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呪われた黒獅子王の小さな花嫁

norowareta kurojishiou no chiisana hanayome

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表題作呪われた黒獅子王の小さな花嫁

ダルガート,20歳,ガルムザール王国の王子
リラリルカ,18歳,小人族の長の三男

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

呪われた孤独な王の元に、太陽のように眩しい
小人族の青年が輿入れしにやってきた!?
黒獅子王と小人族の青年の、種族を超えた
ラブ・ファンタジー!!

黒獅子頭を持つ王子のお前に、相応しい花嫁を
用意しよう――呪われた息子を厭う王が
指名したのは小人族。人間の半分の背丈しかなく、
娘のいない我らに一体なぜ…? 困惑する中で
立候補したのは、族長の息子・リラ。王宮で
孤独に生きるダルガート王子の味方になりたい――
戦から村を救われて以来、密かに王子に憧れていた
リラに、ダルガートは「私の運命に巻き込んで
すまない」と告げてきて!?

作品情報

作品名
呪われた黒獅子王の小さな花嫁
著者
月東湊 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010316
4.5

(118)

(82)

萌々

(23)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
17
得点
527
評価数
118
平均
4.5 / 5
神率
69.5%

レビュー投稿数17

大好きな設定♡

これは…BL版「美女と野獣」ですね!美女じゃないから「美男と野獣」でしょうか…。私、不憫受けのお話が大大大好きなのですが、これはその逆で不憫攻めという、ちょっと初体験な設定でした。結果、不憫は受けでも攻めでも私には刺さりまくるということが判明した次第です…。

そもそも、普通の王子として誕生するはずだったダルガートが黒獅子頭になったのは彼の父王の尊大な振る舞いのせい。そのツケをなぜ息子が受けなければならないのか。そして自分のせいで王子が黒獅子頭になったことを父王は知っているのか、知らないのか。

一方、黒獅子頭のみならず、体も大きいダルガートの元へ嫁ぐことになった小人族のリラ。この話の光は彼です!ダルガートが黒獅子頭で恐れられていても、戦で自分たちの地域を守ってくれたダルガートのことを尊敬し、憧れていて、王宮で肩身の狭い思いをすることを覚悟の上で嫁いできてくれて、初めからキラキラとした眼差しでダルガートを見つめ、怖がらずに接してくれる。そしてダルガートを全肯定してくれる。王宮で人の温かさを知らずに育ったダルガートは始めリラとの距離感をつかめずにいたのだけど、徐々にリラに対する好意を愛情と意識して…。

そして読み終わってから気付きましたが挿絵が円陣闇丸先生ですね!そりゃあ人に戻った時のダルガートが麗しいはずです!ストーリーも挿絵も何もかも完璧に好みでした!

1

父王の因果で呪われた王の物語

表紙絵がお子様メルヘン調で、忌避していた本。
評判が良いので購入して読んだら、表紙がお子様なだけだった。
あとがきによると、2017年に雑誌掲載をした作品に追加再編をしたもの。
なら、ファン要望があれば、更に続編もあるかも?
--

●父王
后の初産に急ぐ途中、呪術師が乘る馬車を田に転落させて恨みを買う。
生まれてきた子は、呪われていた。産んだ后は自死。
父王は、嫡男を忌み、避け続ける。

●ゼグ:
王の親衛隊。王の無礼に怒る呪術師が、王の子に呪いをかける様を目撃。

●後妻の妃
自分の子を王にしたくて、何度も殺害計画を試みるが、ダルガードは不死身。
「王妃派」を操る愚者。

●ダルガード
呪術師の呪いで、頭部は黒獅子、死ねない不死身。隔離され、孤独に育つ。

●リラ:小人族 長の三男
王と後妻の妃は、ダルガードを怒らせようと小人族の男嫁との婚姻を計画。
でもリラは、英雄ダルガードとの婚礼を大喜び。

●リラの婆様:呪術師にならず爺様と結婚。
施術者は死んでいた。婆様の人脈を頼りに、解呪法を知る弟子を探す旅をする。

--
「美女と野獣」のように真の愛を得て・・となるんだろうなー、と分かっても、楽しかった。
リラの頑張りで「愛が勝つ」展開に感動。

それにしても、父王への怒りでかけた呪いなら、父王の死で呪いは解呪するのが本来じゃない?
呪術師の婆は、偏屈というより恨み深い。

1

続編希望

円陣闇丸先生のイラスト目的で購入。
体格差は大好物ですが、致せないほどの体格差はいかがなものかと心配していましたが、杞憂でした。
これから読まれる方、どうぞご安心ください。
唯一感が極上に演出された感動の瞬間がきちんとありました。

獅子頭の無表情と、そうでないときの赤面具合のギャップがたまりませんでした。
受けがまた本当に性格が良くて愛らしい。
不憫攻めとの心の距離あ縮まっていく過程もよかったです。

円陣闇丸先生のイラストが期待以上で、眼福でした。

1

めっっっちゃくちゃ良かった。

私の萌えツボに「男前な受け」というのがあるんだけど、この受けのリラはちっちゃいけど男前で最高だったので、「超弩級に男前な受け」リストに登録させていただきました。

この場合の「男前」というのは、単なるカッコいいを超えてまして、攻めの心の灯台のような、道しるべ的なキャラ限定です。

皆から強いと思われている攻めだって、時には心が弱ったり闇に引き込まれそうになったりする。
そんな時、受けの何気ない一言や受けの存在そのものが、攻めの心を明るく照らしてくれるおかげで攻めは正しくいられる……みたいな。

攻めにとっての天照大神的な存在かもしれない。
尊くて至高。

で、この作品のリラは明るく元気で前向きで、まさに太陽のような存在です。
小さいんだけど、眩くキラッキラしてる。

攻めのダルガードは黒獅子の頭を持つゆえに忌み嫌われていて、孤独に育ったんだけど、全身全霊で大好き!と伝えてくるリラと過ごすうちに、それまで縁のなかった感情が彼の中で芽生えていくんです。

人と語らうことすらしてこなかった攻めなので、リラと一緒にいると生まれてくるこの気持ちがなんなのかわからない。
これは愛なのか?これが愛なのか?と、確かめ合っていく過程がめちゃくちゃ良くて、何度もたまらない気持ちにさせられました。

攻めのダルガードはリラと一緒にいると本当に本当に幸せそうなんですよ。
読んでるこっちまで嬉しくなってくるくらいに。


そしてこの「愛」が、尽きることのない大きな大きなものへと育っていくんです。

攻めの周囲には反対勢力などもいるので不穏な動きがあるものの、二人の絆は盤石なので安心して読めました。

多幸感いっぱいの作品だと思います。
文句なしの神。

3

大好きな一冊になりました(´∇`)

すごく好きだなぁ、よかったなぁ。
読み終わった後にじんわり嬉しい気持ちになれるお話でした。

受け様は、小人族のリラ。

攻め様は黒獅子の頭を持ち、呪われた王子と言われていたダルガート。


第2王子に王位を譲りたい父王と王妃が、ダルガートへの嫌がらせとして、小人族のリラが娶わせられたのだけど。

他国から攻められた時に、助けてくれたダルガートのことが、憧れで大好きだったリラは、絶対的味方として喜んでダルガートのそばへ赴く。

リラが、元気で明るくて優しい、まさに太陽のような存在。
王宮では疎んじられ、あからさまに冷遇されていたダルガートが、リラと接する内に少しずつ情緒が育っていく様子が微笑ましくてにこにこでした。

戴冠式にて、リラが啖呵を切るシーンは、私も気分爽快でスカッとしました(≧▽≦)
自分の為に怒ってくれた、と嬉しく思うダルガートが切なくて、もっともっと幸せになるんだよ〜となります。


どんな時でも、ダルガートを信じて笑顔で応援し続けたリラが、もうとってもいい子で大好きになりました。
また冷遇され続けても、誠実であろうとするダルガートも、応援したくなる。
周囲に少しずつ認められ、味方が増えていくのがとても嬉しくて、あったかい気持ちになります(´∇`)

呪いであった黒獅子頭を最後には贈り物、とまでも思えるようになっていて、うわ〜今ダルガートは幸せなんだなぁ、としみじみ感じ入っちゃいました(´∇`)

とてもとても素敵なお話で大好きです。


イラストは円陣闇丸先生。
口絵がとてもかわいい。
黒獅子頭姿だってカッコいいけど、本当の人の姿になったダルガートもかっこよかった(///ω///)♪

3

太陽

呪われた孤独な王ダルガートと、太陽のように眩しい小人族のリラ。
そんな二人のお話です。


ダルガートはずっとずっと孤独な王で心が凍りついていて
すべてを諦めてしまっていたのですが
そんなダルガートの元にリラが嫁ぐことになります。
リラが嫁ぐことになるのは、ダルガートの父の第十四代陛下と王妃の
ダルガートへの嫌がらせなのですが、
リラと出会えたことによってダルガートは大きく変わっていきます。

最後まで読んで、リラとダルガートが出会えてほんとに良かったと思いました。
孤独な王だったけど、最後にはリラだけじゃなくゼグやカイル、
ガルグルまでも味方になってくれました。


読んでいて胸が苦しくなる場面もありましたが
いつだってリタがダルガートを明るく照らしてくれたおかげで
最後まで読むことが出来ました。

何度でも読み返したくなる素晴らしい作品でした。

0

読めて幸せ!!!って作品

あ~~~めーっちゃ良かった!好き!
酷い境遇で生きるダルガートを曇りなき愛情で癒していくリラ。

童話の雰囲気を思い出す素晴らしい救済物語。

リラがとにかく明るく前向きなので、読んでて元気をもらえます。
特に踊りシーンが大好き!楽しそうな様子が目に浮かぶようでほっこりしました。

えろは作者の創意工夫?に笑っちゃったwサイコーです!
出会ってくれてありがとうって思う二人。
これは何度も読み返すと思います。
読後の幸せが快感すぎる~。

3

圧倒的多幸感

読んでよかった、買ってよかった。
表紙の可愛らしい受けの見た目に、読むことを躊躇するかたもいるかもしれませんが、ぜひ読んでほしい。

攻めのダルガードも、受けのリラも、置かれている境遇は不憫でしかたないけれど不幸ではない。
2人が共にいることで、確かな幸せを得ることができます。

リラは最初から相手への好感度がカンストなので、出会ってからはただひたすら、心と愛情を注いでいきます。
小人族ゆえにままならないこともありますが、頭を使って適応していく姿は逞しい。
見た目は可愛らしいけれど、男前な受けです。

ダルガードは、リラと出会って自分の受けてきた仕打ちがいかに酷いものかを理解します。
この徐々にわかっていく過程がつらく、悲しい気持ちになりますが、リラがいてくれたからこそ彼は救われます。

本当に2人が出会えてよかった。
究極の体格差だと思いますが、愛し合う過程も美しく尊い。
心が浄化される物語でした。

5

好き

月東先生だし円陣先生だしマストバイ。優しくってとても嬉しく和むお話だったので神にしました。疲れている時でも読めます!先生、ありがとうございました!と感謝の気持でいっぱいな雑誌掲載作160Pほど+その続き200Pほど+あとがき。ファンタジー大丈夫な方でしたらぜひぜひ!!

黒獅子の頭を持って生まれたダルガード。古来から悪の象徴とされた黒獅子であるため、国王、国民から恐れられています。第一王子が次代国王と決まっているため、命を狙われもするのですが、父王が亡くなったため国王に。やむを得ずあてがわれた王妃は全く体格が異なる小人族、しかも男で・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ゼグ(国王の唯一の親衛隊員)、ダルガードを呪った呪術師とその弟子、国王夫妻、ガルグル王子(攻めの異母弟)、隣国皇帝ぐらい。ゼグがナイスアシスト、隣国皇帝はコワいコワい。

++良かったところ

攻めが本当にほったらかしにされていた第一王子で、教育不十分なまま国王になってしまうのが、王道から外れていてビックリしたところでした。呪いにより戦には強い&死なない(ナイス)のですが、駆け引きがからっきし出来ないところが、「おお」でした。人との触れ合いが無かったので、めっちゃ不器用、コミュ障だし感情というものがあまり無かったのが、だんだん育っていく(ほんと育つ)のが良かったです!

そして何より好きだったのが、受けの小人族リラ!本当に小さな太陽。全てをポジティブに捉え、ダルガードに全身で大好き!と敬愛の念を伝えていくのです。前向きな暖かい感情って、読んでいるだけでこちらが浄化され温められる心地になるので、メンタル落ち込んでいるこの時期に読めて、本当に嬉しかったでした。

ファンタジー、王国ものとして王道なお話の一つだとは思うのですが、キャラ(特に受け)がまぶしくって、めちゃくちゃ嬉しいお話でした!落ち込んでいる時にはとても良いのでは?と思います!(中の挿絵には人の頭になった攻めの姿もあり、めちゃんこカッコよし!です!)

9

ポカポカする

陽が出たら踊ってみようか!と、思えるほどに、その情景が楽しく想像できてしまう。

ずっと暖かく優しい陽射しに包まれているような気分で読み終えました。

ダルガートの心根の美しい事。
悪意にさらされ続けても誰もかれもが歪んでしまうわけではないと思うのですよ。
ダルガートの様なキャラには心から幸せになって欲しいと願いながら読み進められました。

そしてリラの天真爛漫さも馬鹿っぽいというタイプでは無くて良かったです。心地よい明るさと前向きさで、ダルガートと一緒に私を安心させてくれました。

2人ともとにかくかわいいんです。

適度に厚みがあるんですけど、一気読みしちゃいました。
これは良い買い物をした!って思います。

12

奇跡の出会いに心から感謝!リラは百人力!

初めましての作者さんでした。
すごかった!文句なしの神です!

呪われた巨漢の黒獅子頭の王様と小人族の青年。
二人が出会えた奇跡にひたすら感動と感謝です。

孤独なダルガートがリラによって様々な感情を知っていく様子。
また忌み嫌われ口も聞いてもらえず蔑まれ続けても、腐らずまっすぐたくましく二十歳まで生きてきて。

呪いの理由を知ってもリラがいてくれたから…。

お話も巧みですね。
ダルガートが王として認められていくところに、こちらもグッときます。またリラがダルガートを照らすところ。
本当に最高の二人です。たった一人の従者も。

そして東の隣国の皇帝もいい人物でした。

心配だった体格差は逆に萌えの宝庫でしたし、そうくるか!な展開もあったり。
リラが優秀な戦士だったり。

孤独だったダルガートに絶対的な味方が現れて支えてくれて。ダルガートとリラはお互いの太陽ですね。

愛しいという感情、嬉しい楽しい泣きたい守りたい、全てをリラによって知ることができて本当に良かった。

最初は離宮でリラの存在が落ち着かなかったダルガートが、最後にはリラがいて心が落ち着くのも。

14

呪いを解くか解かないか

先生の作品はファンタジー好きな人間としては何冊か読んではいましたが
面白いのに正直いまいち自分と合わないなぁと感じておりましたが本作はとても面白かったです

父のせいで呪いをかけられ
でもその呪いは赤子本人のものであるとされ
王宮で一人で生きてきたダルガート
物語は彼が彼を崇拝する小人族の王子リラを妻に迎え
己が己の呪いに掛けられていることを知り
呪いの内容を知り
呪いを解くかとか解かないかを決める
という流れと
王子の愛も何も知らない透明な世界がリラに出会い色づき変わっていく
父に命を狙われるという劣悪な環境でいながらも赤子のように無垢な魂でいれた奇跡

彼が偉大な王になって行くであろう予感に満ちた一冊でした

この2本の流れがとても自然で
彼に賭けられた呪いとその作用のチートささえすんなり受け入れられました
エチの度に使うのではないことも
魔法の実も使い方によってはご都合主義になったと思うのでこのくらいで抑えてくれて良かったと思います

個人的にはリラがダルガートの孤独の影を知るたびに心と体で抱きしめるように手を伸ばすところが大好きです

切なくキュンキュンできて魂が生まれる愛に満ちた素敵なお話

敦国へのお話やリラが伝説になって行くであろうお話や弟が名宰相になっていくところも読んでみたいです!

11

受け♡

ファンタジーは選り好みが激しく冒険しない読者なのですが、月東湊先生のファンタジーだけは必ず拝読しています。毎回人間味溢れるキャラクターがとても魅力的で、ストーリーもサラッと読めるけれどしっかりと説得力がある。わたしがファンタジーに望むものを諸々満たしてくださっているので、裏切られることがありません。

なんといっても受けが理想的なんです。本作においてもリラのちっちゃくて可愛いのに男前!なところにメロメロでした♡

呪術師による呪いのせいで黒獅子の頭を持ってこの世に生まれたダルガート。実父はもちろん、継母、義弟、果ては臣民からも忌み嫌われていました。二十歳になったダルガートは小人族の族長の息子を妃に迎えることとなり、リラと出会います。実はリラの方は以前から彼のことを知っていて…

ストーリーは相変わらず無駄なく起伏に富んでいて、時にしんみりとさせられながらも楽しく読み進められました。王国ものらしく領土をめぐる争いや隣国との交流を背景に、国王となったダルガートは王妃リラと手を携えて「呪い」に対峙していくことになり……その先はどんな展開が?ドキドキです!

歴史ものとメルヘンが見事に融合しているんですよね(ウットリ…♡)

個人的に受けも攻めも好感度の塊でしかなくて、しかも円陣闇丸先生のイラストがピッタリ‼︎ 麗しい‼︎ 凛々しい獅子頭のダルガートがなんとなく可愛らしくて、リラが惚れ込んじゃう気持ちがよ〜くわかります笑

読後は、優しい気持ちと強い気持ちの両方を分けていただいたような気分になれました…。ファンタジーの受けは"漢"であって欲しいわたしとしては、今回も大満足です!

雑誌掲載作品がこのような完成形で刊行されたのは、ひとえに当時の読者様のお陰だと思います。感謝の気持ち、お伝えしたい‼︎

11

2人の愛しかたがとても素敵でした

とても楽しみにしていた作品でしたが、想像以上に良かったです。

人一倍逞しい黒獅子王と幼児くらいの大きさしか無い小人族が、プラトニック以外にどうやって愛し合うのかと疑問でした。

でも読んで行くうちに身体の関係とかどうでも良くなって行く面白さがありました。(でもちゃんとそうしたシーンはあります)

リラのどんな事があっても自分だけはダルガートの味方であろうとする愛し方がとても素敵なんです。
そしてそんなリラと出会った事によって、どんなに辛くて気持ちが堕ちそうになっても、立て直すダルガートの気持ちに涙が出ました。

リラがダルガートに腰入れした事によって、全てが上手く回り出す様子がとても読み応えがあるんです。
リラがダルガートの為に怒る姿も好ましくて、何度もスカッとしました。

忌避される存在だった呪われた黒獅子王から、皆が徐々に慕って行く伝説の黒獅子王になるまでがとても見事でした。

雑誌掲載分も面白かったですが、書き下ろしがあっての完成形だと思います。書き下ろしに登場する人物達がとても魅力的でした。

11

辛く苦しい思いをしてきた王子に幸あれ!

雑誌掲載で読んで、ずっと続きが読みたいと思ってました!ボリュームありますが、わかりやすくイメージしやすい描写や展開のテンポがよく、世界に入り込んであっという間に読み終えてしまいました。王道ファンタジー系が得意な先生なのかな。

悲しく辛い黒獅子王の話からリラと出会い王子が変わっていく、感情や愛を知っていく描写が好きでしたが、王子としての成長や仲間も増え、周りも変えていく様子は読んでいてほっこりします。終わり方もよかった。

円陣先生のイラストが美麗で本当に素敵!!
コミカライズして欲しいです。
黒獅子がかっこいい!皇帝もかっこいい。これがまた訳ありで、スピンオフを期待してしまったりして(欲張り)
続きを書いてくれてありがとうございました。

4

貴方だから愛しい

今回は黒獅子頭を持つ世継ぎの王子と
花嫁に指名された小人族の族長の三男のお話です。 

受様が攻様の得難い伴侶となるまでタイトル作と
攻様が受様と共に良き王となるまでの続編を収録。

攻様は大陸南端の広大な王国の第一王子として誕生しますが
父王の不用意な言動によって呪術師に呪われ、
黒獅子の頭を持って生まれます。

黒獅子は古来から悪の象徴とされた王国で
獅子頭の攻様を産んだ王妃は心を病んで自死、
攻様は王室内で疎まれて育ちます。

しかも王国の法は第一王子が王位継承権を有し
父王と新たな妃は第二王子を跡継ぎにすべく
攻様を亡き者にしようと画策します。

毒を盛り、暗殺者を放ち、13才で出陣させ、
18才で他国の侵略を防ぐ為と単隊で前線に送られても
攻様は死なず、常勝して王城へと戻るのです。

そこで王妃は攻様に無理難題を押し付け
反抗するなら謀反の疑い有りとして処刑をと
王に耳打ちします。

そこで父王は20才となった攻様に
成人の半分にも満たない小人族との婚姻を求めますが
攻様はそれにも「御意」と応えるのみでした。

通達は小人族の族長にも届けられますが
今の族長には娘はおらず「王子でも良い」という一文から
攻様への嫌がらせの婚姻な事は明白でも
断ればどんな災難が降りかかるかもしれません。

そんな中で「自分が良く」と声をあげたのが
現族長の三男である受様でした♪

受様は2年前の戦で攻様が
小人族の暮らす地を守って戦ってくれた時から
攻様を英雄として慕っていたのです。

誰も味方のいない攻様の唯一の味方になれるなら
嬉しいという息子に族長も折れ、
受様は攻様の元へと輿入れる事になります。

王城に上がった受様は攻様が思った以上に
孤独でし抱けられている事に驚き、
それを当然と受け入れている攻様に憤ります。

しかも外国の来賓を招いての婚礼の式で
攻様を超えた蟹罵った父王が心臓発作急逝、
攻様に次の王冠が受けたがれる事になるのです。

果たして孤立無援な攻様は無事に王位につけるのか!?

雑誌掲載作のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
黒獅子の頭で生まれて孤独に生きる攻様と
普通の人の半分の小人族の受様との恋物語になります♪

自分達を救ってくれた攻様の強さと優しさを信じ
攻様にとって唯一の味方である事をこそ誇りの想う
受様の前向きな強さと真っ直ぐさが

疎まれる事を仕方がないと受け入れ
他人と対することの無かった哀しい攻様の心をほぐし
攻様の真摯な姿と民を思う心が少しづつ少しづつ
周囲をも変えていきます。

そして獅子頭の解呪の方法も見つかりますが
それはさらに辛い事実を攻様に突きつけるという
全てが良き事ばかりでないところが
さすが月東先生だなと思いました。

タイトル作は雑誌掲時に読んでいましたが
孤軍奮闘していた攻様が受様と言う導き手に得て
閉じ込められていた自室を出て城の外の世界と関わり
攻様の呪いの解呪という希望を見つけた終わり方とは言え
攻様の意識が変わっただけという感じが強く

攻様を取り巻く状況はあまり変わらず前途多難、
その後が気になり過ぎる終わりでしたので
「萌2」な感じでしたが

今回文庫化してついた続編は
王となった攻様とともに受様も大きく成長し、
他国と関わり、臣下や民の気持ちをも変えていくという
これぞ大団円という幕引きとなっていて
合わせたら文句なく「神」なお話でした ヾ(≧▽≦)ノ

円陣先生のイラストもとっても素敵です♪
攻様は獅子頭のもふもふだけでなく
受様は小さな小人姿だけでなく人姿のイラストもあり
いろいろと楽しませて頂きました。

7

シリアス、でもハートフル。

作家買い。
月東さんの新刊はモフモフ&ファンタジー。今作品のモフモフはちょっぴり切なくって、でも温かい、そんなハートフルなお話でした。







ガルムザール王国、という国が舞台。
この国の第一王子・ダルガートは、黒獅子の頭を持って生まれてきた。「呪い」と言われ、彼の両親である王と王妃ですら彼を厭い、何とか亡き者にしようと策略している。それ故に彼は常に孤独で、食事に毒を入れられたり、厳しい戦況の戦に行かされるがダルガートは何とか生き延びてきた。

が、この国では第一王子が次期国王になるという法があるため現王ですら彼を差し置いて次男に王を継がせることができない。何とかダルガートを失脚させるために王たちが思いついたのは、ダルガートに「男」で、かつ「小人」を后としてあてがうこと。それに反意を示したら、それを反逆罪としてダルガートを処刑することができる。

そう考えた王たちによって、ダルガートのもとに小人族のリラが輿入れをするためにやってくるが―。

というお話。

もうね、ダルガートが気の毒で気の毒で。
彼が黒獅子の頭を持って生まれてきたのは彼が呪われているから、と言われていますが、これ、実は違うんですよね。序盤で彼が黒獅子頭で生まれてきた理由は書かれていますが、彼には全く非がないんです。

と、とにかく薄幸攻めさんなわけですが、彼のもとに嫁いでくるリラがね、もう最高に可愛いの。彼は彼自身望んでダルガートのもとに嫁いでくるわけですが、ダルガートが王宮で迫害されていることもあって、彼ら二人ともかなりひどい嫌がらせをされます。

ダルガートの薄幸さと、彼らへのひどい扱いもあって、ベースとしてはかなりシリアスなものに分類されると思うのですが、意外なほどコミカルでほのぼのベースで展開していきます。

それはなぜか。
リラという男の子がめちゃめちゃ明るく、前向きなんです。
彼はとある理由からダルガートに心酔していて、彼を尊敬してるんですね。ダルガートがネガティブな感情になっている時でも、リラは彼の明るさでもってダルガートをサポートしていく。このストーリー展開がめちゃめちゃ可愛くって、気持ちがほっこりするのです。

今作品にはターニングポイントがいくつかあります。

まず一つ目は、ダルガートの獅子頭はどうなるのか。という点。
彼はそのビジュアルから王宮でも、国民たちからも一歩引かれている。見た目で怖がられ、気持ちわるがられてしまうんですね。彼自身、そのことを気に病んでるんです。

その頭が、もしかしたら人間に戻ることができるかも?という希望が出てくる。
ダルガートが、人の頭に戻るのか、戻れるのか。ここが、まず大きなキモになっています。

そしてもう一点。
リラは小人族なんですよ。身体が小さいんですよ。
ということは、つまり、彼らは身体を繋げることができない、ってことなんですね。

えー、どうすんのかな?
とか思いつつ読み進めたのですが。

ほほう、なるほど!
という展開を見せます。上手いです。さすがベテラン作家さまです。
さらに身体を繋げられない(挿入できない)彼らがお互いを慈しむシーンがめっちゃエロい。なめてみたり、擦ってみたりね。

月東さんの圧倒的な文章力で、読んでいてこの作品が映像として目の裏に浮かび上がってくる、っていうのかな。
リラの体つき(エロい意味じゃないですよ!)とか、彼が太陽のもとで踊るシーンとか。
ダルガートのつやっつやの毛を、リラが毛づくろいするシーンとか。
そして、彼らが慈しむシーンとか。
もうさすがとしか言いようがないです。

薄幸で、過酷な環境の中にいた攻めさんが、明るく一途に想いを寄せる受けさんと出会い、そして幸せになりました。という、シンデレラストーリー(と言って良いのかな)なのですが、とにかく様々な伏線がまかれていて非常に読みごたえのある作品でした。

彼らが最後に選ぶ道も、すごくカッコよかった。

で、円陣さんの挿絵がね、これまた最高なんすよ。
可愛いし、綺麗だし、カッコいいし。
表紙の黒獅子さんなんて、黒獅子なのにイケメンなんですよ。
ダルガートが人の姿になるシーンがあるのですが、ヤバいくらいカッコいいのですよ。

ストーリー良し、キャラ良し、挿絵良し。
萌えと優しさが詰まった神作品。

読後、ほっこりします。文句なしの神作品でした。

19

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