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大好きな海野幸先生の作品ということで、ずっとずっと読みたい…と思ってはいたものの、躊躇していました。
というのも、自分自身が親友を亡くした経験があり、お話的にどうしても思い出してしまいそうで、なかなか勇気が出なかったのです。。
でも!今回アワードにノミネートされているのを見て、読んでみて本当に良かった…!
貴文が過去に戻って大好きな人を救おうと奮闘する姿、そして2度目の人生で知ることのできた湯峰の本音…胸がきゅーっとなり、涙腺が崩壊してしまいました。 。°(°´ᯅ`°)°。
なんといっても、愛しい人を救うために行動を変えた貴文の勇気と男気が良かった!!あっぱれ!と言いたくなるほど格好良かったです✨
やり直しの人生で、以前は一発合格した予備試験に落ちるという、絶望的な経験までしてるんですよね…自分だったら目の前が真っ暗になり、翌年まで頑張ろうなんてとても思えないかも。。
不合格となったことをきっかけに「なぜ自分は弁護士になりたいのか?」という根本的な問いを考え直し、胸にずっと引っかかっていた思いを育ての親である伯父さんに話すこともできた貴文。
自分の心の一番繊細な部分を伯父さんにさらけ出すのは、本当に怖かっただろうな…と、伯父さんの部屋に向かう貴文の姿を文章で追いながら、私の心もバクバクドキドキしていました。
そして何よりも!
変わりつつある貴文を見て、彼を変えたのが自分じゃなくて悔しい、と、初めて嫉妬や独占欲を抱く湯峰に、なんと言ったらいいのか…もう、きゅーん。。でした。
貴文に独占欲を許されてからの溺愛、独占欲見せまくりの姿には萌え転がるしかなかった…「他の人の目に貴文を触れさせたくないから」貴文に車道側は歩かせないし、レストランでは必ず背中が向く席に座らせるんですよ…この束縛彼氏め!( ̄▽ ̄)←大好き❤︎
お人よしで、どんな時でも優しく、無下にされても怒らず…という菩薩のようだった湯峰よどこへ?と、ニヤニヤと萌えが止まらなくなっちゃいました。
実際の人生は物語のように都合よくリセット→やり直し転生とはいかないけれど。
思いは、言葉にして出さないと伝わらない。
大切な人にこそ、「今」というタイミングを逃さず、勇気を出して伝えなければいけない。
そんなことを噛み締めた、一作でした。
四年前にフラれた元カレ・湯峰が、過労の末に孤独死したと知り、四年前のフラれたあの日にタイムリープしてしまうというお話。
この先どうなるのか?湯峰の死を回避できるのか?といったストーリー展開が興味深くて一気読みしました。
なんとしても今度は死なせまい!!と受けの貴文はがむしゃらに奮闘するんですね。
それまでの貴文は感情を露わにすることもなく、人と関わることを極力避けていたのに、湯峰の死を回避するために、なりふり構わず積極的に人と関わってあれこれ介入していく。
貴文の変化が呼び水となって周囲にも変化をもたらし、やがて…というところが無理なく、とても良かった。
ツッコミどころもなく完成度が高いタイムリープものだと思うな。
それにしても攻めが病的なお人好し。
断ることが出来ず、次から次へと人の頼みを引き受け、負の連鎖の末に過労死してしまう……。
お人好しはいいけれど、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」を思い出してしまったわ。
そしてワンコではないけど、ゴールデンレトリーバー系の外見ということで萌え。
そして終わりのほうのタガが外れたように溺愛彼氏になってる様子、貴文を人目にはさらしたくないとガードしてる姿にめちゃ萌え。
人が良すぎて死んでしまった元カレを助けるため奮闘する弁護士
弁護士となって2年目の貴文(受け)は粛々と業務をこなす毎日を送っています。
そんな時、友人らしい友人もいない貴文に大学の知人から学生時代の元恋人・湯峰(攻め)の死を知らせる電話があります。
お人好しでいつも誰かの困りごとに手を貸している湯峰の死に衝撃を受けます。
先輩に頼まれてブラック企業に就職し、父親が病死したことで実家に戻るも母親が事故死し、家業の借金が発覚し、うまく家業を畳んだと思ったら、友人の借金の連帯保証人になり、逃げた友人の代わりに借金を返しながら、再び元のブラック企業に戻り過労で死んだというあまりに悲惨な湯峰の死に嘆き悲しみ、やけ酒を飲んでいると、同じように湯峰の死を悲しむ不思議な紳士が隣で酒を飲んでおり、なんと元の時間に戻してくれるといいます。湯峰のためならと過去に戻ることにするのです。
タイムリープといえば、やり直しができてラッキー的なことしか考えたことなかった私でしたが、貴文がタイムリープを受け入れた時、あの難しい司法試験をもう一回受けないといけないのかそれはしんどすぎる、と思ってしまいました。実際に一発合格だった貴文は、逆行後は一度失敗しています。
そんなことは些細なことと戻る選択をする貴文ですが、天秤にかけるものが未だ忘れられない元カレの命だとしたら当然ですね。
とはいえ、戻った先が4年前の別れ話が来た直後というなかなかなタイミング。
湯峰の死んだ経緯がお人好しだったことだったため何としてもそばにいて阻止しなければなりません。とりあえず最初はブラック企業に就職させないこと。
なりふり構っていられなくなっている貴文は今までより積極的に湯峰にからんでいきます。
お人好しで人に利用されてばかりの湯峰にハラハラドキドキしました。
なんとか就職させないよう奮闘するのに思った風に行かず、自分も含めて卒業時点で戻る前より悪い状況になったようになった時はもう先が気になって気になってページを捲るのももどかしいきもちになるほどの勢いで読みました。
戻る前は、2人が出会ったことで、貴文も湯峰も元々持ってなかった感情に戸惑った挙句、逃げることを選んでしまって最悪な結果になってしまったのですが、今回はそれをちゃんと受け入れたことで2人にとって良い結果になって本当によかったです。
とってもよかったです!
ストーリーは他の方が完璧に書いてくださってるのでキャラ萌えの話を…
受け視点で、冒頭は受けは生真面目系なのかな?と思ったのですが、意外とてやんでい!って感じの子でめちゃめちゃ好感が持てました。
リープしてからの受けは攻めからすると結構誰に対してもフレンドリーで(全部攻めのため)、今までは自分だけが知っていた顔もバレてしまって気が気じゃなかったんだなと思うとニヤニヤしてしまいました。
リープ前の大学生時付き合ってた頃は全然懐かない猫が自分にだけ懐いてくれてるみたいな気持ちだったんだろうし、受けが全然攻めは自分のこと好きじゃないと思ってたら実は攻めもめっちゃ受けのこと好きで友達って言われてショック受けてたり他の男と連絡とってるの嫉妬してたり、そういうの大好きです。
攻めはわんこ系と言うにはしっとり大人びていて賢くて穏やかで、確かにわんこ攻めなんだけどキャンキャン吠える系ではない。
でもクール攻めというには余裕が全然なくて、ヘタレと言うほどくよくよもしない、とても良い匙加減の攻め様でした。
想いが今度こそ通じあった時の攻めのグイグイ行く感じも最高でした。
文句なしの神評価です!