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耽美の女王、幻の傑作がついに文庫化!
孤島に閉じ込められた少年たちが暴力と性に狂っていく物語。
倫理観ガン無視で官能的な世界観が素晴らしいです。
主人公の秋生がモブおじさんに突っ込まれたり、突っ込んだり、他の少年と複数プレイしたりくんずほぐれず。
登場人物が多くて1回目は名前を覚えるのが大変だなとは思ったのですが、キャラの個性が強くてすんなり覚えられました。
ラストどうなるかちょっと怖かったのですが、個人的には満足いく終わり方で本当に良かったです。
山藍先生のAllアダムのクローズドサークルものです。
BLものにある、或る場所に男性ばかりが集められるという設定には、それなりに納得できる理由が必要です。設定が不自然だと話に入り込みにくいです。この小説では、犯罪を起こした青少年の更生のための島という名目で入りやすかったです。角川文庫から出版されていますが、なかなかノワールな内容で耽美度も高く、最後までハラハラドキドキ楽しめました。BLゲームの「Paradise」がツボに刺さった人には、オススメです。当方も定期的にこういう系の読み物を発作的に手にしたくなります。
ストーリーの進行により、クリスという天使のような容姿をした妖艶な少年のヴェールに包まれた本性が剥がされていくところが見どころでした。島での人間模様も興味深かったです。島に送られた理由が理由だけに皆逸物を抱えている人物ばかりで、、。そんな彼等の中でも、お山の猿のように力関係ができ、適応していけない弱いものは去っていく。。BLを楽しむというより、青少年で構成された社会の縮図を眺める系の読み物でした。
若さの漲った彼等が、抜けられることのない、終わりの見えない絶望的な閉鎖空間の中で生きざるを得ない、という現況は想像を絶します。自分で選択できない環境って辛い。。それでも人間は受け入れられる生き物で、クリスに何かと助けられて秋生は試練を乗り越えていきます。クリスを手にした秋生、最後はカッコ良く決めてくれるのかと思ったら…相変わらずクリス主導でおかしかった。
クリスには謎が多く、掴みどころのないキャラでした。クリスはいかほど秋生が好きなのか最後まで読めなかった。ある意味大変な人物を愛してしまった秋生。最後に仄めかされていましたが、表紙のように2人は海人と合流して三位一体で生きていくんでしょうか??それが彼等の自然な生き方なんでしょうか。クリスと海人との関係もBLあるある、な腐れ縁で続きそう。。都会が似合うクリス、最後はホント生き生きしていました。続きがあってもおかしくない終わり方でした。
山藍先生比では少なめかもしれませんが、相変わらずエロスの度合いが多くヴァーリエーションに富んでいました。何でもありで、マヒしてきました(笑)慣れってこわいな…。せっかく話が面白かったので、島での生活にもう少し尺があると良かったかな。没頭しすぎて、あっという間に終わってしまった感じです。
他のレビュアーさんの情報により、続編的な位置付け(?)の「ネメシス」もぜひ読んでみたいと思いました。
元々は2000年発表なんですね…
矯正不可能の不良少年たち。
彼らが家族から見放され、後は死んでもどうなっても良いという前提で「闇の保護司」宛てに送り込まれる絶海の孤島「ホーリー島」。
そこに今送られていく明生。
すでに島で数年過ごしていた絶世の美形・クリス、その他の少年たちの地獄のような収容生活が描かれているわけですが。
これはどんな順序で読むかで感想が変わりますね…
発表直後にここから普通に読んだ場合。
新入りの儀式として、先住者や職員に犯される決まり。
正気を保って、そんな屈辱に耐えて「脱獄」を目指す時、「一人一殺」の残虐性が試される。
中でも、所長にカラダで取り入る元高級男娼のクリスは、実はプロの殺し屋/暗殺者で、実に鮮やかに全てを皆殺しにしていく。
後から入島した明生が、こんな地獄の中でクリスに恋していく過程、もう一人のクリスの恋人・海人とクリスを共有する過程、というか、クリスが海人と明生の両方を支配して所有する感じ。
ついに島を脱出するその時の殺戮。そのバイオレンスを中心として読む感覚。
一方、「背徳の聖者たち」から始まる、いわゆる「タリオ」シリーズ。その最終作「ネメシス」に登場する「クリス」という人物が初めて描かれた作品として、タリオ前日譚としての読み方で読む場合。
クリスがなぜ殺人兵器として育てられたのか、なぜホーリー島に送られたのか、金貨のネックレスを買い戻したという顧客は誰だったのか(←もしかして鷹司?違うとは思うけど…)。
クリス、明生、その後海人も合流して、タリオ幹部の平坂の元に戻ったのか…この辺は非常に謎が深い。
特に「ネメシス」終盤の一場面、タリオ大幹部の平坂の所有するビルの中で平坂の養子であるクリスが登場する場面。
カジノのオーナーとしての顔をみせるクリスと、その従業員として登場する海人と明生、この2人はどうやってここに、この境遇にたどり着いたのか。
本作と「ネメシス」、そしてタリオシリーズ全編への思いを巡らさずにはいられない。
そして、クリスのその先が書かれるであろうタリオシリーズが未完であることが残念でたまらない。
面白かった! 耽美っぽさはやや少なめながら、映画のようなハラハラ感。現代日本が舞台のためか、「アレキサンドライト」や「色闇」よりかなり読みやすかった。
ストーリーは明快。少年院を出て、親に引き取りを拒絶された明生が連れてこられたのは、絶海の孤島の更正施設。そこには同じように犯罪者となり、親に見捨てられた少年たちが集められており、とある暴力団が極秘裏に少年らに違法薬物を栽培させている。
支配する大人たちは、彼らに過酷な労働と性の奉仕を強いており、明生は初日から、クリスという美少年が所長の相手をさせられる場面を見せられ、自らも凌辱を受ける。
そんな中で、クリスと次第に心を通わせていく明生。このクリスが元男娼で殺し屋という、キテる設定ながらも魅力的なキャラ。同室の海人という子とデキてるっぽいのに、彼は妹の仇としてクリスを憎んでいたり、この二人の関係性にも萌え。
強姦、暴力、殺人、SM、3Pなどが当たり前に行われる閉塞した世界。後半は誰が生き残るのか、この閉ざされた島からどうやって脱出するのか、という流れになってくるので、最後まで「どーなるのー?」とドキドキしてあっという間に読んでしまう。
性描写は多いものの、山藍先生比であっさりしていて短いので、凌辱シーンはそんなに痛くない。ラブが芽生えた終盤はちょっと甘くなるけど、私は海人、クリス、明生の3Pに萌えた~!
とにかくバッタバタと人が死ぬのだが、ラストはやや拍子抜けするくらいのハピエンで妙な爽快感が。普通のBLに飽きたという人に、オススメの作品。
電子書籍で読了。挿絵なし。あとがきあり。(私は『ネメシス』シリーズは未読です)
私が山藍さんのお話でグッと来る所は『そこから逃げ出せない関係性』なんです。「好き好き大好きーっ」って言うのではなく、相手を想えば憂鬱になってしまうのに、それでも逃げ出せない関係。
このお話の『逃げ出せない』は『孤島に捕らえられて逃げ出せない』っていう物理的なもの。あれ?あたしの読みたいのとちょっと違うぞ。
秋生は少年院から出所した直後、義父に謀られ絶海の孤島にある矯正施設に入れられます。更正とは名ばかりで、そこは暴力団が違法薬物を作るための『農園』でした。暴力が支配する島の中で、少年達は『教官』に強姦され、働かされ続けます。その中で、自分の魅力を最大限利用し、所長を初めとする教官達を手玉にとるクリスに秋生は魅せられていきます。命も危ない状況の中で、秋生は生きのびられるのか?また、謎の多いクリスとの関係は如何に?
島の少年(と、言っても20歳位の子が多いのですが)達の幾人かを、山藍さんが魅力的に描いているのは解ります。特に、異母妹をクリスに殺され、その復習のために島に来たはずなのに、クリスと体の関係を持ち続けている海人とか、飄々としているヒロ、一見可愛らしいのに底が知れない南などは、キャラクターとして面白く読めました。
でもね、クリスと海人以外はそれぞれの関係性が薄いというか「あれ?これで終わり?」っていう感じを持っちゃうんです。秋生がクリスに目を奪われる理由は解るのですけれど、クリスが秋生を贔屓する理由が解らないし(「見た目か?」とも思ったんですが、秋生の外見描写があまりないのですよ。「賢い」的な科白は何度かあるのですけれど「それほどかなぁ」って思いますし)。
「全て納得いかせろ」と言っている訳ではなくて、何と言ったらいいのか、匂いだけするけれど、結局一体何だったのか解らないモノの様な感じ。
いや、良い匂いではあるのですけれどもね。