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運命に翻弄されるドラマティックラブ!!
闘牛の熱狂!緊迫感!!
健気で苦しい恋路、闘牛士の誇りと師弟愛に高まる震える~
シリーズ3作品め、と知らずにこちらから読んでしまったけど問題なく世界に入り込め刹那的情緒的すさまじい熱量に打ちのめされました!
英雄レジェスの傲慢さに翻弄されていたのに、
記憶をなくし、真摯に付き従う優しさに苦しむ…
記憶喪失ものの葛藤と闘牛スタイルの葛藤が相乗効果で胸にくる!!
レジェスを再び失いたくない守りたい一心で
はすっぱな振りをする理央が健気で健気で…
どんなことしてもレジェスが愛した闘牛の世界に居続けるって!!
でも肝心なことは言えない立ち向かえない…ぎゅっとなります。
哲学的に闘牛を愛し、生と死と愛の狭間で生きてるレジェスには理央が必要だったんだなと分かるまでが切ない切ない
熱をぶつけるのは傲慢も傲慢だけど、同じ高みにいられる理央への愛だろうけど不器用すぎる!!
記憶なくして無骨に守る姿も聴覚ないのにいろいろ察するのは愛を感じるけど、武骨すぎて~本当に酷い男よ…
なんといっても闘牛前に体の全てを晒して、
戦うための衣装を一つ一つレジェスに身につけさせてもらう行為が
なんとも静粛荘厳で官能的でした。
"素肌と命を預けるのは俺だけにしろ" ってとこまで来たのが胸にきました!
作者さんの闘牛愛がつまったお話ですね。
理央の半生はレジェスと共にありますね。
傲慢なレジェスと記憶を無くした後の尽くすレジェス。どちらも愛しくて苦しむ理央。
回想シーンや闘牛シーンが多くて辛い場面も多く、昔も今もレジェスが何を考えてるのかわからないので、だからどうなるの?と早く結末を知りたい一心で読みました。
理央以外はわかっていた二人が出会った最後の一年半の記憶を無くす前のレジェスの想い。
そして記憶を無くしてからも理央が過去の自分を愛していたことに苦しみそれでも理央を想っていたなんて。なんてこと!やっとわかるなんて。
レジェスの究極の愛情ですね。
傲慢なあんな形で。
でも理央もずっとレジェスを愛してて、例えレジェスが誰かと結婚しようとも。
師弟愛、同士愛、恋愛色んな愛情が二人を結びつけて。
最後もハッピーエンドで良かったです。
世間から男娼あがりの性悪ビッチと呼ばれる美貌の闘牛士理央とかつて理央を弄んで捨てた男レジェスの物語。
スペインには行ったことがないのですが、読み始めからあちらの国の乾いた熱を感じさせるような出だしでした。
難聴で記憶喪失が付き人で思い人という始まりでそれだけでワクワクものでした。
やがて理央が引かれるレジェスという男がどういう人物であるかわかっていくのですが、決して理央に優しくするわけでもなく聖人君子でもありません。
はっきりいって悪くて黒い男。
でも闘牛に関する腕も哲学的な考えも一級で、理央が惹かれていくのも頷けます。
また理央の性悪ビッチを周りから言われているのに実はレジェスに一途で、レジェスが記憶喪失になっていらいずっと禁欲生活をしているという下りは本当に萌えツボでした。
また、悪夢にうなされてしまう理央に難聴であっても寝室にやってくるレジェスのシーンではこの二人は本当に深いところで繋がれりあっているんだなと感じました。
理央を守るために勇士を見せるラストシーンのレジェスの姿は圧巻です。
マタドールシリーズとして「愛のマタドール」が先に発刊されていますが、前作を読んでいなくても読めそうだったので、こちらから読みました。
いやもう、眼からウロコの衝撃でした。
闘牛が、スポットの当て方次第で、こんなにも官能的な雰囲気を醸し出すものだとは。
獣と人間との一対一の死闘。マタドール(正闘牛士)の華麗なコスチューム、牛を刺し貫く剣、牛を仕留めた後の心身の昂ぶり、殺したばかりの牛の血の匂いが残るマタドールの指先…官能は官能でも、男女の恋愛ではなく男同士の禁断の恋が似合う世界。
萌えのネタが、ザクザク掘り出せそう。
読者にそういう感覚を抱かせるのも、やはり作者の素材選びのセンスと、見せ方のテクニックの賜物だと思います。
メインディッシュは、日系スペイン人の美しきマタドール・理央(受け)が、闘牛場に入る前の身支度をするシーン。
全裸になった理央に付き人のレジェス(攻め)がマタドールの衣裳を着せていく、ただそれだけのシーンなのですが、これがエロい。
レジェスは以前は天才的マタドールとして活躍していた男。当時は理央の恋人でもありました。が、闘牛で負った怪我が元で聴覚と記憶を失い、何も思いだせないまま、今は理央ともマタドールとその付き人という関係です。
淡々と理央の肌に触れ、衣裳を着せていくレジェスの指先や肌にかかる吐息に、理央はかつて恋人同士だった頃のレジェスとのセックスを重ね合わせて感じてしまう…
もう理央の心理描写だけで、エロスがダダ洩れ。
付き人の前で全裸になり、着替えは全て付き人に任せるという闘牛士の習慣を、こんなエロチックなBLのワンシーンに変換した作者の腐魂、すばらしすぎます!!
濡れ場も複数回ありますが、個人的にはここが一番萌えました。
「次に生れてくるなら黒い牛がいい。どう猛で美しい獣、おまえに殺されるためだけに、この世に誕生したような」
英雄的マタドールだった頃のレジェスが、理央を抱きながら言ったこのセリフも好きです。
BL的恋愛観では、愛ある殺意は至上の愛で、時に「殺す」は攻めの受けに対する行為の意味を含むこともあり…闘牛場で牛に殺されるのが最高の死に方、という闘牛士の理想(これが事実なのか作者のフィクションなのかは分かりませんが)とBL的恋愛観を巧みにオーバーラップさせた名ゼリフだと思います。
できればこのセリフは受けの理央のものであってほしかったのですが(やはり「刺し殺される」のは受けですからw)、理央が「自分こそがそうなりたい」と思う場面があるので、私はこのセリフは理央に重ね合わせながら読みました。
日々死と背中合わせの場所にいるマタドールだけに、恋愛にも刹那の煌きが加わって、何か格別な美しさがあります。やっぱり戦士ものはこれがイイ。
ただ、回想シーンが思いのほか長く、現在進行形の二人の関係が進展していく一番読みたい部分が短かすぎたことや、終盤が慌ただしすぎてクライマックスがいまひとつ盛り上がらなかったことなど、個人的には物足りない感覚も残りました。
アイデアは神!でもストーリー構成は…でもでも、萌えたし?!
ということで、迷いに迷いましたが、萌×2で。
闘牛の世界、まだまだ読み足りない思いです。より一層(萌えが)パワーアップしたマタドールシリーズの続巻を期待しています。
スペインの闘牛を舞台にした、愛と魂の継承の物語。
闘牛と闘牛士への熱い愛と敬意に満ちた物語世界は、乾いたヒマワリと蒼穹と、血の臭いと濃厚なセックスの臭い。
あぁ、やっぱり好きだわ、、、華藤えれな。
華藤さんが描く闘牛の世界は本当に特別で格別な陶酔感。
これはやっぱり、作者様の愛の熱さ深さなのかしら。
闘牛の魅力を伝導しつつ、しっかり成長物語とラブロマンスもエロも取り込んで、涙腺のお掃除もバッチリ。
登場するスペインの、街も荒野も闘牛場も、自分では見たことのない景色のはずなのに、本当にその光景が目の前に広がるよう。
こんなに物語り世界に入る込めるのって、もちろんそれは、作者様の情熱あってこそなのだろうけど、それ以上に、私としては華藤さんの文体がとっても私自身のリズムに合っていて、読んでいて本当に気持ちいい。
他のマタドールの本も発掘して読み直したくなった。