天使の皮、かぶってます。

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表題作辞めるまでにしたい10のこと

難波左京,37歳,大手出版社グループから着任した新社長
白石純人,26歳,誠覧社の入社四年目の童顔編集者

その他の収録作品

  • 恋人としたい10の××
  • あとがき

あらすじ

天使の皮、かぶってます。

小っちゃくて可愛い容姿を武器に笑顔で世間を渡ってきた編集者の純人。
だが初対面の新社長・難波に「可愛くない。腹黒さが滲みでてる」と素を見抜かれ、内心ギギギ。しかも担当書籍を「つまらない」と一刀両断される。
こんな失礼な男の下で働けるか! と退職を即決──のはずが、なぜか難波をモデルに本を出すことに。
これをベストセラーにして、辞表を叩きつけてやる…密かに誓う純人だが、ぶつかるたびに長年かぶり続けた猫が脱げ、難波の有能ぶりにドキドキしてきて──!?

作品情報

作品名
辞めるまでにしたい10のこと
著者
鳩村衣杏 
イラスト
みろくことこ 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
シリーズ
辞めるまでにしたい10のこと
発売日
ISBN
9784773087710
3.3

(20)

(2)

萌々

(5)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
64
評価数
20
平均
3.3 / 5
神率
10%

レビュー投稿数6

したたかわいい男

久しぶりに鳩村さんの作品を読みました。相変わらずサクサク読めるお仕事BLで話も面白い。主役の受けは小柄で可憐な容姿だけど仕事はできる人。編集の仕事が大好き!という20代サラリーマンですが自分のことを「したたかわいい」と分析してる男はなんか嫌だな。出版社の人だからいかにもそんな言葉遊びはしそうだけど。

攻めは37歳の若手エリート社長。誠実な仕事ぶりでいつのまにか社長になってたらしいです。仕事の心得みたいなのをひと回り年下の受けに教えていきます。プライベートでは恋人と死別したことから立ち直りきれていない、という設定。結局社員の受けと付き合うようになりますがそうなると社長と愛人という関係になってなんかちょっとエロい。

最近受け攻め両方共ビジュアル的にも男らしい作品を読むことが多かったので久しぶりに身長差のあるカップルの巻頭カラーのような設定に萌えました。攻めの大きめパジャマの上だけを受けが着て下を攻めがはいてるのってベタだけど最高の萌えですよね。どこかに実践してる男同士のカップルっているのかなあ。

0

ずるいしたたかさではなく、

「誠覧社」シリーズの1作目。
小柄で童顔、女性から可愛いと言われるコンプレックスを逆手にとって「したたかわいい」を武器にして頑張る白石純人、が主人公。
内容は、鳩村衣杏先生お得意の「お仕事BL」で、次期社長・難波の仕事論、イタリアンレストランシェフの覚悟、誠覧社の近くにある高級テーラー主人の含蓄、などなどいつも通り言葉に力がありますよね。金言がたくさんです。
でもBL的にはどうかな…と思う点もちらほら。
純人が難波に対してはじめは反感、器の大きさに一転心を奪われる展開は、納得できます。
でも、難波の方が純人に恋愛するのが腑に落ちない。しかも、結婚寸前の婚約者と死別して、寝室に仏壇を置いてるって…んん〜ん。
あと、個人的に気になってしまったのは、純人が恥ずかしがって目を覆っているイラスト。可愛らしすぎます。またの名をショタっぽい。(これは単純に個人的感想なので、逆にこの可愛らしさにハマる方も多くおられると思います。)
純人はこの見た目でも有能社員ですので、お仕事BLとしてうまくおさまるハピエンです。

「恋人としたい10のxx」
難波視点のSS。年の差BLに珍しく攻めがガッついてます。

1

最後まで入り込めず・・・

鳩村先生の作品はいくつか気になった作品を読んでいます。

これは、いわゆる誠覧社シリーズの第一弾です。(シリーズとはいっても、挿絵も主人公達も違うので、全シリーズ読まなくても差し支えありませんが、通して読んだ方が会社の事情が分かって面白いかもしれません。)


私は第1弾は積読状態で、先に第2弾と、第3弾を読んでいました。第2弾は萌えツボに合致しなかった私・・・でも、第3弾「シンケとあーたん」がとても気に入ったので勢いで第1弾も読んでみました。

鳩村先生の作品は(私が読んだのは数作品だけですが)割と自己啓発本的な要素が入っていて、勿論今作もその要素が入っています。読んでいて、なるほど!!!と思ったり、私も実行してみようと思ったり・・・と発見があって興味深いのですが、しかしながら、今作は物語としては残念ながら全くMyツボにはまらず・・・どころかお話にも入り込めず、微妙に地雷ネタもあったりで、すみません、私は合いませんでした。

先ず、受け様攻め様共に魅力を感じられず、好きになれませんでした。(嫌いじゃないけれども特に好きにもなれず、というか人物像が今一つ良く分からない・・・という感じです)そうなると思い入れも薄くなってしまい、物語の世界に入り込めない私。
そして、何故バリバリノンケのこの2人が惹かれあったのかについても良く分かりませんでした。
受け様ができる社長(攻め様)に憧れるのは百歩譲って分かるにしても、攻め様は何故突然受け様に気持ちがいったんだろう??・・・と。
攻め様は、受け様に惹かれた理由として、若い時の自分自身に似ているから惹かれたと言っているのですが、受け様が攻め様の亡き妻(正確には正式に結婚する前に突然死してしまった)に顔が瓜二つエピソードが織り込まれているせいで、本当に顔は関係ないの??無意識に惹かれちゃったんじゃないの??と感じてしまったり、亡き妻の仏壇(鏡台型を特注)を部屋に置いてあったり・・・と、攻め様の亡き妻への思いがとても深そうなのに突然受け様に気持ちがいく・・・という展開に付いて行かれませんでした。(←個人的には未だ深い思いを抱いている亡き妻の存在や顔が似ているエピソードなどが地雷ポイントだった模様・・・)

できる社長に憧れると共に、自分が変わっていくサクセスストーリーとしてはありだと思うのですが、恋愛部分には無理矢理感を感じてしまいました。

0

コンプレックスを武器に頑張る編集者にエール

軽快でできれば前向きな気持ちにさせてくれる話が読みたいと思ったときに選んだ1冊です。
期待通り明日からも頑張るぞっと思わせる元気が出る本でした。

感じ悪い、いけ好かない、大っ嫌い!と思わせる傲慢な新たな上司の登場に「辞めてやる」と思ったけれど、このままじゃあ負け犬だから大きな仕事を成功させてから惜しまれて辞めてやる。そのために辞めるまでにしたい10のことを実行する計算高い腹黒と自分では思っているけど、案外可愛くて天然なところがある頑張り屋の編集者の恋の始まりです。

母親の友人である編集者を見ていてその仕事に憧れて出版社に入って3年目の純人。
自分が童顔で身長も低めなのがコンプレックスだけど、その頑張ってもどうにもならないことを武器にして生きることを心に決めてかわいさを生かしてきた純人が恋と仕事に生き生きとする様子にときめきました。

自分では『したたかわいい』と称し計算して可愛さと人懐こさを売りにムードメーカー的な存在であることを意識的に行動してきた純人。
けれども、顔の可愛さだけで媚びたり寄らば大樹の陰、あるいは虎の威を借る狐的に人の能力や才能を利用して自分は何もせずにいい目をみようとしているんじゃなくて、人知れず真面目に勉強したり情報収集して可愛いだけを使って調子いいだけのヤツだと思われない努力もしているというところに好感を持ちました。

作中純人がお話を聞いた紳士服の職人さんのオーダー服へのこだわりだとか思御入れが興味深かったです。

難波のメソッド本が読みたくなりました。できる男になる秘訣は『話を聞く』とか『地道な調査』とか当たり前のようなそれだけ?と言いたくなるようなことだけど心理だなと思ったのが参考になりました。

行動する前から「できない、難しい、ありえない」と決めつけて頭から否定するのは可能性を否定することになるんだということがよくわかりました。そんな人生哲学的な話が気に入りました。

新しい書店のコンセプトやTOBと社長交代の一部始終を基にした本がホントにあったら面白そうで興味深かったです。
書店のオープンの様子もみたいので番外編なんかあったらいいのに思いました。

双子の弟の恋バナも面白そう。
弟のほうがずっと純人よりも一層腹黒いとか…
広希はプロデューサーらしいので、難波が『TOB(仮)』の結末を映像化するとしたらと名が挙がった美男俳優と絡めたら面白そうだな…。

0

出版社が舞台

表題作と後日談的SSが収録されています。攻めが過去に愛した女性の話が出ますので、そういうのが苦手な方はご注意ください。

「辞めるまでにしたい10のこと」
純人の目線で進みます。
新社長・難波(攻め)にたきつけられ、TOBの本をつくることになった純人(受け)は、その本を最後に退職することを決める。辞めるにあたり、その前にやりたいことを映画に倣って10のリストを作ることにして…という話です。

「恋人としたい10の××」
7ページ。難波の目線で進みます。
純人をどうやってベッドまでつれこむか、で悩む難波。一方、やってきた純人は、「背を伸ばす10の方法」を調べていて…。要はラブラブなある日の話です。

出版社が舞台で、いろんなアイデアや難波メソッドが飛び出します。単に面白いと流せば良いのに、つい役に立つかもと考えてしまう貧乏性な自分は、頭の中でメモを取ってしまい、なかなか読み進められませんでした。そういうのがない方は、難しい内容ではないので一気に読めると思います。

難波は純人を最初は、外見は可愛いけれど、したたかで腹黒いと評していましたが、読み終えてみたら、結局は内面も可愛くて、それにやられたんだということで、腹黒さという設定が活かされてなかったのが残念でした。あと、難波自身が語ってた、自分と似ているから好きになったという思考は、私はいまいち納得できませんでした。

明るい雰囲気で、悪い人のいない心地よい楽しい作品です。双子の弟、女社長、先輩など脇キャラも登場しますので、二人きりであれこれしている閉塞感はありません。仕事もの、無愛想気味な男前攻め、可愛い年下受けがお好きな方にお勧めします。

4

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