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表題作肩甲骨とワンピース

一条ひかる,18歳,高校生
二葉,28歳,高校教諭

あらすじ

彼の若さのまま、乱暴に抱かれたい…そんな資格、自分にはないのに。
可愛いもの、綺麗なものが大好きな女装趣味のゲイ、二葉。誰にも言えない秘密を抱えている故、キラキラした恋愛なんて自分には相応しくないと諦め、古文教諭としてひっそりと生きていた。なのに、モロ好みなイケメン男子高校生・ひかるから真っ直ぐな好意を向けられて…? 男前ショタからキラキラ王子様に成長したDK×陰キャな女装好きゲイ教師の、少しダークでとびきり優しい、恋と人生の物語。

作品情報

作品名
肩甲骨とワンピース
著者
涼子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
arca comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784866693224
3.4

(98)

(23)

萌々

(24)

(31)

中立

(14)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
15
得点
318
評価数
98
平均
3.4 / 5
神率
23.5%

レビュー投稿数15

運命ってあるのかな

前にpixivさんで途中まで読んだことがあったものを今になってやっと最後まで読みました。

10年前に出会った男の子と10年後に先生と生徒として再会。お互いに10年前の思い出を今も忘れられずに大切に思っていて…というストーリーです。

主人公の二葉は女装が趣味の28歳教師。
脱ぐとそれなりにちゃんと男性の体型なのですがお顔はきれいなお姉さん。
ちゃんと女装が似合っている感じです(本人的には年齢を重ね似合わないものが増えたと感じています)
10年前の男の子はイケメン男子に成長。
お互いに最初から好き合っているのですが、二葉にはDV彼氏がいたり、教師と生徒だったりで道のりは平坦ではありません。
物語の大半は切なくて苦しい展開かなぁ…
二葉はなかなか幸せな道を選ぼうとしないと言うか、決断ができないというか、まぁそこがいいんですけどね(笑)
二葉が夢の中で18歳になってひかるとデートしたり高校時代を過ごすのですが、目が覚めればそれは夢ですごく切なかったです。
そんな風に学生時代を過ごしたかったんだろうな。

最終的に二葉はひかるを選ぶことで前に進むのですが、現役教師と生徒の関係でホテルとか大丈夫?と言い出したらきりがありませんが心配になってしまいました。
ちゃんとエッチもしちゃいます。
でも悲しそうな顔が多かった二葉がひかるのおかげで幸せになれたのは嬉しい!

0

好みが分かれますね

気になっていましたが、ショタ、女装や女性の下着のBLにはあまり興味がないので読んでいませんでした。でも「トロイメライ」を読み、今作のスピンオフと知り、高杉の過去を知りたくて購入しました。
その為、最初から高杉の目線で読んでいたせいか、ひかると二葉の恋愛を純粋に楽しめなかったので、この作品から読めばよかったなと思いました。


女装やかわいいものが好きなゲイ、28歳の二葉は古文を教える高校教師。
自分の体格も心も変わったと知っているけれど、10年前に男の子に言われた「お姉さん」のままにキラキラした恋愛をしてみたいと思っています。

自分好みの男子生徒であるひかるから好意を向けられて、ドキドキしながらも拒否しつつも、乱暴に抱かれたいと妄想してしまいます。
でも、二葉には束縛するDVをする彼氏、高杉がいます。スクールカーストをしている臨床心理士の高杉は二葉を「守ってやる」と言いながらも自分の都合のいいようにコントロールしています。
ひかると同じ言葉を高杉に言われたり、ひかるとふたりの時間を過ごしたりするうちに二葉は、ひかると高杉の違いや自分の気持ちが徐々にわかっていきます。

高杉は頑なに「好き」と言いません。それでも高杉はちゃんと二葉を好きだったんですが、それは彼の事情でしかなく、二葉には離れていく理由の一つになります。
高杉のDVや束縛も過去の相手であろう「KAORI」も、新作の「トロイメライ」で分かりますが、今作では勝手な嫌な男でしかありません。

ひかるは10年前からずっと二葉を思っていました。10年経って、二葉がもう「お姉さん」の体格ではなくなってもひかるはワンピースも似合うし、かわいい、好き、守ってあげたいと伝えてくれます。
自分も忘れられなかった男の子。好きにならないはずがないですよね。
あんなDV男と別れて、かわいい年下の男と再会ラブできてよかったね!となります。

途中までなかなかハピエンにはなりそうになかったんですが、最後に一気にハピエンに向かいます。テンポがいきなり変わったので、ちょっと無理やり感がありました。
ひかると二葉と高杉、そしてひかるを頼る弟(従弟)の勇、4人それぞれの複雑な感情や思いに行動がうまく表現されていたので残念でした。
作者は最初から「トロイメライ」を描く予定でいたからなのかな、とも思いました。

それと個人的に教師が生徒に在学中に手を出すのは好みじゃないので、ちょっと評価が低いです。申し訳ないのですが、ホントに好みの問題です。

0

女装が女性過ぎて

女性に見えるキャラのBLがあまり好きではなく、発売当時にスルーしていた作品でしたが、アンリミに入ってたので読んでみました。

女装趣味のゲイである二葉ですが、やはりだいぶ女性に見えて、女装が似合わなくなってきた28歳男性感が無かったかなぁと思います。

当て馬の高杉はあんなに粘着質のキャラだったにも関わらず、あっさり引き下がったなという印象でした。
それとひかるの弟ですが、何か一波乱起こすのかなと思ったんですけど、ただの弟でしたね…。
この辺りが違和感とか中途半端な印象の原因かなと思います。

現役高校生と教師でHにまで発展するBLってあまり見かけなかったので攻めてるなぁと思いました。
NLで人気がありそうな話をBLにしてみた感があって、萌えられずでした。

0

先生と生徒

女装趣味のゲイが主人公。教師をしています。若い頃に出会った少年がいた。。という出だし。

主人公の先生は、女装を恥ずかしがっている様子はないですが、性格は結構乙女チック。それでいて、セフレがいながらも熱心にアプローチされると好きになってしまう、という感じで、ちょっと流され安い人なのかな?

彼も含めて登場するキャラクター達の心情の変化がちょっと性急というか単純で、あまり感情移入できませんでした。

小さいときに会ったことがある運命の人、という設定でしたが、主人公にとって重要というよりは、子供の頃憧れたきれいなお姉さんが今の学校の先生だった、という攻めの方が好きになる理由としては分かりやすかったと思います。

先生のようなキャラがあまり好きになれなかったので、ちょっと辛い評価になってしまいました。

1

う~ん・・・

ネタバレは、他の方がとても詳しくレビューしておりますので、読んだ感想だけ書こうかなぁ〜

正直、うううう〜ん・・・

読後、なぜが・・・中途半端な感じが残るし。

粘着質の彼が、自分で噂を振りまいた事をカミングアウトしたにもかかわらず、
後半に、また尻拭いさせる気か!的な事を言っていて、読んでいて、えっ?!はっ?とか、思ったりね。

せめて、カオリさんに少しふれて欲しかった。この当て馬が盛り上げたんだから、もう少しメイン2人が輝くと思ったんだけど違ったな。

ストーリーは、良かったけど、私は入り込めなかったかなぁ〜

0

自分に嘘をつかない、ということ

ゲイの高校教師・二葉と教え子・ひかるのお話。

舞台は高校ですが
先生と生徒が恋に落ちる、みたいな単純なお話じゃないところが良かったです。

ひかるは二葉から見ればきらきらの眩しい少年。
でも周りの女子たちに好意の眼差しを向けられても、ぶれることなく真っ直ぐに二葉を想っているんですよね~
こわいものを知らないっていうのは強いなって思いました。大人には出来ないことかもしれない。


二葉は女装趣味があって
ネットに女装姿をあげていたことが学校にバレてトラブルになり精神的にツラいとき、
スクールカウンセラーの高杉に支えられ恋人となったわけですが…
高杉は最後までこわかった(汗)
二葉が控えめなだけじゃなくどこか影のあるような人になったのは少なからず高杉の影響もあるんでしょう。

途中いろいろ揉めたりしたけど
最後にはふたりがきちんと気持ちを通わせることが出来て、ハピエンになったのは本当に良かったなと思います。

でも回収しきれない謎が多すぎたのにはもやもやしています。
圭織とは誰だったのか、なぜ二葉と重ねたのか。
勇はひかるの弟?(旅館の一人息子、とはじめのほうで言っていたけど… )
勇はひかるのことが好きなの?
最後保健室で勇と高杉はどうなったの?など…
正直ここで終わりというのが不思議なほど。
ぜひ続編として少し先のふたりや周りの話も読んでみたいです。

0

一途な年下攻めがかわいい

教師と生徒のストーリー。一部の関係性に暴力(DV?)要素がちょっとあって、そこにハラハラするけれど、一貫して攻めが一途で受け思いなところに安心するし、きゅーっと切ないところもあり、かわいさにきゅんとなるところもあり、ストーリー展開の波がありました。分冊版で当初読んでいましたが、完パケ版だけについている、巻末の後日談がかわいくてお気に入りです。学生×大人の醍醐味のひとつである、年下攻めが大人の受けに追い付きたくて一生懸命になる姿がたくさん見れる作品だと思います。

1

物足りない部分は多々あれど

表紙があまりにも可愛くて買ってしまいました。二葉の様々な「好き」に翻弄される姿、ひかるとの甘酸っぱい掛け合いがとても良かったなと感じます。ただ構文が複雑で分かりづらかったり、キャラクターの情報が不十分であったり、高杉や勇などのサブキャラクターの心情が蔑ろにされていたりと漫画としては微妙な点が多かったです。特に勇はもう少し表立って兄を掻き回してくれても良かったかなあと思います。けれどそれをしない、という選択が勇の優しさなのかと思うとまた別の見方ができて面白いです。
物語自体は本当に面白かったので、また何度でも見返したくなる作品です。二葉とひかるの今後を描いた続編なども出れば嬉しいですね。

0

肩甲骨とワンピース。

物語は、主人公・二葉先生の回想シーンから始まります。
今から10年前、18歳だった頃のある夜のこと。
泣き出してしまった二葉の隣には、ひとりの男の子がいました。

まだ幼いけれど、「僕が守る」と言って手を握ってくれたその男の子は、イケメン男子高校生に成長して再び二葉の前に現れます。
名前は一条くん。
モテるにも関わらず一途に慕ってくれる彼は、10年前も今も、綺麗な恋愛を諦めて客席側にいる二葉を、舞台の上に引き上げてくれる人です。

テスト用紙の隅にこっそり書かれたメッセージとか、先生生徒ならではのやり取りが甘酸っぱい。
第一話からすでに両思いなんじゃないの?って雰囲気なんですが、なんと二葉には高杉という恋人がいて…
いやもうびっくり。
あらすじに書いてあった「ダーク」ってこのことだったんですね。

高杉は昔、二葉が職場で問題を起こした時に慰め、周囲が面白おかしく騒ぎ立てる中、女装癖を受け入れてくれた人でした。
だけど高杉には「かおり」という女性のかげがあり…
高杉は彼女と二葉を重ねて見ていたのでした。

それでも高杉と一緒にいることで、こんな自分でも求めてもらえるのだという安心感を得ていた二葉は、レイプ紛いのことをされても別れることができません。
しかし、自分に恋人がいると知っていてもひたむきに想いを伝えてくれる一条の姿を見て、二葉の心も変化していきます。


肩甲骨とワンピース。
作中で二葉が体型について語るシーンがあります。
18歳の頃は着れたワンピースも、成長した今の肩幅ではファスナーを閉め切ることができなくて。
二葉にとって肩甲骨とは、やっかいな存在なんですよね。
だけど一条は、その肩甲骨を愛おしそうに撫でるのです。

好きなものを好きだと言うのも、ありのままの自分をさらけ出すのも、とても勇気がいること。
女装姿も、生身の身体も、どちらも受けとめてくれる一条は最高の恋人だと思います。
読み終わった後に表紙を見返すと、ファスナーに手をかける一条の眼差しがさらに優しく感じられて胸がキューっとしました。

二葉の傷痕にそっと口づけ、決して泣き虫ではない一条がほろほろと涙をこぼすエンディングもとても綺麗だったな。


かおりの正体、似ていない弟・勇のこととか、どういう経緯で一条は二葉がいる学校に入学できたのかとか謎も多いです。
長編映画を早送りで見たような粗さと物足りなさが否めない。
でもテーマがすごく温かくて、読んで良かったと思える物語でした。

2

当て馬さんが怖い…

なかなか、現同棲相手の高杉先生の表情が狂気でした…。
画力のお陰かホラー並です。
怖い怖い…。
玄関開けて、「おかえり」とニッコリ笑った初登場シーンから怖かったんですよ…。

でも、主人公の二葉は28才ですが、純粋で可愛いです。
なので、最後はハッピーエンドで良かった。
高杉先生も闇抱えてそうなので、違う場所で幸せになってくれたらなと思います。身代わりはお互いに不幸せ…。










紙本購入
修正は白短冊です。(回数多くてエチいですが、ほとんど高杉先生。攻めとは1回、兜1回のみ。地雷な方は要注意)

1

揺れる二葉に共感

10年前に女装した自分に声をかけてくれた子を忘れられない教師の二葉。その声をかけてくれたのが実は生徒の一条だったと気づきながら、女装の趣味で過去に嫌な目に合った時を支えてくれた同僚の高杉との関係を切れずに、感情はグラグラ揺れます。
暴力的で束縛心の強い高杉は、かつて愛した"かおり"と二葉を重ねて、愛していました。それに気づいていたのに、それでも自分を求め続ける高杉を拒めなかった二葉の気持ち…愛しているのは自分じゃ無いのに、暴力や独占欲が強くて恐怖心を抱えているのに、それでも拒みきれない気持ちが、なんとなく分かるような気がしました。一条にアプローチをされ、自分も嬉しくて大好きなのに、"生徒と教師の立場"や"女装が趣味"や"本命(一条)がいながら他の男(高杉)と体を重ねる汚れた自分(二葉)"などの後ろめたさ、純粋で汚れなき一途な一条に"若さや欲をぶつけて愛して欲しい"という汚い欲を知られて拒まれたときの恐怖、全て失ってしまった時の縋りどころを無くさないための保身、そういう気持ちがあったから高杉との関係を終わらせる事が出来ないのかなと感じました。

自分自身の事ばかり考えて一条と向き合えてないことに気がついた二葉の勇敢な姿、高杉の前で素直な本音を話したシーンで、"私はあなたが好きでした"と二葉が高杉に伝えたのが凄くよかったです^^高杉は恐れられる弱みを握られた二葉にとってのマイナス的イメージの存在で、一条と対のような立場にありましたが、でも、高杉との思い出も、辛い事ばかりじゃなくて幸せな時間があった事を忘れていないんだって思わせてくれたからです。全てが辛いとか悲しいじゃ、二葉は一条とすら向き合えていなかったと思うし、高杉には高杉の愛し方があったんだろうから、(いくら当て馬的立場でも笑)高杉と言う存在そのものを否定しないでくれたことが、リアリティがあって良いなと思いました。全てが善と悪の両極ではなくて、グレーな部分は必ず存在し、それが高杉が二葉に伝えた"共犯者"とも結びついた気がしました。

高杉へ思いを語り別れた二葉と一条は幸せになりますが、少しだけスッキリしないのが、
一条の弟 勇に二葉・一条・高杉の会話や関係が最後知られてしまうのですが、めちゃくちゃ勇がいいこと言うのに、それから先の高杉や勇のシーンが無くて…もっとそこ読みたいなと思いました。スピンオフとかあったら嬉しいな^^

生徒と教師の立場から、卒業まで待って最後までシないようにするんかなと思っていましたが笑、一条と二葉はシます。私の好みの問題ですが、それを残念に感じてしまったのですが、一方でそれが二葉らしいのかもなって思いました。

4

闇の中で見つけた光

お試しを読んで二人の恋路を見守りたくなったのと題材に惹かれて購入しました。表紙の戸惑いのような恥ずかしような表情もグッド。

双葉(受け 高校教師)
一条(攻め 高校生)
高杉(攻め 養護教諭)

まるっと表題作。
涼子さんのインタビューを読んでいたので三角関係物だと知っていたのですが、あらすじや帯を読む限りでは分からないよ~なんて。
これは中々の地雷トラップなのでは。
タイトルには切なさと思い出が詰まっておりました。

18歳のころに出会った小さな男の子。10年間ずっと忘れらないまま年を重ね高校教諭になった高杉。
家に帰れば同じ高校教諭の高杉が待ってる生活を送っています。歪な関係だと知りつつも似合わない女装を肯定してくれる高杉と別れらず心も体も疲弊していく中、唯一の光は一条です。
一条と両想いになっても喜びもつかの間。教師と生徒、そして自分にすがる高杉を放ってもおけず一条と距離置こうとするけれど・・・。

こちらガッツリ三角関係ものです。
えちえちシーンはほぼほぼ高杉と双葉です。
高杉は双葉を通して元カノさん?を見ているようなのですが、これがまたちょっと狂気じみていて。
部屋も家具も化粧品も全部用意をしてあげてにっこり笑顔。
双葉が以前勤めていた学校で女装の秘密をバラしたり、一条にとられそうになったときは俺たちは共犯者だと縛りあげてレイプ。
ホラー漫画並みの表情が怖くて本気でひっって声上げちゃいました。レイプ物は好みですが、ちょっと好みの毛色が違ったかな。
双葉が絡まなければ、倒れた生徒を本気で心配する普通にいい先生な感じなのもまた癖がある。

なんだが高杉のキャラが強すぎて、一条がちょっと弱く見えちゃいました。
押せ押せな感じは高校生っぽくって良かったです。

成長して着られなくなった服、自分が高校生なら一条と悩まず恋愛できるのにと夢をみるところは切なくなりました。
途中一条と関係を持ちそうで思いとどまった双葉なので、卒業まで待つかな~と思いましたが、燃え上がった2人は止められなかったですね。

お話の雰囲気としては狂気ときらめきが混じったような不思議な感覚でした。
あととってもえっちかったです!修正短冊

描きおろしは高杉の家から引っ越した双葉の家に上がり込みたい一条のお話し。
妄想が高校生男子で微笑ましかったです。
とってもほっこり。

0

中途半端さも否めない

うーん?
登場人物に関する情報量が少ないと感じてしまいました。
全体を通してみると、一途な年下攻めに萌えるいいお話なのですが、引っかかるところも多かったです。


28歳の高校教師・二葉。
女装して出かけた10年前、泣いている時に偶然出会った少年に「僕が守るよ」と、言われたキラキラの思い出。
そして、大きくなった男の子・ひかると、教師と生徒という立場で再会しーー…

可愛いものが好きな女装家のゲイである二葉。
10年前よりゴツくなった身体にコンプレックスを抱えながらも、素敵な恋愛に焦がれる乙女な教師。
再会したひかるはイケメン高校生になり、二葉への一途な想いを貫いています。

この眩しいほど一途な気持ちが素晴らしいのですが、なぜここまで好きになったのか?と、いう理由が薄く感じてしまいました。

それから、二葉に執着する保健医・高杉。
この人が怖い……
二葉を見つめる先に別の女を見ています。
最後まで高杉の過去はハッキリしなくて、「圭織」という女と何があったのか、情報がなさ過ぎて想像するのも難しい……
もしかして、圭織にも暴力を振るって捨てられた?うーん。
 
ひかるを受け入れたと思ったら、縋る高杉の手を振り解けず関係を断ちきれない。好きな人、好きなものを堂々と好きと言えない二葉のもどかしさや苦しさが切なかったです。
そして、自分が傷ついてしまう事も気にせず、高杉に立ち向かっていくひかるの真っ直ぐさが胸を打ちました。

しかし、ひかるの弟・勇の気持ちは宙ぶらりん。
ただのブラコンじゃないよね?
最後に高杉と共鳴するような所もあったのですが、そこもそのまま。
二葉とひかるは結ばれてハッピーエンドで嬉しいのですが、その他の扱いが雑だったかなと思います。

女装の二葉も素のままの二葉も受け入れるひかるの大きな愛に包まれ、強い気持ちで幸せを掴もうとする二葉の成長はグッときましたが……
もしかして、続編やスピンオフがあるのでしょうか?


7

憧れと現実の狭間

涼子先生の5年ぶりの単行本です。
ここ数年ぱったりとお姿を見なかった先生のお名前にテンションがあがり、こちらのお話の切なさに惹きこまれました。
やはり涼子先生は最高です。

まず表紙から注目していただきたいです。
顔の綺麗な人が、可愛い服をきて少し切なそうで、どこか幸せを感じさせる表情をしています。でも腕に注目すると、身体は完全に男性体。
実際顔にはぴったりな衣装が、身に着けるとどこか違和感を感じさせてしまう。
物語を最後まで読んだ後で表紙を見ると、切なくてせつなくてたまらない気持ちにさせられます。

そして表紙をめくれば物語のとりこ。
可愛いものが好きな二葉は、彼の憧れの権化といっても過言ではないひかるに、恋心を抱いていきます。

ひかるはひかるで、最初から好感度がカンストなので、二葉に猛アタックなんですが...

この2人、両片思いの期間が長くてもだもだとさせられます...!
高杉という不穏分子の存在で、一度は離れてしまいますし...
でも高杉も、1人は寂しいという胸に秘めたものがあったので最後まで読むと憎めません。

最後2人の恋がようやく実った時は、感動しました。
付き合うようになると、二葉が少し大胆なのは最高です。
でも愛されているほうが彼は似合いますね。

読んでいる途中は胸が苦しくなることもありましたが、最後には大きな幸せが待っています。
読んで後悔はさせませんので、ぜひ読んでみてください。

個人的には、物語に出てきた残り2人の存在もとても気になっています。

8

ヒリヒリ痛くて、とびきり優しい

初読み作家さんです。

女装受けには全然興味無いんですけど、無料の1話を読んだらあまりに面白くてそのまま購入しちゃいました。
自分でも大概歪んでると思うんですけど、コンプレックスで雁字搦めの受けに萌えるのです。
また、共依存のような関係の相手から、ひどい扱いを受けてるのにも萌える。

えーと、一応、殴られてたりするのに萌えるんじゃ無くて、そこから主人公がいかに抜け出し、どう幸せになってゆくかに萌えるんですけど。
いや、やっぱ、嘘。
殴られて鼻血を出してたりするのに萌えます。(今作では鼻血出てません)
すみません。

まぁそんな歪みまくりの私ですが、このお話には純粋に感動したし胸が熱くなりました。
誰だって、本当の自分を好きになりたいよね。
好きなものは好きと言える、勇気が欲しいよね。
怖くても勇気を出して一歩踏み出した主人公を見てると、なんだか胸にこみ上げてくるものがあって。

ヒリヒリ痛くて切なくて、でも限りなく優しいお話だと思います。

で、ザックリした内容です。
可愛いものキレイなものが大好きな、女装趣味の教師・二葉。
キラキラした恋愛に憧れつつも、そんな自分を隠してひっそり生きてるんですね。
そんな彼がひそかに胸をトキメかせているのが、モロ好みなサワヤカイケメン男子高校生・ひかる。
彼から真っ直ぐな好意を向けられ、心は揺れますがー・・・と言うものです。

で、こちらあらすじで「少しダークでとびきり優しい」となってる通り、ストーリーとしては若干痛いしダークな部分もあったりもします。
実は二葉ですが、共に暮らす恋人のような相手がいるんですよね。
で、その相手からは、DVを受けている。

う~ん・・・。
二葉ですが、とにかく見てて苦しくて。
ただキレイで可愛いものに憧れて、ドキドキしながら初めてしてみた女装。
あまりに嬉しくてこっそりSNSにあげると、それが職場にバレて居場所を無くしてしまう。
で、そんな時にありのままの自分を優しく受け止めてくれた同僚(スクールカウンセラー)・高杉と付き合い始めますが、彼は自分を「他の誰か」の代わりにしているだけだと気付いてしまう。
また、彼から支配的な扱いを受けるようになる。

二葉ですが、息が詰まるような薄暗い世界で生きてるように見えるんですよね。

で、そんな彼と対極に存在してるような、真っ直ぐで眩しい攻め・ひかる。
「ほっておけない」「俺が守る」と、二葉に優しくてキラキラした世界を見せてくれる。
いや、ひかるとのエピソードですけど、まさに胸キュンって感じでキラキラしてるんですよ。
こう、高校生故の純真さや真っ直ぐさが、すごく良い方に出てるキャラと言いますか。
「先生の事が好きです」と真っ直ぐ告げ、フラれれば悲しい顔をしてと、賢いワンコを思わせる。

これ、見処がですね、そんな風に息苦しい場所でひっそりと生きていた主人公が、いかに一歩踏み出し、幸せを掴むと言う所にあると思うんですよね。

好きなものを好きと言う勇気。
自分を大事にしてくれる人に、本当の自分を曝す勇気。
自分に執着する人を、ちゃんと拒絶する勇気。
そして、恋した自分を認める勇気。

共依存のような高杉との関係から抜け出し、自分の気持ちを素直に見つめる二葉には、とにかく胸が熱くなって。

またこれ、ひかるの真っ直ぐな想いが、二葉に勇気を与えたのにも、グッときちゃうんですよ。

いや、二葉にとって、18歳の時の思い出が特別なんですよね。
華奢なワンピースを着て、まだ少年のひかると共に海沿いを歩いた。

あの華奢なワンピースが着れて、ひかると同級生で、二人はキスをして身体を重ねと、普通の恋愛をする。

なんだ。なにも悩む事はないんだ。
ひかるくんの事が好きだなぁ。

二葉が見た夢ですが、まさに彼の望みなんだろうなぁ。
夢から覚めて涙をこぼす二葉には、胸が締め付けられましたよ。

攻め以外の相手とのエッチが、結構ガッツリある作品なんですよね。
あと、序盤で出てくる少年とひかるは同一人物なんですけど、特にそこの部分は説明されてません。
いや、偶然再会したのか、それとも幼馴染みとかなのかって。
このへんが気になる方は、ご注意いただきたいんですけど。

ただ、個人的には、とても優しくてあたたかい素敵な作品だと思います。

13

この作品が収納されている本棚

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