電子限定描き下ろし付
<攻×攻 Dom/Subユニバース>待望の続編!
一、二巻ともにストーリー展開(外的要因による波乱の起こり方)はあまり好みでは無いのですが、主人公に好感が持てるのでなんやかんやで楽しく読めている作品です。
明るくポジティブかつ包容力のある主人公です。
壁にぶつかった時には悩みながらも一人で突っ走らず、周りを頼りながら前に進んで行くので読んでいて安心感がありました。
主人公とパートナーの対話や、監督などの友好な関係を築いている人物と関わるお話はとても良かったです。
しかし、ストーリー展開の苦手な部分は一巻よりも苦手でした。
特に終盤の攻めの兄が関わる展開が不快で読後感やや悪くなってしまいました。
評価迷いましたが、主人公の好感度は一巻よりも上昇したのでキャラの好みを重視したうえで差し引きしてこの評価になりました。
いちおう1巻でいったん完結していたお話ですが、その後の二人を描いた続編、むしろこちらの方がよかったです。
ケンカップル設定で始まりましたが、お互いの第二の性Dom/Subによってパートナーとなった二人。最初はお互いの心身の安定のために仮初めのパートナーになるという始まり方でしたが、次第にそれがかけがえのないものになっていく課程が描かれています。
Domだけれど優しい支倉は、プレイで相手にひどいことが出来ず苦悩する。
しかしSubの最上はあっけらかんとしてくよくよしないタイプで、そんな支倉をまるごと支える存在。そしてどこまでも優しく人を思いやることができる支倉のことを信頼するようになる。
というお話でした。
最上はサッカー選手で、すでにゲイは公表していたものの、プレイに影響があるということでSub性を隠していましたが、その仕事上の葛藤もしっかり描かれていてとてもよかったです。
小冊子も出ているのですがこれがとんでもなく萌えなのでぜひ。
サブスペースとは?ドムサブ物をちゃんと読むのはこの作品が初めてなので一般的なのかわからないのですが。
最上はドムサブについてはノーマルの延長と考えてるのに対し支倉は別物だと考えサブスペースに入れないことに脅迫的なくらい悩んでいることが垣間見えます。
過去にそのことが理由で恋人と上手くいかなかったので悩むのも当たり前ですが、どうして支倉がこんなに悩むのか今回明かされました。幼少期から刷り込まれてたんじゃ根が深いよね……。
世間に最上がサブであることがバレてしまってからはスポーツという特殊な界隈だとゲイであることさえもタブーというだけあってヒリヒリする展開が続きシュンとしながらも、最上が以前ゲイであることを公表して苦しんでいたことを支倉に吐露する場面、そしてそれに対する支倉の言葉にじーんとしました。
支倉のザ・ドム!なお兄さんにはイラっとしながらも最後には前向きな展開にとても満たされました。これはベストカップル賞。愛の力さいこー!
1巻は主に主に最上が救われることが多かったけど2巻は支倉が救われるのがドムサブだけれども対等な関係を感じられてすごく好きです。
すっっごくよかった!Domだけど支配者らしくできないと悩む支倉がわたしゃ大好きだよ優しいからこそだよね。そして最上が相変わらずかっこよいsubでまた好き2人らしい関係を模索してた…!周囲のサポートも感動。
前作が良く、このカップリングが好きなので続編うれしいです。
サブスペースに入れられないという、より信頼関係を深める段階に入り。
それが支倉のドムを否定する意識からきていることだとわかり。
支倉兄とその家系の圧力。
最上がサブだと世間に知られ選手生命が絶たれる危機に陥ったり。
ドムサブとしての個々の内面、社会的な立場と環境整備など、難しい側面がうまくストーリーに織り交ぜられ。
ドムサブの社会(時代)が変わっていく過程が描かれていて、とてもおもしろかったです。
支倉がやさしい性格なだけでなく、支配的なドムへの抵抗感があったというのが階級社会へのアンチテーゼにつながっていたし。
最上のシンプルポジティブ思考が差別的な社会へ風穴を開ける役割ですごくよかった。
サブは支配されるだけの存在ではないことを体現していたし。
最上の支倉兄へのセリフ
「本当に自分が正しいと思ってんなら… 考え方の違う人間を認めても アンタが間違いになる訳じゃねえんだよ」
はよく言った! と痛快でした。名セリフ。
伊丹先生もナイスでした。
すごくいい会見、アイデア、ルールだと思います。
ラストの
支倉「首輪したままこんなに男前なのは この世でお前だけだよ」
がめっちゃ萌えでした。
その直後のあとがきで
2巻の表紙も最上1ショットだけだったことに凹む支倉と謝る最上がかわいかったです。
進化するDom/Subが読めて大満足です。