• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作妄愛ショコラホリック

由利高晴,25歳,ショコラトリーのオーナー兼ショコラティエ
佐倉頼朋,27歳,カフェのオーナー

その他の収録作品

  • 偏愛コスチュームプレイ
  • あとがき

あらすじ

大昔のバレンタイン。頭突き付きで振ってやった冴えない男が、超イケメンショコラティエとなって舞い戻った! 十有余年想い続けていたというが、その盲愛と再アタックぶりは完全に変態で……!? 

作品情報

作品名
妄愛ショコラホリック
著者
川琴ゆい華 
イラスト
北上れん 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
シリーズ
妄愛ショコラホリック
発売日
ISBN
9784592877103
3.5

(149)

(40)

萌々

(50)

(34)

中立

(6)

趣味じゃない

(19)

レビュー数
24
得点
508
評価数
149
平均
3.5 / 5
神率
26.8%

レビュー投稿数24

一途な美形変態ストーカー男の純愛

いや〜〜、面白かった!!

十年以上、一途に受けを追いかけ続けるストーカー収集癖美形攻めと、翻弄される受けのラブコメです。

一途攻め・執着攻めってなんでこんなに胸ときめくんでしょうね。。

高校時代、バレンタインデーに突然の後輩(男)からの告白。
同性から告白というだけでも受けにとっては「えええ」なのに、もらった手作りチョコは激マズという…悪しき思い出。
その際の「出直してこい!」という言葉を間に受け、攻めはフランス・ベルギーで7年修行してショコラティエとして日本に戻り、受けのカフェの真向かいに店を構える。
そして「好き好き」と押して押しての好き好き大作戦が始まるー

ざっくり、こんなストーリーです笑

ちなみに攻めの飼い犬の名前は受けと同じ「ヨリトモ」。家には犬のヨリトモが守る「頼朋コレクション部屋」があり、頼朋に関するありとあらゆる物が大切に保管されています。折れたシャーペンとか。頼朋の高校時代の制服とか。(→これ、最後に制服プレイとして使われます( ̄∀ ̄))

断固拒否!している受けにはちょっと甘いところがあって、その結び目が解けたところを見逃さず、するっと入り込んでくる攻め。確実に変態ではあるのですが(収集癖や、走った頼朋の額の汗を拭って舐めて頼朋に本気で引かれたり…)本気で・全力で頼朋のことが好きなことが伝わってきて、嫌いになれないどころかいつの間にか心から応援していました。

欲を言えば、受けが絆されてから愛を返すようになるまでがちょっと急展開というか、180度の方向転換で、もう少しじっくりと絆されるまでの過程・心境の変化を見たかった気がします。

途中、受けの父親絡みでお店を手放さなければいけないかも…などのピンチが訪れますが、受けが攻めに救済されるーという単純なシンデレラ系ストーリーではなく、受けが自分自身でしっかり対処しようとしているのが格好良くてとても好きでした◎

執着(+溺愛)攻めはシリアスな展開もいいですが、こんなふうにハッピーに笑って楽しめるラブコメもたまらなくいいですね・:*+.
二人の結末を見て、脳内で幸せホルモンがパーッと分泌された気がします笑

1

とてつもない執着攻め

高校時代頼朋にとんでもない振られ方をした高晴。
トラウマになっててもおかしくないのに
それは彼の原動力になっていて笑っちゃいましたw

12年という長い月日を、頼朋の為だけにひたすら頑張ってきた高晴。
ほんとに…すごいんですよ彼…。
頼朋たちのカフェの目の前にお店を構えて、頼朋の家の横に引っ越ししてきて
犬(アフガン)にヨリトモって名前をつけていて…。
ただただストーカーでドン引き案件なんですけど、
私は気持ち悪い攻めが好きなので、高晴にとてもときめきました。
高晴が何でこんなに頼朋の情報持ってるんだろう…?って疑問に思っていたのですが
情報源がまさかのまさかで、そこにも笑ってしまいましたw


頼朋の大学時代からの友達の我妻も、なかなか良いキャラをしてて
頼朋に片思い歴5年以上でしたが、高晴の方がはるかにパンチが強いです。
そして我妻は…ダメでしたね…。
それに比べて、なによりも頼朋が大切な高晴はさすがでした。

頼朋は確実に絆されてるのに、なかなか自分の気持ちを認めてなくて
そこのちょっとヤキモキしましたが、最終的にはちゃんと二人がくっついて
『チェリーレッド』も『リリアン』も無事に済んでよかったです。

高晴がずっとずっと頼朋の忠実なワンコだったので
エッチな描写の時は泣きそうな気持ちになりながら読みました。
ずっと好きだった相手と…よかったねぇ高晴…(/_;)


とてつもない執着攻めを見ることが出来て良かったです。
私は『糖酔バニラホリック』を先に読んだのですが
建斗がとても良い働きをしていてニヤニヤしました(*´▽`*)

0

何ですか、この明るい執着愛は

十二年間かけて「マシなチョコ」を、何なら世界有数のショコラティエになっちゃった攻め様、高晴!すごいわ、この人。
しかもそれがダークサイドに落ちてない(笑)

それを受け止める頼朋。
最初はね、ストーカーとして避けるんですけど、柊木君の活躍?もあって、最後には一番必要な大事な、お祖父ちゃんの思い出の喫茶店よりも失いたくない奴になっちゃってるんですよね。

そして…偏愛コスチュームで出てくるエロは半端なく良い!萌!(爆)
北上れんさんの学生服イラストがぁ〜。
高晴の萌、めっちゃ同感。

明るい執着愛、こんなお話があっても良いですよね。
頼朋が認めたから成り立つけど、じゃ無かったら痛い…ま、ファンタジーってことで!

0

生きた狂犬ハチ公

大好きなれん先生の挿絵なのに入れてなかったので今頃レビュー。イケメンなのに超イカレてる奴でめっちゃ楽しいお話なので、そのイカレぶりに敬意を表して萌2にしました。変人好き。本編210pほど+後日談13p+あとがき。何年も前に読んでいますが未だに「こいつ変だった奴だ」と覚えているぐらい、壊れているイケメンがお好きな方でしたら是非。

三軒茶屋でカフェを営む頼朋。そのカフェの真向かいにオープンするので、と挨拶に来たショコラティエは12年前にこっぴどく振った高晴で・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
建斗(受けのカフェで一緒に働く幼馴染)、我妻(大学時代から受けに思いを寄せている)、ヨリトモ(攻めの飼い犬、アフガンハウンド)、ミッシェル(攻めの店の従業員)、受け父ぐらいかな。

++攻め受けについて

攻めは正真正銘のイケメン変態間違いなし。三茶の美男コンテストで優勝するぐらいの美人受けに惚れて惚れて、初めて渡したチョコが激マズだったのに「もっとましなもん作ってこい」と言われたら、勉強しまくってショコラティエの世界1になって、再び受けの元に舞い戻るという、どこか間違っている天才。「生きた狂犬ハチ公」という称号をもらってました。イケメンなのにねえ・・変態入ったイケメンって残念というか可笑しいというか。

受けはきりきり働き、言いたいことはぽんぽん言う男前美人さんという印象。最初は正真正銘変態ストーカーとしか思えないイケメンにドン引きしていたのですが、ほだされて?だんだん慣れてきちゃって、最後はあーあー陥落。

本気で変態な溺愛わんこの粘り勝ち一本!というお話でした!

1

こんな強烈な攻め見たことない(笑)

タイトル通り、いやそれ以上の妄愛っぷりが爆発している衝撃作でした。
この表紙のイケメンがど変態だなんて誰が想像するでしょうか。
想像を絶する斜め上の変態妄愛攻めでした。
いっそ清々しいほどにぶっ飛んだ人間です。

中学時代、バレンタインデーに強烈な香りを放つ桃の手作りチョコレートを手にした後輩の男から告白をされた過去を持つ頼朝。
知らないやつだし、男同士だし、なんだかストーカーじみていて気持ち悪いし、半ば強引に食べさせられたチョコは信じられないくらいにまずいし…
「本気ならもっとマシなもん作って来い!」と、思わずヘッドバットで沈めてしまいます。
そんな「おととい来やがれ」の気持ちを込めた返事とヘッドバットを、超絶ポジティブ思考と並々ならぬ執念と妄愛で見事に昇華させ、最高のショコラティエとなって12年ぶりに頼朝の前に現れたのが後輩・高晴。
この再会から頼朝の恐怖体験の日々が始まります。

話題のイケメンショコラティエ。
その実態はというと…中学当時からマイプレシャスコレクションと名付けた頼朝グッズを少しずつ収集しては、今では壁まで頼朝でいっぱいの頼朝部屋を作り、その部屋を守る番犬・ヨリトモと暮らす…というとんでもなさ。
いやもうこれは顔が綺麗でも無理でしょう(笑)
しかしながら、執着を通り越した変態さを発揮するのは頼朝に対してだけで、仕事中のプロの職人としての姿や、頼朝のために何でも出来るようになりたいと、ここまで努力に努力を重ねたのが凄すぎる。
頼朝関連以外であれば完璧なんですよね…残念なイケメン…
しかしそれもこれも全て頼朝のため。
全ては頼朝のために。オールハイル頼朝。
愛とは人をおかしくさせてしまうのでしょうか。
その振り切った一途さと健気さと本気度に徐々にほだされていく頼朝なのでした。
好きになった理由がまたよくわからなくて濃かった。
ほだされて受け入れてしまう頼朝も頼朝ですし、なんだかんだで良いカップルなのでは…?
高晴執念の粘り勝ちですね。

コメディとしては非常に面白かったのですが、萌えたかと言われると半々でしょうか。
勢いとテンション、後半の展開にちょっと付いていけない部分がありました。
けれど、久しぶりにここまで物凄い執着愛を見た気がします…すごかった…
癖がありすぎる強烈な一途攻めが読みたい方はぜひ。

頼朝の幼馴染・建斗がまた面白く味のある良いキャラクターだったので、スピンオフ作も読んでみたいと思います。

0

清々しいほどの変態狂犬っぷりがコミカルで面白かった

「もっとマシなチョコを作ってこいというあなたの言葉を支えに、フランス・ベルギーで7年修行してまいりました」

受けの頼朋は「おとといきやがれっ!!」のつもりで言ったのに、それを熱い叱咤激励のお言葉だと脳内解釈して心の支えにして外国修行。
「でも待たせすぎるには、ちょっと長すぎましたね。」(待ってない)と言いながら、頼朋の店の向かいにチョコレート店を構え、隣に引っ越して完全ロックオン。

おまけに攻めは徹底したストーカーかつ頼朋コレクターで、自室にある「頼朋部屋」には無数の写真&ポスターは当然のこと、受けの全身がプリントされた等身大抱き枕とか、学生時代の制服やら使用済みタオルやらゴミなどを集めて展示してあるとか、やってる事が徹底してキモい。

受けの存在が攻めの行動原理で、行動の全てが受けに繋がるという徹底した変態狂犬っぷりがコミカルで面白かったです。

受けははっきり言う男前系で、即刻、あいつは超ヤベェ奴認定&警戒度MAXで出来るだけ相手にしないようにしているんだけど、攻めは全く動じません。
でも、受けを傷つけるような事は絶対にしないので、変態狂犬ではあるけれど駄犬ではないところが良かった。(かと言って忠犬ではないが)

受けが窮地に立たされてしまった際、受けの前から姿を消して日本から出て行けば全てチャラにしてやると当て馬に言われて、それを承諾しようとする攻め。
受けが大切にしているものを守れるならば、自分の幸せや気持ちは犠牲にしても構わないというどこまでいっても受けファーストな姿にちょっと感動させられました。

なので攻めのことはキモいと言いつつも、次第に絆されてそのキモさも可愛く思えてしまう末期症状に陥っていく様子も無理が無くて良かったです。
そもそも冒頭で渡されたチョコの出来損ないを食べてやった瞬間に、もう運命は決まったようなもんだわ。
受け以外の人ならば、ぜーったいに口にする事はないと思うの。
ちゃんとそこらへんを見抜いて、隙をついては押して押して押しまくる攻めの勝利です。

そして好きになったきっかけというか恋に落ちた瞬間も変態的だった(笑)

神か萌萌かで迷いましたが、こういう受け第一主義の変態って好きなのでおまけして神で。

6

消化不良…

リアルの世界では言わずもがな、BL作品でもストーカーや過度な粘着攻/受は好みじゃないのですが、過去に面白いと思った作品はいくつかあったし、私の「中立」の理由はそこではありません。全体的に中途半端。これに尽きます。

攻の高晴は「変態」で「ストーカー」で「妄想野郎」で「人の話を勝手に脳内変換するキモい奴」などと書かれていますが、実際そこまで突き抜けていないのです。頼朋がもっと冷静になればどうとでも対処できたはず…と思える展開が沢山あって、ほだされキャラの面目躍如なのかもしれませんがどうにも空回り感が否めませんでした。

そう、なんだかねぇ…この頼朋がよく分からない。チョロいことを自覚している点が救いではありましたが、それにしても最後あんなに急変するとは。本編の80%まで高晴を拒否しておきながらあっさり「何よりも誰よりも大事」とか言っちゃうし、大丈夫かしらこの人…。

頼朋が学生時代は近隣の町にも聞こえるほどの美少年だったとか、クライマックスの父親の出現とか、意味ありげでそうでもなかった我妻とミッシェルのキャラクターとか…十分に活かされなかった設定がコロコロ転がっているように思えて、なんだか消化不良感の残る作品でした。

それにいま気づいたけど、二人のセクシャリティに関する記述が一切ありませんでしたね。やっぱりモヤモヤ~。

4

帯に偽りなし

表題作と、15ページ短編の2作品が収録されています。
初読みの作家さんですが、コミカルで面白かったです。

「北上れん画により素敵に見えますが、この左の男↑、変態ですから!」の帯どおり、北上先生のイラスト効果もあり度合いが薄まっていましたが、それでも高晴(攻め)は変態で、頼朋(受け)のストーカーでした。あっさり爽やか変態でしたが、汚物ネタ苦手な方はちょっと注意した方が良いかもしれません。吐しゃ物つきジュース…愛ってスゴイ。

エッチ中にがっつかないためにハゲ頭を思い浮かべてみるような思考もですが、「ハメ撮りもうしません。許してください。…でもデータは消しません」「反省の色が限りなくうっすい謝罪だな」という風な会話がなにより楽しかったです。友人健斗から「笑納ください」と渡された場面では大爆笑でした。

北上先生のイラスト大好き、変態イケメンワンコ年下攻め、男らしい美人受け、どこもかしこも楽しい作品がお好きな方にお勧めします。最後のイラスト、エロくて素敵でした…♪

今作品では他人事まんさいの健斗ですが、「糖酔バニラホリック」では当事者になってしまっているようです。こちらも読もうと思っています。

2

ハイスペック 変態 ショコラティエ 見参!!

はい!一点の曇りもない、変態カウンターのメーターを振り切った・・But !! 世界一のショコラティエと言う顔も持つ清々しい程、一途な攻めさんが出てきます。

そんな彼にストーカー・・ではなく、想い慕われている受けさんは「ふわりと こぼす笑顔に蕩かされる」と評判のイケメンカフェオーナーです。

攻めさんの妄愛っぷりの一部を紹介すると・・・
自宅の「コレクション部屋」には疎遠中も謎のルートで蒐集(しゅうしゅう)した受けさんの写真や物品があり、それを守る番犬(アフガンハウンド)に「ヨリトモ」と受けさんの名前を付けちゃってます。

受けは、複雑な家庭環境で育ったせいか
惜しみない愛を降り注いでくる攻めの傍が心地よくなってはきても、永遠の愛を信じられず
なかなか「恋愛」へ踏み込む事が出来ないんですね。

この2人が どんな紆余曲折を経て結ばれるかは、ぜひ小説を読んで確かめて欲しいです。

ちなみに、凄く面白かったのに 何故「神評価」じゃないの?って事ですが、やはり変態っぷりに目も心も奪われて、萌えが ちょっと霞んでしまったからです。
でもエロは情熱的かつ変態的で萌えました~


個人的な「変態 No1 エピソード」は、攻めが受けにフォーリンラブした場面ですね。

2

それも愛なのね

 受け様の頼朋が好きで好きでぐいぐい押してくる変態ストーカーの攻め様高晴。
頼朋ラブフィルターを通してしか物事を見ていない聞いていない高晴と頼朋とのやりとりが面白かった。
萌えてきゅんきゅん、というより、ふふって笑っちゃう要素の方が多かったかもしれないけど、単純に楽しめた読んだ一冊です。

 でも、私は攻め様が受け様を大好きーってお話が好きなので、このただただ自分のすべては頼朋のため、自分が生きる意味は頼朋にあり、という妄愛っぷりは好きですね。
もちろん物語として読む分には、と注釈を入れてしまいたくなるくらい突き抜けた変態なんですけど。
 高晴視点での「偏愛コスチューム」はもうなんかね…。
高晴のこだわり、というか変態ぶりがなんかすごいんですけど、まぁ頼朋がその執着を愛だと受け止めていて、2人が幸せならいいか。

2

変態粘り勝ち一途愛♡

12年越しの妄執愛、高晴(攻)の変態度が堪りません(笑)

高晴が小学六年生の時に、公園で煙草とジュースに噎せて吐いていた頼朋(受)に一目惚れ。
まずここから普通じゃあないですよね(笑)
顔に吐瀉物付けて涙目の頼朋が壮絶にエロティックって普通、小学六年生で思いますか⁈(笑)
で、その残されたジュースを勝手に飲んだあげく、缶は洗わずそのまま13年間冷凍保存!さすが変態!

それから集めに集めた頼朋グッズを、飼い犬のヨリトモに守らせた頼朋部屋。
これでもかと詰め込んだ高晴の変態度が読んでいて滅茶苦茶楽しかったです(笑)
でも、なんだかんだ言って変態ストーカーには違いが無いので、その点が受け入れられなかったらこの物語は気持ち悪いだけで終わるかもしれませんが、私的には最初から最後まで、高晴も頼朋もセリフの一言一言に爆笑してしまいました。
萌があるかと言われたら、どうなのかなって感じですが、ラブコメディーとして凄く面白かったです。

1

狂犬ハチ公w

ザ・変態。
攻めがもう突き抜けた変態です。
ヤバいぐらい究極わんこ。忠犬じゃない、狂犬だよ、と頼朋に納得。

カフェを営む頼朋の前に現れたのは、世界一のショコラティエ。
超イケメン、ありとあらゆる資格を取得したハイスペックなその人物・高晴の正体は、昔こっぴどく振った後輩で。
なんと十年以上も頼朋を想い続けたド変態のストーカーだった。

ストーカーっぷりが凄まじい。
執着というか妄執というか、もう軽く引いちゃうぐらい突き抜けています。
中高の制服はもちろんのこと、タオルやパンの袋、壊れたシャープペン…。
写真に等身大抱き枕なんかもある。
蒐集した頼朋コレクション、そしてそれらを納めた部屋を『頼朋の部屋』と称し、その部屋は番犬『ヨリトモ』が警備している。
悪寒が!悪寒がするよ!

これはほだされるレベルなんだろうか。
そこが疑問だけど、これはファンタジー。
えぇ、楽しんだもの勝ちです。

頼朋と高晴の掛け合いにブハッと何度噴いたか。
真面目な顔して変態発言、それを痛快に突っ込む頼朋。
童貞のまま妖精になる覚悟だと断言した高晴に、頼朋が返したセリフに一番笑った。

「何さらっと綺麗なモンに生まれ変わろうとしてんだ、厚かましいな」

ホントそうww

人当たりがよく来る者拒まず去る者追わずの頼朋。
どこか一歩引いて、相手との間に壁を作り、入れ込むことを怖がっていた。
一途の愛なんて存在しない、と。
それはある意味トラウマ的なもので、そんな壁をぶち壊してきた高晴に絡め取られた頼朋。
変態の粘り勝ちです。

言わなくても自分にとって快適なものをくれる存在は、そりゃ心地いいでしょうね。
これからも安定の変態さでグイグイ攻め込む高晴は、徐々にほだされていく頼朋から色んなもをもらうんでしょう。
まずはそのスクールソックスですか。

一途と書いてストーカーと読む。
これ、高晴じゃなきゃ完全アウトなんだろうなぁと言ってしまえばオシマイです。笑
変態も突き抜ければ個性になるのか…とどこか達観してしまった一冊でした。

4

もうストーカーでもいいじゃん、って1冊

フラれてもめげずに12年想い続けて、初キスも受け様ってくらいブレない攻めの高晴。
受けの頼朝のグッズを保管する部屋は「頼朝部屋」、部屋の番人は愛犬「頼朝」。頼朝のピンチには店をなげうってでも頼朝を守ってくれるし、世界一のショコラティエだよ?
イケメンだし、もういいじゃん、ストーカーだってって言ってあげたくなります。
普通メンだったら絶対ムリだとは思いますが。

2

高スペック、ナイトで純なストーカー攻め!

高校時代、ダサくて冴えなかった攻め様、大好きな先輩に頑張って手作りバレンタインチョコを渡すけれども、チョコレートのあまりのまずさ&男からの告白という事で完全に拒否られてしまった攻め様。

しかし、この攻め様、先輩の拒否の言葉を前向きに受け取り、その後先輩に認めてもらう男になろうと決意して世界的なショコラティエにはなるし、見た目もちゃんと鍛えて格好良くなるし、あれこれ勉強して片っ端から資格や技術を会得したというかなり高スペックな仕上がりに。
こんなに高スペックになっても、攻め様は一途にその先輩を思い続け、こっそり先輩グッズをコレクションし、隠し撮り写真を眺め・・・といういわばストーカー。
陰からこっそり思い続けていた攻め様でしたが、満を持して、ついに先輩が経営するカフェの目の前に自分のチョコレート店を開き、先輩の前に現れるのです。

本来はもちろんストーカー物は怖いし血なまぐさい展開になったりして嫌なのですが、本作は全く嫌な感じのストーカー像からはかけ離れています。

むしろ、一途に先輩を思い続けるナイトのような攻め様。
先輩グッズの集め方も、隠し撮りシリーズも決して不快なやり方はせず、結構正攻法でやっています。

何よりも彼が一切ぶれないのがいい!!!!
色々な質問への答えも、行動も、全てぶれない芯を感じさせて、すごくそういうところに好感が持てます。
変に取り繕ったり、嘘をつかないところも素敵です。

何よりも、ずっと一途に相手を思い続けて、その人と為にすべてを捧げるという、そんな素晴らしい攻め様に惚れない人がありましょうか・・・
もちろん攻め様の初めてのキスもHもとってあったというのも、一途攻め好きな私としてはたまらなかったです。
高スペック、一途攻め・・・萌えまくりです。

本当、こんな人が側にいてくれたら良いのに・・・

6

ワンコ!

ストーカーにほだされて好きになっちゃうお話し。

子供の頃、一目惚れした相手にアタックするも玉砕。振り向いてもらうために自分を磨いて、超ハイスペックな男になって攻め様が帰ってきます。
受け様はドン引きつつも、これでもかって位に愛を注がれて、次第に愛で満たされてしまいます。

攻め様の高晴の愛が突き抜けていて憎めない。
やっていることは本当にストーカーで、犯罪スレスレレベルで、ど変態なのですが、受け様の頼朋のことが好きで好きでたまらなくて、人生の全てを捧げるワンコっぷりに脱帽です。
こんなに愛されて、尽くされたら、ノーマルだった頼朋も落ちちゃうな。

Hはほぼ一回しかしてないのですが、ありったけの「好き」を込められると、キスがこんなに感じるのか!と感心しました。

3

ハイスペック・ストーカー男の純愛

先日読んだ『今夜、きみと星につなごう』が良かったので
他の作品も読んでみたいなぁ、奇しくもバレンタインシーズンだし……と
手にとった作品。

これは、超絶ストーカーの高晴が好きか嫌いかで評価が別れる作品かな。

小学生の頃から2つ先輩の頼朋一筋の高晴。
頼朋は、小学校の頃からモテモテで有名な、普通にいい男。

頼朋の中学卒業前のバレンタインデーに、手作りのチョコを渡すも撃沈。
しかし、「もっとマシなチョコ作ってこい!」というキツイ言葉を真に受けて
彼を納得させるようなチョコレートを作れるようになるべく
渡仏して世界的なショコラティエにまでなっちゃったというお話。

そして12年後、日本に凱旋して、頼朋のカフェの前に店を開き、
マンションの隣室に住まい、飼っている犬の名前はヨリトモ、
密に集めた頼朋の写真やグッズは数知れず……


頼朋と高晴の、ねじれの位置みたいなやりとりがおかしいし、
カフェを共に営む親友・建斗との会話も笑える。
アフガンハウンドの番犬(何を守っているかがまた爆笑だが……)ヨリトモも、
高晴に片思いする弟子のミシェルもいい。

細部は面白いし、後半頼朋の為ならば全てを投げ出す覚悟を見せる高晴の純愛もツボ。
Hもショコラのように濃厚で、かつどこかトボケた可愛らしさがあって、なかなか見物。

ただ、全体に雑な印象というか、まとまりの悪い印象があるのがかなり残念。
頼朋が、何故気持ち悪がって毛嫌いしていた高晴に惹かれていくのか?
店の権利書を巡る問題の決着の付け方、あたりがご都合主義でついていくにくい。


高晴の愛すべき変態ぶりをたのしんでお読み下さい!……という感じだけれど、
こういうストーカー男、見栄えがよくてハイスペックだからこそ成り立つよねぇ?
と、いささか身も蓋もない感想を持ったりもしたのでした(笑)



追記;
1)桃のショコラ、食べた〜い!誰かバレンタインに下さい!
2)脇役健斗くんとミシェルくんで、スピンオフ希望です!
 ほらほら、目の前でバカップルに当てられたら、そんな気分になるでしょ?

7

ココナッツ

snowblackさま

こんにちは(*^^*)
どうやら健斗のスピンオフが来月らしいですね!
わたしもスピンオフ希望でしたので、楽しみにしておりまーす♬

ストーキングという名の純愛

ただいまマイブーム中の、川琴ゆい華さんの作品です。
変人…変態(?)さん、攻めです。
今回も純愛の中にお笑い要素の詰まった展開で、楽しめました。


受けの頼朋はモテた記憶しかないという、世の男性に刺されそうなカフェオーナー、27歳。
口も悪いが手もはやい。

攻めは、世界選手権で賞をとったショコラティエの高晴。
洗練された雰囲気の25歳、でもチェリーさん。


頼朋は中学卒業間近のバレンタイン、二年後輩の高晴に告白された過去があります。
もちろん、珍事件として記憶の片隅に残ってはいた頼朋ですが、まさかまさかその高晴が12年後、目の前に現れるとは!といったストーリーです。

この高晴のすごいところは、「もっとマシなチョコ作ってこい!」と罵倒されたことがきっかけでショコラティエを目指したということよりも、それを叱咤激励として受けとめていたことでしょうか。
前向きと言えば聞こえは良いですが、日本語通じない系ですね…
まあ、半端ない振り切れた変態なので、頼朋がいくらゲロゲロにまみれていようが無問題!
天晴れです。
や、これは他人事だから笑えるんですけどね。

不満点を上げるならば、Gブリのごとく嫌っていた高晴を頼朋が好きになる過程が、ちょいわからないです。
もうかなり毛嫌いしてますから、ちょっとやそっとじゃ気持ちがぐらついたりしないだろうと思うんですが。
奴隷化計画と高晴のチョコを食べてニコニコしちゃうまでの間のお話が、薄いかなあ。

その他はひじょうに楽しく読みました。
個人的には健斗がすごく良かったので、スピンオフ希望です。
ああいうシラーっとした攻め、読みたいですー!

5

いろいろ惜しい

うーん。微妙でした。
変態だという自覚のない変態攻めと、それにほだされていく受けの話って考えれば合ってると思います。変態っぷりはなかなかのもので、そこはおもしろかったしドキドキさせられました。コスプレも完備。さすがです。

だけど、ふたりの関係にあんまり魅力を感じません。受けがあんまり競争心あるタイプじゃないし、カフェとショコラトリーだから商売敵ってわけでもないし(むしろ協力しあってる)、攻めが受けに優しすぎるのでふたりの対立構造はないんですが、こっぴどくふったイケてない年下の変態が世界一のショコラティエになって帰ってきたんだから、追い抜かされたような焦燥とか、そんな男に屈するわけにはいかないぞっていう受けのプライドとか見たかった気がします。
そうしないならそうしないで、なにか萌える要素がほしかったな。今のままだととっかかりがなさすぎます。

あと、物語の書き方が全部後出しなのが気になりました。受けが祖父から受け継いだ店を大切にする理由、我妻やミッシェルという当て馬の登場、主人公の父の登場、伏線が全くないので唐突に感じられてしまい、いまいち心に迫ってきませんでした。

話には起伏があるし、世界一のショコラティエや御曹司、幼なじみのイケメンと華やかな登場人物も揃っているし、チョコレートというえろいアイテムもあるんだけど、入り込みきれなかったです。

5

評価が高いから読んではみたけど

この作家さんの「初恋の続きをしよう」は大好きで、(それ以外は全部ダメだったけど)
攻めが受けを一途に溺愛もの、評価も高い話題作、ということで読んでは見たのですが、
私にはあいませんでした。
なんか読みにくい、ストーリーにはいっていきにくい?
攻めが受けをどうして好きになったか?も、
受けが攻めを好きになる様子も、???で、
恋愛ストーリーを楽しみたい私にはう〜ん…、
自分でもよくわからないのですが、これは読むのが正直苦痛でした。

10

とにかく“妄愛”!

冒頭の出会いから、この後どんな風にラブくなっていくのか!?と
かなりわくわくしました!
振られ、12年後再び頼朋の前に現れた高晴、
全ては頼朋の為と「思い込み王」の名にふさわしく
ただひたすら言動が濃ゆい!!w
しかしですね、
色んな資格をとっているとか、料理もマッサージもショコラティエとしても
何もかもが完璧って……できすぎくんか!!と思わずツッコみました…。
ストーカーという以外はパーフェクトって
私にとっては萌えなくて…。すみません。
でも、お店に置かない特別な桃のトリュフはぐっときました!!!
食べてみたい……♪

頼朋も、中盤あたりまでは納得できる反応でしたが
あれ、自分からキスしちゃったり、意外とあっさり…?
という気がしてしまって;;
頼朋のお店、『チェリーレッド』の権利証絡みの事件も
うーん、我妻が当て馬で多少悪者なのは良いのですが
思ってたよりすんなり終わっちゃったかも…と。
(すみません!あくまでも私の印象です;;)

頼朋の同級生・建斗が男前で何気に情に厚くて好きでした♪
いっそ頼朋を奪い合うのが、我妻じゃなくて高晴と建斗だったら良かったのに…。
…そうなるとお話が変わってきてしまいますけども;;

とにかく北上れんさんの挿絵と帯が素敵だったので「萌」で!
今更ですが、花丸文庫さんって口絵カラーが無いので寂しいです(泣)

5

コメディとしては面白い。

でも、ラブストーリーとしては問題外でした。

元々、病んでる執着系統も『人の話を聞かない(聞く気がない)』キャラクターもものすごく苦手なんです。

高晴(攻)は陰湿さがないのでコメディとしてなら笑えるしいいんですが、ラブとしてはこういう自分勝手なキャラクター大キライですね。ぞっとしました。

頼朋(受)の前半の対応は別に悪くないと思うんですよ。
一方的に変態ストーカーに纏わりつかれて、なんで相手のことまで考えてやらなきゃならないのかがもう疑問です。

とにかく、高晴の言動がどうこうよりもまわりの頼朋を責めるような言い分が理解できませんでした。ストーキングを正当化してるだけで辟易します。

結局のところ『想われたら想い返す義務がある(高晴はあれだけ一途なんだから報われなきゃおかしい?)』って言ってるのも同然じゃないの?そんなわけないだろ!とひたすらハラ立って堪りませんでした。

ただ、私は頼朋もまったく好みじゃないんですけどね。
特に、絆されだか流されだかどうでもいいけど、ラブへの展開も安易でガッカリです。吐くほど嫌がって抵抗してたのがそんなあっさり傾くの?

なんというか、こういう傍迷惑なキャラクターの異常な熱意を(読み手として)好意的に受け止められたら、まったく違って来るんだと思いますね。

↑レビュータイトル通り、(前半は)コメディとしてはとても面白かったですよ。

でも、ラブストーリーとしてはまったくダメでした。『そういうパターン』だとわかっていてもどうしても無理。ラブストーリーとしては完全に『しゅみじゃない』です。
中盤以降はコメディとしてもどうでもよくて、ただひたすら読むのが苦痛でした。


私はたとえラブ面に限ってだとしても、こういう聞く耳持たずの自分の基準だけで生きてるようなキャラクターが心底キライだと実感(再認識)しただけでした。

そして、終盤の取ってつけたような頼朋の父親と我妻は、2人のラブの障壁に何か事件でも起こしとこうかって感じですか?
それならこんなあっさりラブラブにしないで、もっとストーカーとの攻防や葛藤をを引っ張った方がまだマシな気がしましたけどね。

もうこの作家さんは読まないほうがよさそうです。 というか、前作『恋知らずの甘いレシピ』のレビューでもそう書いてんのに忘れて買ってる自分に呆れ果てました。←他社刊も含め川琴さんのこれまでに出た作品は結局全部読みましたが、少しでもいいと思ったのは『初恋の続きをしよう』だけでした。

それにしても帯コピーは、個人的に並ぶものが浮かばないくらいのスマッシュヒットでした。それは素直に賛美します。素晴らしい! これだけで『しゅみじゃない』にはできないくらい(半分以上本気です)。

17

帯のインパクトがなかなか凄い。

帯に惹かれて買いました。
【北上れん画により素敵に見えますが、この左の男↑、変態ですから!】
というなんともインパクトのある帯で、これは買わねば!と笑
内容はまさに妄愛でした。タイトルに偽りなし。
受けの頼朋の為に(一方的に)様々な資格や知識を身につけた世界一にもなったショコラティエというハイスペックな攻めの高晴。
しかしその中身はというとなんとも残念としか言えない変態でした。変態っぷりは写真や使用済みのものを収集するなど、頼朋限定の変態さんで、まあ愛だし仕方ないかなぁ…と思わない事も無いかな?笑
実際そんな人がいたらとんでもないですがそこは小説と割り切って楽しくとんでもない攻めを楽しみながら読み進めました。
我妻の当て馬っぷりは少し可哀想かなぁと思いつつも、本当に当て馬という役目だけで終わった印象のキャラでした。

2人が結ばれた後の高校生の頃の制服を着てのエッチシーンはとても萌えました〜!スクールソックス!高晴わかってらっしゃる!
挿絵の北上先生のイラストもとても素敵でした。
インパクトのある帯に惹かれて買いましたがとても面白い作品でした。

5

ちょっと感動もできる、とっても楽しいコメディ

優しくて何でもできるのに、とんでもなく残念な美形ストーカー攻。
この攻と、嫌がる受のラブバトルも面白いけど、話が進むにつれてぐっとシリアスさも。
愛や執着といったものに無縁だった受が、攻のとてもストレートな愛情を心地よく思うようになる過程が丁寧に描かれていて、深みあるコメディ作品になっていました。


中学の卒業式、地味な後輩にいきなり手作りチョコを渡され、告白された頼朋(受け)。
もっとマシなチョコ作ってこい!という振り文句を、真っ正直に受け取った後輩は、
12年後、世界一のショコラティエとなって自分の前に現れた。
超美形でハイスペックな好青年に成長した高晴(攻め)。
頼朋がオーナーを務めるカフェの向かいにショコラトリーを開き、
隣のマンションに引越し、本格的にストーキングという名のアタックを始め・・・


とっても頼朋マニア(思い出コレクター?)な高晴にドン引きしながらも、
少しずつ絆されていく頼朋。
問題ある家庭で育ち、人を愛したり信じたりということに臆病だった頼朋だが、
高晴のワンコのような素直な愛情にふれて、少しずつ殻が剥がされていく。

高晴は、ただの残念なイケメンではなく、
大事なものを全てをなげうっても頼朋に尽くす健気さ/漢気もある。
頼朋を狙う我妻や父親が絡み、頼朋がカフェ経営の危機に陥ったとき、
高晴がとった行動。
そこに本気をみた頼朋は、愛を受け取るとともに
相手に同じだけの愛を返したいという初めての感情が生まれます。


頼朋が素直にさえなれば、最強・最高に幸せなバカップルの誕生。
後日談【偏愛コスチュームプレイ】は、
頼朋の尻に顔をうずめる高晴や、学生時代の制服プレイに興奮する高晴など、
ぶれない変態具合が楽しいwww
そこにドン引きしつつも、その執着と愛情をしっかり受け止める頼朋はとても嬉しそう。
笑えるだけでなく、読後は心が温かくなる作品でした。


メイン二人だけでなく、脇をしめる登場人物もとても魅力的。
やっていることは悪役のような頼朋の父親や我妻にも、それぞれ守るものがあり、人情もある。
ラストには頼朋と完全に和解、とまではいきませんが、
それぞれの生き方を思いやり、尊重しているような関わり合いがいい。
脇役にも脇役のドラマがあるということを実感でき、
そんなさりげない描写が、物語に奥行きを与えているように思います。

8

変態ストーカーだけど許せてしまう一途な純情ぷり

この手のお話は意外に大好きかも知れないなんてあらためて発見してしまう。
出会いは高校3年生、卒業を控えた佐倉はバレンタイン当日に同じ高校の後輩に
好きですと言われ手作りチョコを無理やり押し付けられる。
その後輩は初対面の男子高校生、桃味が好きでしょうと言われ、食べるまでひかない
迫力を持ってきた後輩の前で一口食べて余りのまずさに嫌がらせかと激怒するが
相手は本気の好きモード、そんな相手に作り直してこいとヘッドバットをかまして
全ては終わった筈だった・・・。

そして、時は過ぎ、祖父が残した喫茶店で幼なじみとカフェを経営して5年、
佐倉は27才になり、イケメンなのに彼女もいない日々を過ごしているが仕事が楽しく
友人と気楽な時間を過ごす方が楽だと思っている時期に、カフェの前に新しくショコラの
店が出来て、挨拶に訪れた世界NO1の称号を持つショコラティエの高晴は高校時代に
嫌がらせのような味の手作りチョコを持ってきた後輩と知り驚愕。

しかし、あの告白から既に10年近く過ぎているからと呑気に構えていた佐倉は
次第に高晴の異常なまでの執着具合と変態的な言動にビビりまくる事になります。
とにかく、普通だったらストーカー規制法で取締りが出来るくらいの執着ぶりで、
タイトル通り妄想ブリは半端ない、きっと病院に連れて行ったら病名が付きそうな具合。
でも何故かこの残念なストーカーイケメンが読んでるうちに可愛く見えてくるから不思議。

受けである、佐倉も初めは自分の周りから遠ざけようとするけれどいつの間にか
絆され気味になり、どこかで拒めない自分に気が付く。
でもだからと言ってその愛を受け入れる事が出来るかと言えばそれも簡単ではない。
その背景の1番の原因は佐倉の父で放浪癖があり、家庭や家族を顧みない実父と亡き母の
結婚生活に永遠の愛を感じなかった過去のトラウマまではいかないけれどこだわりが
見え隠れしている感じです。

でもそんな事が些細な出来事に感じられるくらい高晴の佐倉への思いは凄まじい。
きっとこの手のタイプは恋人になっても今までの行動が変わることが無いだろうと
思いながら読み進めるとそれ以上にインパクトで応えてくれる変態ぶり。
でもそれに文句を云いながらもいつの間にか甘やかしてしまう佐倉の気持ちも
共感出来てしまうかもと書下ろしの最後まで楽しませて頂いた作品で面白いです。

6

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP