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「〇〇気」シリーズ。
前作「大人気。」の後半で、中野を強請ってヤったり、靖に中野の過去を全部言ってしまった野郎・有坂迅のターン。
「大人気。」ではクズ男としての登場だった迅ですが、この「大本気。(おおマジ)」では迅の抱えてきた大きな哀しみが語られて、これもグッとくる展開になっています。
子供の頃からの乱暴者、出来の悪い子、いらない子…
家ではお兄ちゃんと凄い扱いの差、家は裕福な工務店経営だけど、迅だけネグレクトされて。
だからまた他人に乱暴な振る舞いをする…そんな負のループ。
いつも気にかけてくれたのは近所の空手が強いお兄さん、爽くん。
爽くんなら怒られても素直に言う事が聞けた。
そんな日々があっての、今。
正直、本作も迅の出生の秘密的なドラマチック過剰があったり、迅のワル仲間達の容赦ない悪行描写や誘惑してくる兄嫁など、これでもか!感は否めない。
爽兵の方も色々あるし。
迅の抱えるモノは自業自得の部分もあるし根が深くて、爽兵がそばにいてもそう簡単に「はいハッピーエンド!」には到底ならない。
…というのが続く「2」でもっと明らかになってきます。
「大人気。」のスピンオフです。スピン元、自分は未読です。未読でも楽しく読めると思うけど、むしろ未読だから楽しく読めるのかな?「大人気。」では迅が暴れてたんですかね?この作品では可愛い生き物にしか見えない。
◾︎爽兵(28歳,歯科医)×迅(鳶,20歳)
P.B.Bやpunch!は読んでるので既視感があるというか、鹿乃先生の好きなもの再放送してくださってる感じはある。でもこれが好きだから問題なし。むしろずっとこのままでいて。
鹿乃しうこ先生の雄達は何故こうもド派手にエロいのか。
頭足りない登場人物は大方苦手だと思うことが多いのに、鹿乃先生のキャラクターは毎度愛しくてたまらない。それが攻めでも受けでも。ちょっとおバカだけど真っ直ぐで、まんまと庇護欲くすぐられちゃうのが分かる。大の男が互いにヨシヨシされる様子がたまらない。
あの時の迅が?あれ?時系列が…。男は初めてって言うけど受けがってこと?
迅の家庭環境もたいがいですね。飼い殺され監視され厭われ気の毒です。父と兄と兄嫁の人柄が最悪ですが実は迅の生まれにも関わってて。
爽平だけが真っ直ぐ迅を見てくれて。心配して考えて手を伸ばしてくれて。
まさか受け攻めがそうなのね!
子供で何も知らないだけって迅を庇ってくれて、色々教えてくれて。特に迅の部屋での爽平は男前でしたね。覚えさせないとね!
最後に短編で懐かしい面々が。相変わらずでしたね。
しかしBLにこんなことを言ってはいけないのですが、なぜ知り合い同士ゲイばかりなの?
ずっと未読だったシリーズ4作目。
「大人気。」で中野への無自覚の恋心を拗らせて最低な行いを働いてた〔有坂迅〕に『愛のおしおき、おおマジにSTART!!』ってことで、ダメな子が愛されて躾けられるBLが大好きな私にはクリーンヒットなお話でした。
わー、なんで今まで読まずにいたんだろ。
もったいないことしてた〜
これ読んで、何はともあれ声を大にして叫びたいのは、
「爽君カッコイイ!!!」
これに尽きます!
爽兵の愛情のブレのなさに、私が大本気でホレましたよ!
あえて「愛情」と表現したい愛がめいっぱい詰まってます。
巻数以上の満足感がありました♪
迅を屈折させた原因を端的に言ってしまえば愛情不足なのですが、こういう表面化しない毒親って一番厄介だと思う。
それで子供がグレたら世間の目は確実に、親は善、子は悪になってしまうから。
そんなの100%周りの大人達に問題があるに決まってるのにねぇ。
この巻だけでも迅の子供時代は相当気の毒なものなのですが、追い打ちをかけるキモ部分は2巻へ持ち越しです。
ストーリーは重いですが、現在の迅が爽兵や爽兵母に愛されて少しずつ更正していってるのが分かるので、息が詰まるような苦しさは感じず読めたかな。
過去の話だけだったら気が滅入りそうです。
2巻へ続きます。
鹿野さん作品の平常運転…と見せかけて意外と読ませる作品。
建築業を営む立派な家に生まれながらも、家族から静かな虐待を受けている迅。
歯科医院を継ぎ、何不自由なく見える爽平も、実の親から養子に出されている過去を抱えどこか寄る辺のなさを感じている。
家族に飢えているという、唯一の共通点が彼らを結びつけ、物語を引っ張っていきます。
コメディリリーフとして出てくる爽平の母も素敵な人ですが、爽平の孤独
を分かち合い、癒すまではできない、というところが切ない。
エロに関して言えば、掲載誌がピアスさんなので心配ご無用。
だたし、迅の方が受けなので、小柄な攻めが嫌いな方は回れ右です。
加えて女性との絡みもちょこちょこ出るのでそこもご注意。
前作の「大人気。」で彼がやらかしたことも結構許せている(笑)私はすんなり読めましたが、1巻の時点ではまだちょっとオシオキが足りてない印象を受ける方も多いかな?
2巻も併せて読むと、「迅も大人になったねぇ…」としみじみして頂けるかと思います。