電子限定SS付き
うーん、残念ながら私には響かず。
もともとファンタジーがあまり得意じゃないってこともあるんですが、途中でだれちゃって最後まで読破出来ませんでした。
パラスティックソウルはなんとか読めたんですが。
可愛い、ほんわり、ってのがダメなのかも。
でも、そこに萌えを感じる人もいると思うので、もうこれは趣味による、てことしかないのかもしれません。
作家買いです。
これまた、作家様が周年記念インタビューで好きなカップルにあげていたので。
安西先生のファンタジーは”聖邪の蜜月”がめちゃくちゃ素晴らしかったので、もしやこちらも…とか思ったんですけど、なんだか私の性癖にはあんまりささらず…。
なんといっても、”可愛い猫”が受っていうお茶目!(そういう意図だったんだろうか…?)ピュアッピュアほのぼのキャラです。お昼寝が趣味で、みんなに可愛がられるマイペースな天然さん。攻のバルドーは真面目ナイト。一番びっくりしたのが、こんなにゆるやかな世界観のなかで、バルドーくんが何かといえば、躊躇なく自傷しようとしちゃうところ!通行手形に片目をえぐる…って、きょわい!!だめ~、絶対!突如として、バイオレンスが出てくるのに心の準備がなかったので、ビビりました。
とはいえ、ほかは全体的に牧歌的なムードで優しい世界観です。基本、全員善人!みたいな。個人的には、孤独を愛する(?)はぐれ魔術師のオッドとその眷属・カラスのカロさんの主従関係にめらっと萌えました。(特典ペーパーが最高)
可愛らしい表紙 猫とは何?
「猫」って、なにを指しているんだろうと、興味を持って電子版を購入。
ファンタジーを前面に出した表紙だからか、コアな著者のファンに人気ないのかなあ?
中身はいつも通りで、内面に訴える展開。
面白かったので、先入観無く選んでよかった。
騎士・バルドーは、自分の命を大事にしていない。
それが気になる魔術師アンリ。旅と言っても、猫に変化しての色々。
病気の女王の要望で猫に変化するアンリ。アンリは美少年だけど、変化する「猫」は可愛い系。
女王にかかった呪いを解くために「オッド」を探す旅に出る二人。
アンリは、自分以上に試練に満ちた生涯を送ってきたバルドーを知るに連れ、甘ちゃんを改めていく。
純愛が、寂しがりの魔術師の怨恨を消す物語。
シリーズ化を今頃要望しても、届かないよねー・・残念。
★フロイトの夢判断で解く『ユング心理学入門』での象意:
「猫」
自由 自分の意志を大切にして生きる
★魔法使い
願望を叶えたいという気持ちが高まっている
安西さん、ファンタジーは初めてですね。
でも本当に申し訳ないのですけれども「いつもの安西さんのお話でした」が感想(……誤解されるかもしれませんが賛辞です)。
「優しいし可愛い」と言ってしまえば、それはそうなんですけれど、私、安西さんのお話の主人公達ってそれだけじゃない様な気がするんですね。
どっか達観したところがある?
いや、ちょっと違うな。えーと、一番近い言い方はひとつのことで汲々としていない感じがするんですよね、ゆとりがあるとでも言うか。
そして、ひとりなんです。
愛し合っている2人が簡単に溶け合わない。
この辺が単に「かわいーっ!(きゃぴ)」ですませられないような気がして、実はちょっと怖く感じたりもします。
このお話のアンリもバルドーもそんな感じに思えるんです。
とてつもない魔力を持っていながらそれに無自覚なアンリも、乳児院出身から国一番の騎士になる為に行った身を削る様な努力に価値を見いだせないバルドーも、優しくて素敵で可愛らしいのに、どこか違う感がするのですよ。
そしてこの『どこか違う感』がもたらすものって、そこはかとない寂しさなんですよね。
同時収録作品で、2人が一緒に生きていくことによってその歪さや寂しさを、是正したり埋めていっていることが、とてつもなく幸せに感じました。
大スペクタルではないけれども、良いお話だと思いますよ。
ややこしい設定とか難しい用語とか出てこないので、ファンタジーに不慣れな私でも読みやすかったです。
そしてなんと言っても、かわいい。
受けのアンリは魔術師なんだけど、黒猫に変身することができるんですね。
この猫になったときの描写がかわいいの。
だから猫好きの方はすごく楽しめると思う。
で、猫となったアンリを可愛がる攻めのバルドーの様子にも癒されるんです。
最初は猫=アンリだとは知らずに、ただの黒猫だと思っているんだけど、お手製ネコじゃらしをわざわざ持参とかなんか微笑ましくて。
猫好きの人に悪い人はいない!!と強く思いました。
病気の王妃様のために、バルドーとアンリは旅に出ることになるんだけど、バルドーは移動の際は猫となったアンリをふところに入れて持ち運ぶんですね。
なんかそこも微笑ましくて、かわいい。
「黒猫さん」と呼ぶところもかわいい。
肉球ぷにぷに、かわいい。
で、お互いに「バルドー殿」「アンリ殿」と呼び合ってる二人、どちらも童貞どうしで、かわいい。
森に住むと言われている強力な魔術師・オッドとの対決が見ものかと思ったら、あっさり解決したり……と、結構するする〜と解決していくので、ハラハラドキドキ感は正直少ないです。
特に、母に捨てられた恨みを長年募らせてきたオッドが、あんな程度で納得してあっさりと許すかなぁ??と思いました。
バルドーは勇敢な騎士として知られているけれど、それは自分の命に全く価値を見出しておらず死を恐れていないゆえのものなんですね。
一方のアンリは、強大な能力を持っていると言われながらも精進せず、どこか幼く、師に「愛がない」と嘆かれていた子。
そんな二人が出会って、愛を知って、最強になるって素敵だなと思いました。
後半は、待ってました!の攻め視点。
「おれのこいびと、かわいいぃぃ」とかが丸分かりな攻め視点が大好きなので、これは嬉しい。
隣にいるアンリを見つめながら「今日もアンリ殿はこのうえなく愛おしく、そしてお美しい」とか思ってるバルドー。
盛大な脳内ノロケ、サンクス!です。