BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
のの先生を小山田あみ先生が彩るという好き×好きの組み合わせ。
読む前から安心して挑めました…が!とりあえずいったんは落ち着いたものの、先にはなかなか苦しい展開になりそうで、早く2巻を読んで本当の意味で幸せになってほしい!!
太夫というくらいだからもちろん遊郭が舞台で受けの不憫は覚悟していたのですが、タチのみ営業で処女は守られているという、ありがたい逃げ道が(受けは未通が好みの私)。
攻め様が強くて貴族でまっすぐで良い男なんですが、彼の親友がこれまた理解のある男で。
次巻でもぜひ活躍していただきたい。
小鞠ちゃんは……うう……安らかにお眠り下さい
何と言ってもこの作品のキモは挿絵!
もうね、小山田あみさんの絵が素晴らしく、シチュエーションが遊郭とか。
攻めのミハイルと受けの忍がね、苦難の末に、そして我慢に我慢を重ねた二人が尊い…
しかも、忍は遊郭で陰間なのに抱かれたことがないという奇跡。抱く側でずっと人気を保つ陰間って設定がまた萌。
物語は打った大太刀が人を襲う鬼に使われるという若干妖魔物だったりしますが、忍の一途さとミハイルの思い入れ、しかもミハイルは自分の祖国では同性愛は禁忌なんです。だけど二人は惹かれ合って、でも4年後に再会を誓うような純粋さもあり。
結ばれたものの、まだ謎は残されていて連作になっています。忍び崩れの千景もいいポジションなので、続刊で活躍するのか、実は陥れる側なのか。
楽しみです!
2014年刊。
『紫乃太夫の初恋』と『約束の恋刀』は上下巻のような構成になっているので、この小説に興味を持ったなら二冊読む心づもりでいたほうがいいかも知れない。
当然ながら、まずこの本を読み終えた時点では散りばめられた幾つかの謎の種明かしは下巻に集中しているな、といった印象だった。
犬飼さんの書く物語に関しては、その作品ごとの世界観に嵌ればまず楽しめるだろう。
鬼の存在が鍵となるファンタジーは既にいろいろな作家の他作品でも読んでいるせいか、この本もまたか…と思ったものの、遊郭、軍人、日本刀(作中では旭日刀)、異国の想い人、身分差の恋、メロドラマを詰め込んでもごちゃごちゃせずに読ませる手腕はいつも見事だなと感じ入る。
今回は受けキャラの忍が姿を隠している奥吉原内の遊郭でタチ専門として名を馳せている点に「おっ(´・ω・)!!」と感じた。
タチからネコ(攻めから受け)に転じるキャラなのか、と期待したのだが、この辺りは犬飼さん作品で良く見かける『好きな相手を想って操を守る』健気受けの範疇を越えられないようでいて惜しかった。
最初は、忍が元刀匠という設定から幾分男臭い受けなのかと思ったのだが、綺麗とか婀娜っぽいといった表現が強調されているせいか、いつもの犬飼さん作品の受けキャラに落ち着いちゃったな…と。
がっちりした体格のミハイルと並ぶと華奢になってしまうのかも知れないが。
それでもこの物語自体には惹き付ける力が強いので、後半どうまとまるかといった期待は充分にある。
この作品、ずっと気になっていたのですけれどやっと読みました。
……『読者大サービス!』とでも言う様なお話じゃないですか!
萌え要素のてんこ盛りです。凄い。
主人公の紫乃は奥吉原(陰間の吉原です)の御職太夫。今日の客を大門まで送っていった際に、帝都を震撼させる妖刀鬼の出現に遭遇します。妖刀鬼は魂魄を体内に取り込む為に人を斬ります。
逃げ惑う人達に逆らい鬼に近づく紫乃がそこで出会うのは、同盟国の軍人であるミハイル。
妖刀を体から切り離さない限り死なない妖刀鬼にミハイルは苦戦しますが、何故か紫乃が鬼を追い払うことに成功します。
紫乃とミハイルは5年前に、若き刀匠(太刀風忍が紫乃の本当の名前です)と刀を求める剣士として出会い、互いに惹かれ合った間柄でした。
4年後にミハイルのために最高の刀を作るという約束をして別れたはずなのに、再び訪れたミハイルを待っていたのは火災で焼失した忍の鍛冶場でした。行方の知れない忍を一年間もミハイルは探していたのです。
身請けを乞うミハイルに紫乃はそれを拒みます。
紫乃は吉原に『閉じ込められていなければならない』理由があるのです。
妖刀鬼の出現は忍が作った名刀が関わっているという噂、また妖刀鬼の見た目が何故かミハイルに酷似している謎、鬼の血が混ざっている忍の哀しい運命などが明らかになる怒濤の前編。
萌え要素を羅列すると、
まず、妖刀。
そしてミハイルの白軍服に日本刀という出で立ち(これにはやられた)。
対する忍は、天才刀鍛冶で鬼のとのミックス(!)。
忍は紫乃として男花魁に身をやつしているんですけれど、ミハイルに操を立てて『抱く方』なんです。『処女太夫』っていうのが泣かせるじゃありませんか。
そんでもって、紫乃の側仕えの千景は、なんと『忍者くずれ』なんですよ。
こんな萌えしかない設定の中で『心から愛し合っているのに、忍(忍になったり紫乃になったりして申し訳ない)の出自の所為で決して幸せになれないであろう2人』の悲恋が描かれるんです。
2人が吉原の大夫と間夫として想いを通わせるシーンの、激しく美しいこと!
妖刀鬼を巡る国家的陰謀が存在する匂いも漂っていて、これ、止まりませんね。
これから読まれる方は、次巻『約束の恋刀』も併せて入手してから読み始めることをお薦めします。