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猿喰山疑獄事件

sarukuiyama gigoku jiken

猿喰山疑狱事件

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表題作猿喰山疑獄事件

星義彦,星グループの若き総帥
鷺坂貢,美貌の放浪の庭師

その他の収録作品

  • 第一話・王様の庭
  • 第二話・かわいい小鳥ちゃん
  • 第三話・庭師の分際
  • 第三 1/2話・アヒルの分際
  • 第四話・マイダス王の指先
  • 第五話・詐欺師の定義
  • 番外編・詐欺師の本分
  • 第六話・事件の始まり
  • 第七話・終着駅
  • 第八話・心中・猿喰山
  • 第九話・調書
  • 最終話・来世の約束

あらすじ

星グループの若き総帥、星義彦。猿喰山にある星家の屋敷に入り込んできた庭師・鷺坂貢。義彦は鷺坂の美貌と自由な心に次第に魅了されて行くが、鷺坂の意図は別にあって…? 愛を告げる義彦に応えた鷺坂の思惑、そして真実とは!? 最後まで予測不能な純愛物語、ここに開幕! 描き下ろしも同時収録!
出版社より

作品情報

作品名
猿喰山疑獄事件
著者
ARUKU  
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
発売日
ISBN
9784862636270
4.4

(167)

(123)

萌々

(15)

(18)

中立

(4)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
42
得点
733
評価数
167
平均
4.4 / 5
神率
73.7%

レビュー投稿数42

ヤバい、ヤバ、ヤバ、ヤバッ!まさに『神』作品です

3時間はたっぷりあるドラマ、映画を観ていたかのような読後感です。
たった1巻の厚くもないコミックス1冊を読んだだけとは到底思えない。
昔のビーボーイマガジンはジャンプのような大きさだったのかしら??
1ページのコマ数は多いですね。
にしても登場人物も多くちょっとしたサイドストーリーも豊富で、もう魔法の1冊です。

ARUKU先生についてはアンソロ的なものの短編を読んだことがあるのみで、確かに非常に個性的な絵柄でたぶん積極的には選ばないだろう作家さんです。
でも読んで良かった!
私が最近つくづく思うのは好みの絵柄よりもストーリーを重視すべき、じゃないと損するよ
ってことです。
以前の私、そして自分の好みを優先して名作と言われても絵がちょっと…と言って手を出さないかた達に大声で言いたい!
迷ったらとにかく1回読んだほうがいいと。
読んでください。

ラストシーンはどうなるのかコピー通り予測不能でした。
ただこれでハッピーエンドはないよね、ハピエン希望だけどムリだわとは思ってましたが、
あーこういうラストか、、、
スゴい、、、
涙が、、

以前のような綺麗な顔じゃない元鷺坂でも義彦がいつくしんでくれて、屋敷の皆んなも受け入れてくれて、2人が庭の薔薇を眺めているような美しいシーンを私は心に思い浮かべます。

0

ラストがやばいです

百年でただ1度だけ恋したからARUKU作品にハマってしまいました。他にも何冊も購入させて頂き、全部良作で最高でした!ARUKU作品で検索すると、必ずこの猿喰山疑獄事件を読んだ方がいいと出てきたので今回読ませて頂きました。レビューは見ずに読んだ方がいいとのことでレビューは見ずに読みましたが、重いストーリーと感動のラストで、なぜ今までこんな良作を見つけられなかったのか悔やむほどでした。私は文章力がないため上手く言えませんが、とにかくこの作品に出会えて良かったです。

0

読み終わってから涙が止まらなかった

クールな金持ち×謎の庭師。
ある日、星グループの代表を務める星の元に、鷺坂と名乗る庭師が現れ雇ってほしいと懇願します。星は「うちの庭で植物を育てるのは難しいが薔薇を咲かせたら雇ってやる」と約束して、鷺坂は必死に薔薇を育てるのですが…。

この作品はストーリーが練られていて何度かどんでん返しがありますが、作品を通して愛を知らなかった二人の純愛に泣いてしまいました。
セリフの一つ一つが愛に溢れていて美しくて、唯一無二の素晴らしい作品だと思います。

2

予測不能の純愛物語

ずっと読んでみたかった作品。
おおよそBLらしくないタイトルにどんなARUKU先生ワールドが展開されているのか期待を膨らませて挑みました。
一言で言えば「純愛」物語ですが、ARUKU先生の描く唯一無二の世界観を存分に楽しむことができる作品です。
そして衝撃のラスト!!
毎度こうくるか!という展開を持ってきてくださるARUKU先生。この作品もただの純愛物語だと思っていたら思わぬ展開へ発展します。しかしこのラストは想像できなかった!
本当に衝撃的ですごい作品です。ラストは何回読んでも涙が出る。
ぜひネタバレなしで読んでいただきたいです。

2

ラストのことしか考えられない

タイトルが気になって。でもこれは気軽に手に取って良かったの?と心配になる作品でした。絵のせいなのか、キャラの機微が全然分からない…ずっと不気味な雰囲気が漂ってるんですけど、出そうとして出る感じの不気味さじゃないんです。目が怖いので勝手に読み手の私がそう感じてるだけかも…。けれどもあのラストシーンを見たら、ずっと流れてた不気味さが全て昇華された感覚になってしまって、訳が分かりませんでした。
結末は衝撃です。今まで散々やらかしてきた悪事に対し、作者が彼に与えた罰があの形なのかな、という目で見ると恐ろしくて震えます。タイトルに「疑獄」とあることからも、作者が裁きを下したらこうなったってことかな?と思ったので。違うかもですけど。作者の存在を意識してしまうのは関節がマリオネットのような曲がり方をする絵柄のせいもあるのかな…。
神評価ですが私の趣味には合わない作品で、萌えもないです。ただ衝撃だけはずっと残り続けそうだと思いました。本当に怖かったです。

0

ARUKU先生の持ち味が生かされている

こちらで評判よくて気になってた!現在はARUKU先生というお名前で活躍されている大好きな作家さん。物語の完成度と世界観に圧倒される。小説読む方でARUKU先生未読の方は読んでみてほしい。

猿喰山の麓にある寒々しい花の咲かない豪邸にすむ富豪とその庭に花を咲かせる園芸家を装い彼に近づく詐欺師…こんな組合せどうやったら思い付くのだろう。それぞれが抱えた孤独が奇妙に噛み合い、けして幸せとは呼べない状況の中でもお互いしか愛せない関係がとても切なく、そして美しかった。

けっしてハッピーなムードの作品ではないけれど、読んだ方にこの愛の形をどう思うか聞いてみたい、いつまでも心に残るであろう傑作だった。

1

心揺さぶられる愛の物語

泣きました。この感動は一言では言い表せないです。ARUKU先生はどうしてこんなお話を書けるんだろう。
先を読ませるストーリー展開は、文字数もコマも多いですが決して無駄がなく、時折挟みこまれる童話や御伽噺のような台詞の効果で、シリアスなのにどこか暖かく、そして寂しい気持ちになります。登場人物達の独特な台詞口調も可愛くて好きです。先生お得意の中盤に入る短い書き下ろし、小休憩のようでいて物語の核心だったり、ほんと構成がすごいです。

最初もくじを読んだ時、なんとなくラストはこうなるのかなー?と予測を立ててしまっていたのですが、見事に裏切られました。美しく死ぬこともできない、残酷なまでの現実。でも、彼らは寄り添い生きていくんでしょうね。これこそ、真実の愛。
こんなラストは勇気がいるので普通の作家さんはは書かないでしょうね。秀逸です。

愛とは、罪とは、救いとは、色々なことを考えさせられる、素敵な物語でした。

2

もっと奥深くまで浸りたかったけど

 最後の衝撃に全部持ってかれるストーリー展開はお見事でした。傷モノになった受け、記憶喪失のままの受けなどは読んだことがありますが、美しい肌も美貌も文字通りすべて失って、恐らく二度と元の外見には戻れないまでにぼろぼろになった受けというのは、未だかつて読んだことはなかったと思います。ここまで徹底して安易なハピエンに持ち込まなかった先生の勇気には感謝したいです。私は美人な受け、可愛い受けが大好きだけど(もちろん終盤まではそういう受けなんですが)、本当は心のどこかでこういう作品を待っていたのかもしれない。今まで出会った攻め達に「受けが美しい、愛らしい容姿をすべて失っても、あなたは本当に愛せるのか?」と、問いたくなってしまいました。

 主題はけっして見た目か本質か、というわけではなく、他のところにあるんですが。ただ、700冊以上読んできても一度も出会わなかったこの展開は、やはり私にとって最大に評価すべきところでした。あまり1つの部分にだけ焦点を当てる評価はしたくないのですが、それでも最後のシーンを見るために買って損はないと言いたくなってしまいますね。一方で、萌評価に留めた理由は、間の取り方があまり好みでなかったからです。ここはもう少し余韻を持たせて欲しい、と思ったシーンも淡々と描かれていたような気がして…。素晴らしい展開なのに、詰め込み過ぎなのが少々もったいないかなと思いました。絵もさっぱりしているのでシーンに緩急がないと、私には作品の世界にぐっと深く浸るのが難しかったかな。でも、非常に印象に残る作品でした。

2

たとえ悪人だとしても愛は消えない

読み進めてキャラクターの見え方が変わるたびに何度も読み返す。
そんな作品でした。
「アルク先生!!」って感じの重く深い邦画の様な雰囲気で、本当に素晴らしく素敵でしたし、めちゃくちゃ泣きました。
一生忘れないであろう作品の1つです。何度読んでも心臓にずしん、ときます。

ラストは本当に苦しかったです。多分アルク先生はこのままバットエンドにはして置かないだろうという謎の信頼があったので、何度も読むのをやめてしまいたい…(辛すぎるので)と思いましたが、最後まで読み切ることが出来ました。それでも十二分にしんどいラストでしたが…。むしろより残酷…?でも、2人ともとても幸せそう。
偽りの愛が真実の愛を生み、どうしても愛してしまったのだから、逃れられなくて。
今生でも、来世でも、彼らは愛し合ってしまうんじゃないかな…なんてそんなことを考えてしまった。

4

大好き

ARUKUさんと初めて出会った作品です。
絵はみなさんのおっしゃるように好みではありませんでした。
最初はよくある設定の軽いBLかなと読み始めましたが、読みおわったあとの充実感は凄かったです。
素晴らしい作品に出会った時のどうしようもない吐き口を求めて、たくさんの方のレビューを読み漁って、うんうん、そうだよね、となって再度読み返しました。


今では作者買いしています。
絵はずいぶん綺麗になりましたが、不安定なところもあります。
ただ、ARUKUさん原作で他の方の作品を読みましたが、ARUKUさんの絵でないといけないんだと再確認しました。

虹色村のチロリみたいな作品も大好きですが、こんな作品もまたぜひ読みたいです。

4

アルクさんの作品大好きです。

BL漫画でいいのかってか一冊で終わりなのか?!っていう中身の濃い内容でした。
ネタバレ厳禁だと思うから内容に関しては何も言わないけど!これは!ハッピーエンドだと思うな!
なんでありきたりな展開で締めなかったんだろう、なんであそこで終わりにしたんだろう?というのは他の作品にも共通していて、この作家さんの持ち味であるし魅力でもあるなぁと。

2

しんどいほどに感情を刺激してくる

先日ARUKU先生の「嫌い、大嫌い、愛してる。」を読み、これまでのBL観が覆されるほどの衝撃を受けました。
そこで今回、上記作品のレビュー内でレビュアーの方々が名を挙げていらした「猿喰山疑獄事件」を手に取ったのですが…

星グループの若き総帥・義彦と、美貌の庭師・鷺坂の物語。
冒頭は、冷酷で人格破綻した義彦と、その心を溶かしていく人懐こくて純真な庭師のラブストーリー…かのように始まります。
まるで猿喰山から吹き下ろす冷風のため植物の育たない庭(攻め)と、そこに咲きゆく薔薇の花(受け)のように。
2人の出会いから、義彦の心に芽吹き始める鷺坂への恋心を描くまでが序盤。

ところが中盤、鷺坂が詐欺師である、ということがわかってから物語は一変、不穏な空気に包まれます。
広い邸宅の中孤独で不可侵な義彦に対し、綺麗な微笑みで「王様」と呼び、ときに「嫌な男」と言い放ち、急に小鳥のように飛び立ち義彦の前から消えてしまいそうなそぶりを見せたと思ったら、今度は「寒い…」と抱きつき甘える。
そんな鷺坂の行動はただの詐欺師としての恋愛テクニックだったのか?
それとも彼の心にも芽生えゆく何かがそこにはあったのか?
鷺坂の本意がわからぬまま、物語は佳境に入り…

前半人格破綻しているかのように描かれていた義彦の本当の顔、一途で真摯な想い、愛によって自身が変わりゆく姿に胸を打たれました。

序盤に感じた構図とは反対に、真実の構図は、冷たく静かに吹き荒れる「受け」の心を「攻め」の愛がいかに溶かしていくのか、というものだったんだな。

ラストの静かな衝撃は非常に文学的。
ARUKU先生ファンのお姐様方が仰る「ARUKU先生のお話にはARUKU先生の絵」という気持ちが、ものすごくよくわかります。
あまり表情豊かではない独特の絵柄(これは褒めています)。
これがストーリー、世界観、セリフ回しと渾然一体となり、唯一無二のARUKUワールドを築きあげているのだと思います。

本来ならARUKU先生の作品群は間を空けずに読み漁るタイプのものではないんだろうな、とは思うけれど、
もっともっと、先生の著作に触れたい。
深深としながらも秘めたパワーと破壊力のあるストーリーと描写に圧倒されたい。
でも本当はしんどい。ものすごくしんどい。

どう処理していいかわからない、この生まれて初めて味わう名前もわからない感情を、また感じてみたいと思ってしまう。

6

何の情報も入れずただ、ただ、読んでみて下さい。

先日初めてARUKU先生の「嫌い、大嫌い、愛してる。」を読み、パニックに陥った者です。本を読み終わってからもずっと内容が頭から離れず、ならいっそ先生の他の有名作品も読んでみようと手に取ったこの作品。
…夏バテで身も心も弱っている状況で読んではいけなかったなぁ…と今は思います。
「嫌い、大嫌い、愛してる。」もかなり心にずっしり来ますが、こちらはさらにエグくてしんどい内容。そしてやっぱりどうしようもなく切ない純愛物語です。

星グループの若き総帥・星義彦。猿喰山にある星家の屋敷に入り込んできた庭師・鷺坂貢。彼はこの殺風景な庭に薔薇の花を咲かせることを約束します。義彦は鷺坂の美貌と自由な心に次第に魅了され徐々に変わっていきますが…。

物語は思いも寄らぬ方向へ進みます。
本当に心が弱っているときは読まないほうがいい類の作品です。
でも、「今は大丈夫、身も心も元気!!」そんな時思い出して読んでほしい。
どうやってこの一冊にこれだけつめこんだのだろうと頭抱えたくなる程ぎっしり詰め込まれた内容。そして読み込めば読み込むほど、感動と一緒に他の色々な感情を背負わされる作品です。


★★★ここから先ネタバレあり。作品を読んでからご覧下さい★★★

内容については各々の解釈を持つのが一番だろうとは思ったのですが、他の方のレビューで「なぜ受は人を殺せそうもない短い刃渡りの庭鋏で、攻の腹を刺したのか」とあったのでちょっと個人的に考えてみました。
それはたぶん全ての罪を自分になすりつけるためだろうと私は思います。山には攻を鋏で脅して人質のつもりで連れてきた。(殺すには刃渡りが短すぎるのはもちろん計算に入れつつ)、必要なくなったので、攻を殺そうとして刺した。そう供述すれば、攻はあくまで被害者になれる。会社や従業員を守ることが出来る。受は自分がしてきた罪の重さをわかっており、来世で会いに来てね(=今の世では二度とあなたとは会わないよ)と攻にお守りを渡し、より重い実刑判決を望みます。執行猶予がついたら心が揺らいでしまうから。だから検事の手もわざと鉛筆で刺して、懲役にさせた。攻を不幸にしないため、刑務所に入ることがベストだと判断したのではないでしょうか。
(※あくまで私個人の一意見です。)

そして、最終章。あの展開はあまりにも衝撃的過ぎた。
もはやどんなに頑張ってもあの数ページだけは忘れることは出来ないと思います。

扉絵のようにいつか包帯が外れ自立歩行出来るようになるのか、
それともケロイド状の痕が残り、介護なしでは生きられない体になってしまったのか。
いくら考えても答えが出なくて辛かった。

今はまだ読んだ後寝込んでしまいそうな程度にダメージが残っているので、
もう少し落ち着いたらゆっくり、じっくり、読み返してみようと思います。

最近ARUKU先生のファンになった方、是非一度この本にも挑戦してみて下さい。
ARUKUワールドにどっぷりハマり、抜け出せなくなってしまうと思います。
読んでいてキツイし、辛いし、しんどいし、でもすごく大切な何かも伝わってくる不思議な神作品でした。

6

ネタバレは読まずに読んで欲しい

凄い
読み終えてすぐの感想がこれ
最初から二転三転するストーリー、スパイスのようにお伽話が組み込まれている
プロローグのやりとりでこんな終わり方かな? と思ってたらまさかの……
ハピエンだけどその終わり方が凄い
とにかくネタバレなしで読んで欲しい本
どうなるのこれ??って思いながら読んでラストを迎えて欲しい
この話、雑誌で連載されていたようだけど、リアルタイムで読んでいたら次はまだか…って悶えて最初から読み直してたと思う
他の方も書かれてるけれど純愛モノ

それにしてもARUKUさんの世界観は不思議
現代モノでもノスタルジックなファンタジーさを感じる

5

まさかの一大巨編。衝撃と感動のラスト!!

金、肩書、詐欺、裏切り、欲望、殺意……
人の様々な思いを描いた巨編でした。
この軽い感じの表紙の向こうに、
こんな作品が隠れていようとは、思いもしませんでした。
初読み作家さんで心を持っていかれて、「ヤラレタ」という感じでした。

≪あらすじ≫
一大商業・星グループの総帥として君臨する攻め。
そこに猿喰山の屋敷の庭師として受けが現れます。
受けは純真無垢で自由な心を持ち、総帥の攻めすら恐れず、
博愛主義のなんとも子供っぽい魅力的な人物でした。
多忙なスケジュールの中、受けの人懐っこい姿を遠くから見ていると
妙な気分になってくる攻め。
ついには、庭師とグループ総帥と言うあまりの身分違いに
気付きながら、後悔はしないと思い立ち、受けへの恋を自覚します。
しかし、純真無垢に見えた受けには別の顔があって……?

----------

私も最初は、人懐っこくて莫迦なことにも一生懸命な受けに
完全に騙されました。
はっきり言ってしまえば、受けは「下衆な受け」です。
受けの正体は詐欺師。
それも結婚詐欺師として有名でした。
ノンケの攻めを自分の魅力で恋愛詐欺で虜にしてやろう算段
だったのです。
相棒には、「男が男を恋愛詐欺で落としてやろうなんて
逆立ちしても考えつきはしない」などと言われてしまいます。

その裏で無垢な庭師を演じながら、受けは少しずつ攻めとの
距離を埋めていきます。
もう、ここはもどかしくてもどかしくて……。
攻めもグループ総帥として、人を冷たくあしらったり、
人事で非道な遣り方をしたりと、「良い人」とは言えません。
でも、受けはそんな攻めを「寂しい王様」と呼んで、
孤独を癒そうと見えます。
でも、そんな孤独で可哀想な攻めを、騙そうとする受けが信じられない!
下衆すぎる……!!
行動と心の中が全く別で、「このやろぉぉぉ」と憎く思ってしまいます。
孤独な攻め。唯一の癒しが受け。
それなのに、ほぼ金目当てで、優しく癒そうとする演技をするなんて…!
受けのバカっ!


受けと攻めは体をつなげる関係となりますが、
ついに、受けが詐欺師であることが明るみに出ます。
それでも、どうしても受けの事が諦められない攻め。
ああ、もうここは攻めが金も肩書も、人が羨む全てを捨てたのだと
思わざるを得ませんでした。
夜の雪の中、猿喰山の屋敷から逃げ去る詐欺師の受け。
しかし、その中で攻めは追ってきます。
「追手が来るから、早く逃げろ」と。
食料と、温かいホットチョコレートを持ってきて…。
雪の中、それを食べる2人……。
被害者と加害者、雪の中で身を寄せ合って食事をとる…。
滑稽でいて、とても切ない図でした。

そんな中、ついには警察はヘリコプターで受けを包囲します。
そして受けは抵抗するでもなく、一番大事にしていた
お守りを攻めの首にかけ……
枝鋏で攻めの腹を刺し、詐欺罪と殺人未遂罪で逮捕されます。

この場面は本当に謎です。
でも考えたくて、分析したくてたまらない場面でもありました。
何故、受けはあれほど大事にしていたお守りを
逮捕される前ギリギリに攻めに渡したのか。
もし殺すつもりだったら、渡しても仕方ないのではないか。
そもそも、すぐ助けられるヘリが近くにいることを確認してから、
確実に人を殺せるとも思えない刃渡りが短く、とどめを刺すには
あまりに向かない小さな庭鋏で、攻めの腹を刺した……。
本当は、受けは攻めを殺すつもりなどなかったのではないか?

と、いうより何故、何故、罪が重くなるような
殺人未遂罪をギリギリになって犯したのか。
攻めが言ったように、詐欺罪だけであれば軽微な刑で
済んだかもしれないのに。
更には、攻めに頼り敏腕弁護士に委ねれば刑も、執行猶予付きの刑に
なったかもしれないのに。
少しでも攻めに未練はなかったのか。
万が一にも、攻めが死んでもよかったというのか。
受けに少しの良心の呵責はなかったのか。
攻めへの愛は、ほんの一欠片もなかったのか。
……本当に何をどう考えても、分析が難しいです。
謎が深いです。


受けが攻めに最初にお願いした言葉は、
「人を信じて」
受けが攻めに最後(だと思われた)時に放った言葉は
「人を信じるな」

どちらが本当の受けの言葉だったのでしょう?
詐欺師であることを全て晒し、判決で懲役を受けた
受けの最後の言葉の方が、真実だったのでしょうか。


そして、待ち受ける
衝撃と感動のラスト!!!


これについては語りたくて語りたくて
堪らないのですが、ネタバレなので避けます。
あああ、でも語りたい! ネタバレしたい!
そして心ゆくまで、このラストの謎をあーでもないこーでもないと
分析したい!><

是非、その目でラスト数ページを見て、
「いったい、この話が訴えたかったことは
 なんだったのだろう」と
考えてみてください。

よくぞ、これだけの話をコミック一冊の中に
閉じ込めたなと思わせる一大巨編でした。

絵に特徴があり、顔のデッサンも正直言うと狂っています。
まあ、言ってしまえば「下手」です。
でも、そんなものは全く考えもしないほど、物語に引き込まれます。

物語にさほど関係ない場面でも、気に入ったシーンも有りました。
星グループで重役として働いているらしき男性が辞職を
攻めに願いでた時の話です。
妻が若年性認知症と診断され、重役の肩書を全て捨て、
妻と日本中を旅するのだと……。
そのために、会社を辞職します、と。
このシーンは、攻めの心ににどのように響いたのでしょう。
「大切な人間を大事にする心」、「最後まで添い遂げようとする心」、
そんな影響を与えたのではないでしょうか。
このことは、あの感動のラストの一端を担っているのではないかと
私は考えました。

是非ともみなさまにも手に取って読んでいただき、
色々なことを考えて欲しいです。

そしてひとつひとつの台詞、コマ、構図、構成に気を配りながら、
一体この物語は何だったのだろうと考えて欲しいです。

4

犯人探しミステリーじゃなく純愛モノでした

1冊すべて表題作の長編です。
主人公二人が中心ですが、周囲の人たちの視点も入っています。

王様と庭師の長い物語、というのが読後の感想でした。
タイトルからは、何かミステリー的な事件が起きての犯人探しかと勝手に予想したのですが、全然違いました。

騙す、騙されるということ。愛する、愛されるということ。
色々なことが頭を巡った作品でした。

この作家さまの作品は切ないエンドのものも結構ありますので、最後までドキドキしながら読みました。ラスト、ほっとして涙が出ました。鷲巣は衝撃的でしたが…。

セリフもモノローグも多めなので、文字を読むのが好きじゃない方には厳しいかもしれませんが、挑戦してもらえればなと思いました。ストーリー重視の方には特にお勧めです!

2

センセーショナルな愛の結末

BLとはいっても、最近は幅が広いですよね。これも、異色な作品のひとつ。
そう、この「よくわからなさ」が本作の魅力。表紙にしても、タイトルにしてもよくわからない。
むしろ、あらすじや攻めの王子様然な表紙を見ると、よくあるパターンを読者に期待させるところが、悪趣味(褒め言葉)なくらいです。
賛否両論のアルク先生の絵についても、私はこの「よくわからなさ」の魅力をより一層ひきたてるものとなっていると思います。

BL読者としての経験値がたまりにたまった今、手に取ってみて、ようやく自分が作品に追いついたというか、ひとさまにお勧め頂き、スゴい作品だったのだな、と痛感し、頭をたれてうなだれつつ…。

まず、なんといっても、登場人物の描き方が多面的。
とくに庭師の鷺坂。義彦やお屋敷の人間たち、村山のように、読者も彼に惹き付けられる。彼の得体のしれなさが、物語を牽引していきます。
ひとに騙すときには、嘘ばかりではなく、真実をおりまぜると、より騙しやすいという話を聞いた事がありますが、まさにそれなのです。
「信じてください人を」と言った口で、「人は信じるもんじゃねぇよ」と言い捨てる。
鷺坂のどれが本心で、どれが偽りなのか。

そして、星グループの総裁でいて当主の義彦。
無慈悲で可哀想な王様の救済の話かと思いきや、彼の思慮深さや意思の強さにも好感が持てます。
最終的には、そんな彼に救われていくのです。

ふいと現れた庭師が、若きお金持ちの王様の凍った心を溶かし、ふたりの距離が近づいていき、ついには両思いに…しかし、その庭師には秘密が!
なんて、書くと陳腐に思えてしまいますが、ひとかわ剥いで、また剥いで、剥いで、核心にふれる部分に近づいたかと思いきや、はぐらかされ…と読者は煙にまかれます。
ですが、最終的に検事の村山を登場させることで、義彦の気持ちを追体験させ、読者はさらにふたりの愛(物語)について理解を深めることとなるのです。
「好き」「愛している」の言葉ではなく、事件で読ませるBL。
時間軸的にも、人物の相関的にも幾層にも物語が重なり、多くは言葉で語らせず、その層の合間を読者に読ませる物語。
アルク先生はどのように、このお話を構築していったんでしょうね。
さらにこの結末でGOした、ご本人も編集さんもスゴすぎます。

時間がたってから、また読みかえしたい作品です。
私は、実は薫彦は義彦の弟ではないかなぁ、というのがただ今の私の希望的観測です。

11

よい出会いでした

先達のレビューワー(レビュアー、か?)さんたちの存在がなかったら、出会えていなかった作家さんでした。ありがとうございますっ!!

表紙の画やタイトルだけでは、絶対手に取らなかった。そして、食わず嫌いの蓋をスポーンと取っ払ってくれた作家さんでもあります。自分みたいなオサレカフェ好きコーヒー素人が入りづらい珈琲専門喫茶店みたいで、なかなか入れんかった。読み始めて確かに独特だなぁと思いました。コマ割りがストップモーションに見える。セリフ回しが漫画というよりは劇画のよう。その中にもコソッと笑わせてくれるひとこまがあって。この作品は作家さんの良さというかハイライトが凝縮されているように思います。もちろん、短編集も良いですけど。自分は『ほんとは好きだ』から入りましたけど。いや、もうなんでもいいっす。出会える準備ができてたってことで。

ARUKUさんの作品を読むたびに胸打たれるのは、愛される側(受)のピュアさにほかなりません。そのピュアさに惹かれる攻というのが朴訥ながら男気あふれる一途な人たちなんだよなぁ。あぁ、なんて純粋な魂のお話を描かれるんだろう。受が唐突に攻を「えっち」呼ばわりする場面がお約束で出てきて、むっちゃツボなのですが、「きゃー、の○太さんのエッチ!」なみに全然エッチじゃない。欲情の萌芽さえものすごく崇高な感じがする。人物のセリフ外の心情モノローグがまた深い。なんか知らんがこの方すでに解脱してるよなと思わせます。

君の美しい容貌に惹かれているんじゃない、君の無垢な魂に惹かれているんだ!!文学作品を漫画化したら、こんなふうになるんじゃなかろうか。逆に実写映像化は作り手の趣味が出るから難しそうですね。あまりして欲しくないけれど。時間のある時にじっくり何度も読みたい作品です。

5

罪か否か

何度読んでもいつまでたっても感想がうまくまとまりません。
正直、アルク先生の平面的なイラストやどこかセルロイドの人形を思わせるようなキャラの顔などが苦手な方には、生涯手を伸ばさない一冊でしょう。それが分かるからこそ、私自身人に勧めたことがありません。
キャラクターたちの独特な雰囲気、基本的に長方形のみで淡々と割られているコマ、ぎっしり詰め込まれる内容、特にこの作品は吹き出しが多いので必然的に情報量も増えています。そこに特徴的なイラストがはまるわけです。
表紙を見ただけではそんなに特殊なイラストではなかろう、まぁ耽美系かしらと感じるのですが、慣れるのには少し時間がかかる風合いですよね。

でもアルク先生にしか描けない、もの悲しさ・うら寂しさがそこらじゅうに重く垂れこめていました。
人が触れないところを嫌味なくかすめていくのも、先生の古めかしさを感じる作風だからこそ受け入れられるのかなと思います。痴呆症のことも、内気なガキと称することも、本物の鷺坂の末路も。

特に、鷺坂もとい蟇田の最後。
誰がこうなることを予想していましたか? 彼は確かに詐欺師という職についていました、裁かれるべき人間であり罪を償うべきことを重ねてまいりました。
愛を感じ始めた星に対してもひどい裏切りを働きました。なにしろ彼は詐欺師でありましたから、欺くことが生業でありそれを星に対してもすることで自身は決して王様に心を寄せちゃいないと説いているようでもありました。……なるべく心を寄せないように、近づいてしまわないように、自分が何者であるかを忘れないように…みえました。
出所後、新たに歩みはじめた世界でただ星のことをそっと地上から夜空を見上げるようにそっと、誰にも迷惑をかけずにかの人のことを想っていただけだったのです。星は会いたいだろうと思いますが、でも蟇田が選んでいたのは寂しい王様との別れでしたし会わす顔もありませんし、なにより会ってしまえば自らの感情を認識してしまうから、だからこそ進んで再会への働きかけをしなかったのでしょう。
蟇田は悪い人間でしたが、悪くならなければ彼は生きられず、でも悪いことを正当化はできませんからやっぱり悪だったことは、間違いありません。

そんな蟇田の過去をすべて清算してしまうような展開。

衝撃的です。まさか、こうなるとは考えもしていませんから。
インパクト抜群の絵面は忘れられません。
星が愛したあの蟇田の顔はもう、ないかもしれない。
声帯だって元通りにはなっていないかもしれない。声、もう違うかもしれない。
王様、と甘えてねだった指も顔も手も声も体もなにひとつかつての蟇田とは違うかもしれない。
それでもきっと、星は蟇田を愛するのだろうなぁ…。

はたと気が付いたのですが、アルク先生の作品にはページを捲っての唐突な場面転換の手法が多様されていると思います。それがゆえに、お話自体からテキパキとした印象を受けるのかもしれません。
柔らかい、よりも硬いと感じるのに、でもお話の雰囲気はノスタルジックで童話っぽい。総合的にみると柔らかさがあるのですよね。本当に不思議。
あと生真面目な星と子供の組み合わせって、絶妙で可愛らしくって。ほっとします。
帰ろう。一緒に、帰ろう。

11

名作だと思います。

商業BLにハマったのが遅いので、名作を今更ながらわさわさ読んでおります。
これもその一冊。

BL、こんな壮大な話もあるのですね。
タイトルはこれだし、表紙の絵もあまり好みでないし、でも書評を見ると皆も同じような事云ってるのに読んだら神評価。
どんなものかと読んでみたら、納得!
これはすごい!
最初だけなら、ハーレクイン宜しく、人間を好きになれない鋼鉄の社長の心に、気付いたら入り込んでいた天真爛漫な庭師……のような話を想像しがちですが、全くそんな事もなく、壮絶なラストでした。
この方、他の話も読み漁りましたが、敗者の心情描写が細かくて上手いなあと思いました。

ただただ惜しいのは「絵」です!
他のちょっとほのぼの系でしたらこの絵でも結構平気なんですが、シリアスだと「何で、此処でこの表情?」など絵の固さと独特の癖が気になって。
だからといって、この原作で他の絵なら良かったかというと、そうでもない気もします。
あと、エロは直接描写なしで朝チュンの方がよかったかも。
重要だし、エロ自体はないと成り立たないなあとは思うのですが、あの描写で何か我にかえってしまうのでいかんせん。
惜しい!

2

今生で果される約束。息苦しいほど愛しかない。

皆さんレビューしている通り、
ラストに向かう5ページが
読者に投げつける衝撃は凄まじい。
BLでこんな終わり方をする話に出逢うなんて。
レビューで読んでいても、
読まないと味わえないこの感覚。
全てが幸せではないかもしれないけれど、
幸せな結末に違いはない。

絵は確かに難点で、
ちるちるでこの話を知る事がなかったら
自ら選ぶことはなかったと思う。
絵のクセといかにもなセリフ口調で、
濡れ場に萌えることはなかったのだけれど、
でも、これがもし他の絵だったら、
こんな読後感にはきっとならないし、
ラストの衝撃も違っていたのかもしれない。
ノベライズしても合いそうだとは思うけど、
やっぱりあのラストは絵で見たい。
なんかそんなことも色々と考えてしまう。

絵以外には、
コマ割りとかがもう少し強弱があればとか、
2人以外の登場人物へのスポットの
当て方が平均的すぎるような…(鷲津と検事)とか
は思いました。
でも全てあのラストにかき消されて
読むべくしてこの話を読んだんだろうなという気にさせられる。
萌えとは違う、読む人のツボをつく作品。

小説からBLに入った人、
ストーリー性を最重要視する人、
BLっぽさ満点のBLは好みじゃない人、
好みに合いやすいのではないかな。
でもむやみに勧める感じでもなく、
気になるな…と思った人には背中を押したいと思う作品だ。

3

びっくりしました

この絵でBLとか・・・ 

でも出会えて良かった。
一冊丸々おんなじ話。

薄暗い 幸薄そうな そんな話なのに
なぜかそこはかとない コミカルさ。
この作家さんの本は初読みでしたが この作品がハマるきっかけでした。

2

ラスト3Pが素晴らしい!!

お話の流れも判ってるし、ラストも判ってるんだけど
ラスト3Pは、、、もうっっっ!!
あああああああああっていうなんだかわからない心の叫びと
物語の終幕を迎えられた充実感でため息が出ます。
まあ、実際は涙が溢れそうになるのを堪えるのに必死なんですけど。。。

という訳で・・・
何回目か判らないけど読み返してみました「猿喰山疑獄事件」
ついでに感想を書いてなかったので思ったことをちょっとだけ
吐き出してこのなんだかわからない心の叫びを収めてみたいと思います。


ラストはいつも通り、涙なくしては・・・なんだけど
第九話の最後の「さるは いなけど あひるはいるぞ・・・」も
改めて読むとグッときました。

すんごい小さなエピソードの積み重ねですよね~。
描き下ろしの「アヒルの分際」を流れの中で読んでるから
余計に鷺坂ちゃんを思い出させるセリフです。


大好きな作品ですが
最初に読み終わったときはラストがすっごく良くて
でも全体的には前作「ビター×スイート」のほうが
ガツンと心に来たなぁ~と思ってたんだけど
今はどっちも素敵な作品だなぁと思います。

お金を投げつけて出てけといいつつ出て行くなと抱きしめたり
エッチで自分で煽っといて後から舌打ちをしながらも
感傷的になると電話してしまっているところとか
このふたりとってもかわいいですよね。
不器用というか健気というか。

遙々さんのお話は読めば読むほど味が出る面白みが増す。
小さなエピソードも見逃さずに読み込む楽しさがあります。
(やったことないけど)RPGやアドベンチャーゲームを
新しい発見を求めて2度3度繰り返す感覚に近いのかな?
また今度読み返したときにどんな気持ちを抱くのか楽しみです。

5

いいお話です

この作者さんとは「ビター×スイート」が出会いで、このサイトのプロフィールによるとこの作品でブレイクしたとのことだったので、いつかこの作品を読んでみたいと思っていました。
ブレイクしたっというのに納得!
他の方も仰っているとおり、私もこの方の絵は決して好みではないのですが、ストーリーで読ませてくれます。
絵も、前作でもそうだったんですが、読んでいくと私はそれ程気にならなくなってきました(むしろ、こういうユニークな絵だからこの独特の味が出ているのかも)。
語られない想いとか、行動の裏にある愛情とか、なんだかとても深いお話です。
こういう深いストーリのお話、もっと読みたいですね。

6

衝撃的

凝ったストーリーに構成、
序盤後編まで受けの正体を明かさないなど
構成トリックが素晴らしかった
ラストの演出も衝撃的で涙が止まらない。
こういう骨太ストーリーのBLがもっと読みたい。

5

深いストーリーに 胸が熱くなる!!

絶対的なハッピーエンド派の私としては
 終わりが なんでーーーーーーwwwwww(><)な展開!
ハッピーエンドですよ! ええ!!でも でも どうせなら・・・もっと他の終わりかたがあったでしょうに~! 
 他の終わり方なら ココまで名作になってないか・・
でも良かったwwwww 王様が 庭師を見捨てないでよかったwwwwもう
 涙・涙・涙です(><)ラストシーンは 胸が!!胃の口が!!締め付けられるぐらいに 感動作品です! 
 

6

こ、これは

これはレビューを書くのが本当に難しいお話ですね(^_^;
何を書いてもネタばらしになりそうで困ってしまいます……。

お話は「きっとこうなるんだろうな……」「たぶんこう!」という予測を上手に裏切ってくれつつ進みますので、途中飽きずにどんどん読み進んでいけます。
そしてやはりラストで「何と!?」という声を上げさせられ涙の展開です。

ストーリーは細かいところまでよく考えられていますし、読み応えたっぷりでちょっとびっくりするぐらい良い作品です。
ただ……ただ……皆さんもおっしゃっているように絵が~~~~><
どうしても自分の感覚に合わなくって、そのせいでBL的な萌を感じることが私には難しかったです。
出来ればコミックではなく小説で読みたかったです(;_;)

コミックなので絵(個人的好みの問題でかなり低めです)とストーリー両方の評価を足して割って、総合的に見て萌えですかね……。
く~~~~~~。本当に良いお話なのですが><

4

本当に本当に面白いんですけれども神はつけられない

暴君と恐れられている星グループ総帥とその庭師との一生一代のラブストーリー。あまりに面白かったので、始めから終わりまで一気読み!!単行本一冊でこれだけ濃ゆい内容の作品を作れるなんて凄い力量ですよ。特に終盤の展開の神掛かり方と言ったら…!!!


じゃあ何故に評価が神じゃないかと言いますと。


絵です。


と言っても全てにおいてではなく、ピンポイントで…一番最初の行為中の描写は無くて良かった、です。ええ、無かったら神でした。マジに。だって無くても展開に問題無いもの!!

いや、とっても残念なんですよ…人物の心理描写、セリフの選び方、脇役達の存在感、キリキリしたキュン具合、あのラスト、…どれを取っても本当に本当に本当に素晴らしい!!

でも視覚的に萎えたのはどうしても否めなかった。そこだけ、そこだけなんです、マイナスに響いたのは…!!!

シーンを敢えてカットする勇気も必要だ、と痛切に思った作品でした。なんかレビュー書きながら悔しくなってきた…

4

散々迷った結果がこれですよ

読んだのは結構前です。今更のレビューです。

不穏なスタート、何か事情のありそうな庭師と孤独な王様(巨大グループ会社の代表)の、腹の探り合いのような交流で話は進みます。小道具などあちこちに伏線や暗喩があり、エピソードも良く練られているなと感じます。…というのは二回目以降に読んだ時に気付くことではありますが。

先に読ませる力があり、面白い…ですがやはり絵がぁああ…と心の狭い私は思ってしまうのです。俺の美貌て美貌ちゃうやろ!と。そして色っぽい場面の残念さがですね…うぅーん…。
正直、この方が原作で別の方が作画やられたら(しかもそれがあんな方やこんな方だったら)もうどっかんどっかん来たと思うのですが…。(稿料などで無茶なのは百も承知であります。)

ラスト含め面白かったですがどうしても神評価にはできませんでした…。萌えもちょっと難しかったですがそこは色々敬意を表して。

ところで村山検事はビター×スイートの攻めの兄弟かな。

4

あの世に持っていく思い出

遙々アルクさん、レビューしたつもりで忘れてたので改めて。今まで3冊コミックス出てるのかな。数日で集めてしまいました。決して絵が上手いとは言えないのだけど、ひとつひとつが切り取られたドラマのようで、余韻が残るけれど、物足りない、もっと読みたい、と! 噛めば噛むほど味の出るスルメというか。全てのキャラクターにはちゃんと人生があるのがわかる、似た人など誰もいない、魅力的な人物ばかりです。短編もいいけど、長い話を読んでみたい! …その結果です。
冷たい風の吹き下ろす屋敷に住む王様と、突然入りこんできた庭師。王様の言うことなどきかない自由な庭師に何故か惹かれていく。だが彼の正体は恋愛詐欺師だった…。
単純なBLの世界なら愛があれば大丈夫なのだけど、もう一人の詐欺師に情報を流したことで警察に目をつけられる。騙されているとわかっていても愛を告げる王様と、騙す相手の孤独を知った詐欺師。相手から金を引き出す前に寝てしまった詐欺師と、詐欺師相手に来世の約束をする王様。そして警察が――。
メロドラマのようでいて、ほのぼのとした会話と、醜い現実が交叉して、純愛は形作られていく。事件は起こり、相手を想うがゆえに別の道を選ぶ二人。ラスト、これで幸せなのか!?と愕然とするとともに涙が~。
表紙の小道具にも意味があると後でわかる。薔薇とチョコレート、手袋に小鳥。
あの世に持っていく思い出で鞄がパンパン。それが幸せなのだと老人は語り、荷物は少ないほどいいと詐欺師は言う。
私の鞄はBLでいっぱいです。これを読めてよかったという幸せ。

最初と終盤に出てくる検事さん、ビター×スイートの攻のお兄さんかな。名前が平凡なので、気付くのが遅れました。確かにおもろい一家だ。

12

2009年№1作品でした

2009年に読んだBLマンガの中で一番傑作なモノといったらこの「猿喰山疑獄事件」だったと断言できます。
絵は好きじゃないけど、およそBLらしからぬおかしな題名に興味を持って読み始めたら、はまりました!
表情の乏しい絵も苦にならないくらい引き込まれるストーリー。
あとで思いました、こんなに秀逸なストーリーで絵もおそろしくキレイだったらひょっとして評価は別のところへ行っていたかもと・・・この作品にはこの絵だから説得力があるのだと。
サスペンス・ミステリーの相を呈しながら登場人物達の気持ちが切々と胸を打つ感動。
皆さんも書かれているように衝撃のラストに涙がとまりませんでした。

他の作家さんもよくモチーフにするアンデルセンの「王子と小鳥」
色々な解釈と表現があるけれど、傷つきながらも守られる最後の約束が、「うちに帰ろう」このラストのセリフが、今まだレビューを書いていても、涙をあふれさせます。

冷酷な男が詐欺師の男と出会い、その心を通わせる。
単に純愛の物語ではあるのですが、端々に盛り込まれるエピソード、気持ち、それらが巧みに作用して感動を生むという作業の神業を見せつけられたようです。
後になって表紙絵に、小鳥、鳥かご、薔薇、チョコレートとキーワードになるアイテムが盛り込まれていることに気が付きました。

2010年も注目の作家さんです!!

15

レビューは読むなっ、な作品かも。

こんな、すごい作家さんがいたとは!ジーザス!ジーザス!BLの神様、有難う!
正直、、まず本屋で手に取らない、癖のある絵柄。
ですが、読んでみて是非とも皆さんに勧めなきゃと、絵が苦手ってだけで読まないのはもったいない~!!

皆様おしゃられるように、これはレビューすんの難しい、、。レビューは読まないほうがいいんじゃないかな~?ってレビュっといてなんですが。
先入感持たずに読むのが一番いい。
私、衝撃のラストって、、を勘ぐり過ぎて、まさかのフャンタジーか?いやいや?兄弟オチ?とか。
勘ぐりすぎました。いや、ダメって事じゃありません。

アルクさんの作品はいつも孤独感がつきまとっている。
二人の孤独な男の行く末を、祈るような気持ちで読まずにはいられません。
童話のナイチンゲールが織り込まれ、美しく残酷で幸福な、、舞台は現代ですがお伽噺のようです。
張り巡らされた伏線に何度か読んで、ハッとしたり。
脇役が効いていたり。
最初読んだときは、よく解からなかった、カエルの折り紙。
人間には失うことが出来ない、逃れられないものがあるんだよ。カエルは鷺坂にそう云ったのかな?

何度読んでもモヤモヤしたり、、単に切ないとは表現できないような複雑な気持ちになります。
この気持ちは、木原作品を読んだときの気持ちに似ています。
なんとも表現できない切なさ、幸福感に涙が溢れる。
ああ、いい話だった。で、終わらない。読後に、う~んと考えさせられる。
5回程読みましたが、まだうまく着地出来ないのです。何年後は、どう感じるのかなぁ。

アルクさんを見つけてきたリブレさんGJ!!
只今アルク病で過去のアンソロ本やら何やら集め中です。
今、最も期待している作家さんの一人です。
本年のダークホースですな。

12

酷く美しいおとぎ話

[壁]д・)Ξチラッ
みなさんの盛り上がりに、好奇心をそそられて読みました。

いくつも仕掛けられた読者へのトラップ。
難なくかわしながら読みました。
ええ、なにしろ、ちるちるで盛り上がってたので
何かあると!思って読んでいたからですw
でもね!
すごく期待して読んだのにガッカリすることはなく
最後ガツンっ!と、頭を殴られたような感動がありました。

星グループの代表を務める星義彦は、現代の王様。
孤独な王様の心をうつしたような花の咲かない殺風景な庭。
その庭に花を咲かせたいと申し出る庭師・鷺坂貢。
お金も地位も頭脳も美貌さえも兼ね備えた王様と
何も人を魅了する笑顔だけを持つ庭師。

もちろんボーイズラブですから、そこに愛が芽生えます。
酷く美しいおとぎ話でした。
私にはそう見えました。

ボーイズラブが苦手な人ってたくさんいますよね・・・
私は、こういう作品を読んだとき
自分がしみじみ腐女子でよかったと思います。
┏○)) アザ━━━━━━━━ス!
とにかくなにかとってもお礼を叫びたい気分w

読み終えてふと
一番最初のカラーページにお話がつながるような気がしました。
心の目でみるとそーいうことだよね?

10

しあわせのカタチ

ちるちるでこれだけ話題になってたらこりゃぁ読むしかないだろうと思って購入しました。
ネタバレになってしまうのが嫌だったので、ほかのレビュアーさんのレビューは見ずに買った。頑張った、私…!!
確かに絵が苦手なかんじだったけど、雑誌で見かけてたので案外普通。

で、読んでみた感想としては…
うーん、みなさんがおっしゃられているように、なんとも書きづらい内容なんですよね。
愛を知らない孤独な社長・星と、彼の心を溶かす庭師・鷺坂。
これだけの話っていえばそうなんだけど、そんな彼らの織りなす愛と憎しみの激動の物語…とでもいえばいいのでしょうか。
この作品を読み終えて感じたことは「愛ってなんですか?」ってことでしょうか。
うーん「愛」とはまた違うのかな「信じること」かなぁ。
人を信じ愛する心は揺るぎないものなんだなぁってしみじみと感じました。
孤独な王様は、庭師によって初めて「愛」を知り、「他人を信じる」ということを覚えます。
この作品には、たくさんたくさん「哀れ」な人が登場します。そんな彼らのそれぞれの末路は。
哀れな自分に愛を捧げ救ってくれる人もいれば、そのまま転落していく人もいる。
人を信じるって、愛って、幸せっていったい何??

衝撃のラストですが、とてもとても美しいラストだったと思います。
王様は王子様でした。
人を愛し信じることによって、素敵な王子様になって帰ってきました。
庭師が薔薇を咲かせた見返りに叶えてくださいと伝えた言葉
「信じてください 人を」
王様はちゃんと叶えてくれましたよ。
これが二人にとっては最高のハッピーエンドだったのかもしれないですね。
そんな王様の子供が、どんな風に育つのか、それも見てみたい気もします。

絵は決してうまくはないんだけど、表情と間で魅せてくれる作家さんだなぁと思いました。
絵も、ラストのほうではすごく綺麗に見えてきます。

一度目は物語を必死に追って、二度目以降はほかの登場人物や、二人の表情や気持ちなどを追って読んで欲しいと思います。

8

ミドリ

菊乃さん、こんばんは~
私も菊乃さん含めほかの方のレビューを見させていただいて、
こんな見方もあるんだなぁと改めて思いました。

「信じてください 人を」
は、この物語においてとても深い言葉だなぁと。
彼の職業柄“自分を信じてもらう”ことは大事だと思うんで、そういう意味での“信じてください”であったとも思うし
それでも孤独な王様にとっての“他人を信じる”ということを教えたのは彼で。
それがあんな形で自分に帰って来た。
そのことに何よりも感動しました。愛ですね、愛!
ね、きっとその愛を受けていい子に育つでしょうね。

菊乃

ミドリさん、こんにちは~!
こうやって他の人のレビュー読むと更にいろんな事がわかりますね!
「信じてください、人を」って
結局は言った本人が一番望んでいた事だったんですよね。。。
ミドリさんのレビュー読んで、すごくストンと納得しました!

あの子供、きっといい子に育つだろうなぁ。。。

すべての答えはラスト1ページに。。。

1度読んだだけではどうしてもうまく感想がかけなくて
3度読み返しましたが。。。やっぱりうまくかけそうにありません。
そんな、不思議な感覚の作品でした。

1回目は、過去と現在が交錯する物語を追いかけるのに精一杯で
登場人物の心理状態や気持ちをうまく掴めてないと思っていたのに
あのラスト3ページで一気に堰を切ったように涙が溢れて来て
自分自身よくわからないまましばらく放心状態でした。

2回目は、もう少しそれぞれの気持ちを読み解こうとしましたが
王様こと星義彦と庭師の鷺坂貢以外の登場人物
こと、王様の周りの使用人や部下たちが
いかに王様のことを尊敬し愛しているかが垣間見えたものの
やはり主役2人の本当の気持ちを確信出来ないままラストとなり
そしてまた、最後の3ページで号泣することに。。。

3回目は、いままでの情報を踏まえたうえで
あえて無心で読んでみたところ
2人のちょっとしたセリフや行動に気付くようにはなったのに
やはりそこには萌えどころか、切なさとか感動とか
はっきりとした感情があまり浮かばないまま
みたび、ラストで大号泣することになってしまいました。

だから、この作品はきっと
どんな読み方をしても
最後にはちゃんと登場人物すべての思いや感情が
ちゃんと読者に伝わってくる、不思議な作品なんだなと思いました。

ああ、やっぱりうまく書けないですね^^;

とりあえずは、最初にネックだと思っていた「絵が苦手」と言うのは
全く問題なかった、ってことはお伝えしておきます。
一見表情が乏しいような画風ですが
そこが逆に、この作品の空気感とうまくマッチして良かったのかな
と思いました。

多分これから先も、何度も読み返すことになるであろう
私の中で、今年の上位にランクインした作品でした。

10

菊乃

>タラシなともふみさ~ん!w

こういうことだけは早いんですよw
いや~、決して激しいシナリオではないはずなのに
毎回の号泣に我ながらびっくりです^^;
一般受けしないかな?って思う部分が多いのに
多分、多くの読んだ人が私たちと同じ思いをするんだろうな~って思いますよね~。
まさに「すげー漫画」でしたよ!!

>罪作りなむつこさ~ん!w

今読み返しても、まだまだ言いたいことが言えてないんですけど
それでも読んだ人にはちゃんと伝わってますか?

>頭のなかで筋道だてて整理して考えようとすると、逆に逃げていく感じ。
ああ!そうそう、まさにそんな感じ!
確かに、リアルの人間の感情って実はそうかもしれないですよね。
あのラストは本当にすごかった!
あと、あの子供が。。。ああ、また泣けてきたよぉ~。・゚・(ノД`)・゚・。

むつこ

めちゃくちゃ気持ちが伝わってくるレビュー…なんかまた私じーんときてしまいました(´Д`)
そう、心情とかがはっきりとは分かんないんですよね。頭のなかで筋道だてて整理して考えようとすると、逆に逃げていく感じ。で、その、整理のつかない曖昧な感情こそ、人間心理のリアルさかもしれないとも思いました。登場人物二人も、きっと自分の感情が掴めてなかっただろうと思うし…。

ラストの破壊力、すごいなー。

ともふみ

こんにちは~。
素早いですよっ菊乃さん!そして神…!
みたびの号泣から立ち直りましたか??

>自分自身よくわからないまましばらく放心状態
その感覚よく分かります~。
そしてこの衝撃の記憶は、ずっと心に残り続ける気がします。
すげー漫画だぜっ!

なにこの話(/_;)

ラストで目から涙が吹き出しました。
なにこの話。
胃にきました…。
私も「うわ、苦手な絵だな…」と思って、手に入れたあともしばらく寝かせてたクチなんですが。

一話目で思うのは、「ああ、この孤独な社長の心を、純朴な庭師が溶かすんだろうなァ」と。
ベタベタ展開予測ですが、そういう話は好きだし、評価が高いのは知ってたから、「どんなドラマティックなストーリー展開の末に、二人は結ばれるんだろうなー」という期待にワクテカしつつ読みすすめました。
や、もう、そんな予測を立てちゃってごめんなさい、全面降伏です。完全に舐めてましたね。

そう、全然そんな話じゃなかったのだ。
話は二転三転していきます。
新しい事実が明らかになるたびに、思わずページを戻って読み返してました。そのたび、なんとなく読み流してた伏線の秀逸さに驚いてました。

しかしこれ、どこまでネタバレしていいのかな。
読み終えて改めてみなさまのレビューを読むと、かなり苦心し、慎重にレビューを書かれてるのがよく分かりました。
この一冊ほど、ネタバレ有ボタンが有効な一冊は、ほかにないと思いました。
みなさま、ネタバレ有ボタンのあるレビューは、絶対に先に読んだらダメですよー。
私はネタバレ無しレビューなので、これ以上は書けないです。
読んでみてください、とだけ。

なぁ
帰ろう
猿喰山に

10

むつこ

ともふみさんおはよー!
菊乃さんを惑わせたのは私かもですが、私を惑わせたのは完全にともふみさんですからー!
私が罪な女なら、ともふみさんはタラシってことでw

とくに下のともふみさんのレビュー、ほんと最高です。
読み終えて改めてレビューを読んだときに、ともふみさんのレビューでまた感動が蘇って、ポロポロ泣きましたもん。
素敵な作品を教えてくださって、本当にありがとうございます。
とくにラストの四ページは一生頭に残り続けるだろうなと…あれはハッピーエンドなのかなァ…。

むつこ

菊乃さんおはよー!
ふふふ、私って罪な女。
できたらイケメンを惑わせたいんですが、惑わせるのはいたいけな腐女子ばかりなり。

私も同じことを思います!
私は山田ユギさんの絵が苦手でした!今じゃ考えられない…。
あと、西田東さんや中村明日美子さんも苦手でした。
でも、みんなみんな「好きな絵」になっちゃったんですよね。ストーリーに感動したら、絵まで素晴らしく見えてきちゃうという不思議。
ほんと、絵が苦手だからと避けてたら、損をするのがBLだなァと。
ただ、遥々アルクさんがその域に達するかどうかはいまだに謎です…作家買いしたいと思ったので、いっぱい読むうちに、好きな絵へと昇華してくれるのかなァ…。

ともふみ

こんばんは~罪作りなむつこさん。
お~神降臨!
衝撃波くらっちゃいましたか!
あらすじとみなさんのレビューで予測不能って覚悟しててもその上をくるんだから、まったく凄い作家さんを見つけてきたもんだリブレさん。
>目から涙が吹き出しました。
うんうん、ほんと突然ぶわーーっと涙がでてくるんですよね。
ついでに鼻水も漏れました。

横スレ失礼しまっす。
菊乃さんもよしながさんの絵が苦手なんですね~わたしもです。
実は深井結己さんも絵が苦手なのですが、これまた読ませられちゃう。
>『絵が苦手』ってそれほど大きな問題じゃないな~とw
100票くらい投じます!
でも表紙買いはやめられない…
「猿喰~」読む際にはティッシュをスタンバってくださいね~

菊乃

むつこさん、あなたは罪な人ですww
遥々アルクさんの絵って、雑誌などで見たことはあったんですが
私もどちらかというと苦手な部類だったので
書店に新刊で並んでいた時もスルーだったんですよ。
でも、むつこさんのレビューをうっかり読んじゃったので
きっと明日には買いに走ると思いますw

最近富に思うんですけど
『絵が苦手』ってそれほど大きな問題じゃないな~とw
よしながふみさんも苦手だったんですよ、私w

衝撃のラスト

みなさんおっしゃってるので、改めて言うことはないと思うのですが、びっくりのラスト。
あのラストのために、このお話があったんだなぁ~と。
再会の時……そりゃ、涙なくして読めないというか、ついつい涙が出ちゃったって言うか。
ああ、これか、噂のシーン。
やられた……でした。
すごい衝撃でした、このラスト。

正直「この題名は何?」って思いました。『疑獄事件』ってだけでも?なのに、『猿喰山』って何よ……と。
でも、あちこちで絶賛されてるし、『ビター×スイート』も面白かったので買ってみました。
何だろう、読んでて先が気になって気になって。
で、あのラストでやっぱり泣いてしまいました。
よくできた大人の御伽噺って感じがしました。
痛いんだか、切ないんだか、なんとも判断の難しいお話でした。でも、のめり込んで読んだのは、間違いありません。

3

今年ナンバー1作品!?

驚きというのでしょうか。衝撃というのでしょうか。
ものすごいものを読ませていただきました。
心がいっぱいになって、数日はこの漫画のことで頭がいっぱいでした。

実を言うと、ちょっと絵が苦手で、今まで遠ざけていました。
この漫画を読み始めても、すぐに「ああ。どうせ最後は総帥の凍った心を溶かしてハッピーエンドね。」なんて思っていました。ところがどんどん違う方向に行くじゃないですか。思い返すと、もうこの時点で読ませられていましたね。
気持ちの真意がわからないま、話もどんどん展開していくんです。
そして、ラスト……。
衝撃でした。
涙が溢れ出しました。
今思い出しても、何も考えられなくなります。
読む人によって感じ方様々だと思いますが、私の中ではハッピーエンドです、間違いなく。
安易な感想が書けないくらい、すごかった。
絵が苦手なんて馬鹿な理由で遠ざけていた自分が愚かだと思いましたよ。
読み終わって「今年ナンバー1作品かも」と、今年初めて思わせられた作品です。
前知識なしに、是非とも読んでいただきたい1冊です。

4

読了後、放心状態に。

遙々アルクさんは、自分が世界から要らないと思われているような気持ちになる孤独を、良く知っている。
誰もがきっと持ったことがあるであろう感情を、良く覚えている。
このお話、ただの“王様”の初恋物語や、庭師のシンデレラストーリーなどではありません。
ドラマティックな癖に、シニカルでシビアな大人の御伽噺。
理屈じゃなく、面白かった。
イラストが苦手でも一度トライする価値は充分! この際イラストは不問!

星グループの若き総帥、星義彦。
彼がただの冷徹非情な王でなく、身近な家人や社員から誇られ、愛される存在であるのがとてもいい。
それを独特の台詞回しと、相変わらずの詞的なモノローグで実に巧く魅せています。
彼の存在とその深い孤独、そして優しさにとても救われました。
星は、自分が人を愛せない人間であることを悟りのようなレベルで気付いていることに、一種の諦めと哀しみを覚えています。
彼の抱える深い深い孤独は、そこが根底なんじゃないかなあ。

そんな哀しみの王の前に現れた庭師・鷺坂貢は、子どものように無邪気に、そして時に誰よりもシリアスに、星の生活に介入して行きます。
やがてこの小鳥のような彼を、星は深く愛してしまうようになるのですが…。
鷺坂のくるくる回る表情と、何処か抜けたような喋り口調に親近感を抱き、そして時に見せる裏の顔に胸が締め付けられました。
そう、彼は星をカモにしようと企む詐欺師だったのです。
鷺坂の真意は何処にあったんだろう。。。
彼の言葉総てが星に取り入るためのステップでしかなかったとは思えませんでした。

「信じて下さい、人を」

星に投げ掛けた言葉は、本当は己に云ってやりたい言葉だったのかもと邪推してしまいます。

星は最初から地に足のついた大人でした。
王として、光の中を颯爽と歩いて行くひとです。
見た目は冷たくスマートに、けれどきっと必死で生きていました。
光の中を行く彼の傍らで、何とも惨めで哀しいそれぞれの生涯が描かれます。
星も鷺坂に出逢わなければ、非情な暴君を巧く演じ切るだけの生涯だったかもしれません。
御伽噺の主人公は紆余曲折の果てに幸せを掴むけれど、その影で容赦なく斬り捨てられていく魔女や継母や王がいるのです。
勧善懲悪とはちょっと違う。
けれど、総ての行いにはやがて帳尻合わせの皺寄せがやって来る。
このお話を、シニカルでシビアな大人の御伽噺だと思った理由は此処にあります。

必死に貪るように読み続け、迎える最後の4ページ。
突然酷く息苦しくなって、一体何処から来たものなのか解らない、正体不明の涙がぼたぼたっと膝に落ちて、自分が一番驚きました。。。
こう云うハッピーエンドもありだなあと思わされるラスト。
3人と1匹の、心安い生活と幸せを願わずにはいられません。

8

王子の小鳥のゆくえ リアリストがみせる愛のお伽話

最近読んだ中で久々に衝撃を受けた作品です。
悲しい、嬉しい、辛い、そのどこにも線引きできない種類の
涙が出たのはBL作品では初めてかもしれません。
悩みつつも、琴線に触れたので神評価に。
冷たい若き総帥の星と、自由な身と心を持つ庭師の鷺坂の恋愛。
この一文から想像できない展開が待ち受けていました。
恐ろしい作者さんです。もちろんいい意味で。

最初に読んだ時はあらすじ通りの予測できない純愛に衝撃を受け
2度目では伏線やエピソードに感心し、
3度目で端々で描かれた脇の人々の人生の一幕に目がいきました。
読み返して新たな発見ができるというのは
読者としてとっても贅沢だと思います。
(単に一度では拾いきれない私の脳のせいかもしれませんが。悲)

作中、幸せとはなんだろう?という会話があるのですが、
この疑問は作品の主題そのもののような気がします。
幸福の基準は人それぞれ。
立場も生き方も全く異質な二人ですが、
小さな頃にその基準を本人の望まない形で
植え付けられたという意味では似た者同士なのかもしれません。
そして幸不幸とは表裏一体で、
幸せ無くしては不幸が、不幸無くしては幸せがあるはずもない。
そんな気持ちにさせられました。
決して温かい夢に浸れる話ではありませんが、
愛のお伽話という意味では究極のエンディングかもしれません。

興味があるけど絵がモニョモニョ…
と読まずにいるのはもったいない作品です。
かくいう私も(神評価ですが)絵が苦手です。
癖がある…とゆーか目のバランスがおかしい気が…はっ、イカン。

作者買いリストに新たな名前が加わりました!

9

ともふみ

>久江羽さん
「ビター×スイート」は神評価の方がいらっしゃらなかったので、保留リストのままでした…が、久江羽さんは神評価作品なのですね!
うおぉ~、是が非でも読みたくなってきましたので近日書店に走ります。
お勧めして頂いてありがとうございました♪

久江羽

こんばんは、
私のレビューがお役に立ったとは・・・ありがとうございます。
遥々さんの作品は、読み込んでこその面白さがあるんじゃないかと思います。
私としては、2007.11月発売の「ビター×スイート」の方が神評価できるくらい好きなので、作家買いの人です。
たまたまちるちるさんを知る前に読了していたので、ブログにはちょっと書いてありますが、こちらにレビューしていません。
藤棚さんをはじめ、他の方がレビューなさっているので参考にしてください。

藤棚

ともふみさん、お久し振りです!
そしてレビューへのコメント、ありがとうございました。
私の評価がともふみさんのお役に立てたようで、すごく嬉しいです!

>読み返して新たな発見ができるというのは
>読者としてとっても贅沢だと思います。
同感です!
首がもげるほどPCの前で頷きました。
読み返せば読み返すほど味が出るというか、
特に伏線の張り方が素晴らしいですよね~

ともふみさんの熱いレビューを読んでテンションが上がったので、
今夜にでもこの作品をまた読もうと思いました(笑)

読み応えあり

題名が小難しいので、どんなお話なんだろうと思いながら読み始めました。
簡単に言えば、大金持ちの大邸宅に庭師としてもぐりこんだ詐欺師とそこの孤高の主人が惹かれあうお話なのですが、あらすじにもあるように“最後まで予測不能な純愛物語”でした。

小さい頃のトラウマであったり、現在の生き方であったり、全く違う立場にいながら惹かれあってしまう二人。
氷の国の王様のように冷たく閉ざされた心の主人・星と、彼を恐れず遠慮のない物言いをする庭師・鷺坂に時々ウルウルしながら読ませていただきました。

読み終えて思ったのは、星自身が最初から損得勘定を抜きにしてただ無条件に鷺坂を愛していたんだろうなというところです。
読んでいる最中は、鷺坂の様々な言動に一喜一憂し、振り回されているように見えなくもないのですが、それもこれもすでに愛しちゃっているからこその行動だったんだろうなと思えました。

詐欺を仕掛けるために乗り込み、主人をいいように転がしていたように見えた鷺坂が、実は星の大きな懐の中でうごめいていただけだったのね、という。

ストーリー上のエピソードの必然性がはっきりしない部分もあるような気がするのですが、大きな会社組織だとか、詐欺の手口だとか、部下や使用人たちの気持ちだとかまで、細かく描写されているので、星がただのお坊ちゃんではなく、やり手の総帥だということがわかるし、彼の人間的な成長を助けたのは間違いなく鷺坂であるということもわかります。
また、小さないとこを養子に迎え入れた星は、本当にいいお父さんになっていて、微笑ましかったです。
そして、複雑にねじれた人生を送ってくるしかなかった鷺坂は、このラストで幸せになれたといっていいのでしょうか?そうあって欲しいものです。

4

ともふみ

はじめまして、そしておはようございます久江羽さん。
ともふみと申します。
藤棚さんにもコメントさせていただいたのですが、お二人のレビューを読んで購入に踏み切りました。
とっても感謝しています。

鷺坂との出会いが星にもたらした変化を、総裁という立場の虚しさに気づかせるよりも、(久江羽さんがレビューでおっしゃっているように)仕事ぶりで成長を描いているところがとても好きです。
ラスト!ラストは幸せになれたと言っていいんでしょうか??と私も作者さんの首を揺さぶって確認して安心したいです。
嘘の笑顔を無くして初めてみせた鷺坂の涙と最終話の表紙に、きっと幸せになれたんだ!と意地でも思い込んでいます。
私の幸せのために…笑

まさに予測不能の純愛物語

初めは愛を知らずに育った横暴なセレブ男が、
素朴な庭師に出会い、恋をして癒されて行く
ほのぼのとした物語だと思っていたのですが。
これが大間違いでした。

中盤から鷺坂が不穏な動きを見せ始めた頃から、
物語はなにやらきな臭い方向へ。予測不能な展開にハラハラ。
鷺坂の真意は何なのか?鷺坂と星の恋と、
彼らに関わる人達の人生が悲しくて切なくて。
グイグイと作品の世界に引き込まれてしまいます。

そして最終話「来世の約束」で、こうきたか!と唸りながら、涙がポロリ。
ラストシーンが本当に素晴らしくて!!
美しくも神々しいラストに感動です!

これは漫画か?と思うくらい膨大な文字量に、癖の強すぎる絵柄。
特に絵柄に抵抗を感じる人が多いと思います。
なので一般受けはしない作品かもしれません。
しかし私は絶望と魂の救済を見事に描いたこの作品が大好きで、
遙々アルクさんは今後も追いかけて行きたい作家さんになりました!

15

ともふみ

おはようございます&お久しぶりです、藤棚さん。
インパクト大の題名と「予測不能な純愛」というあらすじに惹かれつつも、ものすっっっごく苦手な絵柄に逡巡していたのですが、藤棚さんの神評価に背中を押してもらいました。
そして大正解!ありがとうございました。

来世の約束はとにかく涙腺にも心臓にもキました。
BLでこんな話が読めるなんて…。
ほんと絵柄はちょっと(まだ言う 笑)という方ですが、私も作者追いしそうな予感大です。

藤棚

>うえおさん

こんにちは。
コメントをありがとうございます。

>いやぁ~…すごい作品でしたよね。
すごい作品でした!そしてこの作品のすごさを、
ボキャ貧の私には上手く伝えられないのがもどかしくて(>_<)

絵柄が非常にネックだとは思うのですが。
でも一度ストーリに入り込めば、
絵柄はそれほど気にならなくなりますよね~
私は最近では、この絵柄も味があってイイ!と思うようになりました(笑)
できれば多くの人に読んでもらいたい作品です。

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