかった、アニマルパークという舞台の第一部フィナーレ。まだの方は是非見届けてみてください。

2

この輪の中に入りたい!

直央と忍のお話が前半。日向の義弟で、ゲイである日向に対し反発していた直央が、幼馴染の忍からの好意や、父親や日向との関係に悩み、前進していく姿がとても良かったです。全てが上手くいく事なんてなく、両親の事で悩む直央を忍が支えていこうとする、まだまだ始まったばかりの関係が微笑ましかったです。
アニマルパークの輪が広がり、みんなで集まろう!となり、自分たちの出会いやアニパーへの愛しさを語るところなど、自分もその輪の中にいる感覚になり、なんて幸せなんだろうと感じました。
創作なのに、こんなにも現実にありそうで、辛いことも楽しいことも、一緒に感じられるこの温かい作品が、本当に大好きです。

こちらの作品を読む前に、シリーズを最初から読み直しました。
興味を持たれた方は、シリーズ最初から読み、是非このアニマルパークの輪に浸って欲しいと思います!

5

シリーズ番外編が後半に収録されています

朝丘先生の代表作の一つと言っていいでしょう。『坂道のソラ』から始まる「アニパーシリーズ」の最新刊です。

順番としては『坂道のソラ』→『窓辺のヒナタ』→『春と秋とソラの色-Complete Book 2-』(『坂道のソラ』のその後を描いた番外編)→『氷泥のユキ』→『月夕のヨル』、そして今作『清明のソラ』と続きます。シリーズものであり、「アニマルパーク」通称アニパーと呼ばれるオンラインゲームが基盤となっている作品ではあるのですが、今までの作品は前作が未読でも全く問題なく読める造りになっていました。

が、今作品は主要CPとして新しいCPが登場しますが、それは前半半分まで。後半半分は既刊のアニパーシリーズの番外編が収録されていますので、前5作が未読だと理解できません。未読の方はまずそちらから読まれることをお勧めします。

反対に言うと、前作までで登場していたキャラたちがオールスター出演している作品。ということで、今シリーズがお好きな方にはたまらない一冊になってるかと思います。

今作品の主人公は、『窓辺のヒナタ』の受け・日向の親友の忍と、日向の義理の弟の直央のお話です。

『窓辺のヒナタ』は早瀬×日向のCPはドツボに突き刺さるCPでしたが、日向を取り巻く彼の家族に萎えてしまって個人的にあまり評価の高い作品ではありません。で、その萎え要素の大きな要因だった日向の義理の弟のお話ということで、読み始めたときに読み切れるか危惧しつつ手に取りました。






視点は、日向の義理の弟の直央。
直央は日向の母親と再婚した養父の連れ子。ステップファミリーの義弟です。

子どもの時は新しくできたお兄ちゃんが大好きだった。
いつも優しく、自分を助けてくれるお兄ちゃん。お兄ちゃんの親友である忍も自分に優しく、お兄ちゃんが二人できたようでうれしかった子ども時代。
なのに、そのお兄ちゃんは男を好きになる「普通じゃない」男だとわかり、その失望が日向に対して攻撃的な態度を取る原因となった。

大学生になり家を出た兄と距離があくことになり、高校生になった直央に勉強を教えるべく家に出入りするようになったのは兄の友人の忍。忍には、兄の文句、不満、気持ち悪いという侮蔑の気持ちを言い続けてきた直央だったが、ある日忍に「好きだ」と告白され―。

というお話。

『窓辺の~』で、とことんまで日向を追い詰め、侮蔑し続けた継父と直央。今作品もその姿勢は変わっておらず、日向に、もっと言うと同性愛という志向を持つ人物に対する辛辣な態度は健在。

おお。これ、どうやって話を持ってくんだろうな。

そんな興味を抱きつつ、けれど自分と違うものに対して拒否し、否定し続ける直央がどうにも好きになれない。

そんな真央に、根気強く言葉をかけ続けるのが忍。
日向の親友であり、けれど真央に惚れてしまった忍。彼自身ゲイという性癖を持っています。彼は日向と異なりそのことに引け目を感じているわけではないのですが、直央の「ゲイは気持ち悪い」という感情に少なからず傷つく。

が、それでもなお、直央にそういう言葉を日向に言うなと言い続ける。

忍が懐の大きい男だから、というわけではないんですね。
直央が、そういう言葉を日向に言い続ける、本当の理由に、忍は気づいているんです。

ベースとしては忍×直央との恋のお話ではあるのですが、そこを軸に、家族愛、親が子に向ける情愛、子からの親への思い、そしてもっと言うと博愛的な愛情まで描いている作品でした。

ゲイである息子を受け入れられない継父ではありますが、それこそ彼の思考を変えることは他人には無理なわけで、言葉を尽くし理解してもらおうとする新×日向の姿に心打たれました。

あれだけ日向を拒否し続けてきた直央なので、忍と恋人になるのは至難の業ではなかろうか、という予想を裏切り、早々に恋人同士になってしまいます。

今作品は朝丘作品らしくかなりの厚さのある作品ですが、この厚みは忍×直央の恋の成就を描いた厚さではなく、後半は今までのアニパーシリーズの番外編が収録されている厚さです。

リアルサイン会で配布された番外編など、ファンにはぜひとも読みたいSSが収録されていて素晴らしい。今まで登場した全CPが、時と場所を変え、あの手この手で登場してきますがきちんと統一感を持ち、流れが繋がる描き方はさすが朝丘先生といった手腕です。

今作品の主要CPである忍×直央は、正直「青い」です。
ヤキモチを焼いたり、不用意な発言をしてしまったり。けれど、今シリーズで唯一若いCPでもあるんですよね。他のCPは攻めさんたちがみんな大人で、包容力も、経済力もバッチリな面々。このCPだけ大学生×高校生なのでそれも味があって良いのかな。

「アニパーシリーズ」は、今まで主人公の名をもじったタイトルがつけられてきました。が、今作品は違います。

今作品は忍×直央の恋、をメインに描いた作品というよりは、どちらかというと今までのシリーズに登場したキャラを通して、みんな違っていい、それぞれ進む道は険しい時もあるけれど、ともに歩んでくれる人がいることでどんな道でも進んでいける、といったエールが込められた作品だったように思いました。

「アニパーシリーズ」は、時にシリアスな展開に陥りがちなシリーズではありますが、今作品はひたすら甘く、そして優しい1冊で、読後ほっこり気持ちが温かくなりました。

16

この作品が収納されている本棚

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