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後宮を飛び出したとある側室の話 初恋と王冠

koukyuu wo tobidashita toaru sokushitsu no hanashi

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表題作後宮を飛び出したとある側室の話 初恋と王冠

ラウル、オルテンシアの王太子でアローロ王の甥
リード、オルテンシアの王太子妃で元アローロ王の側室

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  • 掌握
  • あとがき

あらすじ

「後宮を飛び出したとある側室の話」シリーズ 待望の書籍化第3弾!

王太子ラウルの唯一の妃となったリードの前に、同じ転生者であるコンラートが立ちはだかるが、リードたちの機転により戦争は回避された。リードはリケルメ王にコンラートの狙いが、ユメリア大陸の資源奪取と植民地化だと伝えるが、リケルメもまた大陸進出を目指していることを知り愕然とする。一方、ラウルは人々の幸せのためにリケルメやコンラートとは違う道を選ぶことを示し、リードの気持ちに寄り添う。最悪の場合、リケルメと袂を分かつ事態になりかねない中、リケルメの娘であるパトリシアがやって来て…?

作品情報

作品名
後宮を飛び出したとある側室の話 初恋と王冠
著者
はなのみやこ 
イラスト
香坂あきほ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
発売日
電子発売日
ISBN
9784041144275
4.5

(7)

(4)

萌々

(3)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
32
評価数
7
平均
4.5 / 5
神率
57.1%

レビュー投稿数4

攻めの成長を感じた1冊

「海と甘い夜」に続き3巻目です。
「海と甘い夜」の続きということもあり、戦争になってしまうんではないかとハラハラしながら読み進めました。
結果的に血が流れることはなく、受けのリードや攻めのラウル、そして彼らの周りの働きのおかげで平和な国交を結ぶことができました。
このお話はシリーズを通してBLだけでなく、世界情勢や歴史、国の発展と文化などにも重きを置いており、作者の学への努力がよく見える作品です。
もちろんBLも楽しめるのですが、この巻では特に、他国との情勢の中での彼らの活躍を見ることができました。物語としてかなり練られていて面白かったです。
自国の民だけでなく、人の命を大切のする攻めと受けの治世がこれからも続きますように……。

2

様々な形の愛に溢れる1冊

シリーズ物の楽しみの1つが登場人物の成長を見れる事です。今作はそれを存分に味わえました。

パトリシアの結婚はロマンチックでした。愛ゆえに駆け落ちを考えたパトリシアだけど自分やバティの立場を考え、正攻法で愛を勝ち取った姿は清々しかった。バティも責任感のある素敵な青年で2人の幸せと将来が楽しみ。
パトリシアがリードに謝った件、リードが忘れていたのはラウルといて幸せだからだと思う。印象的なエピソードでした。

アルベルトにはフェルディナンドこそ生きる意味だった。その真っ直ぐさが切なくて。それでもセドリックに生きる意味を見出してくれて良かった。セドリックの存在もだけど、ラウルとリードの人柄やフェルディナンドへの思いを理解したんだと思う。
これからのオルテンシアの発展の為にも活躍を願います。

そして王位継承にあたりラウルの出生の秘密が明らかに。誰が悪い訳でもない。それでも其々が罪を負い苦しんできた事が辛かった。リオネルの懐の深さに拍手。レオノーラやジャスパーがこれからは穏やかに幸せを暮らしてくれたらと願う。

そしてリードとラウル。結婚してもラブラブで互いを大事に、共に幸せにと願う姿に胸が熱くなる。
国の舵取りという大役を担うだけに2人にはまだまだ困難が待ち受けている。でも、この2人なら大丈夫、力を合わせて乗り越えていけると信じられる1冊でした。当たり前に未来も共にいれると思えるのが幸せだと思います。
同時に、リケルメでは無理だったなぁと改めて感じました。

今回1番心掴まれたのがマクシミリアンでした。彼の決意に泣きました。

読み終わって心温まり、しみじみと幸せを感じる1冊でした。まだまだコンラートの件も解決してないし、続編を望みます。

このシリーズ最高です!

1

明かされる過去と秘される過去

本シリーズはアローロ王の甥でオルテンシア王太子と
アローロ王の元側妃の王太子妃のお話です。

アトラス大陸覇王の侵攻対策を進めるオルテンシアにて
アローロ王女がやってきた事で新しい道が示され
オルテンシア王が退位を決意するまでの本編に
アローロ王太子視点での番外編を収録。

受様はアローロの中位貴族の庶子ですが
5才の時に日本の大学生だった前世を思い出します。

受様は長じてアローロ王の後宮入りし
前世の知識や思考を気に入られて寵愛となりますが
側妃でしかない立場を憂いてオルテンシアに出奔

アローロ王の甥で王太子である攻様と惹かれ合い
王太子妃となりますが、アローロ王の受様への執心は消えず
王太子夫妻は公私でアローロ王の影響を受けています。

先般、アトラス大陸を制した覇王が
アローロやオルレシアのルーゼリア大陸への進出しようと
した際には手を組んで彼の野望を阻みますが
覇王が次に目を付けた資源豊かなユメリア大陸は
アローロ王までもが侵攻を狙っていたのです。

オルテンシアとアローロは親しい関係にありますが
攻様は自国を豊かにするために他国を侵略する事を良しとせず
最悪の場合、アローロ王と袂を分かつ事態まで危惧されます。

最善策を探す受様達はアトラス大陸の国々と交流のある
貿易商の手を借りて国交樹立を目指すのですが

攻様の従妹のアローロ王女が結婚話を嫌がって
攻様の母(アローロ王妹)を頼ってオルテンシアに来た事が
大きな転機をもたらす事になります。

果たしてアトラス大陸の国々が示す反応とは!?

既刊「後宮を飛び出したとある側室の話」シリーズ続刊、
既刊2巻目2話目のお話に決着をつけつつ、
新たな未来が開かれる異世界転生ファンタジー第3弾です♪

前巻はアトラス覇王、アローロ王それぞれの今後が
気になる幕引きでどういった展開になるかと思ったのですが
個人的にはちょっと違っていましたが

血の繋がり、人と人との縁が複雑に絡み合っていて
誰かのために伸ばす手が巡り巡って最初の助け手へと繋がり
多くの人に新たな道を示す展開になっていて
とても面白かったです。

そして様々な理由により本来の身分を隠す者や
出生や過去に秘密を抱える者が入り乱れていて
陶業人物達が複雑な関係を構築しているのも
物語に深みを増していると思います。

まだ王太子である攻様と受様が目指す国の在り方は
既に大国の王であるアローロ王の目指すものとは違いますが
攻様の王位継承が確実になった今
受様達がどんな国を作っているのか気になります。

2

実はですね…

こちらのシリーズですが実はとても変則的な読み方をしていまして、紙書籍の電子版を読んだあとは電子書籍版で続きを読んでいて、なので書籍化第2弾を飛ばしてこちらの第3弾を読んでるわけです。

こちらの作品はラウル派かリケルメ派でお話の印象が変わってくると思うのですが、私は断然ラウル派です。
実はリケルメのユメリア大陸進出よりも、彼の娘であるパトリシアに対する仕打ちが腹立たしくて、「リードが自分から去った理由をもう忘れたのかクソジジイ」と思ってしまったんです。www

なのでパトリシアとバティには上手くいってもらってリケルメザマァが読みたいと真に思ってしまいました。

前半のアローロのユメリア大陸進出とパトリシアとバティの恋の行方、後半のラウルがオルテンシア王として即位の意思を固めるまでのお話が上手く繋がってて凄く面白かったです。
オルテンシア王のリオネルが今回とても大好きになりました。何故リケルメの方が人気があるのか分からないです。

そしてラウルが敬愛する亡くなった兄のフェルディナンドと親友のアルベルトのお話がとても切なかったです。フェルディナンドが大切にしていたとある物の話を、彼の息子であるセドリックが話したことでどれだけアルベルトが救われたことか…。

ラウルがオルテンシア王として即位して、パトリシアがバティと婚約したことで一応の決着は付きました。ただコンラートがこのまま黙っているのかとか、まだまだ不安要素は強いので続きありますよね?

個人的にいつまでもリケルメが絶対的に書かれるのが不快で、また戴冠式に現れた時もまだリードに対して未練タラタラなのが見苦しくて今回は神にはしませんでした。アローロも早く代替わりして欲しいですね。

あと読んでてリードのキャラと挿絵が合わなくて…頭の中で違う姿に変換しながら読みました。

それと電子版だと136Pの「アローロにマラティアの支配の手…」は「マラティアにアローロの支配の手…」の間違いだと思います。

2

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