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電子版は、挿絵無し。
巻末にほんの一場面のコミカライズが入っていた。
後書に「SMもの」と書いていたけど、外道な行為をしていたのは元恋人。
主人公の恭は、医大在学中に恋人に色々調教される。
SMプレイが沁みついて、恭はもう普通に戻れない
そんな恭に、榊原は教授の娘と交際するため、突然別れを告げる。
悪態をつく恭を打ち、転倒した恭は片目の視力を損なう。
恭は、希望していた脳外科医を断念。医大を退学して整体師の資格を取る。
恭は、秘密の性癖の為、新しい恋もできずにいる
叔父は恭に整体治療院を任せて 海外ボランティアに出て長期不在。
留守を預かる恭が、治療院の前で倒れているホームレスと落とし物の中の「青い結晶」を拾ったことから事件に巻き込まれる。
藤森が恭を自宅に匿う。
でも昼間の治療院に来た男たちに、恭は拉致される、
九鬼刑事がAV俳優として丸腰で助けに来て、AV撮影となるけど、
九鬼が恭を庇いながらなので、そんなに酷くない。
事件が解決して、九鬼刑事が入院する病院に見舞いく行くと、偶然昔の恋人・榊原と遭遇。
昔の恋人は相変わらずへらへら笑う「人でなし」。元恋人への未練が切れる。
そして九鬼の病室に行くと、下半身が元気な九鬼が男性看護師を口説いている最中だった。
恭が選ぶのは必然的に藤森ってことなのかな?
2007年刊。
電子書籍版は挿絵はないが、巻末に作中の一シーンが漫画化されたものが7ページ分掲載されている。
(*過去の小説Charaの"一部分のみマンガ化"って企画の再録らしい)
初期の水原さん作品の中では痛さを引きずらず、飄々とした雰囲気ってのが珍しい。
まぁ、受け・恭の過去は、昔の男と二人でのめり込んでいったという過激な行為の羅列だったが。
同じく初期の水原さん作品で恒例となってしまっている攻めDV、輪姦が無い代わりに、何と攻めと受け合意のSMですよ!!えすえむ!!
強気な恭がドロドロになって性欲が満たされても、一晩経てばいつものようにクールに取り澄まして攻め二人を惑わす存在に戻るってのが堪らない。
まさにツンデレ。
そんな恭を恋人にしたいと火花を飛ばす攻め二人。
九鬼は捜査一課のアウトロー刑事、陽介はいずれ実家のヤクザの跡目を継ぐ予定と、正反対の立場にいる。
ライバル同士のはずなのに何でそこまで息が合うの!?
おまけにSッ気の性癖まで被っちゃって(笑)
事件に巻き込まれて修羅場から抜け出そうにも、行き当たりばったりで潜り込んで恭を助け出そうとした九鬼と痴話喧嘩、開き直った末に犯人達の面前でSMプレイもガッツリ堪能しちゃってまぁ…
恭も過去の失恋、希望していた進路を断たれての苦い過去を抱えているのに、九鬼も陽介もどこかしら胡散臭そうな一面があるのに、何故だか妙な愛着が湧いてくる。
自分でもヘビーなシーンにツッコミたくなるなんて意外だったが、各キャラの性格や背景、話の展開が練られているからこそいい意味で楽しめたし、面白かった!!
この時期ってまだ三つ巴ラブってのが定着していなかったせいだろうか?
三人ともいい関係なのに、今更ながら続編もなくこの一冊で終わったのが惜しすぎる。
整体師の恭は、過去の経験から恋愛には一歩、身を引いていたが、捜査に手段を選ばない一匹狼の九鬼と、笑顔の下に危うさを隠し持つヤクザの跡取り息子・陽介の二人に言い寄られるが、最後の一線を超えないようにやり過ごしていた。
そんな中、医院の近くで、不審な死体を発見したところから、事件に巻き込まれ――という話でした。
恭の過去の経験っていうのは、SMちっくな体の関係に溺れて、普通の行為じゃイケなくなっちゃったってやつなんだけど……
なんというか、SMの割に描写がさらっとしていて、あんまりSM感ないし、事件の解決も「そうだったらいいなあ」が多分に反映されていて、かなりご都合主義な展開だったので、まあ、「こんなもんか」って感じではありました。
あくまでもBL。
BLの範囲を出ないSMと、事件解決、でした。
なので、ちょっと毛色の変わったものを期待して読むと、拍子抜けするかなあ……と思います。
後、結局、三角関係どうしていくのかも、モヤっとしたまま終わってる気はします。
愛あるSMの世界ですね。この作品に登場する受け様はかなりのくせ者。よくぞこのくせ者の受け様を愛してくれる人が2人も見つかったなぁと奇跡としか言いようがない展開にニヤニヤしちゃいます。やっぱりBL的ストーリーはこうでなくちゃいけません。どんな愛の形でも拾って温めてくれる攻め様がいるのかBL世界の懐の広いところですよ。ちょっと可哀想な展開も水原ワールドなので用意されていますがそんなことはどうでもいいくらいに愛してくれる攻め様がカッコいいです。大人です。
本格的なSMのあるBL本を初めて読みました。
こんな世界があるんですね。笑
恭は全然Mっ気あるように見えなかったんですが、一度自分がMだと認めてからの最中の変貌ぶりは初めてのSMというのも相まってどっきどきでした。
どこか優しさも見える九鬼と、容赦のない陽介に揺れる恭の心はまさかの定まらないまま終わるの!と思いましたけど、どちらもじわじわと余韻を残す良さがあるので時間がたってみるとあの終わり方でよかったのかなあと。多分、どちらかを選んでしまったらそれはそれでもやもやしていたように思います。笑笑
ストーリーもあまり読んだことのない展開で面白かったです。
九鬼のうっかり具合には警察なのにそれでいいの?と少々がっかりでしたけど銃の奪い合いのシーンはハラハラしましたし、恭の涙は美しくて素敵でした。
彩さんの絵もとても綺麗でした^^