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表題作ボーイフレンド17 下

臼井朔美,人気モデル,17歳→20歳
三原葉,雑誌編集者,29歳→32歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下イラスト

あらすじ

年齢も恋愛観も違うふたりが惹かれ合う不器用で遠回りで一途な恋―――完結

年下人気モデル×ファッション誌編集の真面目なクローゼットゲイ

無理やり抱こうとして拒絶されたパーティーの夜から葉に無視されている朔美。
彩のない空虚な日常を過ごしているが葉の様子が気になり
マネージャーに探りを入れてもらうと倒れたことを教えられる。
いてもたってもいられず葉の自宅を訪ねると
そこにはいら立ちの原因になったモデル仲間の大園がいて―――?

作品情報

作品名
ボーイフレンド17 下
著者
吉田ゆうこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784801979444
4.3

(109)

(68)

萌々

(26)

(7)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
12
得点
469
評価数
109
平均
4.3 / 5
神率
62.4%

レビュー投稿数12

何度読んでも泣ける

大好きなこちらの「ボーイフレンド17」シリーズ。
人の心が分からない最低野郎から、溺愛攻めへの遠望を遂げる下巻です。

上巻での衝撃的なラスト…下巻序盤、朔美から電話がかかってくるだけで気を失ってしまうほど追い詰められた葉が痛々しくて( ; ; )
ぽっかり開いてしまった二人の距離に、初めて読んだ時は「ここからどうやってくっ付くんだこの二人は…」と本気で思ったものです。

そこからの怒涛の展開が、もう、ね…
雨の日、公園で葉と会い葉の家できちんと謝罪する朔美の謝罪とその後に続く言葉に、もう、もう胸がぎゅーーーーと締め付けられました。
心と心で繋がりたかったのに、自分の気持ちに気づけなくて、一番簡単な「体で繋がる」方法を無理にでも押し通そうとしたんだね…
絶対に許される行為ではないけれど、真摯に反省し悔いていることが分かり、ここ読んでる時点で自分はかなり絆されたんですが、謝罪は受け入れた上で、葉の口から出たのは「あんまり落ち込まないで 君が弱ってると僕もうまくさよならできない」……もう、ここで滂沱の涙。

で、そこからの三原の告白と、それを必死で止めに入る朔美の言葉。…沁みました・・
「好きすぎて嫌だ」って言って涙を流す朔美を葉が優しく抱きしめるシーンで、また泣いてしまった( ; ; )

で!またそこからの3年間と3年後が…!神だった。もう、読んでくださーい…!!としか言えないんですけれど。
朔美が言った、「俺が別れる時は◯◯の時だけ」って言葉が刺さりすぎて心臓止まるかと思いました。

上巻のあの切なさやりきれなさと衝撃があってこその、この下巻の感動…ぜひぜひ、たくさんの方に読んでいただきたいです。もちろん、文句なし!!の「神」評価で。

0

セリフが魅力的すぎる!

上巻もめちゃめちゃ好きでした。
無表情の臼井くんが少しずつ変わってくところが。その臼井くんが下巻では、更に変わる!!その様が魅力的過ぎました。


以前、大好きだった彼女を臼井くんに寝取られた当て馬くんが出てきますが嫌な感じが全くなかったです。彼にガッつく感じや嫌味なところをあまり感じなかったからでしょうか。葉さんと似た歩幅で落ち着いた雰囲気だったからでしょうか。この方のが見た感じ葉さんとはお似合いでした。


とらないで、と泣く臼井くん。
世間体より君を選ぶと言った葉さん。

とっても素敵なシーンでした。


付き合った後、3年穏やかに過ごしていたようですが二十歳を迎える臼井くんを前に自分でいいのかと逡巡する葉さんに今更まだ何を悩んでいる!と活を入れたくなりますが、そうなる気持ちもわからなくもないです。真面目な葉さんを受け入れたいけど我慢は続かないと吐露した臼井くんの本音も。


先に行動してくれるのはいつも臼井くんなのかな。若さと性格故ですよね。
仲直りのすき焼きを持参して我慢するから捨てないで。なんて上巻であれだけ傲慢だった臼井くんが!!!健気すぎる…

悩みを打ち明けた葉さんに怒ったっていいのに惜しみなく愛を伝える。なんていい男なんだ……

君みたいになりたい。
俺も葉さんみたいになりたくて頑張ったよ、目標でいてくれてありがとう。 

ここのシーンがほんっっとうに好きです!!


好きなセリフがたくさんある作品でしたがどのセリフも大ゴマで印象深くハッとさせられました。
魅せ方がほんとーに上手な作家さんですね♡


2人の成長に期待しかないてす♡

3

丁寧に進む関係性がじんわり沁み込む

発売日に、作者さんのTwitterで1話まるまる試し読みがあがっているのを読んで一目惚れし、その日のうちに書店に買いに行きました。自分の勘を信じてよかった。とても素敵な物語です。
だいぶ経っちゃってますがレビューします。上下巻分まとめて書きます。

まず、独特の空気感が大好きです。素朴であたたかい絵柄が、お話と最高にマッチしています。コマ割りややりとりが、日常を切り取ったようでリアルな雰囲気を出していて、登場人物が実在している感覚になりました。表情も生き生きしていて、特に朔美くんの表情の変化には驚きました。

切なさと、未熟だけど一生懸命なピュアさのバランスが絶妙。朔美くんの"欠陥"も含めて自然で、実在感があり、とても感情移入しました。
どちらも不器用だけど一生懸命で、応援したくなる魅力的なキャラクターです。正反対だからこそ、相手の欠けた部分を持っていて、とてもいい組み合わせだと思います。お互いに影響し合い、人間として成長していく関係性が素敵です。

朔美くんの成長には驚いたし、感動しました。過程が丁寧だから、人間性の変化が自然で、想像以上の成長が素敵です。
3年後の、葉さんが戸惑うほどの細やかな気遣いも、自信がないと告げた彼への包容力のある力強い言葉も、相手がめちゃくちゃ大好きで大事にする姿に震えました。

葉さんも、不器用で自分に自信がないところが共感しやすく、ピュアで一生懸命で、愛情深い思考に惹かれました。決して弱くない、芯のある人物。
描き下ろしは、特に葉さんの魅力が溢れていて、朔美くんの恋や、最高すぎる最後の表情にも納得させられる。

軸になる、ふたりの出逢いを描いた冒頭が、とても印象的で運命を感じました。朔美くんが葉さんに心奪われた説得力がすごいです。朔美くんが初めて心動かされたのが葉さんだった、というのが最高にキュンとしました。

大園さんも素敵なひとでした。いいご縁があってほしい。人間的で優しく、彼が関わることで朔美くんと葉さん、それぞれの人間性や魅力が浮き彫りになり、面白かったです。彼のお別れの仕方が、とても心に残りました。
この、大園さんが関わっている、ふたりに距離があるけど相手を大切に想っている期間が大好きです。あまり読んだことがない関係だったので新鮮だったし、とても素敵な関係でした。それをみている第三者、という構図も深みを出していて、このお話の実在感、閉じてない世界がよく表れていると思います。

幸福感に包まれる、優しいお話。上下巻ものを読んだのは初ですが、かなり満足度が高かったです。上下巻という長さを最大限に活かしたテンポ感、濃密さ。タイトルも秀逸。
何度も読み返したい、不朽の名作です。

1

どんでん返す元クズ

下巻を読んで、最高の一言に尽きます。
セリフ選びも二人のキャラクターも、もう全部が素晴らしい!

上巻ではヤリチンで他人を思いやれない顔が良いだけのクズだった朔美ですが、
下巻では別人のような彼の変身っぷりに人間 恋をするとこうも変われるものか、
とその想いの強さに驚くばかりでした。


当て馬・大園の登場により感情を制御できずに無理やり葉を押し倒し、
信頼関係を自ら壊してしまった朔美。
以来、葉からは避けられ、自分から葉を訪ねるも拒絶されてしまいます。

そうしてあっけなく終えてしまう二人。

スマホの画面にうつしだされた朔美の名前を目にしただけで
過呼吸になってしまう程に傷つけられているのにそれでも朔美のことが
気になってしまった葉に好きと嫌いが表裏一体ってこういうことなんだなと
しみじみ思ってしまいました。

これで終わりっちゃうのかなと思いきや、仕事上の関係やご近所さんという
環境的要因により嫌でも出会ってしまう二人。

それでも傷つけあうことしかできない二人は互いへの想いを胸にしまい込み、
日々を過ごしていた二人でしたが、ある日、大園と葉が二人でいるところを
見かけた朔美は葉への感情が溢れ出してしまうのです。

「俺から葉さんを取らないで」と子供のように泣きじゃくる朔美は
これまでの彼からすると驚くほどらしくなくって、だけど、
彼の人格をぶっ壊しててしまうくらいに葉への想いが深いということが
ありありと伝わってきて、なんだかもらい泣きしてしまいそうでした。
普段はクールな朔美に「葉さんを諦めるなんて、死ぬ」なんて台詞は
超絶似合わない。
だけど、必死に訴える朔美のその言葉が稚拙であればあるほどに、
それが彼の心からの言葉だと感じてしまうのでした。

人の気持ちがわからないことなんてなんでもないような顔をしていたのに、
葉といると人の気持ちがわからないことが辛そうで、本当はずっと葉の気持ちが
知りたくて苦しんでいたのかなと思ったら切なすぎました。

だけど、苦しくても一緒にいるために変わることを決めた二人の関係性が
素敵でした。
そして、約束を守り、驚くべき成長を遂げた朔美には葉への底知れぬ愛を
感じました。
あんなにどクズだった朔美がもう葉を傷つけることも、
強引に押し倒すこともなく、葉だけを一途に想い、
朔美との関係に思い悩む葉を包み込むスパダリに変貌を遂げるなんて…。
上巻で朔美に抱いた悪感情が下巻を読み終えたときにはすっかり浄化されて
おりました。

想いが通じた後に「君ってどうして僕のこと好きなの?」と聞かれ、
朔美が語りだした葉の知らない二人が初めて出会っていた日の思い出も
すごく素敵でした。
たとえ声をかけられなくても、葉の視界に入っていないとしても、
黙って泣いている葉の傍にいてくれた朔美を思うと涙腺がつんとしました。

読了後、完璧すぎるくらいに完結してはいるのだけれど、
もっとこの二人のお話を読んでいたいという気持ちでいっぱいでした。

8

下巻のみの感想です

うーん、ここまで来ても葉はグダグダぐるぐるしているのかと呆れてしまいました。クローゼットゲイは沢山いると思いますが、あの自信の無さは個人の資質だと思います。

そこに当て馬であるモデル仲間の大園を持って来るのは、後々の展開に必要だとは思いましたが簡単に連絡先を交換する葉にかなりモヤリました。仕事柄拒否が出来なかったと思っても、相手がビジネス目的じゃないと分かった時点で躱すことは可能だったと思うんです。社会人ですからね。

それに大園が葉に近付いた目的も、17歳の男の子に対して恥ずかしいと思わないのかなと考えてしまってお話に入り込めませんでした。恨むべきは彼女であって臼井では無いと思うのです。

評価を萌2にしたのは臼井が葉に対しての気持ちを認めたのと、ずっと忘れられなかった理由を話してくれたのと、大園に謝ったからです。あの時の大泣きしてた葉が記憶にあった真相には、ギュンと来たし中立まで下がってた評価が萌2に上がるほど萌えました。

ただ、その後の2人のお話を読んで臼井は納得してるものの、人間ってそんなには変われないんだなと思ったので神まで上がりませんでした。
やっぱり葉は苦手なタイプの人でした。

1

気質や性格はなかなか変えられないものよ

何にも執着しない 興味もない だから物言いはすべてストレート
誤解かれることは多々あっても それを気にするでもない

出会わなければわからなかったもの 唯一心奪われた光景

ううううううん 

ストレートな言葉を意識しだした途端に道徳的な意味の年齢を気にするんじゃなく 釣り合うか釣り合わないかの問題にすりかわり そんな自分を卑下して 勝手に傷ついて
わざわざ哀れに溺れにいってるみたいで いくら恋愛に不馴れだからって年上のくせに女々しさだけが目に余った続き


変わりたい自分 変われない自分
誰かを好きになって 相手のためになりたい自分をみつけるいい話なんだろうけど

めんどくさ

いやごめんなさい
繊細すぎてあたしにはまったく合わなかった めんどくさすぎて読むのがだんだん憂鬱になるくらい

好きの意味すらわからないのに恋愛を口にする子どもに 恋に焦がれた流され受けが大人だからと一線引くのが美徳ってことなんだろうか?
未成年に手だされヤることややっちゃってビビった後の贖罪とか戒めにしか見えないのだけれど

しかも 突き放したわりに諦めきれなくてグダグダしてるのを延々と見せられるのも
これを 二人とも不器用すぎてほんと焦れったい と思わなきゃいけないんだろうけど

めんどくさッ


そう あたしの性格ではめんどくさいとしか思えなかった 申し訳ないッ!

変わる努力とやらはすべて割愛 その努力が見たいあたしとしては そこまでのめんどくさいのなんだったんだろ?と
3年たって成人してしまえばオールオッケーだけで終わらなかったのはよかったけど 結局女々しい部分を存分に発揮してくださって

うん 今回わかったことが1つ
あたし 健気受けは許せても あまりにも愚図で女々し受けはダメなんだな
気弱なのは仕方ない けど 少しの男らしさも感じられない受けに腹が立つ人なんだ ってのがわかった

いや ここがわかっただけでも このお話読んでよかった

そんな個人的なことで素敵なお話の評価下げるな ってお叱りは素直にお受けします
が どうにも合わないヤツもいるぞ ってことで お許しください

あしからずッ!

0

納得の神評価

胸がいっぱいだ…

読み終えた直後の今
沢山の想いを抱いて
素晴らしい余韻に浸っております…

神評価、納得

これは何度も読み返しますね(確信)

買って良かった…本当に…

2023/01/29 読了

2

書店買いしてからの一気読み

はー
読みた過ぎて書店買いに久しぶりに走り。
今、一気読みが終わりました。
読みはじめから、読後までの吉田ゆうこ先生ワールドが、満ち足りちゃって、情緒が大変。

これはなんと言うか、私の感覚ですが時間軸だと、午後3時から夜中までの物語。
臼井くんと葉の過ごす世界が、映像で浮かぶとそんな感じです。
でも決して暗くないの。

いや~でも自分主義だった臼井くんの生きる世界が、葉と出会って変化していく。葉の世界も変わって行く。
この2人の世界がちゃんと繋がってぴったり重なるなんて、感無量です。
すごくすごく良かった。
臼井くんの表情beforeafterみて欲しい!
どれだけ違うのよ…
葉が愛されて、愛して良いことに覚悟決めて。
読み終わっても世界観に浸ってます。しばらくこの二人の世界に漂っていたい。

そして、再認識。
年下攻めって、一回りくらいある年齢差に萌えるんだな。

上下巻で二人の表情と、セックスの違いを、ぜひ読んでいただきたいです。
最高。




4

攻めが17歳(現在は20)でヤリチン、ゲス・クズだった

表紙だけ見て、純愛ものだと勘違いして購入してしまった…

買う前に他の方のレビューや紹介(あらすじ)を読んで買ったほうがよかったのかな

攻めが17歳でヤリチン、ゲス・クズです。
好みじゃなかった。
攻めの感情も理解できませんでした…;;

4

細かいとこまで尊い

ドラマや映画みたいに凝った内容というか、すんなりくっつきそうにみえたのに時間をかけてじっくり関係が深まるのがエモかったです!!
正直吉田ゆうこ先生の作品なのでもっと拗れた受けなのかと思っていましたが、葉は理解しやすいキャラで意外でした。それより、あんなに性欲強くて誰とでも簡単にヤってた人が三年もヤらずにって凄すぎるし、めちゃくちゃ尽くすし人が変わりすぎてて愛の力恐るべしでした!

7話の気まずい時に夕飯作りに来た臼井がすきやきを作ろうとしていてなんとも言えない気持ちで叫びたくなりました笑笑 なんだこの2人尊すぎるだろ!!!!

17がネックなストーリーな印象でタイトルの意味がわかる漫画とわかりにくい漫画があるので、17って台詞で出るたびにいいタイトルだなぁって感動しました。

6

"好き"の限界点を超えるドラマがありました

下巻っっっ……!!!

さーいーこーーー!!!!

どうしたらこんなに素敵な物語を描けちゃうんでしょ。
作者さんに平伏です。
上下巻通して至高の一冊でした。何度読み返しても幸せな気持ちになれちゃう、「好き」に溢れた作品です。


上巻が、あああ……な展開でヒヤリとしましたが、下巻はそんなヒヤリもモヤモヤも完全に鎮火するほど素晴らしいストーリー運びでした。

臼井がすごいんですってば。
臼井の変化と成長に感動しきりです。
身悶えました〜〜!

だからこその三原の不安。
臼井が最高の彼氏としてのスペックを身につければ身につけるほど、三原が不安になっていく悪循環。三原への愛がこんなにダダ漏れなのに、悲しい方向へ向かうの何でだろう…。
三原のための変化が、三原のためになってないのが辛すぎでした。

ホテルもセックスも親への紹介も…何をとっても普通なら喜ぶところなのに。余計に不安になっちゃう三原の心情が切なかったです。


しかし、今の臼井にはそんな三原の不安をまるっと抱えて受け止めるだけの包容力があります。
三原の不安を取り除く優しい言葉や、三原への想いが揺らぐことがないと訴える臼井の熱い愛の告白。好きな人にこんだけの言葉与えられてるんだから、自信を持って良いんだよ^^

このシーンは永久保存です。セリフも絵も私の脳内にしっかりインプットされました(^^)v


どこのどの場面をとってもすごく良かった。
絵もストーリーもキャラクターも、セリフもコマ割りも全て。何もかもです。

上巻ではクール過ぎる印象のあった臼井。
彼は一体どういう風に人を愛するんだろうと思っていたら、こんなにも素敵な愛し方をするとは……。
"好き"の限界点を超えた臼井の想いには心の奥底から震えました。


素晴らしい作品を生み出してくれた作者さんに感謝です。
これから先何年経っても読み返していきたい、そんな素敵な恋の物語でした。

12

甘いと辛いのバランスが絶妙

『ボーイフレンド17』の下巻。

感情のすれ違いから、関係すらもすれ違ってしまった朔美と葉。
一人になった葉に近づいてきたのは、朔美を恨んでいる大園で―?

というところから下巻はスタートします。

上巻を読み始めたとき、今作品は失恋し傷心の葉が年下ワンコの朔美に愛され幸せを手に入れるお話。だと思って読んでいたんです。が、そうではなく、朔美が葉に恋をして、そして人として成長していく朔美の恋の成就のお話だったのだと、そう感じました。

下巻に入り、朔美の成長っぷりが眩しいです。
葉に甲斐甲斐しく尽くすさまは、上巻では想像もできませんでした。そして、男として、人としての懐の大きさも。

「普通」であることに執着し、素の自分をさらけ出すことができなかった葉と、枠に入ることを良しとしなかった朔美。正反対の彼らが、いや、正反対だったからこそなのか。心の奥底が、まるでピースがはまるようにぴたりと収まるところに収まった、そんな感じ。

時に傷つけあい、自分の汚いところもまるっと相手にさらけ出したからこそ、本音でぶつかり合うことができた二人にほっと一安心しました。何を喪ってもどんなに無様な姿をさらしても、決して失いたくないものを見つけ、そして手に入れた二人にずっと幸せでいて欲しいと願ってやみません。

上巻に比べて下巻は甘々。
が、この下巻の糖度の甘さは、上巻の辛さがあってこそ引き立つというもの。
反対に言うと、しんど過ぎた上巻で終わらず下巻の甘さがあるからこそ、こういう言い方が正しいかどうかわかりませんが、万人受けする作品になっているのだと思います。

甘いと辛いを、これだけ上手に読者に読ませる吉田さんに圧倒されました。

しいて言うと、朔美の家庭環境(複雑そうな感じに読み取れたのと、彼が他人に興味がないのは家庭環境のせいかな?と思ったので)が最後まで描かれていなかったことが残念だった気がしました。

あと、大園さん。
彼には幸せになって欲しい!
ぜひともスピンオフを描いていただきたいと、絶賛切望中であります。

5

この作品が収納されている本棚

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