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表題作ベターハーフムーン

東屋圭吾,大手不動産会社の営業,25歳
椿怜王,キャバクラの黒服,21歳

その他の収録作品

  • あとがきとおまけ

あらすじ

ノリと勢いで生きるキャバの黒服・怜王と大手企業勤務の東屋。仕事中見かけた東屋に目をつけた怜王は、酔い潰れた彼を襲い身体を重ねる。その夜の記憶がない東屋は、家の退去が迫っている怜王に隣室を紹介してやり二人はお隣さんになる。(もう一回ヤれないかな)と新生活に心躍らせる怜王だが、きつい見た目の割に優しくて自分を叱ってくれる東屋を気づけば本気で好きになっていて…。硬派リーマン×尻軽黒服の格差ラブ

作品情報

作品名
ベターハーフムーン
著者
安西リカ 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784778135492
4.5

(113)

(74)

萌々

(28)

(8)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
16
得点
506
評価数
113
平均
4.5 / 5
神率
65.5%

レビュー投稿数16

いやいやこれは攻めざまぁじゃないだろう

 幸せな一冊だった。
 最初の体の関係持ったシーンが最高。酔って意識がほぼゼロな攻めを、起こさないようにこっそり大胆にえっちしちゃう襲い受け。
 中盤からは、受けのビジュアルが表紙絵からだいぶ変わります。金髪ハーフアップの玲王が好きだったから、ちょっと残念。(このイラストレーターの短髪の描き方が少し古臭いのもある)

 攻め視点になってから、受けと攻めが盛大なすれ違いを起こしていることに気づいて、心臓がギュッってなった。
 すごくざっくり雑に簡単に表現すると、攻めは察してちゃん、受けは構ってちゃんかな〜っていう印象。本当に簡単にざっくり言うとです。
「こう言ってくれるって期待してたのに」とか「こう思ってるってこと気づいてると思ってた」みたいな感じ。
 
 攻めが必死に受けを探し続けるシーン、グッときます。
 受けは自分のことを何でも知りたがって、どんどん聞いてきてたけど、自分は受けのことを何も知らない、と途方に暮れる攻めを見ていて心がしんどくなった。
 読んでいてあまりにも悲しすぎて、探偵雇って見つけてもらえ! って思った。(話が台無し)

 攻めざまぁじゃないです。
 なんでこれがざまぁなんだろう。

0

影響し合う恋

キャバクラのボーイであまり良い生活を送ってこなかった怜王と、ビジネスマンで育ちが良い東屋
東屋に一目惚れした怜王が、彼がバーのオーナーに不動産の仕事で苦戦しているのを見て声をかけたのが始まりです。無意識に水商売を馬鹿にして上から目線だった東屋に怜王が指摘して、東屋が怜王の言ったことを素直に実践し仕事のために泥酔してしまったのを怜王が家まで送り届け、眠ってしまった彼を襲います。そこから交流が増え、東屋が怜王がアパートの取り壊しになる事を知って怒って動いてあげたり、互いに良い影響を与え合う2人。やがて付き合うようになり、突然の別れが…。

まず、怜王がめちゃくちゃ可愛いです!中卒でちょっと悪い事を平気でやってしまう彼が、東屋の影響で変わって自信をつけていきます。愛情表現が素直で、「好き、かっこいい、えっちしよう」と言葉を惜しみません。東屋が昔飼っていた犬にそっくりで一生懸命に訴える姿や、素直さ、頑張って東屋の良いところを吸収する姿が愛おしい。自信をつけた結果、あるきっかけで不安になり、東屋のもとを離れてしまいます。

東屋は育ちが良く、真面目で硬い印象ですが、怜王の忠告を素直に聞いたり、怜王のために動いたり、怜王に頼まれていつもは見ない配信ドラマを一緒に見たり…可愛いところがある人です。ノンケでしたが怜王に絆されて彼と付き合う事になります。仲良く互いに幸せに日々を過ごしていましたが、あるきっかけで怜王がいなくなり、自分の今までの行動を思い返し、必死になって怜王を求める姿がたまりません!

互いに想いを募らせる様子や、怜王の一生懸命さや素直さと彼の不安、東屋の焦りと分かりにくい愛情、全てがツボでした…!

安西リカ先生の本は作家買いして失敗なく、穏やかでほっこり、読み終わると幸せになります。

余裕だった攻めが受を必死に求めるようになる様が好きな人、ゆっくりと愛情を深める話が好きな人、マイフェアレディ的に受が変わる姿が見たい人に。

3

めちゃくちゃ最高な攻めザマァ!!

攻めざまぁ大好きで、攻めざまぁモノはほぼ読んでると思うのですが
その中でも、この作品は3本の指に入る良い攻めざまぁだと思います。
しかもただ単に攻めざまぁなだけではない!

受けの怜王は、計算ができる子じゃないんですよね。
好きだと思ったら、臆せず「好き」と言うし、愛情をありったけ差し出してくる。
一方の東屋は怜王を拒否はしないけど、それだけ。
怜王の差し出す愛情にあぐらをかいてる。
でも怜王は、東屋が一緒にいてくれる、キスもしてくれる、エッチもしてくれると前向きなんだけど、ある日、ふと気づいてしまう……。

攻めザマァものって、傲慢で未熟だった攻めの成長ストーリーだと思うんですが、この作品は攻めの成長だけではないんです。

受けが攻めのおかげでめちゃくちゃ成長してる。
だからこそ、攻めの前から消える。
ここがものすごーーくいい!!
そこに至るまでの怜王の心の軌跡、そして去られた後の東屋の心境が無理なく丁寧に描かれている。

それにしても「聞き飽きた」ってなんだよ、東屋てめぇぇ!!って思います。
万力で、その口を締め上げてやりたいくらい!

後半の攻め視点は、本当においしくて繰り返し読みました。
怜王が何も言わずに消えたため、怜王が消えたことすらしばらく気づかない東屋のあほたれ。
「俺がなにをしたんだ?」って、あほたれ。
「なにも言わずに去ってしまったことが、どうしても呑み込めない」って、あほたれ。
あんなに大好き大好き言い続けてきたって、東屋の心には何も伝わっていなかった事に気づいたから怜王は絶望したし、もうこれ以上何かを伝えても仕方ないと悟ったんでしょうが。
だって電話口であんな鬱陶しそうなやりとりされちゃったら、「さよなら、今までありがと」ですら、そんなことわざわざ俺に言う必要ある?!とか言われそう……と思っても仕方ない。

ちなみに、攻めざまぁは単に攻めが弱るだけではNGだと思うんです。
己の愚かさにようやく気づいて愕然とし、受けはこんな気持ちだったのかと悟り、真摯に反省し、何かと受けの不在を噛み締め、受けを想い続け、受けと出会った暁には……!!と固く誓う。

この作品にはその全てがありました。

かなり執拗に(褒めてる)怜王の行方を探すところもいいし、ようやく出会えたのに……ってところも最高。

鍵を探すところが良かったなぁ。このカップルらしくて。
そこにもってくるところが素敵。
その後、再会エッチに突入しなかったところも、素敵。

そして、怜王は可愛い。めちゃくちゃ可愛い。








6

面白かったですが

裕福なお坊ちゃん育ち×劣悪な環境で育った元ヤンみたいなカップルでした。環境の違いも乗り越えて親しくなっていく序盤はワクワクしましたし、攻めと出会い、どこか投げやりに生きていた若い受けに自我が芽生えてだんだん意識高く成長していく様も良かった。

攻めは4つ年上の25歳でこういう話にありがちな包容力のあるタイプではなく、良い所はたくさんあるけど若いのもありまたまだ人間的に未熟。受けが努力して自分を大切にし始めたため一方的すぎる自分の想いに疲れ、傷つき、すれ違っていく悲劇がありましたが…

いわゆる傲慢だった攻めが反省する攻めザマァ的な話ですが、私は受けの方も恋愛以外の色々な恩を受けたのにあの何も言わずに急に消えるというやり方はちょっと酷いと思いました。手紙やメールくらい残してもいいのに、と。そこまで余裕ないくらいに傷ついていたのでしょうが「今までありがとう」くらいは言ってほしかった。この辺が評価萌止まりの理由です。

元サヤになった後も名家のような攻めの実家はかなりめんどくさそうなので前途多難だな、元ノンケの攻めは将来そういうイザコザ達ともちゃんと戦えるのかな?とちょっと不安に思えました。

4

難しいこと

2冊ともほんっとうによかった!安西先生らしく劇的な展開はなく、でも着実に積み上げる情愛がたまらなくひしひし胸にのしかかります。

先生の描かれるわんこ受けが本当に好きで、駆け引きなくストレートになんども愛を伝えるところが読みながら思わず「可愛い、、」って声に出ちゃうんですよねw 三段活用w
個人的に両片思いのじれったさがあまり好きではなく先生の文章は読んでいて気持ちいいです笑

今回も激しい展開などはなく出会ってから順調に関係が進んでいきますが、途中で玲王に感情移入し段々と息苦しくなっていきます。
玲王が関係をスパッと終わらせたところが気持ちいいですし、ちゃんと東屋さんがストーカーになるし(東屋視点なのであまりヤバさが伝わらない)
この展開がたまらなく好きですw
お互いの精神的な成長が今回のお話では大きなポイントでした。
終わり方も全く派手ではないですけどこれからもずっと進んでいくだろうなぁていう優しいエンドでよかったです。

3

安西先生版プリティウーマン

めちゃくちゃ良かったです!安西先生版プリティウーマンならぬプリティマン。
始めの頃の怜王は危なっかしくて、東屋との初めての時もハラハラしました。けど、素直で可愛くて。
東屋の影響を受けて、成長し変わっていく姿はいじらしかったです。
想いが溢れて、結ばれた時は自分の事のように嬉しかった。恋人のように暮らす日々は素敵だけど、言葉がない東屋に対して不安を募らせる姿は胸が痛かった。東屋の転勤をきっかけに離れた怜王の勇気はかっこよかった。
東屋のターンになって、より怜王の辛さが感じられて涙がとまりませんでした。東屋の心情が解ったら余計にすれ違いが悔しかったです。東屋が諦めなくて良かった。
再会後の怜王の戸惑いも解る気がして、それでももどかしくて。やっとで結ばれた時はすごく嬉しかったです。
互いに影響を与えあえて成長していける2人が素敵で、かっこよかったです。この2人の先のお話が読んでみたいです。

みずかねりょう先生のイラストも素晴らしい!ハーフアップの怜王可愛かった!何より幸せそうな2人にときめきました。

5

こちらの作品も凄く良かったです!

同じ日に発売された他レーベルの作品も面白かったですが、こちらの全編書き下ろし作品も秀逸でした。


個人的に好きだったのは流されて生きてきた怜王が、東屋と出会って関わって行くうちに自分を大切にして行くことを知った点です。自分が何をしたいのかその為に何をすれば良いのか、ちゃんと自分で考えて行動できるようになったことに胸熱でした。

だからこそ、怜王の愛情に胡座をかいて悲しい思いをさせた東屋に腹が立ったのですが、その後の彼の焦燥と怜王を諦めない様子に更に胸熱になったのでした。

久しぶりの攻めザマァらしい作品が読めて胸躍りましたが、その後の同棲する2人のお話も読みたいと思ってしまいました。

怜王と再会して再び恋人同士になってからの、不器用ながらも言葉を尽くす東屋にも成長を感じさせるお話になってました。

どちらも神評価ですが、好みで言えば他社レーベルの「普通<ベータ>の恋人」の方が良かったです。あちらは雑誌掲載作と書き下ろしから成ってますが、同時に素晴らしい2作を発表する安西リカ先生はやはり実力のある作家さまだと再確認しました。

3

流されていた二人の成長過程がとても良い

面白かったー!
怠惰に流されて生きてきた受けの怜王が、好きになった攻めの圭吾と出会って、恥ずかしくない自分になろうと少しずつ努力していきます。すごくいじらしい。怜王の成長の過程が見ていて微笑ましいです。
でも、その「好き」の気持ちと比例するように圭吾にぞんざいに扱われている自分がみじめだと感じるようになる様に胸が痛くなりました。この辺りの安西先生の描き方がいちいち上手いです。

そこからの攻めザマァ展開もよかった。
帯に流されて生きてきた俺に〜とあるんですけど、圭吾目線の描写を読むと、流されていたのは怜王だけじゃないんですよね。
圭吾も家父長至上主義の家の末っ子で目立つと叩かれてきたから彼にも「どうせ自分は」みたいなところがあるし、人を心から信用できない。だけど、出会った怜王の底抜けに明るさと開けっぴろげな愛情に救われて圭吾もいつしか成長していた。そのことに気づいてから必死に怜王を探す圭吾に読んでるこちらも溜飲が下がりました 笑

また安西先生の作品が好きなりましたー!

4

受けの愛に胡座をかいていた攻めのざまぁが良い

とても良かった。
キャバクラのボーイ受けと不動産会社の営業攻め。

いつもコンビニで見かける好みのイケメンと色々あって親交を深める話。
そして攻めと出会ったことで受けの人生がガラッと変わる物語。

攻めとの生活の中で自然に価値観や生き方が変化していくのが良かった。お箸の持ち方をマスターして自慢げな受けが可愛い。勉強が苦手で契約書や難しい話など自分にはわかりっこない、自分はバカだからと思っていた受けが、そうでもないかも?気付きを得るシーンも印象的でした。

そうやって価値観が変わっていくことで攻めと一緒にいることが辛くなっていく展開がめちゃくちゃ面白かった。最初は片思いで全然つり合わない自分と仲良くしてくれてそれだけでラッキーで、自分のお願いに付き合ってくれるだけで満足だったけれど。自信がついて自己肯定感が備わってくると自分を大切にできるようになって、雑に扱われたり蔑ろにされることが辛くなってしまう。

攻めはコミュニケーションが下手で愛情を言葉にしない自己完結型の不器用。そして愛想を尽かされちゃう。受けに振られたと気付いても心当たりが無さすぎて困惑してた攻めが自省して受けを追いかける展開がとても面白かった。

久しぶりに会ったボーイ時代の友人と会話が続かず、自分が変わってしまったんだと自覚して寂しさを覚えるシーンも印象的でした。「この人を追いかけて、怖いくらい、遠くまで来た。」感慨深いセリフです。

13

攻めザマァ萌え

安心安定の安西先生印でした!間違いない一品です。

ぱっと見は、中卒のキャバ黒服受と高学歴有名企業リーマンの格差BLですが、出会ってお互いが影響しながら、それぞれのコンプレックス、欠点を克服していく成長のドラマでもあります。要所要所で姿を現すお月様はいつもハーフムーン。ベターハーフ=よき配偶者、という意味とあわせて、このCPにピッタリなタイトルと演出だな!と思いました。

前半は主に受の、後半は攻の変化が描かれています。正直前半は、ふたりとも”だめじゃん!”な印象で、なかなか心が寄り添わなかったのですがw、受が好きな男に対して一生懸命なところ、そこから、彼にふさわしくありたいと努力して変わっていく様がめちゃくちゃ健気で、応援しながら読んでました。好き好き言ってくる受に対して、態度では受け入れているものの一向に気持ちを伝えない攻にはめちゃくちゃもどかしさがありました。
そんでもって、引っ越しの件ね!もう、あの攻の態度は”キーーーーー!!”でしたw。疲れてるにしても思いやりなさすぎ。。普段なら率直な寂しさを伝えるのに、肝心なときに素直になれない受の気持ちが切なかったです。お互い相手に期待しちゃって、待ちの姿勢(そして独断で結論)になってしまうという恋愛における意思疎通の難しさが巧みに描かれていると思いました。

受視点から後半は攻視点に変わります。まさかの自分がふられた状況に呆然として、失ったものの大きさに気づく攻!いえーい!反省しやがれ!な気分で俄然盛り上がりましたw。まぁでも、照れ屋でうまく愛情表現できない昭和のお父さんか!みたいな攻、嫌いじゃないです。言葉が少ない分、直接行動してくるし、ここぞ!ってときの飾りのない言葉の破壊力たるや…泣いちゃうよね。(わかる)

というわけで、みずかね先生の美麗なイラストも眼福、読み終えて優しい気持ちになりました。
末永くお幸せに!!

8

たまんない

先生買い。上手いなああああああああと思ったので神にしました。シンクロしちゃって先生の思うように盛り上がって、amazonさんのペーパー欲しいからそっちも買って、たぶん電子も買って永久保存。そこらへんに居そうな傲慢男とキャバクラ勤めの子のじんわりお話、本編250Pほど+あとがき。

働いているキャバクラ近くのコンビニで、最近毎日見かける超好みのリーマン男子。その日も見かけて、ノリノリで後をついていったら、どうやら入っていった店にビルの建て替えで退去などの説明をしているのだけど、マスターと揉めだして・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受けの祖母、バイト仲間少々、攻めの元かの、友人ぐらいかな。

++ きゅうきゅう胸が痛いところ

受けが攻めのことを好きで好きで好きで好きで、攻めから言われたこともあるけど、それを素直に受け入れ、少しずつ頑張って見直して!思いを受け入れてもらった後は毎日「好き、かっこいい、えっちしよ」って開けっぴろげに愛情表現をしてるんだけど、ある日、気付くんですよね。自分がないがしろにされているってことに。気づきたくなかったのに、気付かざるを得なかった。そこがもーーーーーーーーーーーーーー胸が痛くて。すっかり受けにシンクロ、入れ込んで読んでいたから涙ぽろぽろ。

攻めがくそったれな奴なら、「そのまま捨ててしまえー-------」と吠えるんですが、なんとなくこの攻めは嫌いになれない。というのも、受けと連絡取れなくなった後、時間かけてフラれたことを受け止め、自分の気持ちと向き合って、気付くんですよね。受けが大事な存在だったのに大切にしていなかったことを。気付いたし、受けを見つけ出したし(調査会社雇えよという気はする)、これからは受けをちゃんと大切にしてくれそうだし、超イケメン諸条件は超優良なので、読後は幸せあふれた心地のするお話でした。

どっかに落ちてないかなこんな元傲慢男。

9

好きだからこそ

今回は不動産会社の営業マンとキャバクラボーイのお話です。 

気ままに生きてきた受様が変わった攻様との恋の顛末と
まとまった2人を描いた短編を収録。

受様は干す狂いの母が未婚のまま産み
水商売をする祖母の手で育ちます。

受様は高校に入るもすぐ退学し
夜の世界に入りキャバクラボーイとなります。

祖母から惚れっぽいのは家系と言われるほど
受様はその手の相手に困りませんでしたが

好みど真ん中のイケメンが
店の近くのコンビニに来るようになり
なるたけ眼福に預かろうととします。
この彼が今回の攻様になります♪

ある日、入店前に入ったコンビニで
思いがけず攻様に遭遇し、攻様が店を出る際に
そのまま彼の後を付けてしまいます。

攻様は老朽化の激しいビルの店に入り
受様もその店に入ると攻様は書類を出して
店主に話しかけていてムッと睨まれてしまいます。

攻様は仕事中だからと注文もせず
店主が出したビールすらも拒んで話を進めていて
店主を怒らせてしまいます。

受様は一騒動になりそうだと支払いの声掛けて
さりげなく攻様に退店を促しますが
店を出た攻様にお高く留まった偉そうな態度について
一言いわずにはいられませんでした。

そして攻様の売り言葉を買って
「俺ならあんなの5分でサインをもらってやる」と
啖呵を切る事となります。

ところが店が終わる時間に待ち合わせた場所で
受様が見つけた攻様はほぼ酔いつぶれていて
受様は攻様を自宅に送るハメになります。

しかも攻様が潰れたのは受様の徴発に腹を立てて
店に戻って飲酒しながら話を粘った為らしく
ベツドに転がすと反応が鈍くなり・・・

受様は据え膳な攻様を美味しく頂いてしまうのです♡

下心満載の受様にはラッキーな一夜で終わるはずでしたが
攻様にとってはそうはいかなかったようで・・・

新卒で大手不動産会社勤務の攻様と
高校中退でキャバクラ務めてをしている受様の
恋物語になります♪

受様は攻様から迷惑をかけたお詫びにと
食事に誘われた席で立ち退きを迫られてる話をした事で
攻様に退去から新居の紹介までされる事となります。

しかも紹介されたのが攻様のアパートの隣の部屋で
受様は益々攻様に惹かれていく流れなので

朴念仁な攻様が自分の気持ちに気付くまでが山場かしら??
とワクワクで読み進めていたのですが
思ってもいない流れで受様が離れて行っちゃうので
更にワクワク&ドキドキ増し増し♪

攻様が受様に手を取ってもらえるまで
とっても楽しく読ませて頂きました (^O^)/

ほぼ受視点ですが受様が離れてしまってからは
攻視点になってぐるぐるな攻様が読めたのも
面白かったです。

6

2人とも成長していて好きだわ(*^ω^*)

表紙のチャラそうな受け様の姿に悩んだのですが、読んで良かった(*^_^*)
安西先生のお話は、やっぱり好きだなぁ(*´∀`*)


受け様は、キャバクラの黒服の怜王。
攻め様は、大手不動産会社勤務の東屋。

見た目どストライクの東屋が酔い潰れているのを、これ幸いと送りオオカミになる怜王。
あまつさえ、帰りながら(ご馳走様)なんて心の中で言ってる怜王の姿に、これは私の常識ではちょっとなぁ、とモヤモヤ。

でも、怜王が東屋とお隣さんとなり、親しくなるにつれ、どんどん変わっていくんですよね。
元々素直なので、それはもう劇的に好意的に。
頑張る事ができるようになり、夢や目標を持ち、自分を大事にできるようになっていく。
怜王の成長を目の当たりにして、私もすっかり怜王を好きになって母目線で見守っちゃいました( ^ω^)

怜王からの好きに絆される形でカラダの関係を持ち、半同棲のように過ごしていた2人だけど、東屋が異動で引越しすることになり。
東屋を嫌いになりたくないから別れる決断をする怜王が、健気で愛しくて。
クソー、東屋め!なんだよ、この朴念仁の唐変木ヽ(#`Д´)ノ

なので、その後の攻めざまぁな東屋の姿にスッキリ。
怜王からの好意にあぐらを書いて、自分では何もしていなかった事実を省みて反省して、怜王を探し始める。

再会してからも、もうページ少ないけど、これどうなるの!?と最後までハラハラで、その分ヨッシャーでした"(ノ*>∀<)ノ。

共にお互いに影響を受けて成長していて、ベストカップルじゃんな2人がとても素敵でよかった(*ˊᗜˋ)


イラストはみずかねりょう先生。
表紙と口絵でタイプの違う受け様を美しいカラーで見ることが出来て儲けた気分♡

9

硬派で不器用な男は気付きました

すごく良かったー…。途中、怜王に感情移入してしまって泣いてしまいました。

この作品の攻め様は硬派で言葉足らず。この性格が原因で怜王とすれ違っていくので、心臓めっちゃ痛い…読んでるこっちは、ちょっと待ったぁー!状態ですよ。東屋に怒りです、怒り。


怜王の一目惚れから始まる恋物語。
怜王の東屋に恋する気持ちや態度が本当に可愛くて、そしてチャンスがあれば近づきたいし、触りたい、キスしたい、エッチしたい…と思う気持ちが何というか正直で…東屋との恋に頑張る姿が微笑ましいです。

東屋との出会いで、上手くなかったお箸の使い方を変えたり、仕事を昼間にシフト、それきっかけで高認試験、保育士になろうと目標まで見つける怜王。
え・えらい…・。何て良い子だろう…
最初は好きな東屋に合わせるという意味しかなかったものが、次第に自分のためという目的にシフトして、自分のなりたい目標まで見つけて頑張る姿は拍手ものです。私はすっかり怜王の恋や生き方の応援団長になりました。

そんな怜王の恋心を知ってるくせに、怜王の好き好きアピールに胡座をかいて、自分からは怜王に“好き”の気持ち1つも言わないし、肝心な自分の気持ちも伝えない、そのくせ怜王からのアピール待ちはするという、悪い意味での硬派男•東屋にイライラしっぱなしでした。
怜王が傷つき離れていくのも当然。怜王が自分の傍から居なくなって初めて、その存在の重さに気付くっていうね…。

怜王の悲しい視点でストーリーが進んでいて、東屋の気持ちが自分にないことを察して諦めようとした怜王の痛過ぎる胸の痛みを感じて私は涙が止まりませんでした…。好きな人に拒絶されること、振り向いてもらえないこと、好きって言ってもらえないこと、恋人だと思っていたのは自分だけだったのか…と落胆してしまったこと。怜王の切ない想いが伝ってきて、東屋に殺意すら湧きましたわ。
(あの冷たい態度、あり得ない)


怜王が東屋の前から姿を消してからは、東屋に視点が移り、そこからは東屋の思いを知ることになるのですが、はぁ?としか言えません。

ありがちなやつ。本当は怜王のことが好きでしゃーないんです東屋は。怜王が離れてしまったことで、自分の今までの態度を見直すんです。(遅いよ)

今度は東屋が怜王を追いかける番。
ストーカーばりに追いかけるくらい好きなら、最初から気持ちを伝えておけよと思う。

東屋が怜王に「好きだ」と言っても怜王に振り向いてもらえなかったときの一文に、
「反応のない相手に自分の気持ちを伝えるのがこんなにもエネルギーのいることなのだと、初めて知った」
とあって、このセリフがすごく刺さりました。

そのエネルギー使うことを怜王はずっとしてきたし、自分の望む反応がなかったとしてもいつか東屋から返してきてくれるって、期待しながら待ってたんですよ。言わなくても分かるだろって相手に期待しないで自分から気持ちを伝えていって欲しいです。それが東屋の怜王に対する懺悔であり、何よりの愛情表現です。


硬派で不器用な男の恋愛下手に振り回されて、怜王も私の心もだいぶ疲弊しましたが、とても面白くて読む手が止まらなかったです。途中ツラいけど、切なくてもハピエンがあるって思うから期待して読んじゃう(笑)

追われていた側がバカやっちゃって、追う側に回る話が好きなので、神評価にしました^ ^
切なくてすれ違いものの恋愛ストーリーがお好みの方におすすめの作品です。

16

タイトルの意味

ショコラ文庫の同時発売のもう一冊と一緒に購入。

受の怜王目線が強いストーリーだけどふっと攻の東屋視点になったりするのにも違和感なく、すらすらあっという間に読めた作品でした。

怜王がゲイ設定なので東屋に対する行動と言動に違和感なく、それに対するノンケの東屋との距離の近づき方も凄く自然。東屋の性格が尖っていて言葉足らずだから良かったのかな。

ストーリーは大きな盛り上がりはなく割と極日常の流れなんだけど、だからこそノンケ×ゲイのカップリングのリアリティさが伝わって、東屋の心がじわじわ怜王に侵食されていく様子に読者目線ながらシメシメなんてほくそえんでしまいました。

東屋が自分の気持ちに気付いて失ってしまった怜王を探し回るところが最大の盛り上がり場面で、ラブシーンより興奮したかも。

レビューされている方も書かれていますが成長物語ですね。
心の成長としては特に東屋のかな。

タイトルの意味ですがずばりではなくひっそり二人を見守っている月のさりげない描写が美しかったです。

表紙カラーの配色が私的に嵌りました。凄く綺麗ですし、口絵では金髪ではない怜王が見れたのも良かったです!

7

安西さんらしい1冊。

作家買い。
作家買いですが、みずかねさんが挿絵を描かれていたので速攻でお買い上げしました。

攻めさんのことが大好きで、ワンコのように尻尾を振りまくる受けちゃん。
寡黙で感情を露わにすることはあまりないけれど、受けちゃんのことを大切に想っている攻めさん。

という、安西さんワールドへようこそ!な1冊でした。安西さんらしさに溢れた、そんなお話です。



主人公はキャバクラの黒服として働いている怜王。
学歴もなく、その日を楽しく過ごせればいいと思うお気楽な青年。そんな怜王は、ある日好みドンピシャな青年(怜王は周囲の人たちにゲイであることをカムアウト済み)と出会う。

ひょんなことからそのイケメンさん・東屋と一晩を過ごしてしまう怜王だったが、それからどんどん東屋さんに惹かれていって…。

怜王という男の子はですね、派手なビジュアルに能天気でお気楽な青年。東屋さんが酔っているのをいいことにこれ幸いと頂いてしまうビッチさんでもある。酔って意識がない相手に乗っかっちゃう、という部分に若干のモヤモヤを感じつつ、もしかしたら好きになれないキャラ…?という不安をも抱きつつ序盤読み始めました。

が、ここから怜王の可愛らしい内面がこれでもかと描かれていきます。
薄幸で、でもそれを人のせいにせず、己の不幸を嘆くでもなく、彼の素の内面がめちゃめちゃ素直で可愛い。思わずエエ子や…と親戚のおばちゃんのような感想を抱いてしました。東屋さんのことが好きで好きで一生懸命なのも良い。東屋さんにふさわしい男になるために奮闘する。とにかく、可愛いのです。

そんな怜王の好意を一身に浴びる東屋くん。
彼はねえ、悪い子では全然ないんですよ。むしろ、人づきあいという面で不器用なところが可愛くてギャップ萌え。ほかのことはすんなりとこなすパーフェクトボーイなのに(何しろ家柄良し、イケメンで、有能な営業マンだ)、その一点で怜王に負け負けなのが可愛い。

が、この東屋という青年がですねえ…、唐変木というのか、すっとこどっこいというのか、はたまたぼんくらというのか。怜王の好意に対して、彼が取る行為はかなり好感度が低いです。

が、だからでしょうか。
そこから、彼が成長していく姿が眩しいです。健気で良い。

東屋の幼馴染くん(彼がナイスガイ過ぎたので、ぜひとも彼のスピンオフを書いていただきたい)の言うセリフが言い得て妙。
好意に胡坐をかいていちゃダメなんだなあ、と。
当たり前にある「それ」は、決して「当たり前」ではないんだなあ、と。

正反対に見える二人の男の子たちの、成長物語です。
出会い、心を通わせ、そして愛したからこそ、己を成長させていく二人の姿に萌えがギュギュ―ンと高まりました。

みずかねさんの挿絵は今回も神。
みずかねさんの挿絵が、萌え度を確実に上げた感がありました。

13

この作品が収納されている本棚

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