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表題作COLD SLEEP

高久透,記憶喪失の男
藤島.透の友人と名乗る男

その他の収録作品

  • flower morning(描き下ろし)
  • COLD SLEEP ショートノベル
  • あとがき

あらすじ

事故で記憶を失くした透は、バイト先の友達だったという藤島の家に居候する
ことに。初めは無口な彼の本心が分からず孤独を感じる透だったけれど、次第に
彼の想いを知るようになり…!? 木原音瀬の大人気作が遂にコミカライズ!!
(出版社より)

作品情報

作品名
COLD SLEEP
著者
麻生ミツ晃 
原作
木原音瀬 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
シリーズ
COLD SLEEP
発売日
ISBN
9784862639158
4

(83)

(45)

萌々

(16)

(14)

中立

(0)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
17
得点
331
評価数
83
平均
4 / 5
神率
54.2%

レビュー投稿数17

続きが気になりすぎて…

麻生ミツ晃先生の作品が好きで色々探していたところ、こちらの作品に辿り着きました。

…読み終わって、これはぜひ続刊&原作も読まなければ…!と燃えています。

記憶を失った状態で病室で目覚めた透。親族や友人などは誰も訪ねて来ず、唯一来てくれたのはバイト先の友人だったという藤島。藤島の好意で家に居候することになっり、必要なものはなんでも与えてくれる藤島だったけれど、透が自分の過去を探ろうとすることは嫌がりー

という内容で、透と藤島は本当に「友達」だったのか?
なぜ、藤島はただの「友達」であるはずの透に住まいを与え、お金も与え、尽くしてくれるのか?
なぜ、透の過去については嘘をつく&何も教えてくれないのか?

と、主人公の透と一緒に読者も疑問の渦に投げ込まれ、物語に惹き込まれていきます。

この巻で一応の顛末は明かされるのですが、二人の新しい関係は始まったばかり…
ということで、早速続刊を読んでこようと思います。

透が買ってきたケーキを美味しそうに頬張る藤島。口の端についたケーキをとろうと手を伸ばした透に、ビクッと反応する藤島のシーンが映画のコマのように繊細で美しくて、うっとりしました。

0

おもしろいミステリーBL

おもしろかったです。
ミステリー仕立てで、高久の過去が徐々に明らかになっていくにつれ、2人の心情の揺れが描かれていて、その流れがよかったです。

さすが元は小説なだけあって、プロットが緻密ですね。
それに相まって麻生先生の描写がいい。

藤島が何も言わないけど、高久のことを大事に思っていることがわかってくるし。

高久も混乱しながらも、藤島の気持ちがわかってきたり、藤島への思いが高まってくるところがドキドキしました。

特に、高久が藤島に好きだと言いたい、触りたいと思う場面は最高潮でしたが、同時に、あ、これはうまくいかんやつや、とわかってしまいましたw
ま、ドラマチックではありますよね。

細かいところで
藤島「すみません」
高久「すいません」
のキャラに合った言葉の使い分けもさすがですし、こういうところ好きです。

まだ明らかにされていない過去については続編で描かれるのでしょうか。
すぐに続編読みます。楽しみです。

あと、これは完全に余談ですが、シリアスな場面なのに
「私の弟を殺したのよ」の後の、高久が絵に描いたような(絵なんだけど)ガビーン顔で、暗闇で懐中電灯を下から灯らせた時のようでちょっと笑ってしまいましたw

追記
本作を読んだ段階では萌2でしたが、続編を読みシリーズ作品として神評価にさせて頂きました。

0

読んでて辛い痛いけど、ページをめくる手が止まりませんでした。

記憶喪失の青年×サラリーマン。
記憶喪失ものなのであんまり内容に触れるとネタバレになってしまうのがもどかしいです。暗い話、切ない話がどうしても駄目な人以外は全員読んでほしい作品です。
木原音瀬先生の原作の小説を読んで感動したので、コミカライズ版も買いました。世界観のイメージを壊さず漫画で再現されてて素晴らしいです。ただ小説で読むのが辛かった暴力シーンは、絵で見るのはさらに辛すぎました。内容を知ってたのにショックで一旦ページを閉じてしまいました。
続編のCOLD HEARTも大好きなのですが、さらに辛い話なのでコミカライズは難しそう。

0

迫力満々

間違いなく
神です

0

記憶喪失で生まれ変わる

小説を持ってるのですが辛くて切なそうで読めず積んでましたが、コミックならとこちらを先に読んでみました。

お互い謎だらけですね。

でも記憶をなくす前の透はろくでなしっぽかったのに、最後の小説では藤島は透を好きなようで。
誰かと経験もあるみたい、それは透なのか?

透に過去を話さない理由がわかりましたね。
そこまで考えてくれてたのか!

生活の面倒も全部みてくれて一体二人の関係はどうだったのか。このまま二人はどうなるのか?
もし透が記憶を取り戻したら二人はどうなってしまうのか?

しかし藤島の身元がわかるものが家に一切なく透の事故のタイミングで転職し、誰とも関わらないようにしてたのは一体?
それに家庭にもなにやら訳ありっぽいし。

続きが気になります。

0

今後どのように記憶を取り戻すのか気になる序章

 この巻ではまだ高久の記憶が戻ることはほとんどなく、記憶をなくす前の彼がどんな人物だったのかをあくまで他人から聞かされることしかないので、謎に満ちた部分が多くまだ物語の序盤ということでこの評価です。最初は記憶がないとはいえ、成人男性を囲って何不自由ない生活を保障してくれる藤島が出来た人だなぁと思っていましたが、途中まだ記憶のまったく戻っていない高久に強引にカメラを仕事にするよう勧めるところではちょっと無神経ではないかと感じたりもしました。ですが、彼は記憶喪失前の高久の言葉を頼りにするしかないわけで、彼なりになんとかして高久のやりたいことをやらせてあげたい、そういう必死な思いがあったんですね。

 まだ高久と藤島が以前どんな関係性を築いていたのかは見えてこないのですが、十分に2人の関係が気になる序章でした。また、高久が他人から聞かされる以前の彼の性格と今の高久が全然結び付かなくて、本当にそんな人物だったのかも知りたいですね。高久の犯した罪もまさかの出来事で、色々と驚かされました。

0

まとめ買い必須です!

是非一気に読むことをお勧めします!
次巻以降、辛いお話が好きな方にとっては、たまらないお話が待っています!
言わずと知れた名作が、コミカライズされたことによって手に取りやすくなりました。
このコミカライズがあったから、原作小説も買っちゃいました。笑
小説も漫画もどちらもオススメですので、興味を持たれた方、是非一読ください!!

1

過去を忘れた男と、過去を捨てた男。

 『Season』を読んであまりに素敵だったので、すぐに麻生先生の買える作品を通販サイトでまとめて購入しました。この作品は原作があるので、麻生先生の作品に惚れた私としては、コミカライズってどうなんだろう?と不安があったのですが、とても面白かったです。いや面白いっていうのは変ですね。キリキリと胸が痛かった。
 
 記憶喪失ってとても怖いことなんだろうな。最初、透はどうして藤島のところにお世話になろうと思ったんだろう。こんなに謎めいた知らない人によく付いて行くなぁなんて思っていたんです。だけど透はそうするしかなかったんですよね。すべて忘れて、すべてを無くして、自分が誰なのかすらわからない。だから自分を「知っている」という男に縋るしかなかった。
 藤島は透の過去をリセットして幸せな未来をあげたいと思っている。その気持ちは透に対する贖罪のようだなとか、今の透を愛する気持ちは理解できるけど、他の人から聞く過去の透はまるで別人のようで、藤島がその頃の透のことも愛していたのか?など気になることだらけです。
 透が藤島を好きになって、自分に対する藤島の献身に【藤島も自分のことが好きなんじゃないか?】と思いを募らせてゆく過程に【自分のことを好きでいて欲しい】という透の願いが込められているようで、その後に続く、早く「俺も好きだって言いたい」というシーンに私も心が急いて、胸が抉られるようなたまらない気持になりました。それで早く早くとページを捲ったら、事件が起きて…。
 あぁ、事故の真相はそうだったのか。人から聞かされた別人のように荒れていた自分と、事故のあらましは透の中で繋がったんだろうか?今の善良な透にとってどれほど衝撃的なことだったんだろう。
 透は過去をすべて忘れたけれど、藤島は過去をすべて捨ててしまったように見える。透に藤島しかいないように、藤島にも透しかいないようだ。どちらも同じぐらい悲しくて、どちらも同じぐらい孤独に見えた。

4

いろいろ深い。

木原さんの作品は痛いものが多いこともあって積極的に手を伸ばさないのですが、先日のちるちるさんで掲載されたBLニュースの『重めBL漫画5選』を拝見して、興味を惹かれ読んでみました。

原作は未読。小説1冊分をコミック1冊にまとめられているようで、もしかしたらだいぶ端折られていて、原作を読んでいないとわからないところも多いのかなと思いつつ読み始めました。

二人の過去。
高久の、もともとの性格。
高久と透の関係。
ちょっとずつ明らかになっていく展開にぐっと引き付けられました。そして何より、透の高久への愛情の深さにウルっとしつつ読み進めました。
相手を想うが故のすれ違い。なんともいろいろ深かった。

コミックでの終わりはほのぼのな終わり方でよかったと思ったのもつかの間、木原さんの書かれた小説部分の終わりに不穏な空気が…。ああ、ここからが木原作品の真骨頂か、と。

透が可哀想な目に合うのは読みたくないと思いつつ、まだまだ謎なところが多いし続きを読まなきゃな、とも思うし。

麻生さんは、実は個人的にあまり好きな絵柄の作家さんではないのですが(いや、失礼)、この作品にとても合っていました。麻生さんが描かれたことで確実に萌え度はアップしたと思います。木原作品の痛々しい感じも、もしかしたら小説よりも薄まってるのかな。原作は読んでないので比較はできませんが。

なので、続きをコミックのほうで読むか、原作で読むか、目下悩み中。なんてぜいたくな悩みなんでしょ。

作品は文句なく神評価。この1冊で終わりなら、萌えはあったけれど萌え×2くらいだったと思う。幸せになったところで、はいおしまい、でないところがすごい。これが木原作品のすごいところなんだな…。

4

原作も読みたくなった

原作未読ながらも非常に痛いシリーズだという噂を小耳に挟んでいたので、おっかなびっくり読んでみました。
…あれ?
想定していた程の痛さがない。
もしや本領発揮は次巻以降?
…だとしたら続きを読むのが怖いなぁ…(ノД`)
でも気になるし、原作も読みたい。

それにしても麻生さんの繊細で綺麗な絵が話の雰囲気に合っていました~原作未読だから比較は出来ませんが、表情や仕草、行動が人物達の心情に迫っていて…苦しくて切なかった(´・ω・`)
そしてその逆も然り、ケーキを食べている藤島さんが可愛いくてたまらん(●´ω`●)

…透が記憶をなくす前の2人の関係ってどうだったんだろう?
どういう繋がりだったのかな?
藤島さんは透に「嫌われていた」らしいし…記憶喪失前の透は相当凶暴そうだから…戻った時が怖そう。

因みに事故被害者の遺族であるお姉さんに責められている場面で何かもう読んでて辛くなって涙出ました…。

3

原作未読者からの視点

記憶喪失モノとしては
優等生、といっていいレベルの作品です。
むしろ優等生すぎて、まだ謎は残っているのに
読後感がとてもすっきりしています。
書下ろしのflower morningのようなまま終わらないのはなんとなく
知ってはいますがこのまま二人が幸せでいてくれるのでは、と思いたくなる
第一作目でした。

全編を通して、記憶喪失によってある意味新しく「生まれた」透がとまどいながらも成長していく様が丁寧に描かれます。
透が目覚めた時から、空気のように傍らにいる藤島。
透のバイト先の友人、以前の職場の同僚、ケーキ屋の人々、そして藤島を刺した女性。
彼らと出会い優しさだけでなく、記憶を失う前の自分の恐ろしさまでも知ることになった透がそれすらも吸収し、自分の糧にしていくところに読み手は救われると思います。

エロはほとんどない作品ですが中盤にあるキスシーンが最高でした。
麻生さんのキスシーンというと、舌がクローズアップされるイメージがあり、今回も期待通りの(笑)ベロチュー(笑)でしたw

そして全編に渡ってほのめかされ続ける藤島の秘密の気配が
原作を未読のわたしをとてもやきもきさせます・・・
読んでしまいたい…気になる…!
しかし待ちます。首をながくしながらw

1

コミカライズ

ようやく読めました。
読むなら原作を読んでから読みたい!と放置し、
原作を読んでさらに放置してましたwww続編マダ( ゚∀゚ )?

お話的には、原作と同じくらいと考えていいのだろうか。
記憶をなくした攻が病院で目覚めてから~なお話。
実際問題、原作に忠実に作られてるなと言う感じ。
多少の脚色はあるにせよ、それを感じさせない作り方でした。

自分自身がなにものであるかわからない生活から、同居する相手への
信頼、気持ちの変化、そして。

正直な話、ここでハッピーエンドでも個人的にはいいとさえ思ってしまう。
これはこれで完結されたお話として読める。
続きを読むには胸が痛い。
さて、どーいう展開で話を見せてくれるのか
期待と不安が入交~なお話でした。

1

同じ世界観で楽しめる

原作よりこちらのほうを先に読み、あとに原作の方を読ませていただきました。購入した当初はCOLDシリーズに興味があったのもそうなんですが、麻生さんの漫画はそんなタッチで描かれているのかが気になったのも購入するきっかけでした。

原作の方も読んでみて改めてこちらのコミカライズの方を読んでみると、皆さんもおっしゃっておられるのですがホントにうまく1冊にまとめられているのだと感動してしまいました(笑)
はしょられている部分も多々あるんですが重要ポイントはきっちり抑えられてあるし、あのCOLDシリーズのなんとも言えない息が詰まるような冷たい雰囲気と麻生さんの繊細なタッチがすごくしっくりきて見事な世界観が表現されている。

木原先生の書き下ろしも見れるしすごく素敵な1冊に仕上がっていると思います。これか先続く「COLD LIGHT」「COLD FEVER」が気になってしょうがないですw

1

見事に1冊になってます

コミック掲載誌は未読です。
小説のコミカライズって、どうしても長くなるって先入観があったので、あの原作が、この普通のコミックス1冊にどうして収まっているのか不思議でしょうがなかったのですが(更に木原先生の書き下ろし小説部分まで入っているのに)、これが、なかなどうして、見事に1冊になってました。
確かに小説での描写のかなりな部分をばっさり落としていますが、お話の展開として必要なエピソードは網羅していて、かつ、マンガの表現として、これだけのシーンで充分に全体の流れや雰囲気が伝わってきます。
麻生さんの、硬質でひんやりした絵も、お話全体の雰囲気にとても合っている。
絵だからこそ伝えられること、伝わること。

原作未読の方は、このコミックスを足がかりに、どうぞ、原作にも挑戦して頂きたいです。

2

原作より好き…

滅多にないことですが
たまに原作より好きになってしまうコミカライズ作品があり
これはその数少ない一冊になってしまいました。

木原さんの作品は好きと苦手の振り幅が自分の中では異様なほどに大きいのですが
このシリーズはその両方が両方とも見事にがっつり入りこんでいて
総合評価で「萌え」の中間くらい。
いや、どっちもあるんですよ
あまりに「神」な部分も!
容赦ないまでに「趣味じゃない(悲鳴)」部分も~~!
神な部分と趣味じゃない部分の混ざり具合が絶妙なシリーズなんですね。
(自分にとっては)

原作もCDも完走してますが
このコミカライズは本当に絶妙。
一冊にまとめるなんて無理じゃないかな…と思ってたくらいなので
これを一冊にまとめあげて過不足なく表現しおえた手腕に大拍手。
素晴らしい漫画力をお持ちだと思いました。

表情や何気ない仕草で簡潔に繊細にキャラの内面まで見事に表現(再現)してくれて
改めて藤島さんや透(記憶ない頃の)が更に更に好きになってしまいましたでございます。

なんて魅力的なんだろう。
木原さんのキャラ造形力は他の追随を許さないところにある気さえしてきます。
怖い作者さまだけど、恐ろしいまでの魅力がある。
それを見事に漫画の中で再現してもらえて本当に嬉しい。

ふ~~~。それだけにここから先の地獄道が怖くて堪りませんが
美しい奇跡のようなコミカライズが楽しみなのも確かです。

原作怖くて足踏みしてる方にこそお薦めしたい。
ひとつ木原入門書としてどうでしょうか。
魅惑の最北(おい)痛い痛い桃源郷への入り口
この一冊はその魅力の一端に触れるには最適なきっかけに思えます。

6

この雰囲気がCOLDシリーズ!

コミカライズは、原作を好きであれば好きなだけ、絶対回避してきました。
漫画をきっかけに原作を読もうと思う方も居るだろうし、小説でイメージしていたシーンや表情が絵で補完される場合もあるから、その辺がコミックスの良さだとは分かっているのですが。
原作に思い入れがあればあるだけ、ちょっと違うと「ちがう~!」と思っちゃって、私は別の作品だとは思い切れないので。

それが!
大好きなCOLDシリーズ!
木原さんの中でも1番好き(な3作品のうちの1作品)なCOLDシリーズ!!!
しかも私は、祭河さんの絵がとっても好きで、COLDのキャラはもう祭河さんの絵でしか受け入れられないと思っていたので、コミカライズの話を知ったときには余計に「絶対回避!」と思っていました。

正直、麻生さんの絵も雰囲気もCOLDにピッタリだとは思っていたのですが、それ以上に祭河さんの絵のイメージを壊されたくない感じだったのですよ…。


と、無駄に長い前置きはさておき……、レビューを書いているってことは、つまりは読んじゃったんですよっ!
茶鬼さんのレビューにあった「読んだ人だけへの特別プレゼント」という殺し文句に負けてっ!!!


いや~、よかったです、手のひらを返すようで言いにくいんですが(笑)
良かったです(二度言う)

なんか、幸せなシーンのはずなのに「何か落とし穴があるんじゃないか?」と疑ってしまうような重っ苦しい空気は、まさに麻生さんの持ち味炸裂という気がしました。
そんで、ポートのお店の雰囲気が、小説を読んで思い描いていたのとまったくと言っていいほど同じで、本当に嬉しかったです。

これが2作目、3作目と発展していくと…どうなるんだろう?という期待値大です!

そして…、まんまと釣られた書下ろしショートは、本当に釣られた甲斐がありましたっ!
良かったよ~><
また木原さんの描く2人が新しく読めたってだけでも、本当に幸せでした!

4

再び命が吹き込まれる

原作既読、CDも聴きました。
切なくて痛くてやりきれない木原作品が、麻生さんの絵によって再び命を吹き込まれました。
自分的に麻生さんって挿絵でも割と痛い系作品のものに描かれる事が多いと思うし、元から持つ絵の雰囲気も淋しそうというか切ないものを漂わせているので、この作品にはとてもピッタリの人選だな~とコミカライズを知った時に思ったものでした。
小説の祭河さんの絵もよかったですが、今回の麻生さんのコミカライズによって、視覚的に主人公が動き出しました。
小説によって脳に、CDによって聴覚に、そしてコミックによって視覚に、次は3次元化?ww

厚い本がこんな1冊に納まる為に、かなり本編がそぎ落とされていますが、必要な場面はきちんと押さえてあり、既読の身には小説が蘇えります。
記憶を失い藤島の元に来るがまだ距離が掴み切れていない透。
自分の過去を知り、藤島に一歩近づいた透。
藤島が喜ぶ事をしたいと思うようになる透。
藤島に「好き」を自覚した矢先の事故。
自分の犯した罪を知りながら受け入れてくれていた藤島に告白する透。
無駄な贅肉を落とし、絵という表現を最大に使って、感情を気持ちを言葉を表現してある部分に充分な説得力があるのです。

特に、自分には藤島が生きていました。
彼の心の内に秘めた葛藤と迷いが、時として現れる素直な愛らしい姿。
そしてコンビニバイトの仲間・楠田のあったかさ。
このSLEEPでは透は解りやすい人として描かれているので、彼の表情もまた藤島と共にせまってくるものがあります。
このコミカライズはとてもよいものだと思います。
未読の人にはどう映るのでしょうね?

原作ファンには木原さんのショートがついているのもすごくうれしい!
藤島、お茶目じゃないかwww
これはコミカライズを読んだ人だけへの特別プレゼントですね。
こうした、作品と作品の間の小さなストーリーさえも、本編に繋がる要素を持っていて、必読なのです。
「FEVER」「LIGHT」と、更に盛り上がるお話、やはり目が離せませんね!

6

この作品が収納されている本棚

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