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春になっても一緒にいよう

haru ni natte mo issho ni iyou

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表題作春になっても一緒にいよう

テイラー・クラーク、大型雪豹獣人、消防士、21歳
フィン・クレイヴン、小型ヤマネ獣人、警察官事務員、28歳

その他の収録作品

  • 一緒に雪を見に行こう
  • 幸せをプレゼント
  • あとがき

あらすじ

警察官事務のフィンは、顔立ちは可愛いが、真面目すぎると評判の小型のヤマネ獣人。
本当は優しいのに、無表情で自分に自信がないため、周囲とうまく溶け込めずにいた。
つい先日も恋人に「冬眠されるとつまらない」と振られたばかり。
心から愛し合える人なんていない……そうみじめに思っていたある日、
馴染みのレストランで嫌がる店員をナンパする中型獣人から助けたところ、その姿を見た豹獣人の消防士・テイラーに「友達になってくれませんか」と誘われる。
そこから交流を重ねるうち、年下で人懐っこいテイラーに、フィンは心惹かれていくが……?

作品情報

作品名
春になっても一緒にいよう
著者
伊達きよ 
イラスト
犬居葉菜 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784344853492

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38

4.2

(69)

(37)

萌々

(19)

(8)

中立

(5)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
290
評価数
69
平均
4.2 / 5
神率
53.6%

レビュー投稿数12

可愛い年下攻め

とても面白かった。
感情が表情に出にくく人に誤解されがちなヤマネ獣人の受けと、明るく純情な年下雪豹攻め。

攻めは受けに一目惚れで、真っ赤な顔で友達になってください!と声を掛けたのをきっかけに二人の交流が始まる。受けは小型獣人の可愛さに言い寄られては生真面目な性格と無表情さで振られ続けてきたので、攻めがまさか自分に惚れているとは思わず友達として好かれているのだと勘違いしてしまう。一生懸命デートに誘ったのに、デートプランがデートぽく無さすぎて本当に友達のつもりなんだなと思われちゃっている攻めが不憫で笑った。恋愛初心者な年下攻めくんがとにかく可愛い。二人の微笑ましいイチャイチャも良い。だけど受けは友達のつもり。まさかとは思ったけど攻めくんだけが付き合っていると思っていた展開には笑っちゃった。

受けは冬眠中に彼氏に浮気されたばかりで、冬眠中の人間関係に自信喪失中。そんな不安を吹き飛ばすぐらい受けが冬眠中も甲斐甲斐しく世話を焼いて、そばで寝顔を眺めている攻めが健気で良い。あと受けの冬眠中の夢がいつも可愛くて好きだった。

恋人になってからは年上の受けから奥手な攻めに積極的に迫ってリードしてあげる展開も好きだった。初体験で鼻血を出しながら励んでいる攻めも可愛かった。バランスのよいお似合い年の差カップルでした

0

貴方の眠りを見守りたい

今回は消防官の雪豹獣人と警察官のヤマネ獣人のお話です。

冬眠する獣性を否定された事で傷ついた受様が
攻様との出会いで新たな恋を花開かせる本編と
その後の2人を描いた番外編2話を収録。

獣と近い獣人には寒い冬の間を眠って過ごす
冬眠の習性を残す種族がいます。

受様は幼い頃のアニメの警察官ヒーローに憧れて
警察官を目指しますが

小型のヤマネ獣人では職種の幅が狭く
冬眠の習慣がある獣人でもある事から
身体を張って市民を守る警察官にはなれず
警察事務官となります。

受様は表情筋の変化が乏しくて感情が見えにくい為
見た目の可愛さと実際の言動が想像と違ったと
言われる事が多く、人付き合いが得手ではありません。

しかも半年と少し前に出会い系バーで
積極的にアプローチされて付き合った鹿獣人は
居候していた受様のマンションに浮気相手を招き入れた
挙句、別れを切り出して出ていってしまいます。

そんな受様でしたがお気に入りのレストランの帰り道、
店員のリス獣人を酔っ払いから助けた事で
今までにない出会いを果すことになります。

助けた店員の恋人の同僚だという雪豹獣人に
自分よりも大きい種族の獣人におくすることなく立ち向かう
姿に感銘を受けたと友人になりたいと言われるのです。
この雪豹獣人が今回の攻様です♪

果たしてこの出会いは受様の未来をどう変えるのか!?

伊達先生の既刊「春になるまで待っててね」のスピンオフで
人付き合いが上手くなくて恋人にも振られた受様と
受様に一目惚れした攻様のもふもふファンタジーです。

既刊カプの攻様の同僚が今回の攻様となり
既刊カプも登場しますので未来の彼らも楽しみつつ
既刊未読で単独でも楽しく読めるお仕立てです。

大型獣人と小型獣人、
寒さにめちゃ強い雪豹と寒いと眠くなるヤマネという
何もかも正反対な2人で少しづつ距離を縮めていって
素敵な恋を実らせるまでとても楽しく読ませて頂きました。

愛嬌がない、不愛想と言われて傷ついても
変れない受様の辛さがとても痛々しくもありましたが

種族の違いは越えられなくても
相手の気持ちや相手を思いやる気持ちによって
寄り添っていくことはできるという
攻様の大らかや目線と優しい思いやりに
きゅんきゅんさせられました ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

そして受様がそんなにも攻様に愛されるようになったのは
誰に対しても自分でできる精一杯で対して
誠実であろうとしたからですよね。

情けは人の為ならず。
優しさは誰かのためではなく
周り巡って帰ってくるものと信じています。

受様の寝姿に攻様が身悶えちゃったりするのも
Myツボすぎてたいへん美味しかったです。

今回コミコミスタジオで購入すると有償特典が付くのですが
期間限定ですが既刊の小冊子もポイント特典配布も有ります。
気になる方は通販サイトもチェックしてみてくださいね。

2

心があたたかくなる。冬に読みたい一冊。

2024年、年明け1冊目として拝読しました。
春になるまで待っててねの二人(デイビスさんリックさん)と関わりのある設定なので、世界が繋がっていて、その後日談のようなお話になっています(その時点で好き!という世界観)。
デイビスさんの同僚である雪豹獣人のテイラーくんは年下ワンコ攻めの典型!とも言える大好き設定。良い子なんです!本当にすごくいい子。このいい子であるテイラーくん(お育ちもいい)が恋するお相手がフィンさん。真面目ゆえに不器用で、恋がなかなかうまくいかないヤマネ獣人(小さくでかわいい)、でも年上さんなんですよね。ゲイ受けって本の紹介に書いてあって「あ!そうか」と思いましたが、そういうことになりますね、今までの人生で傷ついてる部分があって…もう大好きな設定すぎて、胸がキュっとするお話です。伊達先生のお話って、とても手の込んだ設定のものも多いのに、この「春に」の2シリーズはBLの初心者でもわくわくドキドキして読める、ある意味入門のようにあたたかいシリーズもあって、作家さんとして本当に幅が広いなと思います。百戦錬磨のBL読みさんには物足りないかもしれない…と思いつつも萌えの要素が様々なところに散りばめられていて、なぜか初心に返ったような清々しい気持ちになる作品でした。読むことで心が晴れ渡るような、年明けにふさわしい作品を読めて、心がホッとしました。冬だからこそ感じられる切なさやあたたかさがふんだんに詰まっている良作です。BL初めてですという人にはいつも「春になるまで待っててね」を薦めていますが、続きの話もあるよ!とまたおすすめできる作品が増えました。
伊達先生のこの冬眠と絡めた優しいお話のシリーズは、年に1回くらいはゆっくりリリースしていただけたら嬉しいです(絶対読みたいです)。次はフィンさんの弟さんのお話?ざまあからスタートするロディくんのお話?楽しみにしています!

3

今の自分の好みにピッタリ

他の方のレビューにもありましたが、とても多幸感溢れる作品でした。スピン元の「春になるまで待っててね」を萌2にしてたんですが、今ならきっと神評価だったと思います。久しぶりに再読したくなりました。

前作とは違って冬眠する獣人と冬眠しない獣人のCPなんですが、どうやって愛を育むのだろうと思いながら読み進めました。

今までの恋愛から新たな恋に諦観を滲ませていたフィンですが、明るくて愛情深いテイラーと一緒に過ごすことで力みが取れて安心感にフニャフニャになって行く姿が可愛いんです。なんならテイラーも可愛いので、可愛い〜可愛い〜を心の中で連呼しながら読んでいました。

そしてフィンの冬眠中に浮気相手を部屋に連れ込んでた元カレですが、絶対に冬眠中にやって来るだろうと思ってたので、テイラーによって自己肯定感の増したフィンに反撃され、テイラーに威嚇されて尻尾を巻いて逃げ出した時は拍手喝采でした。

冬に対する種族的なものは全然違うけど、こんなに素敵な過ごし方があるんだと目から鱗なお話でとても優しい気持ちになれました。

「春になるまで待っててね」のCPと友人関係なので彼等もチラッと登場しますが、こちらの作品だけでも大丈夫です。でも、あちらの作品も素敵なので可能なら読んで欲しいと思います。

4

太陽のような攻めが好き

春待ちBLってなんだか良い響きですね。
ぽかぽかとあたたかくてマイルドな読み心地のシリーズ。
2作目となる今作は前作のスピンオフにあたるのかな。
こちらだけでも問題なく読めそうではありますが、前作を読まれていた方がよりにこにこ出来ると思います。

全方向にやさしく、外見や種族だけで人を判断しない攻めの雪豹獣人・テイラーが好きです。
前作でも困っていた小型獣人をさり気なく助けていたりと、心根の良さと人柄の良さが素晴らしいんですよ。
かと思えば、恋愛に対してはちょっと…いえ、かなり純朴なところもあったり、真っ直ぐに気持ちを伝えたりと年下攻めらしいかわいらしさもある魅力的なキャラクターでした。
雪豹獣人なのだけれど、花に例えるのなら少し大きなひまわり。
温度的には夏を迎える前の日向ぼっこが気持ち良いお日様のような人です。
そんな彼が一目惚れをしたのは小型のヤマネ獣人のフィン。お友達からでも良いので!と猛アタックをし、少しずつ関係が深まり、フィンの冬眠のお手伝いをするために一時同居することに…

ぽかぽかとあたたかくかわいらしい雰囲気は、前作同様最高としか言いようがないほどに癒されるものでした。
半分眠ってしまっているフィンとの会話がかわいくてたまらないんですよねえ。
BLあるある要素の誤解と思い込みも、彼らの間では大変かわいらしい感じにすれ違っていて、こちらもまた読んでいてほのぼのと楽しく見守ることが出来る安心感があります。

ただ、フィンが自己評価が低く頑なな性格をしているものですから、どこからどう見ても好き合っているのになあ…テイラーなら大丈夫なのに…と、焦れるというよりはやや長尺に感じてしまう部分もありでした。
心地の良い焦ったさ・もどかしさって、本当に微妙なさじ加減だと思うんですよね。
この辺りに関しては、私は前作の方がすっきりとしていて好みだったかもと思い、今回は3と3.5の間をとってこちらの評価に。
とは言え、癒し度は前回同様非常に高いです。
あたたかい部屋でゆっくり読みたくなる1冊でした。

4

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