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表題作未完成

瀬名 櫂人
17歳→27歳、高校生→美容師
阿南 珪
27歳→36歳、英語教師

その他の収録作品

  • Young Swallow
  • さなぎ
  • Blooming
  • Ordinary Life
  • あとがき

あらすじ

自分を制御する術を知らない高校生と分別ある大人でありたい高校教師のほろ苦く切ない恋、凪良ゆうの初期BL代表作待望の復刊!

作品情報

作品名
未完成
著者
凪良ゆう 
イラスト
北野仁 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199011535
4.8

(61)

(51)

萌々

(8)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
11
得点
293
評価数
61
平均
4.8 / 5
神率
83.6%

レビュー投稿数11

未完成な完成

一つずつ年を重ねて経験を重ね心を生熟させる努力を続ける。長く永く大切な人と一緒に歩む為に悲しみも糧にして前に進み続ける。BLなのに感慨深い味わい深い作品でした。10代の考え、社会を経験した20代の考え、成人して経験を重ねた時に若い頃の青さを思い出してガキだったなと思い出したり。大人になったはずなのに子供だなと思ったり。ふたりの時間の経過と心の動きが必ず読み手とリンクすると思います。人間ってわがままで切なくて愛おしいと思わせてくれる作品でした。

0

本当に良かった

小説をあまり読まなくて、初めて小説でBLを読んだのですが、文字でこんなに胸が締め付けられるんだと感じました!
先生と生徒、男同士、年の差、大きな壁がある2人のお話。目についたので買ってみたら、続きが気になって小説が苦手な私でも2日で読んでしまった。
このもどかしい関係が心を締め付けてきて、最後はもうわぁぁ…!良かったぁ!って感じで声も上げちゃいました。
2人の気持ちがひしひしと伝わってきて、もうたまらん!という感じでした!
ぜひ読み返したいと思います。

6

名作です

作者様の作品は「美しい〜」と「おやすみなさい〜」を読んでみて、残念ながらどちらも苦手だったのですが、名作の新装版と聞いて恐る恐る手に取りました。
読んでみると、これは…苦手じゃないどころか、かなり好きですね!
高校生って自由なようで、ままならないことばかりですよね。
とにかく切なくて、ハラハラして、一気に読みました。
名作だと思います!

1番印象に残ったエピソードは、教師と生徒という関係の本当の危うさに気付けないままだった瀬名が、自分が社会人になって初めて、当時阿南に相当なリスクを負わせていたと理解するなど、当時の阿南を振り返って行動や言葉の真意を理解していくところですね。
視野が狭かった高校生が、だんだん世間を知り、それとともに相手への理解を深めていくっていうのがいいですね。

瀬名のがむしゃらな体当たりを受け流していた阿南ですが、当時どんな心境だったのかを阿南視点で見てみたくもあります。

4

読後しばし放心。心に刺さる最高の作品でした。

作者様買いです。
読み終えて、しばしその余韻に浸り、心を持っていかれた作品でした。
こんなに刺さった作品は久しぶりでした。

教師と生徒、王道のシチュエーションですが、
本作ではその心理描写が秀逸で、揺さぶられました。

常にフラストレーションを吐き出し、不機嫌な自分を
コントロールできない瀬名。
そんな瀬名が教師の阿南に執着し、ちょっかいを出し、次第に
惹かれていく。

瀬名はもちろん、阿南もすごく人間味のある人。そして大人で、魅力的。
冷たい口調と距離を置くが、優しい。
最初瀬名が絡んできても、突っぱねることなく寄り添い
家庭環境に問題がある瀬名の居場所となっていた。

阿南に惹かれ、どうやっても優位に立てない、好きと言ってもらえない瀬名が阿南に対して、子供っぽい怒りをぶつけるのも、全部受け入れていた阿南。
冷たい口調で、冷静な阿南が、流されて、瀬名にに惹かれて、理性を失っていく姿、気持ちの揺れが痛いほど伝わってきて、切なくて、胸がしめつけられました。


知ったかぶりをしたり、大人ぶったり、
デートの作戦も失敗して、それを素直に認めて謝る瀬名がかわいい。
"好きです"って全面降伏する年下ワンコ、めちゃくちゃかわいい。

別れるところ、あと瀬名が指名を受けて担当した子がもたらした情報を聞いて泣くところ、そして再会して喧嘩するところには、こちらも泣きました。
我慢に我慢を重ねて、気持ちを抑えた阿南がみせる涙の破壊力たるや!

美容師になった瀬名、本当によく頑張って、そして自分のことだけではなく、阿南のことを思いやれるようになって、大人になって…。
巻末にある二人のその後は、まさにご褒美‼️
読んでて嬉しくなりました。

私にとっては文句なしの神作品でした!!

5

不完全で未完成な2人の関係性

凪良ゆう先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

個人的、各項目5段階で
焦れったい 3
クズ 3
エロ 2
甘さ 1
な感じだと思います。

瀬名くん×阿南先生のカプです。

今作は2009年に発行された「未完成」に番外編を2作品収録した新装版で、元々の「未完成」も未読だったので、今作ので初めて読みました。

高校2年生の瀬名くんは、友人がバイトをしている夜のクラブに出掛ける。しかしその日は男性オンリーのイベント中で、ゲイではない瀬名くんは人間観察をしていると、その中に英語教師の阿南先生を見付ける。自身の家庭環境や鬱陶しい彼女のことにイラついていた瀬名くんは、憂さ晴らしに阿南先生に声を掛けるが…。

17歳で生徒の瀬名くんと27歳で教師の阿南先生。年齢歳、立場、男同士、色んなことが壁になっているし、そもそも阿南先生が教師として大人として、瀬尾くんのアプローチに一線を引いているので、なかなか恋愛的な進展は焦れったいものがありますね。

今作は攻めの瀬名くん視点で書かれていますが、未成年で考えの青さや無謀感が凄いですね。正に未成年、学生だなと思わされる言動の数々ですが、その気が無い彼女達に対してなど、なかなかのクズっぷりだなと、そこまで好感は抱けなかったですね。

若干瀬名くんの無理矢理で身体を繋げてしまう阿南先生。2人の関係性や取り巻く環境の所為で、結ばれることがないのにはやはり切なかったですね。
でも、それから月日が経ち、2人が再会する時には瀬名くんが22歳になっているので、2人の関係はまた変わっているのに、それでもやっぱりなかなか踏み出せないでいる2人が焦れったかったですね。

同時収録されてる番外編は、本編後で一緒に暮らしたり、甘えて甘やかして、本編よりは2人の甘いやり取りが読めます。

登場人物みんながどこか不完全で未完成な言動をしていて、良い所も悪い所も心理描写も細かに書かれていて、2人の関係の行く末に目が離せなくなるので、是非とも読んでほしいです。

4

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