無自覚イケメン×体育会系三十路男!!

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表題作恋なんてもんは。

青山颯天,六之助に弟子入り志願した大学生,20才
黒塚六之助,モデルマネジメント,29才

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

とある理由で警察官の夢を諦め、小さなモデル事務所でマネージャーをやっている黒塚六之助は、ある日、抜群のルックスをした男と出会う。
しかし、その男・青山颯天は、自分の美貌にまったく気づいていなかった。
懸命にスカウトを試みる六之助に青山が遠慮がちに「あなたが俺の彼女になってくれるなら…」といわれ――!?

作品情報

作品名
恋なんてもんは。
著者
千地イチ 
イラスト
國沢智 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
発売日
ISBN
9784812499283
3.5

(48)

(6)

萌々

(26)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
13
得点
166
評価数
48
平均
3.5 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数13

どのキャラも可愛い!

メインキャラ四人全員可愛かったです。

三人が受を取り合う話というより、受と三人がそれぞれ向かい合う話でした。



四人それぞれちゃんとしてる所とダメな所があって、誰一人星人君子じゃないけど極悪人でもなく、四人とも大なり小なり成長した所が良かったです。

あえて善し悪しでキャラをキッパリ分けるなら、攻の青山くん(攻)が圧倒的に善で、ほか三人は悪かなぁと思いました。



当て馬のようなポジションだった二人(スメラギとアサヒ)がロク(受)に対して恋愛以外の執着心を見せていた所が珍しくて良かったです。

この二人の執着が似ているようで似てない。
どちらも独占欲ですが、スメラギはお気に入りの玩具を取られた子ども(母親を取られて気を引こうとしてる子どもっぽくもある)、アサヒは友情故の独占欲でした。

これがどちらも可愛かったです。



特にアサヒ、恋愛とか怪我とかチラつかせてロクを縛り付けている癖に、本当は昔みたいな友達に戻りたいの可愛すぎる。

病院での事も結局謝罪さえありませんでしたが、それ含めてずっと友達でいたかった(離れて欲しくなかった)だけなのかなぁと思いました。

恋心って勘違いさせてまで一緒に居たかったの可愛いすぎるし、それでいて自分は惚れた女と一緒になってるの最悪すぎて良かったです。
この状況で青山が恋人というポジションに治まったら、今度こそ離れてしまうと思ったのかな……。
やり方は色々と最悪ですが、アサヒから滲み出る感情が可愛くて仕方なかったです。


ロクもロクでアサヒが結婚し、友情故に寂しく思っていた(理解してなかった)所が良かった。

アサヒへの感情が、恋情なのか憧れなのか悩んでいましたが、友情だったんだなぁと感慨深い気持ちになりました。



ロクは圧倒的に可哀想な男ですが、そもそも過去の出来事で罪悪感を抱く必要性が全くないんですよね。
むしろ逆なのに、親に縛られてしまった故に友人に縛られたって感じでした。

基本的に善の人間ですが独善的で自分に暗示を掛けているようなところがあって、その辺まとめて家庭環境のせいだと思いました。

そしてこと青山との恋愛に関しては完全に悪い男だったと思います(笑)

攻の青山はとにかく可愛いかったです。
努力家で真っ直ぐな青山はリアルにいたらガチ尊敬できるタイプの人間でした。

ロクが言うところの宇宙人だと思いたいレベルなのですが、ちゃんと人間らしい部分もあって良かったです。


そしてそんな青山によって色々と雁字搦めになっていたロクの心が解けて行くのが良かったです。


ロクを取り巻く事情がややこしい分、メインの恋愛は王道で上手くバランスが取れていたと思います。

面白かったです。

0

毎回都合よく立ち聞きしすぎ(笑)

小柄で暴力的なアラサーが主人公のハーレムものといった印象。まあそういう話じゃないけど、全員に好かれ手懐けている絵面的に、そう言えないこともないんじゃないの、と。フツメン主人公が異常に愛され過ぎている。

ロクは社会人の大人の汚さをちゃんと持っているキャラクター。武道を心得るノンケだが、見た目の良い男にミーハー女のように憧れる側面を持つ。仕事に直結する性癖は私情を持ち込むようで、余計な設定だな、と思った。

ところどころに強引な進行が見られ、うっすら違和感を覚えるエピソードもちらほら。何度も各キャラが話を立ち聞きしていて進む展開が繰り返されたりと、全体的に雑だった。
設定盛り盛りの二人の気持ちの流れは面白かった。特にロクは引きずる過去やら家族やら、青山とは関係のないところまで気合いを入れて詰め込まれている。二人の恋愛を描くというより、この主人公の再生を描く物語。
感情移入できたりこの主人公を好きになれていたら、とても楽しく読めたんだろうと思う。客観視しかできず、キャラたちに共感がないと微妙。たまに聖母のように描かれており、苦手意識が芽生えそうになる。ロクの悩みが徐々に軸ブレしていっているようなのも気になった。

悪くはない、と思う。なんとなく合わないと感じるのは、わざとらしい主人公の愛され感のせいか。内面も普通の人間にしか見えず、人が寄って来るタイプにも見えないという、設定と描写の剥離が気になる。ラストは爽やかに締めてくれたが、妙な後味が残る。
キャラクターの人間味が薄く作り物感が濃いこの世界観に入り込めなかった。

0

攻めが健気

初読みの作家さんでしたが、結構面白かった。健気な年下のワンコと、身体は小さいけど体育会系の男前受けのカップリング。
攻めは二年前に腕っぷしの強い受けに一目惚れしていて、再会した途端に「弟子にしてください」なんて言ってくる。で、「弟子に…」というお願いはすぐに「やっぱり彼氏に」となるので、最初から攻めの好意ははっきりしてるというパターン。

受けと過去に因縁(身体の関係含む)のある上司の朝比、わがままいっぱいで手を焼かせる担当モデルの住良木と、当て馬っぽいキャラが二人も出てくるので、序盤から中盤は、どこに萌えていいのかちょっと混乱してしまった。むしろ攻めよりも、朝比との過去や関係性の方が気になってしまい、攻めとの関係に集中しきれず。
しかもこの朝比の気持ちが、よくわからずじまいで最後、もやっとする。結局当て馬にはなりきれず。ただのいい人だったの? 
住良木に至っては受けを困らせただけで、なんのためにいたのかちょっとよくわからなかった。

攻めにも秘密の過去があったりもするんだけど、一途で可愛かったし、受けが恋心を自覚してからの後半は、一気に読みやすくなって楽しめた。
受けの一人称小説はあまり好きではないのだが、三十路ということもあってか落ち着いた文章になっていて、苦手感をあまり感じず、そこも良かった。

0

ちっちゃいけど強い男前受け!

街角で突然「弟子にしてください!」と土下座された六之助(受け)
戸惑うも、担当モデルにバックレられて代役を探している途中ということもあり、急遽出会ったばかりのその青年を撮影現場に押し込みます。
ド素人にも関わらず類い稀なる存在感を放つ青山(攻め)に今後もモデルをと持ちかけたところ「弟子ではなく、彼氏にしてください」と言われてしまい……

見た目王子様なヘタレわんこと、ちっちゃいけど男前な受けという組み合わせがとにかく良かったです。

王子様のような正統派ルックスなのにとてつもなく素直でピュアな青山(攻め)。
身長は162cmとちっちゃいけれど、面倒見が良くて格闘技は何でもござれのとにかく男前な六之助(受け)。

そして脇役達もいいんですよ〜。
単なる当て馬という単純な役割ではなく、「男と男が一緒にいて生まれる何か」みたいなものを漂わせているところが。

まず一人目は、看板モデルの住良木。
六之助によって見出され、生まれたての子鹿のようにぷるぷるしてた新人時代を経て、今やわがまま放題で六之助の手を焼かせている住良木。
そんな彼が「青山ばっかり構うな。てめぇは俺のマネージャーじゃねぇか。」と泣く。

ぎゃー!!
かわいいーーー!!!
キュン死。

二人の間にあるのはBL的なLOVEじゃないけど、めちゃくそ萌える。

そしてモデル事務所の社長で、大学時代の先輩であり親友の朝比(既婚者)。
モデルとして有望な将来が拓けていたはずなのに、とある事件によってモデル生命を絶たれてしまった朝比とそれに罪悪感を抱く六之助との間のモヤモヤ感がたまらなく良かった。
(私からすると、朝比は単にツケが回ってきただけの自業自得で、六之助が罪悪感を抱く必要なんて無いと思うんだけど)

でも、人によってはこの二人の関係が中途半端とか、何なんだろ……と思う人もいるかもしれないなぁとも思うけど、私は友情なのか、憧れなのか、LOVEなのか、よくわからんけど何かある!想像の余地があるってだけで萌える!!という人間なんで、この二人にもめちゃ萌えました。

結局、六之助はモデルたらし、人たらしなんだろうなぁ。
だからそれぞれが「俺のことをちゃんと見てて!」となっちゃう。
それに伴う感情は個々違うとしても。

そして青山も六之助もどっちも頑張り屋さん。
特に六之助が「強くなりたい」と幼少時から自分を追い込んでいた理由が切なかった。
そんな二人がお互いに守り、守られるという関係になっていくところが良かったです。

それにしても王子様キャラの青山による「僕の初めてを、もらってください」がかわいかったー!
そして「俺をロクさんのモノにして……!」という青山のお願いに対して、
「馬鹿たれ、俺がお前のモンになるんだよ……!」という六之助の返しがこれまた良かったです。

0

六之助いいね。

期待せずに読んだのですが、なかなか面白かった一冊。なんと言っても、主人公(語り手)の六之助のキャラクターが良い。男前で正義感が強くて体育会系、だけど小さい。そしてちょっと無理してる。…これはほっとけない系ですよね。

モデル事務所のマネージャーをしている六之助の友人兼上司や担当の売れっ子モデルなどの周囲の人物もなかなか魅力的。もう少し詳しく描写してほしいな……と思うところも多少ありましたけど。

最終的に、どちらかがどちらかを一方的に庇護する関係ではなく、互いに守り守られるという関係に落ち着いたところがよかったです。
幸せになってね!と応援したくなるおはなしでした。

0

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