結婚したら、好きな顔を一生眺めていられるんだよ?

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表題作推しはα

人見蓮,26歳,旅行会社勤務,α
鈴木佑真,26歳,旅行会社勤務,β

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

昔から綺麗な顔には目がない、ド平凡β会社員の佑真。現在の最推しは頭脳明晰で仕事もデキる、仲がいいイケメン同僚のα・人見だ。しかしその人見から、なぜかいきなりプロポーズされてしまった!? ビックリしつつも、自分みたいな平凡人間では釣り合わないと、断固拒否。だが人見は全くめげずに猛アプローチしてきて、気づけば彼の実家の不思議な旅館で働くことに…? 訳アリ溺愛α×平凡β(?)の奇想天外オメガバース!

作品情報

作品名
推しはα
著者
夜光花 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
シリーズ
推しはα
発売日
電子発売日
ISBN
9784773060423
3.9

(166)

(57)

萌々

(60)

(32)

中立

(10)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
19
得点
631
評価数
166
平均
3.9 / 5
神率
34.3%

レビュー投稿数19

受け様、面白すぎる!推し(攻)の顔が大好きな受け様のお話

こちら、夜光花先生初めてのオメガバースのお話とのこと。
も〜、「モブ受け」となっている受けが面白過ぎて、特に前半は声を出して笑いながら読んじゃいました( *´艸`)

同僚を推す受け×オメガバース×ワケあり宿…と、けっこう設定モリモリなんですが、それがとってもいい具合に調和してるのが、さすが夜光先生だなあと思わされます。

あと、みずかねりょう先生のイラストが本当に素敵だった〜!表紙もいいですよね。
「α」「Ω」「β」の文字を二人が腕にかけたり、抱えたりして持ってるの、可愛い!

この作品、アルファの攻め様、美形でいい奴だし溺愛攻めでカッコいいんですけど、なんといっても受けの魅力と面白さが半端ない!!!攻めの良さをひょいっと凌ぐ面白さといいますか。ほんとインパクトがすごいんです(語彙力)。

嘘がつけず、上司に叱られてばかりの主人公、佑真。職場の同僚、人見の美しい顔に惹かれて推すことで、日々癒されているー(でも恋愛対象は女性で、恋愛感情を持っているわけではない)。
この設定からなんか可笑しくて笑えてくる…笑

そんな佑真の推し、人見が会社を辞めることになり寂しく思っていた折、一緒に食事に行った先で突然人見から熱烈プロポーズをされー!?

と続くお話です。

βで、恋愛対象は女性の佑真がプロポーズは断りつつ、「俺のこと好き?」と聞かれて「(推しとして)宇宙一好きです!!」とか即答してるの、大変笑わせていただきました。面白過ぎ。

で、自分も退職して人見の実家の旅館宿についていくと、そこは「人ならざる者」が泊まる旅館で、人見の母親である女将の策略により、タコの妖怪に体を作り替えられ!?という、オメガバの面白さを生かした展開に、「どうなっちゃうのこれ!?」と、ページを捲る手が止まりませんでした。

無理やりΩにされ、襲われ番にされた怒りを、女将や人見に対してちゃんと言葉にして伝える姿がかっこよく、男気溢れる受け様を堪能しました。

作り替えられた体を戻そうと、一人妖怪世界に渡って交渉する攻め、人見も良い。

結局その後どうなるのかーという点については、ぜひぜひ読んで確かめていただければ( *´艸`)

みずかね先生の挿絵で見られる座敷童ちゃんが本当に可愛らしく、うちにも来て温泉湧かせてくれないかなーと思ったりしました笑

0

#妖怪 #オメガバース #推し活

これは、妖怪ものです。
タイトルに「推しはα」って入ってるし、オメガバースかな?って思うじゃないですか。
妖怪ものです。オメガバースですけど、基本妖怪もの。あと、推し活。

1巻はそんなに性癖に刺さらなかったんですけど、私は2巻で沼に落ちました。
早く3巻読みたすぎて、夢に出てきます。

読む前の私の想像。
「βってあるけど、なんやかんやΩになって、推しのαといちゃこらせっせするんでしょう?」
読んだ後の私の感想。
「妖怪ものなんだけど、オメガバースがうまいこと絡み合って、推し活が妙に心になじみ結構なお点前でした」

この作品にハッシュタグをつけるとしたら、#妖怪 #オメガバース #推し活 なんですけど、この三者三様の方向を向いていそうな属性が、クライマックスで見事にカチーンとハマった時、夜光花先生の技量の高さにただただ感服しました。
ただ、読んでほしい。
けれど、最終局面でちょっとタコの妖怪と受がやべえことになるので、触手とか大丈夫な人だけお進みくださいっていう感じです。

0

中立

電子書籍で購入。
攻め視点のその後を描いた電子限定のSS『人見の悩み』収録版。

作家買い。
うーん、「中立」評価です。
この作家様で初めてかも。
この作家様とは相性が良く、どの作品も大抵、神評価か萌×2です。

何でかな?
設定かな?
耐性がついて、どんな作品でもある程度楽しめる自信はあるのだけど、この作品はダメだったな。
テンポよく、面白可笑しく楽しませてもらいましたが、評価となると微妙。

全然愛が感じられなかったからかな?
攻めも受け好き好きオーラを出しているのだけど、なんかね。薄いというか、字面だけというか。
オメガバース設定もね。作中のある設定の為だけでしょ?みたいな。
その為だったら別に似たような別の設定に置きかえてもOKよねって思っちゃいました。

全体的に軽いのです。
ペラペラ感?
いろいろな設定を都合よく切り貼りした印象。

いつもの伏線が複雑に絡む、後で「そうだったのか!なるほど、やられた~」感がありません。

という訳で、私にはあいませんでした。残念。

3

グイグイ読ませる、さすが夜光花さん!

初電書小説です。
見やすいですね、びっくりしました。
ちるちるさんのくじで当たったクーポンで買いました。

夜光さん初のオメガバースもの。
後半まではほとんどその意味がわからなかったのですが、なんと!な展開で。

夜光さんの作品は本当に読みやすいですね。そしてとっても面白い。

普通ってなんだ?いかに普通に育つのが恵まれたことかわかりましたね。

推しは特殊なアルファ?
人見は珍しい能力を持つために眉目秀麗才色兼備ながらも本気の恋をできずに生きてきて。

受けは美しい顔が大好きなモブ顔の平凡な人で。でも人見にはキラキラ輝いて見えて、好きで愛しくてたまらなくて。

どうしてそんなに受けを好きなのか、そして受けは攻めを好きになれるのか。
なまじ推しだけにややこしくて面白いですね。

人見の実家の旅館や女将、姉、お客さん、甘いものを欲しがる女の子、みんなみんな意味がオメガバース問題につながっていくんですね!

とっても読み応えあります!

エロも満喫、波乱万丈で受けと一緒に推しを眺めてうっとりしたいな。

1

攻めを推して推して推しまくる受け

甘くてコミカル要素があるものが読みたくて。

序盤から攻めが受けのこと大好きで、押し押しなのが良きです。
受けも攻めが大好きで推し推し、ただし顔推し。
人見の幸せを誰よりも願っている佑真なのに、プロポーズを断る。
平々凡々なベータの自分では釣り合わない、素敵なオメガと連れ添ってほしいと。
この盛大なるトンチキなすれ違いが面白くて何度もクスクスと笑っちゃいました。

正直、完全人間社会ものだと思って読んでいたので、中盤辺りで妖怪要素が出てきた時は軽く動揺してしまいました。
でも終盤に進む中で色々あり人見がオメガに転移した佑真のフェロモンに当てられ、襲ってしまうシーンで吹き飛びました。ありがとうございます。性癖です。

女将さんが佑真に行ったことに対する謝罪が軽いなともやもやもありましたが、
佑真は思ったことを言う性格なのでビシッと「どの面下げて!」
おかげでちょっとスッキリしました。

2巻が出ても不思議ではない要素が散りばめれていたので、期待。


挿絵
7枚

2

オメガバースの妖怪コメディ

和ものの妖怪が登場するオメガバースのコメディ。
この作品が、初めてのオメガバースの作品なのだそう。そのせいか、単純で拗れることないストレートな展開なので、物凄く早く読了してしまいました。
誰も傷つかない平和なストレス無い内容なので、短時間で気分転換したいときにお勧めの作品。

昔から綺麗な顔には目がない、ド平凡β会社員の佑真。
佑真の最推しは、頭脳明晰で仕事もデキるイケメン同僚のα・人見蓮

嫁に来て欲しいと、憧れの連から告白されて連の実家の温泉旅館に行ったら、妖怪専門の湯屋だった。
色々な妖怪が来る温泉旅館は、せんと千尋の物語の湯屋と似ているけど、違うのは、客の妖怪が酒好きでエッチという点。

ある日、蓮の母の計らいで承諾なく佑真がタコ妖怪にβからΩにバース転換されてしまう。
承諾なくΩに変えられた佑真は傷心して実家に帰る。
単独里帰りではなく、憑き物も同行していたため、温泉旅館が寂れてしまう。
Ωになじめない佑真の希望で、またタコ妖怪にβに戻してもらうことに。

バースを元に戻す場面まで、佑真は蓮の人柄より外観に惹かれていたみたい。蓮の綺麗な顔が好きだった。人柄は二の次。でもタコ妖怪を探しに行く件で、蓮の誠実さに感動。
この種が宿っているとタコ妖怪に告げられると、Ωのままを希望して、蓮と結婚することに。
そして、連に似た美しい男子を出産して佑真は泣いて喜んだ、というお話。

出産に至るまで、佑真が悶々と葛藤する色々な出来事があって、蓮が嫉妬深かったり、飽きない話題がもりこまれていてとても面白かった。

3

設定が面白い

作者買いです。夜光先生のオメガバースということで、期待大で読みましたが後半まではオメガバース設定はほとんど関係ないというか、設定を忘れかけてました。
それぐらい受けの佑真がβにしては個性が強烈だからかもしれません。

佑真は攻めの人見を崇拝していて神のように崇めてます。まさにオタクが2次元キャラの沼にハマってる感じ。
対して人見は佑真に惚れ込んでて、最初から両思いなのに根本的な部分ですれ違ってる関係性が面白いです。
人見の告白に対して抵抗するくせに、「俺が嫌い?」という質問に「宇宙で一番好きです!」と即答する佑真には笑いました。
人見が理解できないのも頷けます(笑)

人見が家族と経営する旅館の正体も一風変わってて夜光先生らしい設定でした。
いわゆる千と千尋の世界観を勝手に想像しながら楽しめました。

後半の展開に関しては、女将さんのやったことは人としてやってはいけないことなんですが、女将さんのキャラも嫌いじゃないので悪気がない分何か憎めないんですよね~

それよりも、人見と佑真の関係が進展したきっかけがそれだったのがちょっと残念です。
発情期や妊娠関係なくアルファとベータとして成就してほしかったかなと思いました。

あとメインキャラ二人にキャラ萌えできなかったのが残念。
佑真は個性的で面白いんですが、もうちょっと色気が欲しかったかなと思います。

1

受けが逞しかった

ここ最近の夜光花先生作品を見ても多種多様で、それぞれが素晴らしくとても面白いです。

初めてのオメガバ作品だそうですが、オメガバにありがちな悲壮感だとか理不尽さが一切無いラブコメで最後までとても楽しく読みました。

わたしはオメガバの世界だったら絶対にベータだと思っているので、佑真の推しを妄想する時の気持ちに共感出来ました。

佑真の拒否りながらも人見の実家の旅館で働くというちゃっかりさも嫌いで無かったです。
人見が佑真が何を言ってるか分からなくて困惑する姿には爆笑してしまいました。

女将さんが勝手に蛸の妖怪に頼んで佑真をオメガにしたのはいただけなかったけど、人見が妖怪の里に危険を犯してまで行って交渉して来たのには、佑真に対する気持ちの真剣さを感じました。
またあの女将さんのやつれ具合に溜飲も下がったので許せました。

人見の子どもを妊娠してると分かった途端に、結婚を承諾した佑真らしい理屈にはちょっとだけ引いてしまいました。
でもそれから都に嫌味まで言われるくらい、オメガとして逞しく暮らしている姿には好感が持てました。
露天風呂にビニールマットを持ち込んでのプレイはとてもいやらしかったですね。

神にしても良かったんですが、最近のシリーズに比べるとちょっと弱いと感じたので萌2になりました。

4

新しい味付けです

あとがきで夜光花先生ご自身も言及されていますが、どことなく似た設定のお話を何作か書かれている印象はあるものの、今作は初オメガバース作品との事で。
いったいどんな味付けをされるのだろう?と、期待大で読み進めると…面白かったです。
オメガバース作品らしさを途中までほとんど感じなかったのですよね。
多分それは、オメガバースというものをメインには置いていなかったからなのではないかなと。
人見がたまたまαで、佑真がたまたまβだっただけ。
メインはあくまでも2人が繰り広げるラブコメディなんです。
これがもう前半が面白くて仕方がないんですよね。

まず、受けの佑真のキャラクターが濃い。
自身をモブだ平凡だなんて言っているけれど、おそらく彼は作中に数多く登場したどの妖怪達よりも強烈な個性の持ち主だと思う。
佑真が、理想とする最高の顔だけはなく、性格も良い最推し・人見を「好き」とストレートに愛でる姿はなんとも言えないおかしさがありました。
だからこそなかなか恋に落ちてくれないのですけれど。
オタクに近い心理の表現が少しくどい気もするけれど、熱量がすごい。
クローズドパッケージのランダム人見トレカが販売されたらコンプリートするタイプ。
と、推している姿にばかり目がいきがちですが、彼はすごく不器用だけれど、しっかり者で真面目な子なんだと思うのです。
職場での物言いは、接客的にはちょっと…レベル。
けれど、そこで開き直るでもなく、しっかりとだめな自分のことも分かっていて反省も出来る。
旅館で裏方として働き始めてからというもの、どんどん彼の良いところが出て来ていて、自分の得手不得手の把握と職場というのは大事だよなあと思ったりして。
座敷童子ちゃんに甘いお菓子を手渡すシーンがほのぼのとしていて好きでしたね。

一方、今作の攻めであり佑真の推しである人見。
読者は佑真の視点から人見を見ているので、温厚で穏やかで誠実な、まるで王子様のようなキラキラとした溺愛攻めに見るんですよ。
ところがよくよく見ると結構押しが強くて、ロールキャベツ系というか、佑真に関してはわりと策士だったり執着攻めのような気もします。
気付かない佑真をあれよあれよと実家の旅館まで連れて来た手腕は流石の一言。
「好きな顔を一生眺められる」「人には見せない顔も見られるかも」なんて、上手いですねえ。
甘く距離をつめる姿と、佑真の斜め上の物言いに困惑しながら、よく分かっていないままぽわんと返す言葉に笑っちゃう。
バース性ではなく、たまたまベータだった佑真の内面の綺麗さと性格に惹かれたというところが好きでした。
しかもそれが小学生からって…やっぱり彼は粘り勝ちの執着攻めだと思う。
「8割顔が好き」と言われて「10割じゃなかった!」と喜ぶ姿がチャーミング。
みずかね先生の描く人見がまたかっこよくて可愛いんです。
今作は攻めの人見の方が好みだったかも。

そしてさらに面白かったのが、人見の実家である旅館が妖怪達が訪れる妖怪旅館だというところ。
設定がユニークで、夜光花先生ならではといった感じ。
ここでの生活が奇想天外ながらもコミカルで楽しいんですよ。
ひょっこり現れる妖怪達も個性豊かで、不気味までいかないちょうど良い塩梅で描写されています。
やっぱり座敷童子ちゃんが可愛かった。

それから、皆さんが言及されている、バース性が書き換えられてしまうシーンについて。
バース性が変化してしまう作品は何作か読んだことがあったのですが、そちらにはあまり引っかからなかったのです。
最終的な着地点は平和に終わったけれど、お話が面白いものだっただけに残念で、私も今作はちょっと気になってしまった。
これはね…多分「攻めが全く関与していないから」だと思うんだなあ。
妖怪が登場するお話ならではの、なるほどねという方法ではあるのですけれど、その場に攻めもおらず、ましてや攻めの母親が勝手に妖怪の手を借り、触手攻めのようにして無許可かつ人権を無視して行ったというのがアウト。
母親のキャラクターは決して嫌いではなかったのですが。
これでは萌えない。だめです。
被害者である佑真の絶望と怒りはごもっとも。
そして、事故のようにうなじを噛んでしまった人見に対しては、あれほど佑真を大切にしながら懸命にアプローチをしていたのにね…という同情心でいっぱいになってしまいました。
その後の佑真の「普通」に対する心境の変化も入って来なくなってしまった。
それまでは萌えと楽しさがいっぱいだったのに。

もし、必ずしもバース性を変化させる必要があったのならば、人見が妖怪とキスをして何かの能力を授かってしまって、その後口直しにキスをしたら変化した…だとか、2人の心の距離が近付いた時に、座敷童子ちゃんからお菓子のお礼にと提案されて受け入れた…だとか、他にもやりようがあったんじゃないかな。
バース性の変化を受け入れる過程が描かれているものだったらありなのでは?と思いました。
でも、佑真をオメガにして発情期にさせないと2人の関係は進まなかったのかなあ?
そんな事はないと思うのですけれど。

と、やや残念な部分もあったものの、概ね楽しく読めました。
いつも思うのですが、本当に文章が読みやすくてスラスラと読めてしまう。
メインキャラクター2人のやり取りが好みだったので、もうちょっとラブな部分も読んでみたかったです。

4

ファン気質に頷きつつ笑いがもれました。

途中で、あっオメガバースだったんだ、と思い出すくらい、最初はオメガ色が薄かったです。

 受け様は、ベータであり、キングオブ平凡、だと自負している佑真。
美しい顔が大好きで、推しを愛でるのが幸せ。

この佑真の推しが、攻め様である同僚の人見。

 実家の旅館の手伝いのため、仕事を辞める人見に、プロポーズをされ、驚愕しながらも、そんな暴挙許されない、と力説して断る。
だけど、人見から「僕が嫌い?」と訊ねられると、「宇宙で一番好き」と即答。
 混乱する人見に"だよね〜"と笑うしかなく、佑真のファン心理には頷きつつ笑っちゃいました。
佑真のこの推しを尊ぶ思考が、とっても私のツボで、素晴らしい推しぶりが拍手喝采もので楽しかったです。


 人見のアプローチに、佑真は旅館の手伝いとして一緒に働く事になったけど、この旅館が、妖怪専門の旅館という。
驚いても、慣れるよう頑張る、と前向きな姿勢の佑真は、私もとっても好きでした。

 人見の事を、二次元のアイドルを愛でる気持ちから、対等な相手として意識し始めた佑真に、おぉ、これからね(*≧∀≦*)と思ってた矢先に、人見の母であり旅館の女将が起こす、あまりにも短絡的な大事件。
それによって、人生を狂わされた佑真の怒り、悲しみ。
狂わせてしまった人見の後悔。

佑真を元に戻すために人見は力を尽くしてたし、佑真もそれを受け入れるつもりだったのだけど。

佑真の結婚承諾態勢がやっぱりファン気質多め。
でも、受け入れる事ができたのは、それまでの人見の在り方のおかげですしね。

えちシーンは、オメガバースだけあっていろいろなバリエーションがあって楽しかったです。
( 〃▽〃)

 みずかねりょう先生のイラストがまたステキでした。
イケメン人見のいろいろな表情がかわいい。
憔悴しきった人見の姿には、庇護欲がかきたてられました(#^.^#)
そして、童ちゃんがとってもかわいかったです。


6

オメガバース苦手でも読めました

夜光花先生の初オメガバース作品ということで、夜光花先生ファンでオメガバースが苦手な私は、どんな作品になるのだろう?と思ってましたが、あまりオメガバースを読んでいるという気がしなくて、いつもの夜光花先生作品という感じで読めました。

全体的にオメガバース色はかなり薄いので、その辺を期待した方にはがっかりかもしれませんが、個人的には普通の作品として読めたので良かったです。

前半はオメガバース要素皆無と言ってもいいくらい、普通のラブコメBLですw
佑真の人見への気持ちが完全にオタク目線なのが面白かったです。
欲を言えば、後半は無意識でももう少し人見への恋心が強調されてたらもっと萌えられたかもです。
とは言え、人見も佑真も好きなキャラです。人見の嫉妬深さも良かったです。

ただ、他の方も書いてますが、佑真の性別変更エピソードが胸糞悪いものだったので、評価ひとつ下げました。すみません。
あれが人見の母親が仕組んだことじゃなくて、妖怪が勝手にやったことならまだ良かったかも…
夜光花先生の作品はどこか少年漫画のような、はちゃめちゃとも言える展開がたまにあるので、そういうものと思って読んでますが、受け付けられない人もいると思います。

その後の展開は、まあ予想通りでしたが、それでも面白かったです。
妖怪の泊まる旅館という設定自体が面白かったですし、みずかねりょう先生の描く、わー坊とかわー子とか、その他妖怪達も可愛かったですし、
ラブシーンは濃厚で、オメガバース関係なしに続編が読みたいと思いました。

6

コレも奇縁!? 変わり種のオメガバースです

今回は老舗旅館の長男であるイケメン同僚と
綺麗な顔に目がない平凡な旅行会社社員のお話です。

攻様に気に入られた受様が実家旅館の手伝いから攻様の番になるまで。

この世には第二の性があり、アルファ、オメガ、ベータに分類されます。
優秀な資質を備えたアルファは希少な存在で、その世の大半はベータです。

受様は至極平凡なベータです。顔は良くも悪くもなく、中肉中背、二流の
高校、大学を経て旅行会社に就職します。どこまでいってもモブキャラな
受様の目下の最推しは1年前に転職してきた同僚の攻様です。

受様は昔から美形が大好きで、テレビで見る俳優やアイドル、政治家から
アナウンサーまで男女に関わらず理想とする美形はいますが、今まで見た
誰よりも攻様は受様の理想に近く、攻様を知ってから他の美形は全て凡庸
と化してしまいます。

攻様は受様の理想が服を着て歩いている様で、完璧な美貌、シャッ越しで
もわかる均整の取れた身体つき、国立大学出で頭脳も申し分なく、人当た
りがよく、爽やかなアルファ青年なのですよ♪

とは言え受様の恋愛対象は女性なので、攻様に対して邪な気持ちは微塵も
なく、だだ美しい顔を見て癒されたいと思っていただけなので、攻様を
眺められるだけで至福な毎日だったのです。

そんなある日、受様は同僚から攻様が今月末で辞めると知らされ、目の前
が真っ暗になり、叫びそうになってしまいます。というのも受様は攻様と
よく昼飯を食べているのですが、そんな素振りは見えず、話も聞いていな
かったのです。

受様は何もかも普通ですが料理だけには自信があり、いつもコンビニ昼飯
だった攻様にねだられて、自分用の弁当とともに攻様の分もを作るように
なり、お返しにと時々夕食を奢ってもらう間柄だったのです。

その日、話があるからと夕食を誘われた受様は、そこで攻様が辞める事、
そもそも1年前に実家に戻る予定だったのに、今の会社で受様を見つけた
ためにもう1年だけと無理を言って就職したと教えられます。

攻様の実家はちょっと特殊な客だけを扱う旅館らしく、元々お嫁さん探し
で都会に出てきたそうで、攻様はに「結婚を前提にお付き合いして欲しい」
と受様にリングケースを差し出すのです!!

第二の性のある現代では同性婚も認められていますが、受様は攻様がおか
しくなったか、冗談かと思いますが、攻様は本当に本気です。

受様は攻様(の顔)が「宇宙一好き」でも自分のようなモブキャラが押しを
汚すなんて考えられないと言いますが、そんな受の思考は攻様には理解で
きません(笑)

諦めきれない攻様の猛アプローチは続き、元々調理師免許を取りたいと
言っていた受様に取得に必要な2年間働く事を提案されます。2年の間に
受様に攻様を「独占したくなるような好きにさせる」と言われた受様は
申込に猶予ができ、離れなくて済むこの提案にのる事にします。

ところが攻様の実家の旅館はなんと誘拐専門旅館という、受様の想像を
超えた特殊さだったのです!!

果たして受様の未来は如何なる事になるのでしょうか!?

夜光先生の初オメガバースはド平凡を地でいくベータな受様が、イケメン
な攻様に惚れられた事から始まるファンタジー要素満載のオメガバースに
なります♪

私は基本的にラブコメディ好きなので、夜光先生もビープリンスのお話と
かツボなのです。 なのであらすじを見て面白そうだと手にしまして期待
通りにたいへん楽しく読めました。

しかし、夜光先生というと硬質で重量感のあるファンタジーだよね♡
って方には賛否があるかもしれない作品ですので、萌ツボを押さえて
お読みいただいた方がいいお話かと思います

攻様の実家の旅館は妖怪たちに好かれる温泉が1日組の限定経営ですが、
とても繁盛しています。攻様は母のお腹にいた時、客の天邪鬼の祝福(!?)
され、人の嘘が黒くもやって見えるようになるのですが、受様は竹を割っ
たようなまっすぐな正直者で、攻様にはキラキラと輝いて見える稀有な人
に見えます。

受様は思った事を即口にしてしまい、それで困った事態も招いていました
が、やってしまった結果は素直に受け入れ、いつもポジティブです。そし
てそんな受様の輝くほどのまっすぐさは攻様を捕えて離しません。

しかも受様は人によっては見えない妖怪も最初の段階から見えていたので
攻様の母である女将にも気に入られてしまい、逃がしたくないと思われて
しまった挙句にある強硬手段に出られてしまうのですよ。

独特な感性の女将、人混みで倒れてしまう攻様の姉、受様の師匠となる
料理人、温泉目的でやってくる妖怪達に加えて、家に住みついている童達
と、受様と攻様以外の冬至用人物も皆一癖も二癖もあり過ぎて、テンヤワ
ンヤな騒動がとっても面白かったです。

女将が画策し始めるあたりからやっとオメガバース設定ぽくなってきて、
個人的にはそのあり得なさがとっても面白かったのですが、この展開に
ムムムムッ!!って思うと楽しくないというか、オメガバースである意味
まで疑っちゃうかな (^-^A

色々な作家さんがオメガバースを書き始めたので、個人的には変わった
展開もツボれればOKです。2人のベビーも気になるし続編希望です♪

5

予想外

夜光先生×みずかね先生というめっちゃお久しぶりな強烈タッグ、マストバイ。夜光先生初クロスノベルスとのこと、おめでとうございます!
リーマンものかと高を括っていたら、全然違って、推しに寄せる一途な愛にオメガバ設定+妖怪話という、コメディ(特に前半大爆笑)でした。こんなに事前予想を大きく外したお話も珍しい。妖怪大丈夫なコメディ好きの方には良いのでは。本編220P超+あとがき。

旅行代理店で働く佑真のイチ推しは、同僚の人見!顔よし性格よしスタイルよし、視界に入るだけで気分急上昇、多少凹んだってもりもり元気に過ごせます!と、少々オタク傾向のある佑真。その人見が会社を辞めるらしいと聞いた後、人見から食事に誘われ、どんより出かけていくと「結婚してほしい!佑真ほど光っている人はいない!結婚したら一生好きな顔を眺めていられるよ?頼むから実家の旅館で働いて?」とプロポーズされ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
女将、都(攻めの母、姉)、岡山(旅館の料理人)、大和(旅館に食材を持ってきてくれる人)、わー坊、わー子(子供の霊)、スライムみたいな妖怪、タコ、牛等獣頭の妖怪等多数、受け家族。わー子可愛い。

++ 攻め受けについて

「魂の様子が分かる」というちょっとした異能はあるものの、攻めがいたってまっとうな人間。嘘が付けず(=裏表がない)めっちゃ綺麗な魂をしているらしい受けがキラキラ見えるらしく、受けにぞっこん。完璧な美貌、スタイルよく頭良くというアルファなのに、超普通人モブキャラな受けを愛してやまず、プロポーズのシーンの挿絵でちょっと照れてむすっとした顔がめっちゃ可愛いです。妖怪専門旅館という超特殊環境で、受けを守ろうととっても頑張ってるのも健気・・・

受けは、自らをモブキャラとしていて、超絶好きな攻めとキスするのが自分だなんて「人見を汚しちゃう!」と言ってしまうような方。分かる・・・私も、自分の出した二酸化炭素が推しの近くを漂うなんてありえないと思うタイプなので、受けのキャラにはめっちゃ親近感を覚えました。ダメと言われているのに、わー子に作ったスイーツをあげているところも好きだったなあ!

後半にタコ妖怪にベータからオメガに変身させられるという、ちょっと変則オメガバースで、ヒート描写もたくさんある訳ではなく、オメガバース色は薄い印象です。
最後にみずかね先生の描かれた挿絵話。いつも好きですが、今回特に好きでした!コメディよりに表情豊かだし、イケメンスーツはカッコいいし、裏表紙+カラー口絵のデフォルメキャラ版の絵も可愛いし、がっつりキスシーン(最高に好き!)、バックからの色っぽいところの二人の表情も良かった・・・幸せだ・・

妖怪話+おタッキーのコメディというだけでも十分だったような気がするんですが、お話面白かったし、特に受けキャラ好きだったし、絵は最高だったしということで、萌2と萌の中間にしました。

6

たのしかったです

ジャケ買いでした。そして、初・夜光先生でした…。ここから夜光先生をはじめるっていうのは、もしかして正解じゃないのかもしれないんですが、、でも、でも、私はすごく面白いと思ったので、個人的には正解だった気がします。

こーゆーオメガバースもありか、、というところです。性転換(?)は想定外でした。平凡平凡言いながらも中身はわりと非凡な受と、見た目と境遇は非凡なんだけど中身はわりと平凡な攻、という構造が面白かったです。他のレビュアー様のご指摘の通り、確かに受→攻の感情って?とゆー部分もなきにしもあらずなのですが、とにかく攻が受を溺愛してるという状況が好物なので、私は大丈夫でした♪

さまざまのトンでも事件を乗り越えて、最後にやっと気持ちが対等になってきたかなぁ…てところで終わるんですが、実は、この先の展開が面白いんじゃないかという気がしました。続編もしくは後日譚とかあったら読みたいです!
あとやはり、みずかねりょう先生のイラストがとても佳き、でした。

6

向き不向き

「夜光さん、初クロスノベルスだっていうのにかましてくれるじゃないですか!」って思ったんですよね。
だってこのお話、かなり異色だよ。この異色ぶりがかなり面白かったんですけど。

でも、これを読んで「?」ってなっちゃったり、怒るかあるいは下手をすると気持ち悪くなっちゃったりする姐さまもいるんじゃないかと思うんですわ。
後者の件に関しては「本来私も怒るべきことなのかもしれない」とも思ったんですけれど、なんかこの辺『狙ったトンチキ』の様に感じちゃったんですね。私、トンチキならどんなものでも美味しく消化しちゃうんで(苦笑)。

異色その1。
「果たして恋愛?」という点ですよ。佑真の方なんですけれども。
彼の『人見推し』っていうのにLOVEはあっても、BL世界で書かれる『恋愛』とは違うよなぁ……恋愛脳って乙ゲーになることだと思うんですよ。でも、いつまで経っても佑真の人見に対する眼差しはボブゲなのよね。
途中で乙ゲーにググーッと近寄るんですよ。
そのまま自然に任せていたらLOVEが生まれたかもしれないんですけれど……

異色その2
放置しておけばきっとLOVELOVEしい雰囲気になったと思うんです。
それを敢えて、人見の母に謀をさせて引っ掻き回す。
夜光さんは2人をくっつけるためにこの謀を持ち出したんじゃないと思うの。
むしろ逆。
2人の間に『甘い恋愛的なもの』を作らないためにやったんじゃないかと思うんです。それもかなり確信犯的に。
佑真の人見に対する捉え方の変化って、次のような感じに思えるんです。
推しの同僚→家族経営での頼りになる上司兼親友→家族
……ねぇ、恋人は?恋人期間がなくない?

恋愛体質の人っていますよね。
道を歩いていてもすぐ恋におちる。
私はよく解らんのです、これが。
で、多分解らないからBL小説を読むのだと思う。
そんな私は、佑真が良く解る様な気がするんですよ。
人見のことを恋愛的な意味で好きだと自覚しても、謀がなかったら佑真は彼からの求愛を受けなかったんじゃないかな?
だって彼は腐女子の心を持っているんですもの!
絶対、自意識が邪魔をする。

2人がくっついて、幸せでも、何となくすれ違いがあるというこの感じ。
佑真の自意識は自分が甘々になるのを決して許さないと思うんですよ。
だから、あらすじはトンチキ方面に暴走させつつも、受けさんを盲目的な愛とロマンの渦に巻き込むことなく、腐女子的な俯瞰の目線を確保させたままでお話は着地。

こういう技、見事だと思いましたよ。

10

独特な世界観を放つオメガバースもの

作家買い。
タイトルからも推測できるように、今作品はオメガバースもの。夜光先生お初のオメガバースもの、ということで発売を楽しみに待っていました。





平々凡々のβの佑真は旅行代理店に勤務するリーマン。

彼はとにかく美形好き。自分の好みの美形を追っかける性癖があるが、そんな彼の現在の推しは同僚の人見。
小学生だった時の同級生で、中途採用され入社してきた人見はとにかくイケメンで、自分がこうなりたいと思うビジュアルをしている。しかも優しく、中身もパーフェクト、そして有能なαでもある。

推し(=人見)を目で見て愛でるだけで満足している佑真だが、ある日人見に「ずっと好きだった」と告白され、彼の実家の旅館で一緒に働くことになる。

が、そこは妖怪たちが訪れる妖怪専門の旅館で―?

というお話。

「オメガバース」というバックボーンがありながら、今作品はさほどオメガバース色は濃くありません。特に序盤は、「人見がαだ」というその一点を除けばオメガバースものということを忘れてしまうくらいオメガバース感がない。オメガバースもの特有のドシリアスさとか、痛い展開は皆無な作品なのです。

佑真の美形好きで素直過ぎて嘘がつけない性格という強烈な個性に圧倒される形で進むストーリー。さらに「妖怪専門の旅館」が舞台になっていることから、お客としてやってくる妖怪の気持ち悪さとか、そういったお客さんに対応できる破天荒なおかみさん(人見の母親)の個性も相俟って、非常にコミカルに話は進みます。

夜光さん、と言えば壮大な世界観で紡がれるファンタジーものを多く書かれる作家さま、のイメージが個人的に強いのですが、こんなにコミカルな作品も描かれるのか、とその引き出しの多さにちょっと驚きました。

が。

まあ、何というか非常にご都合主義的にストーリーは進みます。一家で運営する旅館を維持するためには人見たち姉弟(人見にはめっちゃ美人な姉がいる)がそれぞれ家族を作り、子を成すことが必要になってくるわけですが、佑馬はβなので人見との子を成すことはできない。

そこはどうすんのかなー、なんて思って読み進めたのですが。

おお、そういう展開とは…。
壮大なネタバレになってしまうので詳細は書きません。ぜひとも手に取って読んでいただきたい。

かなりのごり押しです。力業です。
好みが分かれるところかと思います。

が、ですよ。
この力業がなしえるのは、夜光さんの作家さんとしての技あってのことかなと思いました。

個人的にはめっちゃ面白かった。

オメガバース。
妖怪専門の旅館。
個性豊かな登場人物たちに、妖怪たち。
こういったバックボーンをフルに生かし、こうもコミカルなオメガバースものを作り上げるとは…。
さすがです、夜光先生。

夜光さんが描くと、オメガバースものは画一的なものではなく、こんなにも独創的な作品になるのだと、その技量に圧倒されました。

人見はとにかく男前。
佑馬は、そのビジュアルにKOされていましたが、中身がとにかく男前です。
佑馬の意向を聞いている…ように見えて、実はかなりの押しの強さ。自分に目を向けてもらうために、彼は手段を択ばない。
さわやかなイケメンに見える、彼のその腹黒さがめっちゃツボでした。

そして佑馬の方も。
美形が好き、推しを愛でて楽しみたい、というアクの強さが前面に出ていますが、彼は凄く誠実なんですよね。それが彼の生きづらさでもある。
が、彼のように素直に自分の感情を表に出して生きていくことができたなら、それはすごく羨ましい、理想的な生き方だとも思うのです。
彼は自分の感情を素直に出してしまいますが、そのどれもが悪感情ではない。非常に素直な青年なので、彼の不器用さが可愛くって仕方なかった。

みずかねさんの挿絵も綺麗で優しくって、この作品のイメージにぴったりでした。
特にカラーの口絵。
いやー、素晴らしい。
可愛く、そしてこの作品の内容をギュギュっと凝縮したイラストで、読後に眺めるとその素晴らしさに萌えが滾ります。

評価で悩みましたが、この独特な世界観が描けるのは夜光先生しかいない!ということで、ちょっとおまけして神評価で。彼らのお子の話も読みたかったし、世界観が非常に面白かったので、ぜひとも続編を書いてほしいなと思います。

12

たしかに奇想天外

少々辛口になります。


面白いッ!
面白い…おもッ…面白…い…けど…
なんか違うんだーーーーー!!!

という中立です(;´∨`A
タイトルからしてもあらすじ読んでもどんな内容かピンとこなくて、夜光さんだし奇想天外オメガーバースってどんなだろう…!ってピンと来ないのが逆にワクワクを掻き立ててくれてポチッとしたんですが。うーーーーん( ˘•ω•˘ ).。oஇ

何様やねん的な感想になりますが、一言でまとめるなら無理してオメガバースに当てはめ過ぎて展開が雑だったなぁ…と。でも確かに奇想天外だし、オタクにとっての「推し」の概念が余計な邪魔になる関係はとても面白かったです。

が。やっぱりちょっと無理があったと思う。
力技でねじ伏せられた気分…かな。すみません。

内容は書いてくださってるので感想メインで。
ちょっとネタバレ多めになりますので以下ご注意。


まず「推しはα」この設定は面白かったです…!

受け:佑真にとっては人見は手の届かないアイドルそのもの。自分の存在を一切介入させない世界で見惚れている時間が大好き。オタクが言う「壁になりたい」の心理です。いつでもどんな時でもどの角度からでも眺め倒したいけど、推しから認知されたら死にたくなるアレ。佑真の言いたいことは痛いほどよくわかるw

攻め:人見は祐真のその考えはさっぱり理解できません(そりゃそーだ)そういう意味でも人見の人間の良さを感じます。一目惚れがキッカケだけど佑真の本質を好きだと言う。嘘はつかないし気遣いも出来る。無理やりなことはしない。

そんな人見の告白を佑真自身が軽く去なすのは少々モヤっとしました。同僚で友人が真剣に告白してくるのに「推しと付き合うなんて無理!」で断固拒否。それって人見にすごく失礼じゃないか…?と。アイドルとオタクの噛み合わない会話みたいで面白いと感じる反面モヤっとする。面白いんですよ。面白い。けど;

で、前半はオメガバース要らなくない?と思うほど関係ない…。時折思い出したようにαだβだと会話に出て「あっ…オメガバースだったね…これ」と我に帰る。

後半になってようやくオメガバースが絡んできたなーと思ったら!ホンットこれ人権侵害も甚だしいよね?っていう性別変え!本人無許可!(女で生きてて概ね満足してるのに勝手に無理やり手術されて「男にしてあげたよ!これでよりBLが楽しめるね!良かったね!」って言われたら絶望するわ…。ありえねぇ…。)

佑真もブチ切れて謝罪にきた相手に怒鳴るのは新鮮でしたし、怒りを露わにするのが苦手な子がブチ切れてたのでちょっとホッとしました。そんだけの事をされたんですもん。

佑真のために人見が危険を冒してまで頑張ったのはかっこよかったです!人見だってフェロモンで理性失って暴走したのは巻き込まれ事故みたいなものなのに下手な言い訳一切せずに誠心誠意 佑真のために動くのにじんわり(;///;)人見は顔以上に中身がイケメンだと思う。

人見からのプロポーズを「推しの世界にモブはいらない」と自分勝手な理由で散々拒否してた佑真があっさりプロポーズを受け入れた理由はなんていうか……。申し訳ないけど雑に終わらせたなーというのが正直なところ。佑真の意思で推しの概念を拭い去って人見の心に応えて欲しかった!と思うのは望みすぎですかね…?オメガバース設定を使って無理矢理ねじ伏せられた気分になりました(´・ω・)

11

面白いのに許せない

夜光花先生のオメガバースということで、すごく楽しみにしていました。
だけど、個人的に好きじゃない展開が……


裏表なく正直な佑真(β)は、美形が大好きなちょっと変わり者。
そんな佑真の今の推しは、同僚の人見(α)。
美しく性格も良い人見と友人関係を築いてきた佑真でしたが、退職する事になった人見から突然プロポーズされて…!

βを溺愛するα……これ、最高に萌えませんか?
私はこの設定に非常に萌えました。
先の展開が楽しみで、わくわくしながら読み進めました。
しかも、佑真は人見の実家の旅館を手伝うことになるのですが、その旅館がなんと『妖怪専門旅館』!
はい、きたこれ。夜光先生お得意のファンタジー!!
スライムの妖怪、わー坊・わー子……禍々しい妖怪じゃなく、クスっと笑えるどこか憎めない妖怪たちが愛らしい^^

人見は佑真の嫌がることは一切せず、ただただ一途に佑真を愛で、じわじわ侵食していきます。
極上の美形に侵食され、溺愛されるフツメンというシチュエーションに堪らなくきゅんきゅんしました♡
人見の家族にも快く受け入れられ、βの佑真とαの人見がどんな幸せを掴むのかというところをすごく楽しみにしていたのに、その結末が……!!

女将の策略でΩに変えられてしまった佑真がかわいそうで、女将にはめちゃくちゃ腹が立った。
結果的に、佑真にも人見にも出て行かれてザマァでしたね。
(とはいえ、少しだけかわいそうだったけど)

このね、勝手に性別を変える展開が無理なんですよ。
これって受けにとっては屈辱的で絶望的なことだし、結局Ωじゃないとダメなんだねってなりますよね。
実際、佑真がΩになって、やっとオメガバースらしくなったし。
まぁ、子どもも出来るし都合良いもんね。
でも、安易な性別チェンジに何だかとてもガッカリしてしまいました。

ただ、やっぱり人見はいい男だったと思います。
勝手に番にしてしまったことも、もはや仕方がないと思える状況だったし。
なんとか佑真をβに戻そうと奔走するところも素敵でした。
あと、オメガバースだけあってエロ描写は濃厚で凄かったです。
最終的には佑真もノリノリだったところが救いでした。

19

まさに奇想天外オメガバース!

夜光先生初のオメガバースで、溺愛+ファンタジーのラブコメになります。

こちら、スパダリ攻めに平凡受けが溺愛されるのね~と楽しみにしてたんですけど、その認識は完全に間違ってました。
受け、全然平凡じゃない。
何と言うか、かなりの面白キャラですよ。
いやもう、思考回路とか突拍子も無いんですけど、男らしいしめちゃくちゃ格好いい受けだと思うんですよね。
イケメンでスパダリでアルファである溺愛攻めが霞んじゃうんだけど。

とりあえずストーリーとしても、笑えてキュンキュンしてと最高なので、溺愛ものや明るいラブコメ好きの姐さんに、ぜひオススメしたいです。


内容です。
綺麗な顔に目が無い、ド平凡なβリーマンの佑馬。
仲がいいイケメン同僚でαである人見を、推しとして崇める日々。
そんなある日、何故か人見から突然、プロポーズされてー・・・と言うものです。

で、自分のようなモブキャラとは釣り合わないと拒否するも、人見からは猛アプローチ。
調理師が夢である佑馬は、とりあえず従業員として人見の実家の旅館で働く事になるんですね。
しかし、その旅館は普通では無くて・・・と言う流れ。


まずこちら、主人公である佑馬ですが、平凡なβ。
・・・と、本人は思ってるんですけど、結構な変人と言うか面白いキャラでして。
えーと、攻めである人見が大好きな、モブ根性のキャラと言うんでしょうか。
こう、親友である人見を見ては、「ああ、今日も人見はかっこいいなぁ。尊い・・・。神・・・」とかってやってるんですよね。
また、ここがキモになってくるんですけど、嘘がつけない正直な性格でして。
そのせいで言わなくていい事まで言っちゃって、人間関係でトラブルが絶えないんですよね。
まぁそんなワケで、現在の接客業(旅行会社)が自分でも向いていないと分かってるのです。
そこで、転職も考えていた所に、渡りに船で攻めの実家で働く事を決意した。

また、そんな主人公を溺愛するのが、イケメンαである人見。
えーと、今回、攻め受け共に、夜光先生のキャラでは珍しい印象なんですよ。個人的には。
こう、キラキラしくて優しくて穏やかで、ひたすら溺愛の攻めに、平凡な受け。

これ、そんなスパダリ攻めに、受けが溺愛されまくってるのが楽しいなら、受けの斜め上にズレた反応も面白くて面白くて。
人見からプロポーズされれば、喜ぶのでは無くて「お前みたいな国宝級のイケメンが、俺みたいなモブキャラにプロポーズなんて! 頭がどうかしたんじゃないのか!?」みたいな。
また、それでも攻めがめげずに、手を変え品を変え猛アプローチするのにニマニマしちゃって。
こう、すかさず作戦を変更し、「俺と結婚したら、好きな顔を一生眺めていられるんだよ?」みたいな。
これでアッサリ丸め込まれちゃう受けに、これまた笑えちゃうんですけど。

これ、人見が策士なのか、佑馬がチョロいのか、どっちなんでしょうね?
両方なんでしょうかね?

あとこちら、ストーリーとしてもとても面白いのです。
実は佑馬が働く事になった旅館ですが、客は人外ばかりと言う妖怪専門旅館だったんですね。
そこでケガをして休暇中の料理人に代わり働き始めるワケですが、初っぱなから調理場はゴミ溜め、女将は個性強烈って感じで。
そんな中で、様々な厄介事に見舞われながらも、主人公が料理人にとして奮闘するのが楽しいと言いますか。

また、こちらオメガバース。
佑馬はβのはずですが、何故か客であるタコのバケモノに襲われた後、Ωのように激しい発情を起こします。
そこで、佑馬のフェロモンに抗えず、抱いた上に番にしてしまった人見。
果たして、二人の恋の行方はー?
って感じで。

いや、う~ん。
実は序盤ですが、受けのキャラに引っ掛かったんですよね。
正直なのはいい事だけど、社会人としてどうなのかって感じで。
それが、読み進めるうちに、どんどん彼の魅力にやられちゃって。

えーと、女将がキツイと言うか、良く言えば裏表が無い、悪く言えば自分勝手ってタイプなんですけど、そんな女将に佑馬もズバズバ返す。
や、間違ってる事は間違ってると、しっかり言ってくれるのが気持ち良くて。

あと、自身がΩになってしまった事、番になってしまった事でショックを受け、旅館を辞めて実家に戻った佑馬。
ここからのオチが、最高に滾っちゃって。

いや、繰り返しになりますが、主人公はめちゃくちゃ男らしいと思うんですよ。
マジで思考回路が突拍子も無いと言うか、ある意味一貫してると言うか。
いや~、こう来るかと言う結論に、爆笑。
普通、感動して萌えまくるシーンのはずなのに、爆笑。
これまた、「最後まで良く分からない・・・。幸せにする」と言う人見の返事にも爆笑しちゃいましたよ。
なんか、笑って萌えてと、読者としても忙しい。

最後になっちゃいましたが、受けだけで無く、攻めのキャラも大変魅力的でした。
いやね、本当に受けを大切にしてて、健気でもあるんですよ。
彼が佑馬をこれほど好きな理由も、しっかり書かれてるのが素敵でした。

ちなみに、なかなか強烈な女将ですが、個人的には好きでした。
問題ばかり起こしてくれるんだけど、どこか憎めないんですよね。
でも、自分の姑にはゴメンだけど。

22

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