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1冊まるまる1cp…というより、1バンド+マネージャーのお話でした。
若田部と橋谷がおバカ天才気質と天然cpで微笑ましく。
そんな2人の仲を知りながら生暖かく見守るバンドメンバーの心の声、呆れたりツッこんだりがおもしろい。
井田マネージャーが若田部に手を焼かされてプリプリしたり、バンドへの熱い思いがあったりで、めっちゃいいキャラ。
BL好きとしては、若田部と橋谷のなれそめやいちゃいちゃをもっと見たいところではありますが。
それでも群像劇として、コメディとしておもしろく満足です。
何ヵ所もツボって声出して笑いました。
絵で語るクールな作風、痛い系、ほのぼの系も描かれるのに、こんなわちゃわちゃした感じもおもしろいなんてイシノ先生幅広い。すごい。
特に好きなのは、オフの日のたっちん。
おもしろエピソードがきてからの…若田部の曲を聴いて手と足でリズムをとっちゃうシーン。
絵で見せるわ〜と惚れ惚れ。
構図、コマ割りも抜群。
(個人的にドラマーの動き大好きなので余計痺れました)
バンドものって、とかくキザやクサくなりがちだけど、そこはイシノ先生さすがだわ〜と思いました。
願わくば、かっちょいいライブシーンをイシノ先生の絵で見て見たかったな〜とちょびっと思いました(でもコンセプトと違うから描かれなかったんだろうな)
「union」をだいーーぶ前に読んで、すっかり忘れた状態で「アイ・ドント・クライ」を読んで戻ってきました。
覚えているお話が、主役のふたりのストーリーではなく、バンドメンバー残り3人のお話だったりするのが不思議。電車の話とか、殆ど夫婦の彼らの話はよく覚えてた。
軽妙で、これが単行本3冊分ぐらいあれば推し作品間違いなしな気がするけど、これ1冊だとちょっと物足りないです。
「アイ・ドント・クライ」と、井田さんも笠原さんもキャラ違いますね。井田さんは大人になったのかな〜とも思うけど、もっと恥ずかしげもなく「あいつらをビッグにする」って言える人な気がする。「アイ・ドント・クライ」の井田さんなら。大人になったんだとしたらなんとなく寂しい。りっちゃんと結婚して小学生の子供がいて37歳…大人になるわな。
笠原さんは生え際が後退している気が…す…
萌〜萌2
5人組バンドのメンバーが繰り広げる日常を、ユーモアたっぷりに描かれていました。ずっと同じキャラクター達が登場する、1話読み切り型短編集のような感じ。ギターのワカとボーカルのタニさんは既に出来上がっている関係なので、くっつくまでの経緯を知ることはできませんが、オープンなんだか秘密なんだか曖昧な恋人同士の2人のやりとりは微笑ましく、存分に楽しめました。年上のタニさんがワカに迫られて赤面するのがとっても可愛かったです。
2人の他にも、同じバンドメンバーで生活を共にしている日野と境も気になる関係。お互いなんで彼女ができないんだと愚痴ったりしているけど、きっと無意識の内に相手との生活を居心地良く感じていて、最早他者が入れない空間になっているんじゃないかとも思いました。気付かないまま、ずっと一緒に暮らして欲しい。そして、ワカに手を焼くマネージャーの井田もなんだかんだワカを憎めなくて、このバンドを愛しているということが普段から伝わってきて、素敵な関係だなと思いました。
イシノアヤ先生の独特な作画と、抜け感のある作風が好きです。
この「union」は、バンドもの。5人組の「ケチャッパーズ」が物語の舞台。
BLとしてはエロ描写はほとんど無くてごくごく淡い。
どちらかというと、ケチャッパーズのギターで自由すぎる天然人?天然すぎる自由人?の若田部(ワカ)と社会人としての常識を求めようとするマネージャー・井田(←「アイ・ドント・クライ」は彼の若い頃)とのバトル、といった感じの方が印象が強いです。
冒頭の「00」が2007年同人誌にて発表、そして「01」からの連載が2011年からということで、そんな観点から「00」を読む、そして「01」から読むとBL風味の薄さがよりわかるような。
「06」でワカとタニ(ケチャッパーズvo.の橋谷)のイチャイチャがちら〜っと出るけど、これは連載になってBのLを入れてくださいとかアレコレ言われちゃったのかな…とか。
「07」でのノンケメンバー2人の、なんともオスくささの無いほのぼのしい日常…とか。
読んでるとこちらの余計な力というか力みが解けてくるような、そんな作品だと思います。
ケチャッパーズの曲ってどんな感じなのかな…
あんまり爆音とかじゃなくて耳にも優しく心が跳ねるような雰囲気かな。
カバーもカバー下のデザインもとてもお洒落です。
最新刊の「アイ・ドント・クライ」を読んでいたらこの「union」のキャラ達も登場していて嬉しかった〜。
(「アイ・ドント・クライ」はデビュー前でマネージャーの井田さんはまだ独身だった頃が描かれています。)
そして、読み直してみたら、「アイ・ドント・クライ」の笠原も出てるではないの!!!
ちょっと人相が違うけど……。
「アイ・ドント・クライ」では掴み所のないゆる〜いキャラとして登場してるけど、こっちはちょっとシニカルな感じで描かれていて同一人物だとは読み返すまで全く気づかなかった。
ケチャッパーズというバンドメンバー達のお話で、業界のBLではあるけど、まったく派手さはないです。
彼らは元々、高校の軽音楽部で結成したバンドなので、高校時代の延長上みたいな感じでわちゃわちゃしちゃってます。
みんな仲良くて、いい意味で遠慮がない。
音楽バカで自由奔放なギタリストのワカ。
ワカのズレっぷりを軌道修正してほしいという他メンバーの願いも虚しく、一緒になって楽しんでしまう恋人のタニはボーカル。
他のメンバーには何故か付き合ってるのがバレていないと思ってるうえでの二人のやり取りも萌える。
突拍子もないワカの言動に日々苦労してるけど、彼の作る音楽に魅せられてしまう他メンバーたち。
そして、それをまとめる苦労人の(主にワカに苦労させられている)マネージャーの井田さん。
バンド内が総ホモ化していないところもいいな。
カプなのはワカとタニだけで、彼女持ちが一人と、彼女募集中が二人。
この彼女募集中の二人が同居しちゃってるんだけど、彼らの同居生活が萌える〜。
もうツーカーの仲というか、阿吽の呼吸で家事を二人で仲良くやりくりしてる彼ら。
女の子と合コンしてる様子は、あぁ…こりゃモテないわ……悪い人じゃないんだけど…みたいな彼らが、ちゃちゃっと作ったおつまみをテーブル挟んで仲良くつつきながら、「……こんなに家庭的なのにどうして彼女できないんだろうな、俺たち」と嘆きあってる姿がめっちゃユーモラスで好き。
なんともゆる〜い雰囲気が漂う作品で、肩の力を抜いて読めるから好きです。
そして、この設定、この台詞どっかで読んだなぁみたいな既視感がないところが、さすがのイシノアヤさん。