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午前2時まで君のもの(下)

gozen2ji made kimi no mono

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表題作午前2時まで君のもの(下)

伊勢崎恭一,在宅デザイナー,29歳
豊島道夫,自宅のクリーニング店のお手伝い,29歳

その他の収録作品

  • 俺の知らない3年前の話
  • #12.5 繰り返す日々の続き
  • あとがき

あらすじ

事故のせいで、毎日記憶がリセットされてしまう道夫。いつのまにか29歳になり、学生時代から好きだったはずの恭一とは別のひとと結婚して、家庭を持っていた。だが、恭一に会い、想いが溢れた道夫は彼とキスしてしまう。この「過去」を今夜に置き忘れてしまいたくないと願う道夫だが――!? 奥田 枠が切なく愛おしく織り上げる、真夜中過ぎのカウントダウン・ラブ、上下同時発売!

作品情報

作品名
午前2時まで君のもの(下)
著者
奥田枠 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784403667978
4.3

(226)

(145)

萌々

(46)

(16)

中立

(12)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
22
得点
969
評価数
226
平均
4.3 / 5
神率
64.2%

レビュー投稿数22

切ないお話

登場人物がみんな優しいし強い。悪い人が出てこない。
思いやり合っているのがすごく切なくていい。

このお話を読んで映画のメメントを思い出しました。メメントの方が重症でサスペンス映画だけど、忘れてしまうということが悪いだけじゃないなぁとしみじみ。
親友の子がメモの「結婚したけど結局失敗した」の後の「感謝を忘れるな」を消さないのがとても良かった。
同窓会の日にどうして親友を押し倒していたのかが、経緯が気になる…。

人に優しくしようと思えるお話でした。

1

魅力的な世界観

上下巻まとめての感想です。
ストーリー自体は単純なのですが、毎日の道夫の感情の移り変わりが複雑でリアルでした。いつの間にか結婚していた奥さんは日々ストレスや悲しみに追われていて、頭では分かっていてもすれ違ってしまう。誰も悪くないからこそ、余計に悲しかったです。道夫にとっては毎日が新しい生活であり、しかしその中で唯一変わらない恭一との関係があったことで更に惹かれていったのではないかと思いました。それぞれ悩みを抱えた3人の日常の幸せなようで切ないお話でした。

1

期待と違ってた

ドキドキしながら読み始めました。

やっぱり灯との結婚生活は難しいでしょ。
毎日初めましての女性と夫婦らしくするなんて。
いつまでも21歳で引け目を感じて。

道夫と恭一は遠回りしたねえ。勇気いるもんね、なかなか言えないよね。
エロエロハッピーで良かったです。
恭一の言葉が心強いですね。こう言ってくれる相手じゃないと!

正直もっと怖い真相かと思ってました。
恭一が普通に良い人でした。
お父さんも道夫を責めなくて、そこはどうなの?な感じもしますが。道夫は毎日精一杯頑張ってるからね。

1

いやぁ染みますね߹‎‪ᯅ߹

切なくもあるけれど本当に温かいお話でした。

最初はミチに引っ張られていた恭一が,
最後 自らミチを引っ張っている姿はグッときました!

後個人的に,スピンオフで剛に全く興味がない素振りを見せる恭一が,ミチの前だけ満面の笑みを浮かべる姿が好きすぎます!本編でも,ミチと何かあっただけでちょい病みになるところとか,か,可愛すぎるでしょ-!

0

君の手を引いて進む先

21歳の時の事故の後遺症で前向性健忘を患って新しいことが記憶できない、ずっと恭一のことが好きだった道夫(受け・29歳・既婚者)と道夫の中学からの同級生で道夫のことが好きだった恭一(攻め・29歳)の、切ないラブストーリーです。こちらは上下巻の下巻になりますので、まずは上巻を読了ください。

結論部分にも触れることもありますので、ネタバレ注意です。
やはり、しんどい出来事が沢山ありましたね。朝のルーティンが不完全なことであんなことになってしまうとは、と、努力の上で成り立っていた危うい毎日だったんだと改めて感じました。みんな、いい人だからこそ苦しんでいたりするわけで。

灯さん、好きになる努力の全ては悪いことじゃないけど、それが義務になってしまって、心が摩耗するなら、それはもう辛かったと思う。
恭一のしたことは、傲慢かもしれないし、本来ならばしてはいけないことなのかもしれない。でも、そのおかげで、道夫は前向きに笑顔で暮らすことができる。
大事な人達を傷つけてしまったことをずっと忘れないように、謝りながら一人でいきることを自らに課しようとする道夫の気持ちを尊重することが、本当に幸せなのか。その幸せは誰にとっての幸せなのか、誰が幸せと決めるのか
結局の所、恭一も、お父さんも、灯さんも、誰も道夫の自責や苦悩、不幸を望んでいないんですよね。

なかなか自分の感情がまとまらなくて、期間を置いたりもして、何回も読みました。私のなかで色んなことがストンとおちたとき、本当の意味で恭一と道夫のふたりの明るい未来が見えたような気がしました。

色々と考えることができて、とても面白かったです!

0

忘れることを怖がらなくていい安心感

 納得できる展開の下巻でした。ミチの記憶障害が治ってハッピーエンド、ということもなく、毎日リセットされる日々はそのままでもけっして今後の人生を悲観するばかりにならなくて良いのだ、というミチの希望や幸せが感じられる良い結末でしたね。灯とのことは賛否両論あると思いますが、ミチの問題を知っていて結婚という大きい選択をした灯にももちろん責任があり、毎日彼女を忘れてしまうミチに非はないと思いました。記憶のある恭一とない灯では、存在の重みが異なるのは当然ですよね。

 メモを残すという行為はあくまで昨日までに起きたことを「知る」手段であって、どんなに詳しく書いたとしても昨日までの自分と同じようにそれを「体験する」ことはできない。誰よりもそれを痛感しているミチが、自分が日々を忘れてしまうことを謝るために記録していたことがあまりにも悲しいなと感じました。誰も責められないやりきれなさ。

 だからこそ、そこに不満を感じない恭一がいてくれることが尊くて。ミチの中で新しい思い出が積み上がっていかなくても、自分が覚えていれば十分、ミチが隣にいて恭一が好きという気持ちさえ忘れられなければ幸せだと、彼は心から思っている。紆余曲折を経てようやくお互いの隣を得た2人が眩しくて、きっとミチの障害など気にならないくらい、これから満たされた日々を送れるだろうなと思いました。

1

ドキュメンタリー映画みたいだ

下巻だしハッピーエンドだよねって期待して読みました。うん、確かにハッピーエンド。だけど、どっかスッキリしない気持ちもあり、でもこれがこの作品における最上の結末でもあるような気もします。
私個人としては、スッゲー感動!とはなりませんでした。名作の雰囲気ありますけどね、斬新な切り口で面白いですし。

テーマが難しいです。奥さんと好きな人がいる三角関係だし、しかも健忘症という病気を抱えてるし。
ドキュメンタリー番組で取り上げても良いくらい。なんなら、ザ・ノンフィクション辺りでフューチャーしても違和感ありません。それくらい濃い〜です。ミチやその家族、そして恭一の苦悩…それが分かるのがこの下巻です。


灯さんと恭一は、ミチが過去を忘れていることが苦悩で、でもミチは過去を知ること(スマホメモ)が苦悩になっていて、何だか切なかったです。
灯さんと言う存在は必要だったのか、よく分かりません。結婚したのは灯さんの一目惚れなのか、そこにはあまり触れていないけど、ミチも結婚をよく受けれたなと思いました。

恭一のことを好きだったのに何で?
恭一を諦めるため?

灯さんの方が我慢の限界で終わってしまった結婚生活。最初の結婚の経緯が灯さんの言葉がキッカケみたいだけど、結婚生活の実情には触れてなくてよく分かりませんでした。キスもだけど、夫婦生活を始め今までどうしていたんだろう。

灯さんとはキスも出来なかった夫婦生活なのに、恭一とは身体の関係もあって…まるで本妻と愛人のようです。罪悪感から灯さんに寄り添おうとしたけど、出来なかったのは当然です。
ミチには恭一のことを好きだった時の記憶しかないんです。…過去にもこれからの未来にも恭一を愛する気持ちしかないのに、他の人の存在を入れることなど出来ません。

それを分からせる・分かるための灯さんと言う存在だったんでしょうか。灯さんの存在がなくても、恭一とミチの2人の関係だけでこのストーリーを築けなかったのかな…。健忘症を受け入れて乗り越えていく2人のストーリーと言うより、健忘症にミチと恭一、そして灯さんが振り回されていたような印象でした。


毎日を忘れてしまうミチだけど、自分の記憶以外のことは確実に日々変化していきます。記憶はリセットされても、感じることや想うこと、周りの環境は毎日ループなんかしません。同じように目覚めても、毎日同じ日々が過ごせるワケでははないのです。
恭一とミチは確実に未来を築く絆があると思っています。恭一の愛情を近くに感じながらミチも恭一に寄り添い、2人にとって素敵な恋人関係でいて欲しいと思います。

0

これはメリバなのかな?

切ないお話でした。
上巻から灯さん推しだったんですが、悲しい終わり方になってしまいましたね。でもね、ミチから解放してあげないとダメだったと思う。灯さんからは言い出せなかったよ。この数年間毎日好きな気持ちを継続させようとして、朝イチで笑顔で挨拶して。
相手は(精神的に)歳を取らないのに、自分だけ歳をとってしまう。
でもこの数年の結婚生活が灯さんのプラスとなってくれたらいいな。美人だし性格も良いし、良い人と幸せになって欲しい。

一途な恭一の気持ち。好きになったのはミチが先だったか。ずっと手に入ったかと思えば翌日にはなかったことになって、この人も辛かったろうな。
恭一とはずっと関係を続けられるのかな。
ミチは目覚めるといつも恭一に片思いしていた頃の気持ちになるから褪せることはないだろうけど。

ミチは前向きな性格の人で良かった。

スマホのメモ。どうなるかと思ったけど。
離婚後初めて朝まで過ごして、新しいミチの最初の視界に入りたかったからなのかな、恭一が一睡もしなかったのは。

ハピエンなのかモヤモヤした感じでした。これがメリバというものなの?
恭一とは末永く幸せになれますように。
クリーニング店、誰か跡を継いでくれるといいな。

0

忘れたことを思い出しても罪悪感を持たなくていい

言葉一つ一つが繊細で、切ないけどとても良かったです。ストーリーの見せ方が空気感あって心地よく上品でした。恭一の激情を収めた静かさと綺麗さと男性らしさが最高。

忘れたくない思い出をいつか忘れてしまうことにちょっと恐怖を抱いたり、切なくなったりすることはあると思いますが、それでも無かったことにはならないし、申し訳なく思わなくていいし、思い出して過去や今の幸せを噛み締めればいいと言ってくれている様な優しい作品でした。

恋人としての記憶は持たなくてもずっとお互いを好きな二人、ミチが夢見ていた未来に恭一が引っ張ってってくれて良かったなと(涙)
母の葬儀など、ミチが忘れる自分を思いやる描写も切なくて優しくてとても良かった。
毎回初エッチで毎度ドギマギしてるのに身体は慣れてる受けとかぐう滾りますけど笑 なんなら何通りでも描いて欲しかったです爆!

3

上巻の感想通り、この作品の肝は主役が結婚してるところにあると思うのだけど、どうもそこが納得できなくて残念。作品内でも言ってる通り、ミチにとって灯は毎日初対面の人なんですよね。記憶がなくなるようになる前の知り合い(恭一しかり)なら兎も角、灯と結婚することは沢山の不都合が思い浮かぶ。そもそもミチの状態で契約行為をすること自体リスクだらけなのに…結婚ねぇ…
灯の思惑というか、どういう将来設計のもとの結婚だったのかも分からずじまいだったのでどうも釈然としない。初対面の相手が妻です〜と出てきてミチが幸せになれると真に思っていたのなら大分浅はか。
ミチと恭一の関係の再構築は面白かったのに躓いたところがあるせいで楽しみきれず。

2

私は妻ダメだった

覚えていられないのに家族が増えるなんて、毎日毎日知らない人を特別だと納得しなきゃならないなんて、ありえないと思う
若くて、結婚てことに前向きな印象を持っていてウッカリ結婚に至ったんだろうと思うけど、ストレスって記憶にしか残らないのかな
一日単位でも体の負担は毎日蓄積されてたかも知れないと思うんだけど
今日会った人が自分の気分だけで迫ってくるとか道夫の気になって考えてみたら拒否されても当然でしょ
ずっとさん付けで呼ばれてわからないのか、自分の独りよがりが当然に破綻しただけだと、すごく灯に冷たい気持ちを持ってしまってまいった

メモは1行分だけでいいと思う
だって、人間てどんなに悪かったと思っても、どんなに悲しくても、なんだかんだ記憶は風化していくし角が取れて痛みを感じなくなっていく物だから道夫だけがずっと同じだけ痛い気持ちになる必要なんてない

私の目には灯からの被害者だし
道夫を残して死んでいくお母さんには救いに思えたかも知れないことくらいしか良いことないな

何年も毎日、好きな人が自分に告ってくるかも知れない日なのどんな気持ちだったんだろう、結婚さえしてなければな…罪悪感なんて要らなかったはずなのに

ところで、1日で何か習得したとして、記憶はなくても当然に翌日もできることとかってないのかな
クリーニングの技術、体が覚えて上手くなるってことはないんだろうか自転車に乗れるみたいな感じに

3

もうずっと君のもの

上巻読了後はあまり気になってなかった、奥さんの灯。
下巻に入ってよくよく考えてみると…

いや何で結婚したん???

「誰かと新しい関係を築けないなんてことない」って言葉が決め手になったみたいだけどもあまりにも安易に結婚したなぁ、2人とも。
5年もこの関係が破綻しなかったことが奇跡だなぁ、っていう夫婦でしたよね。

上巻と異なり、恭一目線で始まった下巻。
やっぱり恭一もずっとミチの事が好きだったんですね。
お互いに好きだって分かってる分、ミチより恭一の方が辛い立場だったと思います。
ミチが眠って目覚めたらまたミチは灯さんの夫で、自分は友人。そんな夜を幾度も乗り越えたのかと想像すると胸が張り裂けそうでした。

何度21歳のミチに戻ったとしても、恭一を好きという気持ちに変わりはないわけで、2人はこれからもきっと幸せにやっていけるって信じています。
ていうか、恭一はこれから一生ミチを独占できるのでは…⁉︎
ある意味世界一幸せなカップルなのかも知れませんね。

6

これでもいいのかも

上下巻を読んで、最後まで読んだ一番の感想は「それでいいんだ!?」でした。
じっくり噛みしめてみれば、これもまた一つのハッピーエンドだし、そうなにからなにまで丸く収まるなんてのはありえなくって、こういう形もまあいいのかなってなりましたが。

とある青年が昔から好きだった男と本懐を遂げたあと、家に帰って目覚めてみれば見知らぬ女性と昨日の自分からの「その人が妻です」というメモを見て、事故で記憶が1日単位でリセットされてしまうようになったことを知るが、というところから始まった話ですが、引き継ぐ記憶の取捨選択によって未来が少しずつ変わっていくのはとても面白かったです。
でも、初手が「不倫じゃん......」になってしまうので(作中でちゃんと本人が反省しますが)、そういうのが苦手な人にはきついかなと思います。

本人だけが記憶をリセットし続けて、でもその周りで生きている人の中には間違いなく昨日以前の「彼」と過ごした記憶がある。
やっぱり毎日毎日、確実に交わした言葉や行為があるはずなのに、相手のどこにも残っていなくて、それでも毎日「愛する」のってめちゃくちゃ大変だよな~と思いました。
攻めの感情はもうほとんど執着みたいな愛だったけど、そのくらいじゃないと前には進めないよな......

でも前提として、二人が両片思いの状態で新しい記憶を保てなくなったところがかなり大きいので、灯さんは本当になにも悪くない。
覚悟が足りなかったようにも感じられたけど、なんでもかんでも予測した上で結婚する人なんていないし、仕方なかったんじゃないかなと思います。
幸せであってくれ、灯さん。

覚えていたいと願ったメモをたとえ相手を守るためとは言え改ざんするのは本当に優しさなのかな?それって愛って言える?というもやもやは多少ありますが、毎日リセットされるからこそ忘れていいものもあるのかな~
全部正しくないといけないわけじゃないし、すべての人間にやさしい世界じゃなきゃいけないこともないもんね。

10

ボロボロ…

こちらは、下巻です。上巻から続いているので上巻から読むのをオススメ致します。

上巻でも泣きましたが、下巻ももう泣きました。切ないですね。
一応、ハッピーエンドです。
あとがきに、“ささやかな幸せを大事にする話”とありますが、本当にそうですね。
1日1日が積み重なっていかない不安と、29才という年齢と好きな人が親友で…。
ストーリーも良くて、1話ごとのタイトルも良くて、作品タイトルも良くて。

めっちゃオススメです!












紙本購入
修正は白短冊です。

6

君のもの!!!

あとがきの「ささやかな幸せを大切にする」まさにそんな読了感!!

またまた途中がしんどくて、ミチが今傍にいる人(灯)を大切にしようって決意するのが、真っ当なことなんだけど、好きなのは恭一なのに!恭一だってミチに寄り添ってるのに!なんでや!!って掴み掛かりたくなってからの展開が!!

ハラハラキリキリドキドキ!どんどん加速して最後はしみじみ…記憶障害と向き合って葛藤奮闘するミチ、忘れてることに罪悪感を覚えてるミチに駆け寄る恭一…21歳の頃まではミチが恭一に駆け寄って引っぱっていたのが逆転し、未来も過去も2人のものになったのが~~~

愛してることを覚えているならって8年も過ごしてきて、やっと!!日々のことは忘れてしまうけど、残したメモやその日その日の恭一の行動で2人の未来が開いたのには良かったね、良かったね…です。

灯はこの人なら!自分なら!とプロポーズしたんだろうけど、やってみないことには分からないですもんね…安易だったかもしれないけど灯なりに掴みたいものがあったんだろうし、自分からムリとは言えなかったろうし…辛い。けど私は恭一派なので、安易に攫ってくのがいかんのや!とも思ってしまってごめんね。

想いが真に通じて進むとこで、あの犬歯でキスされたらどうなるのかが実証されたのも良かった。1日1日の積み重ねも大事、その日その日も大事、どっちにも幸せがあるのが素敵で、とにもかくにも恭一の想いの強さ勝ちでした!!!何度、忘れても恭一の元に行ってしまうミチも!

どうしようもない苦しみとしみじみした優しさでかき乱されました。上下巻あるとじっくり読めて良いですね!!

アンチ~では体の描き方が気になって気になって、今作もちょっと肩周りの太さが気になりはするんですが、体は慣れ切ってるのに気持ちは初めてのミチは可愛く、優しさと容赦なさを出してくる恭一はずるい!両片思い時と両思い時で漏れてる好きに変化があるのものギュ…っとキュンを感じれました!!

4

揺るがない想い

記憶を保てないことを受け入れ、少しでもその日々を変えようと眠る前にメモを残し始めた道夫。
それは朝起きると毎日"はじめまして"な妻の灯を大切にしていこうという決意でもあったのに。
結局のところ恭一への想いをより深く実感するものとなり、婚姻関係は解消することに。
この辺りは本当にツラくて切なかった。

ふたりが夫婦としてそのカタチを保つことは
はじめから無理な部分があったのかもしれません。
灯自身もそれは気付いていたのだと思います。
それでも道夫のそばに居たのは、彼女なりの優しい愛があったんですよね。
すべてを理解して結婚したのに、結果的に責めるような発言をしてしまった自分のことも嫌だっただろうな。
すごく悲しい決断だったけれど、自ら離婚を切り出すことが
道夫にできるせめてもの償いで、灯の心を少し軽くしたのではないかなと感じました。

恭一との繋がりすら絶とうとする道夫の手を
今度こそ離さないと決めた恭一の想いが
道夫の夢見た未来を作り上げ、
その未来にふたりで立っている様子には胸が熱くなりました。

午前2時を越えた先にある朝をふたりで迎えること。
ささやかだけど最高の幸せをふたりは大切にしていくんでしょうね。
これからたくさん大変なことはあると思いますが、どんなことでも乗り越えていくんだろうなと思えるラストは感動でした。

切なくて苦しい気持ちになるところは多かったですが
恭一と道夫、ふたり共がお互いを選んで
これから共に生きていこうと決めた姿を見ることが出来て本当に良かったです。

14

やっと本来の形に…

紆余曲折あったけどやっと本来の形に戻っただけだと思います。

恭一と灯さんをずっと傷付けて来たと知り、道夫が両方を解放しようとした時は「違うだろう」って叫びそうになりました。


やっぱり灯さんのプロポーズさえ無ければと思ってしまいます。事故に遭う前の記憶に彼女が居ないって事は、それだけの存在なんですよね。
彼女の言葉に縋り付いてしまった道夫にも罪はあるけれども、彼女が見てたのは道夫の背景にあるものだったので結果は必然だったと思いました。


道夫の別れの理由に納得せず追いかけて来た恭一にグッと来たし、恭一との事を忘れまいと眠らなかった道夫の思いが切なかったです。

恭一の「ミチが初めて 全部俺のになった…」という言葉に全てが現れていると思いました。

その後の眠る道夫を祈るように見詰める恭一の姿と、初めて「おはようミチ…」と声を掛ける恭一の涙にジンと来ました。

昨年末の発売でしたが、年明け早々に良い作品に出会えて良かったです。

10

何度繰り返してきたんだろう。

記憶障害の残ってしまった受けは8年もの間時間が進んでないまま
毎日毎日タイムスリップしてるような感覚で覚えてない約束、1日の出来事、自分気持ちetc…普通耐えられないですよ。さぞ辛い思いをしてることでしょう。その辛い思いも忘れてしまう。これが一生ですよ酷いですよ。
本人も辛いけど、恭一がとってもとっても一途で可哀想。でも恭一と会ってるときだけミチは21歳に戻れる。会う時間が終われば29歳のミチは未来(いま)に戻れる。
すごい執着心だと思います。なんど傷ついてきたんだろう、と。作品の時系列までの8年間繰り返してきたんだと思うと並大抵の好きではやっていけてないな、と。恭一は覚えてますからね。とんでもない辛さですよ
でも恭一はミチがいない未来よりミチがいる過去がいいって言うんです…もうほんっっっとに大切な人なんですよ。

灯さんも良い人だったんだけど、結婚する動機が軽すぎるし、恭一の愛には勝てまい。


なんといいますか、まずは上巻を読んでみてください。
ストーリーがスーッと入り込めば下巻はあっという間に読めてしまいます。
どうにも逆らえない逆境にどうにかして立ち向かおうとする二人をみてとても感動します。
そして綺麗にまとまって終わってくれます。

9

一日一日が宝物

記憶を失くして繰り返していくお話は、これまで映画で観たり小説で読んだりしました。
独特の世界観が魅力的な奥田先生が描かれている今作は、ようやく辿り着いたハッピーエンドの中にほんの少しだけ残る残酷さ、歪さが印象に残る作品でした。



過ごした時間に自分がしてきた事、考えた事を積み重ねていく事ができないということは、他人はおろか自分自身すら信じられない事と同義だと思います。
そんな不安の中でも精一杯生きようとする道夫が、記憶が日々リセットされていく中で何度も求めてるのは恭一で、そこに彼の本心が表れていると感じました。
恭一はもう何度も道夫を抱いてるのにそれは言えず、いつも初めてのように接して、帰っていく道夫を見送る。
最初の方の「走るなよ」の言葉には、本当は朝目が覚めてすぐ目の前にいるのは自分であって欲しい、帰らないで、というのが表れていたんじゃないかな…

優しい道夫が、灯と離婚したことも忘れずメモし、誰かを傷つけて許されながら生きるな、と書いていたものを、恭一が「覚えていなくていいんだ」と消すシーン。
そこには、道夫を苦しめたくないという気持ちと共に、灯の存在を、結婚していた事を思い出してほしくないという気持ちもあるように思えて、恭一の執着心を垣間見たような気がしました。
辛いことなら知る必要もないし、恋人は自分だとメモして毎日道夫に理解させる…道夫が書いたメモに手を加えて。

同じような夜を繰り返しながらも、少しずつ変化していき結ばれた二人。
明るく振る舞いながらも人を傷つけている自分に苦しむ道夫も、体を重ねた記憶を自分だけが全て覚えていながら好きだとは言えなかった恭一も、お互いが諦めなかったからこそ結ばれたのだなぁとジーンとしました。
一日一日を彼らは宝物のように過ごしていくのだと思うと、少し切なく、とても幸せに思います。

11

切なすぎて泣いた、、

お久しぶりの奥田枠先生の新刊ですね。
これは大ヒットでした。
発売日にメイトで購入
上下巻での感想です。
もうね切なさの嵐でしたね、、
装丁も美しい上下巻で
楽しみにしてた作家買いですので
どちらが左右かもわからず購入決定と思っていましたがもうタイトルからもわかるように
ずっと切なくて苦しくてなんでやねんで
久しぶりに鼻水すすり泣きながら読むBL作品でした。
美人の方が攻め
陽キャ不幸な方が主人公で受けです。
期待どうりのカプ
大好きな両片思い同級生ものに
毎日21歳を繰り返す記憶障害という特殊設定
そしてしらんまに女と結婚している、、
ひいっ、、なんと恐ろしい。。
女が地雷な人は一応ちゃんと
愛しあう2人のはぴえんなので大丈夫です。
上下巻でストーリーも練られていて
すごく読み応えもあって
刺さりまくりました。
奥田先生はアンチアルファが大好きだけど
作風は違うけどこちらのがさらに好きかもしれない。
ほんとに久しぶりに切なさが心にしみるお話で
奥田先生うますぎ、、って思ってしまいました。
なんとか幸せな前向きなラストで
よかった。。
ミチ恭一どちらの思いにも泣かされます。
とてもおススメ。

11

タイトルの上書きが秀逸

ミチは灯の気持ちと恭一のこと、どちらとの過去も引き受けたかったけど、難しいだろうと私は思っていて。
残酷だけど。記憶、関係性の両面で。

ミチは一旦灯を大事にすると決めたところから、結局離婚するまでの経緯が自然で納得のいく流れでした。

ミチは毎朝、灯のことは忘れているけど、恭一のことは覚えているもんね。

記憶障害になってからのことは覚えていないけど、恭一とのことを記録しておけば、ミチが望んでいたことだし受け入れられる。

「俺が忘れても みんなの中ではなかったことにはならない」
それですよ!と思いました。

それでミチは灯だけでなく、恭一とのことも清算しようとする。気持ちはわかる。

灯を大事にすると決めたミチを見てから、落ち込んでいた恭一。やつれ方が思いの強さを物語っている。

そして、ミチのひとりで生きていくという決意を恭一は受け入れられない。
恭一の気持ちが通じる場面はよかった〜となりました。

ミチのお父さんの言葉もいい。
「道夫が毎日一生懸命生きてる 十分なくらいだよ」

上巻冒頭のシーンが上書きされていくのが、おお!と。
これが見たかった〜というのが叶えられてうれしくなりました。

ミチにとっては、初めてだけど初めてじゃない。
恭一が慣れている理由もわかる。
もう終電には乗らない。

午前2時を超えて 一つのベッドで眠りにつく

ここにたどり着くまでの上巻冒頭とこれまでのお話。

午前2時を過ぎ眠りについたミチが朝目を覚ますまで、恭一がずっと見ているシーン、とても好きです。

そして、ミチのメモ
「目の前の親友が恋人であること。」
が笑ったし、そうそれがいちばんいい!となりました。
悲しい記録を上書きしてあげたんですよね、恭一が。

恭一の新しい住まいは、ミチは毎朝覚えていないだろうけど、恭一が毎日迎えてに来てくれる。
2人なら新しい未来をしあわせに迎えられるだろう、という終わり方がステキでした。

12

切なさと萌えが詰まってる

『午前2時まで君のもの』の上巻と同日発売になった下巻。続きものなので上巻が未読だと理解できません。上巻から読まれることをお勧めします。

さて。
上巻の表紙はミチで、視点もミチのそれで進むストーリー展開でしたが、下巻の表紙は恭一。そして、視点も恭一視点になります。上下巻、二人それぞれの視点で読むことで二人の感情の機微が見える造りになっています。

中学の時に自分に声をかけてくれたミチ。
いつも自分の手を引いてくれたミチ。
そんなミチを、恭一はずっと好きだったー。

ミチも恭一も、お互いに相手を想うがゆえにすれ違っていく。
王道の両片想いのお話ですが、そこに男同士という葛藤、そしてミチが既婚者になったという出来事。そして、ミチの記憶障害。そういったバックボーンが、王道のそれと一線を画すストーリー展開にしています。

夜、ミチが恭一の元を訪れ、二人で過ごす時間。
その時間は、「ミチの終電」まででおしまい。
タイトルの『午前2時まで君のもの』。この「君」って、どっちにもかかってるんですかね。タイトルが秀逸すぎて泣ける…。

ミチ、恭一、そして灯。
三人のこれからが幸せなものであって欲しいと願ってやみません。

奥田さん作品はドシリアスなものとか痛い作品も多かったりしますが、今作品は切なさと萌えが詰まった作品でした。エロ度もやや控えめ。それでいて、二人の深い愛情がきっちり読み取れる。

奥田作品の中で一番好きな作品です。

13

この作品が収納されている本棚

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