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恋愛要素を期待して読むと肩透かしを喰らいます。
話は面白かったのですが、受けのガブリエーレのかっこよさばかりが目立つ作品という印象でした。攻めのアレッシオは正直影が薄かった。
二度目の人生が割と予想通りに進んでいくし、最初にアレッシオと致してからガブリエーレがそういうことにすぐ慣れてしまうのもウーンって感じでした。
逢瀬してとりあえずヤッて日々の疲れをお互い癒し合って…みたいな描かれ方。まぁある意味ではリアリティがあるのでしょうが、一度目では生娘のようにピュアだったのに違和感を覚えました。
最後はスカッとする終わり方ではありましたが、あっさりと終わってしまったとも思いました。トントン拍子とも言うんでしょうか。何もかも上手くいっていて、一冊で綺麗にまとまっているとも言えます。
小中先生得意の攻めザマァ展開も期待しましたが、今回はそれもありませんでした。代わりに悪者を退治したスカッと感を味わった感じでしょうか。
評価が良かったのと、いつもの展開を期待しておりましたが、途中で読むのを止めてしまいそうでした。終わりよければ全てよしで、読後感はよかったです。
「これで、ようやく死ねる」
物語の始まりは強烈なモノローグ。
赤黒く染まった石畳。喚き立てる観衆。無慈悲な断頭台。
愛していたはずの恋人・アレッシオにも裏切られ、愛憎入り混じるどろどろとした感情と絶望感に襲われながら、今まさに命を絶たれようとしているガブリエーレの姿に釘付けになってしまう。
もうこの時点でこれは面白いに違いないぞと確信した方はきっと少なくないはず。
読み進め始めたらページをめくる手が止まらない。
読み手を没頭させる魅力がある作品でした。
奈良先生の挿絵も素晴らしい。
以下、大きなネタバレはないレビューとなります。
帯にもあるタイムリープの文字を見てしまうと、うん。最近流行っているよね。なんてちょっと斜に構えてしまった自分がいなかったと言えば大変失礼ながら嘘になるのが正直なところですが、小中先生が仰っているドシリアス"死に戻り"ファンタジーというワードに思わず心が躍ってしまいました。
死に戻り。ものすごいパワーワードじゃないですか?
いやあ…すごい作品です。本当に面白かった。
物語全体に流れる雰囲気はかなりシリアスめなもの。
というのも、あらすじにもあるようにこちらの作品は、一度死んだはずの主人公・ガブリエーレが死に際ギリギリまでの記憶を持ったまま、なんの因果か数年前の過去へと巻き戻ってしまった先で、今まで自分を陥れた者すべてへ復讐を果たそうとするお話なのです。
これだけを見ると、なーんか難しそう。しかもファンタジーなんでしょ?と思う方もいるかもしれない。
ただですね、なぜ・なにがあっての今なのかについての説明が簡潔でわかりやすく、小中先生が書かれる文章も読みやすいため、物語の世界観にするりと入り込めます。
復讐という題材のシリアスさと恋愛面のバランスが絶妙なので、最後まで飽きずにぐいぐいと読めてしまう。お見事です。
時が巻き戻った世界で復讐を誓ったガブリエーレ。
いっそ愚鈍とすら感じられるほどに清廉潔白で真面目な人です。
これは周りから疎まれることにもやや納得が出来てしまうかもしれないな…と思える、なかなかに色んな方面でお堅い人物像でしたので、そんな彼がこれからどんな愛憎劇を繰り広げるのか?と思っていると、これがまた良い意味で予想を裏切られていくのが気持ち良い。
1度目の人生を軽く振り返った時点での彼への印象は、個人的にはあまり好ましいと思えるものではなかったのです。
むしろ、ガブリエーレよりも攻めのアレッシオに対しての方が好感度が高かったのかもしれません。
…だったのですが、どん底もどん底からの"死に戻り"を果たした彼といったら、魅力がどんどんと増していくではありませんか。
強く賢く、人間くささもある魅力的な青年へと変化していく様は(繰り返しになりますが)非常に気持ちが良く、読み終える頃にはとても好ましくてたまらない存在になっていました。
相乗効果でなのか、謎めいたアレッシオに対しての印象も良い方向に変化していくんです。
快活そうに見えて弱い部分もある攻めがお好きな方はきっとお好きな攻めだと思う。
欲を言えば攻めのアレッシオ視点ももう少し読んでみたかったですね。
2人の間に流れる甘い雰囲気も、1度目の人生では見られなかった関係性の強まりも、2人を取り巻く周囲の人々も非常に魅力的でした。3バカ騎士トリオが私は好きです。
誰が味方で誰が悪なのか?
誰も信じられない状態から誰を信じ、複雑に絡み合った巨大な思惑の謎をどう解いていくのか。
作中に散りばめられた少しのヒントをガブリエーレ達と共に集めながら、大きな真実に辿り着いた時の面白さたるや。
ぜひ1度読んでいただきたい作品です。
ファンタジー作ではありますが、小難しくはなく、かといって決して軽くはない読み応えのある360P超。
これはうれしい分厚さですよね!
あっという間に読み終えてしまうほど面白かったです!
コミコミスタジオさんの特典ペーパーにアレッシオ視点のSSが掲載されているので、入手が出来そうでしたらこちらもぜひ。
死に戻り&復讐ものという好きな要素たっぷりの作品ということで手に取りました。
愛する人に裏切られるなんて…
なんで…という気持ちで読み始めたのですがとても面白かったです。
処刑場面から1度目の人生を振り返る描写で物語に引き込まれました。
家柄が良く清廉潔白で信仰心に厚いガブリオーレ(受け)が教会で順調に出世していったところで不正を見つけてしまい濡れ衣からの処刑されてしまいます。
恋人アレッシオ(攻め)にも見捨てられ強い憎しみと復讐心を持ったまま3年前へと死に戻ってきたところから物語が動き始めます。
犯人探しをする中でガブリオーレがアレッシオとの接し方も変わっていき、自分自身の行動を省みる部分が良かったです。
視野が狭く信仰のためだけに生きてきて、周りが見えてなかったガブリオーレが二度目の人生で成長し変わっていくところに共感しました。
そしてアレッシオと深く関わることで以前は知らなかった彼の秘密や弱さを理解していく展開で真相が明らかになっていき最後はアレッシオが精神的に強くなっていくことでやり直した意味が見出された気がします。
斬首されて、死んだ瞬間に、
ガブリエーレは、人生がばら色だった時期にタイムワープ。
でも、自分が死刑になった切っ掛けを証言した恋人、
二度と振り回されまいと恋人を避けまくる。
でも、あることに気付いて、自分を貶めた真犯人を突き止める。
タイムワープ+真犯人探しの推理もの。
結末は、ハピエン。
ガブリエーレの処刑でアレッシオが見せた表情。
まあ、そんな風になってしまっても当然なんじゃないかしらって序盤で思ってしまった。
告白しておきながら、釣った魚に餌をやらないガブリエーレ。そのくせアレッシオへの独占欲が強く、猜疑心の塊みたいなガブリエーレ。
復讐心がやり直し人生の支えとなって、一度目の人生でなせなかったことをあっさりなして、そこはグッジョブ、ガブリエーレ。
そして、良かったね。アレッシオ。
ふたりの関係がガブリエーレのやり直し人生によって深まっていくのは見ていて楽しかった。
ガブリエーレが一度目の人生で見えていなかった、まわりの人たちの良さが二度目でも気づけて良かった。
個人的には愛すべき三バカ、シモーネ、マリオ、ダンテが好き。
人生に時を遡ったやり直しは効かないけれども、今からだったら何かできるんじゃないかって、ちょっとだけ勇気と希望をいただけた。