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元僧侶の花屋と憑かれやすいサラリーマン
光春(受け)は体調不良を押しての仕事帰り、誰かの視線に怯えながらふらふらしているところを、花屋の蘇芳(攻め)に助けられます。
蘇芳に一目惚れした光春は、元々家に花を飾るのを習慣にしていたので、それ以来蘇芳の店に寄るのが習慣になります。
蘇芳がフレンドリーに接してくれるので勘違いしそうになるのを自省する日々です。
そんなある時から、ストーカーと思しき誰かからの視線や奇妙な出来事を誰にも相談できず神経がすり減る毎日を送っていると、心配した蘇芳に‥
「闇に香る赤い花」「花と言葉を束にして」の中編2編。
前半は光春がずっと執着されてた霊との話と2人がくっつくまで。
後半は、元カレが出てきて引っ掻き回される話と蘇芳の未練に光春が背中を押す話。
昔からいつも誰かに見られている追いかけられている気がする光春。
が、それは他の誰にも見えなかった為、虚言癖を疑われ、自分の言葉をいつも疑われるようになってしまい、嘘だと思われないよう気をつけるせいで余計に怪しまれることになってしまい、話すのが苦手になってしまいます。
実は、光春は霊感が強く霊の気配を感じていて、共感してもらえる人が周りにいなかったため虚言癖を疑われていたのですが、そのことには全く触れられないまま話は進むので前編の真ん中くらいまでは何が起こっているのかわかりません。
その上、蘇芳も思わせぶりな言動をするので、実は蘇芳が黒幕なのかとミスリードされる展開になっています。
オカルトとBLという好きなものを一緒にした美味しい話と思っていたのですが、恋愛部分がなかった方が良かったのではと思いました。
特に、前半で蘇芳が遊び人だったことがわかった時はかなりがっかりしました。
私が受けの遊び人は許せて身攻めの遊び人は嫌いだという勝手な理由です。
それまでの言動で、崩れた色気があるとはいえ、包容力のある頼れる存在と思って読んでいたので、爛れた生活をおくっていた人だと明かされた瞬間勝手に裏切られた気がして読む気が失せてしまって困りました。まだ前編少しと後編丸々残ってたのに。
後半部分でそんな気持ちになるのもわからないでもない気の毒な人だと明かされるのですが、それでもやさぐれるなら色事の方にやさぐれるのではなく別の方向に行って欲しいかったなと思いました。
そしてそのまま、慣れない光春にがっついてしまうのもちょっと嫌な気持ちになりました。
自分は二丁目で散々遊んできたからそういう付き合いだったかもしれないけど、誰とも付き合ったことのない光春相手なんだから、自分本位にがっつかないでゆっくり進めてほしかった。
前半では挿入までやらなくてもいいくらい。
最後の早急な展開にガッカリして、それまでの怖くてでもいい話が台無しになった気がしました。
読むのを断念しようかと思ったくらい読む気が無くなったのですが、頑張って読んだ結果、後半はオカルトも恋愛も良かったと思います。
元カレがきて引っ掻き回されるのはよくあるパターンですが、横入りしようとするのではなく怪異がらみと元カレの性格の悪さの話なので面白く読みました。
元カレに同情する安定の光春でしたが、自業自得の嫌いがある元カレくんはちゃんと自分の行動を顧みるまで安らぎを与えてはいけない思います。
とてもそんな日が来るようには思えないけど、いつか誰かに刺されるんじゃないかしら。
光春は身近に霊感のある人がいたならきっと早くから自覚して対処がとれ、このような孤独な人生を送らなくても良かったと思うと気の毒。
蘇芳が、見目の良さから苦労してきて、僧侶修行で生き甲斐を見つけたのにも関わらず、生来の霊感の強さのせいで道が閉ざされ、やさぐれてしまうのもまた気の毒ではありましたが、爛れた生活の方へシフトしてなかったら神評価にしてましたね。
ただの性癖なので私はすごーく気になりましたが、気にしないのなら良いお話だったと思います。
前情報無しで読んだら「えっ」ってなりました。えっ、ホラー? 逢魔が時って、そういう……?
タイトルの後半部分が「花屋で会いましょう」で、私はその部分にばかり注目してしまい、「逢魔が時の」の不穏さをスルーしてしまったんですね。よく見れば、表紙の赤いリボンも滴り落ちる血みたいでした。
ホラーBLですが、マジもんのホラーほどは怖くなかったです。一番怖かったのは、冒頭の蘇芳の初登場シーンです。こんな禍々しい登場のしかたをする攻め様っている!?(いなくはない。) てっきりこの人が怪奇現象かと思いました。
のっけからビビりましたが、中身はホラー系ヒューマンドラマといった感じで、BL部分以外のストーリーも面白かったです。
BL部分はというと、溺愛で甘々な感じ。両片想いからの相思相愛で、受けの遠野が蘇芳に甘え過ぎてはいけないかもと葛藤するけど、結局欲望に負けるところが、ほほえましくて良いです。
元僧侶のイケメン花屋と幼い頃から異質体質で自分の意見を口にするのが怖いリーマン。
レビューで、寝る前読むと怖いとあったのでビクビクしながら読んでいたら、身構えていたこともあってか、そこまでホラーではありませんでした。
2作収録されているのですが、後半のお話に出てくる攻めの元カレが受けにストーカーして現れるほうが、よほどまりあげはにはホラーだった。
人間ホラー。
それ以外はいつもの海野先生で、攻めがめちゃくちゃ受けを溺愛していて、過保護っぽくて甘々で良きでした。
先生買い。雑誌で読んでいたのに、もう一回読んで、ぐいぐい引き込まれるんで、面白いんだと思いますが、特に後半コワイ。読み返すのは躊躇われるレベルで、恋話をぶっ飛ばしてしまったので萌にしました。雑誌掲載の本編150Pほど+書き下ろしの本編続き140Pほど+あとがき。カーテンの隙間が怖い人は要注意です。
朝夕に鐘をつく寺がある町に住む光春。少し前に体調を崩した時に助けてくれた花屋のイケメンが忘れられず、しょっちゅう花を買いに立ち寄っています。買った花を持って帰る途中、ふと首筋に視線を感じて・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
受けの会社の上司、同僚、攻めの元カレ、怪異ぐらいかな。海野先生の怪異系のお話では、怖さレベルあがった気がします。
++攻め受けについて
攻めは寺の次男坊。元から霊力強かったためか、修行していざ寺の仕事をがんばんべと思っていたら、その霊力の強さに死者の霊たちがざわめいて、鎮まらなくなってしまったという経緯あり、あきらめて花屋になったという方(ちょっと可哀想)。そんなことがあったので一時荒れて二丁目界隈でブイブイ言わせていた模様。(その時の知り合いが後半登場)。ちょっと軽めな感じがしました。
受けは昔から人に見えないものが見えていて人に信じてもらえなかったため、周りとの関わり方が上手くいかないことがある方。真面目でいつも人の様子をうかがっているような印象でした。そんな方が自分が見えていたものを肯定してもらえ、あまつさえ祓ってくれるイケメン(攻め)には惚れること間違いなしですよね。
攻め受けの恋話はふんふんと呼んだのですが、とにかく怖かったのが怪異。
可愛くない。怖いの一点張り。怖いもの大嫌いな私にとって、「読めない!」というレベルより二歩手前ぐらいでしたが、怖かったー。特にカーテンの隙間話。ダメですよ、カーテンはきっちり閉めないとね!
海野先生、あとがきによればホラーがお好きらしいです。先生、勝手な物言いですが、次回はちょっと可愛げのある怪異にしてください・・・よろしくお願いいたします。
光春(受け)のバチバチな片思いからはじまる。攻め←←←←受けという構図が好きなので、わくわくして読んでましたが、どうやら最初から両思いみたいです。
光春のお人好しがじわじわと不快になる。光春に憑いていた霊が女なのもあって、成仏してこの世に居ないのにそこまで気にかける? とずっとイライラします。
色んな男を抱いてきた蘇芳の熟れ感がエロい。脱いだ時に香るでしょ、と腰に香水つけてる理由を明かしたシーンがえっち過ぎた。
あらゆる仕草、動作、言動が、過去に付き合って男にもそういうことしてたのかなって考えちゃって、光春が嫉妬する――みたいな描写があってもよかったのになって妄想するくらいには良い攻め。
後々、蘇芳の元カレが現れて、光春がもやもやするところを見れて満足。受けの嫉妬と独占欲は国宝級の可愛さ!
絵が綺麗だしキャラデザも最高だから挿絵もっとほしかった。
ホラーのハラハラ感も味わえる新鮮な作品でした。